イラク情勢を踏まえ金融庁対策本部を設置・開催 (3月20日) |
第12回金融審議会金融分科会第二部会において部会報告書「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」をとりまとめ(3月27日) |
目 次 |
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I |
金融庁では、去る3月13日、最近の株式市場がイラク情勢などの国際情勢の緊迫化を背景に不安定な状況となっていることを踏まえ、投資家の市場に対する不安感を払拭し、株式市場の適正な運営を図る観点から、(1)厳格な市場監視、(2)適正な価格形成の確保、(3)証券会社の自己売買に関するリスク管理の徹底、(4)自己株取得規制の緩和、(5)機関投資家の適切な資金運用(適切な貸株運用)の確保、(6)株式売却の際の市場の状況への配慮要請の6項目を内容とする「株式市場の適正な運営の確保について」をとりまとめ、これらの方策を直ちに講じることとしました。 |
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II |
具体的な方策の内容及びその実施状況については、以下のとおりとなっています。 |
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◎ 金融再生プログラムの実施状況(図)(平成15年4月22日現在) |
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I |
担保評価の厳正な検証について 「金融再生プログラム」(平成14年10月)では、資産査定の厳格化を図る観点から、「鑑定評価を担保評価に用いている場合には、原則として独立した不動産鑑定士による法定鑑定を用いる方向で検討する」こととされました。これを踏まえ、銀行から独立した鑑定業者への依頼、銀行が合理的・客観的に担保評価額を求めることが難しい特殊な案件で高額なものを対象とした法定鑑定の実施などを含む、法定鑑定の運用強化とその明確化について、去る3月14日、主要行に対し要請を行いました。 なお、銀行の担保評価については自行評価の活用が行われているケースが多いという実態を踏まえ、自行評価の精度の一層の向上を確保する観点から、自行評価の運用の強化についても併せて要請を行いました。 |
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II |
リレーションシップバンキングの機能強化に向けて(金融審議会金融分科会第二部会報告書) 金融審議会金融分科会第二部会においては、昨年10月30日に発表された「金融再生プログラム」及び11月29日に発表された「金融再生プログラム作業工程表」を受けて、「リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループ」を設置し、本年1月から3月まで計7回の審議を行うとともに、中小・地域金融機関のエンドユーザーである地域の中小企業の方々の意見を把握するために2回の地方懇談会(大阪市及び仙台市)を開催した上で、「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」と題する報告書を取りまとめ、去る3月27日に公表しました。 報告書は、4つの部分に分かれています。第1は、「リレーションシップバンキングの意義と有効性」と題する部分で、理念的なリレーションシップバンキングを念頭においてその意義と有効性を指摘しています。第2は、「わが国のリレーションシップの現状」と題する部分で、リレーションシップバンキングの主要な担い手である中小・地域金融機関が展開している業務の現状を整理した上で、それが本来のリレーションシップバンキングの姿から乖離している面があることを指摘しています。第3は、「リレーションシップバンキングの機能強化の必要性とその基本的考え方」と題する部分で、第2の部分で整理した現状を踏まえ、中小・地域金融機関がリレーションシップバンキングの機能強化に取り組むべきこと及び機能強化にあたっては、中小・地域金融機関と借り手企業がリスクの共同管理、コストの共同負担を行いつつ、より高い付加価値を生み出すことを目指すべきとしています。第4は、「リレーションシップバンキングの機能強化に向けた具体的な取組み」と題する部分で、(1)中小・地域金融機関の取組み、(2)情報開示等による規律、(3)監督当局による規律、(4)中小企業金融の円滑のための新たな工夫などリレーションシップバンキングを取り巻く環境整備、の4つに分けて具体的に求められる取組みを指摘しています。 |
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◎ リレーションシップバンキングの機能強化に向けて(第二部会報告)の概要 |
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III |
リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム −中小・地域金融機関の不良債権問題の解決に向けた 中小企業金融の再生と持続可能性(サステナビリティー)の確保− 「金融再生プログラム」(平成14年10月)及び「作業工程表」(同11月)において、中小・地域金融機関(地方銀行、第二地方銀行、信用金庫及び信用組合)の不良債権処理については、同プログラムが対象とした主要行とは異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」のあり方を、金融審議会で多面的な尺度から検討の上、年度内を目途にアクションプログラムを策定することとされました。 これを受けた金融審議会金融分科会第二部会報告書「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」(平成15年3月27日発表)では、「平成16年度までの2年間を地域金融に関する『集中改善期間』とした上で、それぞれの中小・地域金融機関が本報告書の提言に沿ってリレーションシップバンキングの機能を強化し、中小企業の再生と地域経済の活性化を図るための各種の取組みを進めることによって、不良債権問題も同時に解決していくことが適当と考えられる。」とされました。 上記報告の提言を踏まえ、金融庁において、平成16年度までの「集中改善期間」中に各金融機関及び行政が取り組むべき、(1)中小企業金融の再生に向けた取組み、(2)各金融機関の健全性の確保、収益性の向上等に向けた取組み、(3)アクションプログラムの推進体制からなる「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」を取りまとめ、平成15年3月28日に公表したところです。 |
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IV |
有価証券報告書等の記載内容の適正性に関する代表取締役の確認について 「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正が行われ(3月31日公布)、有価証券報告書等の提出者の代表者が、当該有価証券報告書等に記載された事項が適正であると確認しその旨を記載した書面を当該有価証券報告書等に添付しようとする場合には、当該有価証券報告書等の添付書類とされることとなります(平成16年3月期の有価証券報告書から適用。ただし、平成15年3月期の有価証券報告書についても適用できます)。この府令の公布にあわせて、主要行に対し、平成15年3月期の有価証券報告書から実施するよう要請を行いました。 |
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V |
公的資金による資本増強行(主要行)に対するガバナンスの強化について −経営健全化計画未達に係る監督上の措置の厳格化 及び転換権行使条件の明確化− 公的資金による資本増強を受けた銀行は、経営健全化計画を作成し、その履行状況を公表することで、基本的にパブリックプレッシャーに基づく自助努力により経営を健全化していきます。しかし、的確に履行されていない場合、例えば当期利益が計画値を3割以上下回っているような場合には、必要に応じて報告徴求や業務改善命令の発出といった監督上の措置を講じ、また、例えば自己資本比率が4%未満(国際基準行)となった場合には、政府が保有する優先株の転換権を必要に応じて行使して普通株主となることで、資本増強行に対するガバナンスを確保することとしています。 昨年10月30日に公表した「金融再生プログラム」を踏まえ、以上のガバナンスの枠組みについて、監督上の措置の厳格化・転換権を行使する基準の明確化を行い、監督上の措置と転換権の行使を有機的・一体的に運用して資本増強行に対するガバナンスの強化を図るため、去る4月4日、「公的資金による資本増強行(主要行)に対するガバナンスの強化について」というガイドラインを公表いたしました。 その具体的内容は、次の通りです。 |
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VI |
特別支援金融機関における「管理会計上の勘定分離」について 「金融再生プログラム」(平成14年10月)においては、「特別支援を受けることとなった金融機関においては、新勘定と再生勘定に管理会計上分離し、適切に管理する。」とされていることから、その仕組みについて整理したものです。 具体的には、特別支援を受ける原因にもなった不良債権等の資産に対応する部分を「再生勘定」、その他の部分を「新勘定」に管理会計上分離して、それぞれ「適切に管理」していくものです。 |
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VII |
「特別支援金融機関」に対する経営監視について 金融再生プログラムにおいては、経営難や資本不足等に陥った金融機関に対し、日銀特融や預金保険法に基づく公的資金投入を行うこと等を定めた特別支援の枠組みが用意されています。この枠組みが適用された金融機関(「特別支援金融機関」と言います)に対し、コンプライアンスの維持に万全を期するために徹底した検査・監督による経営監視を行えるよう、以下の施策を講じることとしました。 |
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VIII |
自己資本比率の算定に関する外部監査の導入について 「金融再生プログラム」(平成14年10月)及び「金融再生プログラム」作業工程表(同11月)を受けて、金融機関の自己資本比率の算定に関する外部監査の導入にあたり、以下のような措置を講ずることとし、4月4日、主要行及び主要行を子会社とする銀行持株会社に対して、外部監査を受けることを要請しました。 |
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法令遵守の意思なく貸金業登録を行うような悪質な業者の排除に資するため、金融庁では、平成15年4月1日を目処に、登録(新規登録及び登録換え)申請時の審査等の一層の強化を図るよう、各財務局に指示を行うとともに、都道府県に対して助言、勧告を行いました。 |
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本文等をご覧になりたい方は、金融庁ホームページの「報道発表など」から、「貸金業の登録審査等の一層の強化について」(平成15年3月18日)にアクセスしてください。 |
平成15年3月20日、米国等によるイラクに対する武力行使が開始されたことを踏まえて、政府、金融庁等がとった対応・対策等は、以下のとおりです。
平成15年3月20日(木)、米国などによる対イラク武力行使の開始を受け、政府はイラク問題に関する対処方針の決定等を行いました。 |
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政府における対応などについては、首相官邸ホームページの「イラク問題関連情報」アクセスしてください。 |
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I 金融庁対策本部の設置・金融担当大臣談話の公表 |
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金融庁対策本部について、詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表など」から「「金融庁対策本部」の設置について」(平成15年3月20日)にアクセスしてください。また、金融担当大臣談話については、金融庁ホームページの「大臣談話など」から金融担当大臣談話(平成15年3月20日)にアクセスしてください。 |
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II 海外金融・市場当局との連絡状況 金融庁は、3月18日(火)のブッシュ米大統領演説直後より、米SEC等、米国・欧州・アジア太平洋の海外市場当局等と頻繁に連絡を取り合っております。 各国市場当局も、株式市場に関する特段の措置は取っておらず、通常どおりの取引を行っており、引き続き状況を注視するとの方針です。また、在外公館・日本銀行海外事務所等を通じ、海外の中央銀行の対応についても情報を収集していますが、欧州中央銀行が20日(木)に「必要があれば何時でもアクションをとる用意がある」旨の声明を公表した他は、各国中央銀行において特段の対応はとられていない模様です。 III テロ資金対策の実施 3月20日(木)に開催された政府のイラク問題対策本部において、テロ資金対策が、緊急性の高い対応策の一つとされました。これを受けて、金融庁は、同日、金融機関等に対し文書により、顧客等の本人確認等の徹底、及びテロリズムに対する資金供与の疑いのある取引の遅滞なき届出を要請しました。 また、金融庁は、疑わしい取引の届出のうち、テロ資金供与等の犯罪捜査に役立つと判断した情報を、引き続き速やかに警察等の捜査機関に提供するとともに、テロ資金の疑いのある情報について外交当局との間で情報交換を促進することなどにより、今後もテロ資金対策に取り組んでまいります。 |
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テロ資金対策について、詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表など」から「「顧客等の本人確認の徹底及びテロリズムに対する資金供与等の疑いがある取引の届出について」の発出について」(平成15年3月24日)にアクセスしてください。 |
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IV 周辺国等における我が国金融機関の状況 現時点で金融庁が把握している我が国の金融機関(主要行、証券会社、損害保険会社)の中東における拠点(支店、駐在員事務所)等の状況は、(1)イラクには拠点なし、(2)周辺6カ国・17拠点、派遣職員数23人となっております(4月15日(火)10時現在)。金融庁としては、引き続き、我が国金融機関の中東における拠点、派遣人員の状況について把握してまいります。
日本銀行においても、3月20日(木)、米国等による対イラク武力行使が開始されたことを踏まえ、総裁を本部長とする対策本部を設置し、第1回対策本部を開催するとともに、「米国等による対イラク武力行使に伴う経済金融面への影響を注視しつつ、流動性供給を含め、金融市場の安定確保に万全を期す方針である」との総裁談話を発表し、公開市場操作を通じ金融機関に向けた1兆円を即日供給しております。 |
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日本銀行総裁談話については、金融庁ホームページの「インフォメーション」の中の「リンク集」から「日本銀行」のホームページに入り、「会見・談話・講演」から「3月20日 総裁談話・対イラク武力行使について」にアクセスしてください。 |
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東京証券取引所等においては、米国等によるイラクへの武力行使は多くの市場参加者に予見されていた事態であったことから、武力行使開始後も通常どおり取引を継続することとし、投資家の冷静な投資行動と取引参加者である証券会社の適切な投資勧誘等を要請する取引所の社長・理事長談話を3月20日(木)に発表いたしました。 なお、欧米市場においても通常どおりの取引が行なわれています。 |
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東京証券取引所社長談話については、金融庁ホームページの「インフォメーション」の中の「リンク集」から「関連業界協会等」の「東京証券取引所」のホームページに入り、「東証からのニュース」から「2003/03/20 社長談話」にアクセスしてください。 |
米国の公開会社会計監督委員会(PCAOB)の規則案への パブリック・コメントの発出について (米国の企業会計改革法への対応) |
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.米国の企業会計改革法への対応 金融庁は、昨年7月末に成立した米国の企業会計改革法(サーベーンズ=オクスリー法)の適用が我が国の監査法人や米国上場の日本企業に及ぼす影響などにかんがみ、同法に基づく米国証券取引委員会(SEC)規則案について、パブリック・コメントを発出するなど、米国SECと建設的な対話を行ってきました(注1)。 |
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.米国の公開会社会計監督委員会(PCAOB)の規則案 米国の公開会社会計監督委員会(PCAOB:Public Company Accounting Oversight Board)(注2)の規則案(3月4日付)は、米国の会計事務所のみならず、米国上場の外国企業(日本企業を含む)に関して監査報告書を準備・提供し、またはこれに重要な役割を果たしている外国の会計事務所(我が国の監査法人を含む)についても、PCAOBへの登録を義務付ける内容となっています。 |
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.パブリック・コメントの発出 |
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