アクセスFSA 第47号(2006年10月)
戴 相龍 天津市長の表敬訪問を受ける山本大臣(10月24日) 財務局長会議において挨拶する山本大臣(10月25日)
戴 相龍 天津市長の表敬訪問を受ける山本大臣(10月24日) 財務局長会議において挨拶する山本大臣(10月25日)

目 次
【トピックス】
 ○  北朝鮮関連の金融庁の一連の措置について
 ○  新しい金融商品取引法制について(パンフレット)
 ○  「金融庁の1年(平成17事務年度版)」について
 ○  わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて(論点整理(第三次))
 ○  足利銀行の受皿に関するワーキンググループについて
 ○  大臣、副大臣、政務官の交代について
【特  集】
 ○  本人確認法施行令等の改正について
【金融ここが聞きたい!】
【お知らせ】
 ○  大臣・副大臣・政務官への質問募集中
 ○  新着情報メール配信サービスへのご登録のご案内
【9月の主な報道発表等】


【トピックス】
 
北朝鮮関連の金融庁の一連の措置について


 本年7月16日の国連安全保障理事会において、北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する資金の移転防止を盛り込んだ決議が全会一致で採択されたことを受け、わが国政府においては、9月19日に「北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する資金の移転を防止する等の措置について」が閣議了解され、資金移転防止措置の対象者に指定された北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する者(15団体・1個人)に対し外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく資金の移転を防止する等の措置が行われることになりました。


 この措置を踏まえ、金融庁においては、金融機関等に対し本人確認義務等の履行の徹底及び組織的犯罪処罰法に基づく「疑わしい取引」の届出の徹底を要請しました。


 更に今般、北朝鮮の核実験に関し、10月11日に対北朝鮮輸入禁止等の措置が閣議了解されたことを受け、10月13日に「対北朝鮮輸入禁止等に伴う当面の緊急対策について」が取りまとめられました。同日、金融庁としては、この対策の内容を踏まえ、全国銀行協会等の関係諸団体に対し、3点の要請を行いました。
 
(1)  当該緊急対策等の内容を周知すること
(2)  対北朝鮮輸入禁止等に伴い影響を受ける方々に対し、その実情に応じて、関連する貸出の円滑化、貸出金の返済猶予などの適切な対応に努めるよう要請すること
(3)  これらの取組みについて、関係諸団体において適切にフォローアップすること


 更に、この要請文では、上記3点に加え、9月19日の閣議了解を踏まえ、引き続き、金融機関による本人確認や疑わしい取引の届出について、対応の徹底を要請したところです。


 また、10月17日には、これら措置について、財務局等に対し、(1)各金融機関の態勢整備の概要、及び(2)貸出の円滑化及び貸出金の返済猶予の実績、について、フォローアップの上、報告するよう要請しています。

 現在、国連による北朝鮮制裁決議の採択を受けた対応について政府として検討が進められているところですが、金融庁としては、北朝鮮に対する今後の国際的な取組みや、国内の金融機関等の動きについて、引き続き注視していき、必要に応じ適切な措置を講じてまいります。


 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する資金の移転を防止する措置について」(平成18年9月19日)およびに「対北朝鮮輸入禁止等に伴う当面の緊急対策に係る金融庁の措置について」(平成18年10月13日)アクセスしてください。

新しい金融商品取引法制について(パンフレット)

 先の通常国会において、「証券取引法等の一部を改正する法律」及び「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が成立し、平成18年6月14日に公布されました。
 この法改正は、4法律の廃止及び89法律の改正を行うものであり、その内容も広範にわたっています。そこで、金融庁では、この法改正の概要を分かりやすく解説するために、パンフレット「新しい金融商品取引法制について」を作成いたしました。
 このパンフレットでは、金融商品取引法制を以下の4つのテーマに大別して、図やイラストを用いて解説しています。

(1)

 投資性の強い金融商品を幅広く対象とする横断的な利用者保護法制(いわゆる投資サービス法制)の構築

(2)

 開示制度の拡充

(3)

 取引所の自主規制業務の適正な運営の確保

(4)

 不公正取引などへの厳正な対応

新しい金融商品取引法制について(パンフレット)

 このパンフレットは、全国の財務局又は財務事務所において配布するとともに、金融庁ホームページに掲載しています。また、英語版パンフレットを金融庁英文ホームページに掲載しています。ご活用いただければ幸いです。


 詳しくは、金融庁ホームページの「金融庁の政策」内の「政策の一覧へ」からPDF「「新しい金融商品取引法制について」(パンフレット)」(平成18年9月19日)にアクセスして下さい。
 また、金融商品取引法制の概要については、「アクセスFSA」第44号第45号第46号と3回にわたって、特集「金融商品取引法制の概要について」を掲載していますのでご参照下さい。

「金融庁の1年(平成17事務年度版)」について

 金融庁は、我が国の金融の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るとともに金融の円滑を図ることを任務として、透明かつ公正な行政を行っています。

 平成17事務年度(平成17年7月〜平成18年6月)においては、不良債権問題が正常化する中で、金融機関が積極的にリスクを取っていけるような「正常な金融」の復活に向けて、金融・資本市場の構造改革と活性化を一層図るとともに、金融商品・サービスの利用者が安心感と信頼感を持って取引できる環境を整備するための、各般の取組みを進めてまいりました。

 例えば昨年10月には、金融機関の販売チャネルを多様化し、顧客の金融サービスへのアクセス改善と金融機関の業務の効率化を図る制度設計として、銀行法等の改正による銀行代理店制度を見直しました。また、本年6月には、金融・資本市場を取り巻く環境の変化に対応し、投資者保護を拡充するための横断的な法制として、証券取引法を改組して「金融商品取引法」(いわゆる投資サービス法制)とする法律等が成立しました。

 さらに、金融商品・サービスを巡る苦情・トラブルや金融犯罪の急増、金融・資本市場の公正・信頼を損なうような不正取引やシステム不具合の頻発など、金融システムの安全・安心という点に照らして看過できない問題が多発したことを踏まえ、利用者の安心を確保し、市場の信頼性向上を図るための各種施策にも取り組んでまいりました。

 「金融庁の1年」はこうした金融庁の平成17事務年度における様々な取組みを、制度の企画立案、検査、監督の各般にわたって取りまとめたものです。
 「金融庁の1年」が、国民にとって、金融庁並びに金融行政に対する理解を深めていただくきっかけとなることを期待しています。


 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「金融庁の1年(平成17事務年度版)について」(平成18年9月15日)にアクセスしてください。

わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて(論点整理(第三次))

 金融担当大臣の私的懇談会である、「証券取引所のあり方等に関する有識者懇談会」(座長:成田豊 (株)電通最高顧問)は、昨年11月以降に証券取引所において発生したシステム障害等を受けて開催され、システム問題や上場規則をはじめとする取引所ルールのあり方等について議論を行い、論点整理等の形でその成果を発信してきました。


 証券取引所のシステムに関しては、金融庁ホームページの「報道発表資料」から、「証券取引所のシステム整備のあり方等に関する論点整理(第一次)」(平成18年2月23日)並びに「証券取引所のシステム整備のあり方等に関する論点整理(第二次)」及び「証券取引所システム整備等に関する工程表」(平成18年3月31日)にアクセスしてください。

 当懇談会では、それまでのシステム関係の議論に引き続き、第6回会合(平成18年6月30日)から4回にわたり、取引所の上場や自主規制機能との関係、世界的視野の中でのわが国取引所市場のあり方など、わが国取引所が今後直面すべき様々な問題について意見を交換し、懇談会における議論の内容を整理して、先般「わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて(論点整理(第三次))」(平成18年9月13日)として公表しました。
 この論点整理は、昨年来生じた証券取引所をめぐる諸問題に関しての有識者による検討という観点からは、一つの区切りとなるものであり、そこで示された指摘や提言は、あくまでも有識者の立場で望ましい方向性を示したという性質のものではありますが、今後、わが国証券取引所の業務運営の中で活かされていくことが期待されます。


 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて(論点整理(第三次))」(平成18年9月13日)にアクセスしてください。

足利銀行の受皿選定に関するワーキンググループについて

 足利銀行については、平成15年11月29日、預金保険法第102条の規定に基づき、金融危機対応会議の議を経て、第3号措置(一時国有化)が講じられた以降、同行において、様々な抜本的な経営改革等の取組みが進められております。
 こうした取組みが着実に成果をあげていることを踏まえ、同行の受皿について具体的な検討を開始することとしました。
 受皿の選定に当たっては、
 「金融機関としての持続可能性」
 「地域における金融仲介機能の発揮」
 「公的負担の極小化」
という三つの基本的な視点に立って、検討を進めていくこととしています。
 受皿選定作業の進め方は、以下のとおりです。
 第1段階として、受皿に求める基本的な条件を提示して受皿候補先を募り(公募要領を公表)、事業計画の提出を求める候補先を選定。
 第2段階として、第1段階で選定した候補先に対し、足利銀行の受皿移行後の事業計画を提出するよう要請。その内容を審査して、譲受条件等の提出を求める候補先を絞り込む。
 第3段階として、第2段階で絞り込んだ候補先に対し、足利銀行の企業価値を適正に評価したうえで譲受条件及び必要な修正を加えた事業計画を提出するよう要請。それらの内容を審査して、最終的に受皿を決定。

 こうした作業を進めていくに当たり、外部の有識者より専門的立場からアドバイスを受けるとともに、地域の意見を伺う場として、金融庁長官の私的懇談会である、「足利銀行の受皿選定に関するワーキンググループ」(座長:村本孜 成城大学教授)を開催することとしました。
 同ワーキンググループは、9月5日(火)の第1回会合以降、これまでに3回開かれ、栃木県知事より金融担当大臣出席の下で足利銀行の受皿選定に関する地域のご意見、ご要望等を伺い、また、公募に当たって受皿に求める基本的な条件について議論を行いました。
 当庁としては、足利銀行が栃木県を中心とする地域において利用者の信頼を確立し、金融仲介機能を持続可能な形で発揮できるよう、適切な受皿の選定に向けて努力してまいりたいと考えています。


 詳しくは、金融庁ホームページの「審議会・研究会等」から「足利銀行の受皿選定に関するワーキンググループ」にアクセスしてください。
 
福田栃木県知事が足利銀行受皿に関する要望書を山本大臣に提出(10月16日)

大臣、副大臣、政務官の交代について

 平成18年9月26日(火)、安倍 晋三 議員が第90代内閣総理大臣に就任され、午後、内閣府特命担当大臣(金融)・再チャレンジ担当に山本 有二 議員が就任されました。
 山本 内閣府特命担当大臣(金融)・再チャレンジ担当は官邸における大臣就任挨拶で次のように述べられました。

 「再チャレンジ担当、金融担当を拝命いたしました山本有二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 安倍総理総裁が、総裁選挙で公約されました再チャレンジ政策、またはそれ以前に今年5月に中間取りまとめが行われた政策でもございますが、努力した人が報われ、失敗しても何度でも再チャレンジできる、そういう社会の実現のために努力して欲しいとお言葉がございました。関係大臣、各大臣と協力いたしまして真剣に取り組んでいきたいと思っております。
 また、金融担当でございますが、この金融行政の目的であります利用者保護、公正で透明な市場機能の整備、また信用秩序の維持のために先頭に立って頑張る所存でございます。特に、安定期から活力を備えなければならないこの時期にありまして、再チャレンジに最も障害となっております多重債務者問題等を解決していきたいと考えております。以上でございます。宜しくお願いいたします。」

 その後、皇居にて行われた親任式・認証式に出席した山本大臣は、閣議出席後、金融庁がある中央合同庁舎第4号館に初登庁され、閣議後大臣会見に臨まれました。
 翌27日(水)には金融庁大臣室において与謝野前大臣との引継ぎが執り行われ、同日午後には渡辺 喜美 内閣府副大臣(経済財政・金融・再チャレンジ担当)、及び田村 耕太郎 内閣府大臣政務官(経済財政・金融・再チャレンジ担当)が初登庁されました。
 
閣議後大臣会見を行う山本大臣(9月26日)

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