年度末金融の円滑化に関する意見交換会で挨拶する山本大臣(3月5日) 「はじめての金融ガイド 金融取引の基礎知識」を作成・公表(2月28日)
年度末金融の円滑化に関する意見交換会で挨拶する山本大臣(3月5日) 「はじめての金融ガイド 金融取引の基礎知識」を作成・公表(2月28日)
目 次
【トピックス】
 偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について
 保険会社向けの総合的な監督指針等の一部改正について
 「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令(案)」の公表について

【特  集】
 「お金の使い方について考えるシンポジウム」の開催について
 企業会計審議会の意見書の公表について

【金融ここが聞きたい!】

【お知らせ】
 「はじめての金融ガイド 金融取引の基礎知識」の作成について
 大量保有報告書の提出に関する留意事項について(EDINETによる提出の義務化)
 キャッシュカードの管理等に関する注意喚起について
 インターネットバンキングにおける不正振込み等について
 「行政処分事例集」の更新について
 新着情報メール配信サービスへのご登録のご案内

【2月の主な報道発表等】

【トピックス】

偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について

金融庁では、預貯金者保護法の施行から1年を迎えたことから、偽造・盗難キャッシュカード犯罪、盗難通帳犯罪及びインターネットバンキング犯罪について、平成18年12月末までの被害の発生状況及び金融機関による被害者への補償状況を取りまとめ、平成19年3月1日(木)に公表を行いました。

<被害の発生状況及び補償状況の概要>

  • (1)偽造キャッシュカードによる被害については、平成17年度892件、平成18年度は12月までの9ヶ月間で357件、盗難キャッシュカードによる被害については、平成17年度6,037件、平成18年度は12月までの9ヶ月間で5,235件でした。

    一方で、補償については、処理方針決定済みの被害のうち、偽造キャッシュカード被害では98.1%を、盗難キャッシュカード被害では67.3%を金融機関が補償しています。

  • (2)盗難通帳による被害については、平成17年度284件、平成18年度は12月までの9ヶ月間で185件、インターネットバンキングにおける被害については、平成17年度49件、平成18年度は12月までの9ヶ月間で55件でした。

    一方で、補償については、処理方針決定済みの被害のうち、盗難通帳被害では20.9%を、インターネットバンキングにおける被害では51.3%を金融機関が補償しています。

    • (注)平成18年度の被害発生件数等は、平成18年12月末までの9ヶ月間の数値であること、また、平成19年1月15日までに各金融機関から報告された被害を取りまとめたものであること等から、今後増加する可能性があります。

金融庁としては、引き続き、犯罪手口の多様化等を踏まえた情報セキュリティ対策の向上及び適切な顧客対応が図られるよう、金融機関の取組みを注視してまいります。

また、依然として、偽造・盗難キャッシュカード犯罪等が多数発生していることから、預貯金者の皆様におかれましては、自ら防犯対策に努めて頂きますようお願いいたします。


保険会社向けの総合的な監督指針等の一部改正について

金融庁は、平成19年2月22日、「保険会社向けの総合的な監督指針」及び「少額短期保険業者向けの監督指針」(以下、両者をあわせて「監督指針」という。)を改正しました。

具体的には、

(1) 「契約の申込みを行おうとする保険商品が、顧客のニーズに合致した内容であることを確認する機会を確保するための保険会社の体制整備の明確化」、

(2) 「保険持株会社の子会社等にかかる業務範囲の明確化」、

(3) 「保険商品審査上の留意点等に関する所要の手当て」、

の3点について改正を行いました。

本コーナーにおいては、その中でも、消費者の皆様のご関心も特に高いと思われる、(1)に係る監督指針改正の経緯・概要について説明いたします。この改正は、消費者がニーズに合致した保険商品を購入するための金融庁の取組みの一つであり、保険会社が消費者に対して保険商品の販売・勧誘を行う際のルール整備の一環です。

I.改正の経緯

  • 1.  「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」において、平成18年3月に公表したPDF「中間論点整理~適合性原則を踏まえた保険商品の販売・勧誘のあり方~」では、消費者がニーズに応じた保険商品を購入する機会を確保するため、次のような整理が行われました。

    • (1)消費者が自らのニーズに合致した保険商品を適切に選択・購入するための方策として、「意向確認書面」(顧客のニーズに関して情報を収集し、保険商品が顧客のニーズに合致することを確認する書面)を作成し、交付・保存するといった仕組みを設けることが有効

    • (2)「意向確認書面」には、次の内容を記載することを求めること

      • 募集人等が知り得た顧客のニーズに関する情報
      • 推奨する保険商品が顧客のニーズに合致すると考えた主な理由
      • 満たされない顧客のニーズなど特に記載すべき事項
    • (3)「意向確認書面」については、監督指針においてそのルールを明確化すること

  • 2.  上記中間論点整理を踏まえ、金融庁において「意向確認書面」の内容や適用範囲等につきどのようなルールとすべきか検討を重ね、以下のような監督指針の改正を行い、保険会社に求められる体制整備の明確化を図ることとしました。

II.改正の概要

契約の申込みを行おうとする保険商品が、顧客のニーズに合致した内容であることを確認する機会を確保するため、保険会社が以下の内容に則った体制整備を行う必要があることを明確化しました。

  • 1.「意向確認書面」の導入

    消費者が自らのニーズに合致した保険商品を適切に選択・購入するための方策として「意向確認書面」という制度を導入することとしました。

    「意向確認書面」とは、契約の申込みを行おうとする保険商品が顧客のニーズに合致しているものかどうかを、顧客が契約締結前に最終的に確認する機会を確保するために、顧客のニーズに関して情報を収集し、保険商品が顧客のニーズに合致することを確認する書面のことを指します。

    このような「意向確認書面」を保険会社と顧客が共同で作成し、保険会社が顧客に交付の上、保険会社においても保存すること、を求めています。

    その具体的な内容は、以下のとおりです。

    • ≪「意向確認書面」の記載事項≫

      「意向確認書面」に記載すべき事項を、以下のように定めました。

      • 顧客のニーズに関する情報
        保険商品が顧客のニーズに合致した内容であることを確認するために、最低限必要と考えられる顧客のニーズに関する情報を収集のうえ、記載するものとしています。
      • 当該保険商品が顧客のニーズに合致すると考えた主な理由
      • その他顧客のニーズに関して特に記載すべき事項
        具体的には、特記事項欄を設け、特に顧客から強く要望するニーズがあった場合のニーズに関する情報、等を記載するものとしています。
      • 募集人等の氏名・名称
    • ≪「意向確認書面」の確認・交付・修正≫

      保険会社に対し、「意向確認書面」により、保険契約を締結するまでに、顧客が申込みを行おうとしている保険商品が顧客のニーズと合致しているか否かの確認を行い、遅滞なく交付することを求めています。

      更に、「意向確認書面」の記載内容のうち、特に顧客のニーズに関する情報については、顧客に対して事実に反する記載がないかを確認するとともに、顧客から当該部分の記載の修正を求められた場合には、速やかに対応を行なうことを求めています。

    • ≪「意向確認書面」の適用範囲≫

      特に顧客のニーズを確認する必要性が高いと考えられる以下の保険商品について、募集人等と顧客が共同のうえ、相互に顧客のニーズに関する情報の交換をする募集形態により販売・勧誘が行われる場合に、「意向確認書面」を適用することとしました。

      • 変額年金保険、外貨建て保険等の投資性商品
      • 生命保険商品
      • 医療保険等の第3分野の保険商品(但し、身体告知を伴わない、海外旅行傷害保険や保険期間が1年以下の傷害保険を除くものとしています。)
  • 2.「意向確認書面」が適用されない場合への対応

    「意向確認書面」が適用されない場合においても、保険商品が顧客のニーズに合致しているものかどうかを、顧客が契約締結前に確認する機会を確保することは重要です。そのため、保険会社に対し、適切な社内規則等を定め、それに基づき業務運営を行うための体制を整備することを求めています。

  • 3.保険会社に求められる説明

    保険会社に対し、顧客が保険契約の内容等について、理解していないことや誤解していることが明らかである場合には、より分かりやすい説明や誤解の解消に努めることを、求めることとしました。

    加えて、募集人は、取り扱える保険会社の範囲や、健康状態等の告知を顧客から受けることが可能かどうかについても、説明することとしました。

III.実施時期

平成19年4月1日より実施することとしています。

ただし、各保険会社等においてこの日までに対応できない事情がある場合には、対応できない部分につき平成19年9月30日までその実施の猶予を認めています。

IV.おわりに ~消費者がニーズに合致した保険商品を購入するための取組み~

消費者が保険商品を適切に選択・購入することは、その内容の複雑性等から困難なのではないかという指摘があります。

金融庁は、消費者がニーズに合致した保険商品を選択・購入するための環境整備が必要と考え、保険会社から消費者への情報提供を強化する取組みを進めています。まず、昨年4月から、保険会社が消費者に提供すべき情報を「契約概要」、「注意喚起情報」に整理のうえ、保険会社が分かりやすい情報提供を行うことを求めています。

更に上記のとおり、今般「意向確認書面」の導入等、保険商品が消費者のニーズに合致した内容であることを確認する機会を確保するために保険会社に求められる体制整備の内容を明確化しました。

金融庁としては、保険会社が適切な体制整備を行うことにより、消費者がニーズに合致した保険商品を購入するための更なる環境整備が図られることを期待しています。

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「保険会社向けの総合的な監督指針」及び「少額短期保険業者向けの監督指針」の一部改正について(平成19年2月22日)にアクセスしてください。


「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令(案)」の公表について

金融庁では、銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令の改正案を公表しました。

改正内容は以下のとおりです。

1. 銀行法、信金法、協金法、労金法、信託兼営法及び信託業法施行規則別紙様式

  • (1)自己資本比率の状況

    平成19年3月期からのバーゼルII実施に伴い、「オペレーショナル・リスク相当額を8%で除して得た額」の追加等、バーゼルII告示に合わせ改正を行うものです。

  • (2)金融機関保証付私募債に係る注記の追加

    私募債を引き受け、保有している金融機関が、当該私募債の元本の償還及び利息の支払について保証を行っている場合、当該保証に係る「支払承諾」を「支払承諾見返」と相殺し、貸借対照表に計上しない会計処理とすることとしたことに伴い、注記事項に当該保証額を追加するものです。

  • (3)その他、所要の改正を行うものです。

2. 銀行法、長信銀法、信金法、協金法及び労金法施行規則別表

ディスクロージャー誌において公表を求める内容の平仄をとるため、各法の別表を改正するものです。

3. 金融機能再生法施行規則

自らの保証を付した私募債を引き受けている場合については、「支払承諾見返」を「支払承諾」と相殺することとしましたが、現行の金融機能再生法施行規則第4条においては、不良債権比率を計算する際の分母(「債権」)には、「支払承諾見返」は含まれますが「有価証券」は含まれていません。そこで、実質的に貸出代替商品である金融機関保証付私募債についても、分母に含めるべきと考えられることから、「債権」の定義に金融機関保証付私募債を加える改正を行うものです。

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令(案)」の公表について(平成19年2月6日)にアクセスしてください。


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