【金融ここが聞きたい!】

  • このコーナーは、大臣の記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。

    今号の「金融ここが聞きたい!」では、8月27日に就任されました 渡辺 喜美 内閣府特命担当大臣((金融)、国・地方行政改革担当 、公務員制度改革担当)の大臣就任記者会見から金融関係の部分を抜粋し、ご紹介します。

    もっとたくさんご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見等」のコーナーにアクセスしてください。

【就任記者会見冒頭:渡辺新大臣発言】

この度、金融担当、並びに行政改革・公務員制度改革担当を仰せつかりました渡辺喜美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

総理からこの担当を命じられましたこと、行政改革担当というのはだいたい想像はついていたのでございますが、金融担当というのは全く予期しておりませんでした。適材適所という観点から選んだということかと思います。もとより財務金融畑が長かったわけでございまして、行革担当になる以前、8ヶ月ほど前でございますが、金融担当の副大臣をやっておりました。そうしたことからご指名があったものと思います。8ヶ月も遠ざかっておりますと、勘が戻って参りませんが、しばらくすれば勘が戻ってくるのではなかろうかと思います。行政改革のほうは、引き続きの任務でございますので、どうぞよろしくお願いします。

Q: 主要行の収益力強化の問題ですとか、地域金融機関に関しても健全化というものが、若干遅れているということがあると思うのですけれども、金融の現状についてどのように思われていますか。

A: 分野によって違うのだろうと思います。保険の方は、いち早くビックバンに巻き込まれた業種であろうかと思います。そうしたビックバン先行組が、不払い問題等の問題に真っ先に歪みが出てきたといいますか、ビックバンの対応を焦ってですね、商品の乱開発等が起こってしまったんだろうと思います。そうしたことを監督の立場から冷静に見てきて、今日に至っているわけであります。一方、銀行の方は、メガバンクの方は不良債権にはめどがついたものの、なかなか欧米などのような収益力の水準にはまだ追いついていないというところではないでしょうか。従って、そういったまだ病み上がりで、かなり健康体にはなってきましたけれども、まだ、欧米の大手行のように積極果敢にリスクを取れる状況ではなかった。逆にそういうことがですね、今日のサブプライム問題においては、安全天国といいますか、そういった所にいた結果、健全性の問題にまで発展することがなく、今あるのではなかろうかと思います。いずれにしても、この問題は、きちんと注意しながら見ていく必要があるわけでございまして、そういった注意を怠らずに考えていきたいと思っております。

Q: 今年6月の骨太の方針で、金融市場を強化することが明記されて、年末までに課題として残っていますけれども、いろんな切り口があると思うのですが、大臣としてはどの辺りに優先順位をつけて取り組んでいくお考えですか。

A: やはりですね、日本が世界の成長とドッキングをしていく必要があろうかと思います。就中、アジアゲートウェイ構想において、アジアの成長と日本の成長をドッキングさせようという試みが行われているわけでございますから、そういった観点から、日本の金融資本市場が競争力の高い、かつお金を呼び込むことにおいて引けを取らない、そういった市場でなければならないと考えております。具体的な方策については、勘が戻りましてから、またお話をさせていただきたいと思います。

Q: 先程の質問で、地域金融機関に関する御認識を伺えなかったのですけれども、一部には、まだまだオーバーバンキングというような見方もありますし、地域金融機関の現状について、大臣の地元である足利銀行の受け皿選定作業については大詰めに来ていると思うのですけれど、その点について金融担当大臣ということでのやりにくさというのがあるか、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

A: オーバーバンキングであるか否かについては、いろんな御意見があろうかと思います。それぞれの地域金融機関において、相当真剣な取組みが行われているのではないかと、私の方は認識をしています。是非、将来といっても、もう既に相当の競争激化の兆候がある訳ですから、そういったことを睨んだ体制づくり、方針を打ち出していただきたいと思います。また、足利銀行の受け皿問題については、御案内のように、今、第二段階の最終局面に来ています。ここにおいて、候補の絞込みが行われるわけでありまして、この絞込みを行った上で、第三段階に参ります。大体、スケジュール的には、今月というわけにはいかないでしょうから、秋口には、第三段階に移行できるのではないかと思います。その上で、最終的な受け皿の決定を行う訳でございますが、今の段階でいつ頃というのは、なかなか言えない、そういう状況であります。いずれにしても、これは、栃木県を中心とした地域において、長続きのする金融仲介機能の発揮をしていただくことなどの観点から、絞込みを行っていきたいと考えております。また、私の地元であるが故に、私が今までの路線と違ったことをやるのではないか、という御懸念をお持ちの方がいらっしゃるとすれば、その点は全く心配には及びません。これは、与謝野金融大臣の時にスタートいたしまして、山本大臣に引き継がれ、今日に至っているわけでございますから、そうした議論の積み重ねは、きちんと私の方でも守ってまいりたいと考えております。安倍総理からも、この問題については厳正にやっていくように、との指示をいただいておりますので、そういう方向でやらせていただきたいと思っております。

Q: 金融商品取引法では、ファンドが監督規制の対象になります。あわせて、サブプライムの問題でもファンドの動きについて様々な議論があります。ファンド一般の問題について、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

A: サブプライムの話は、ご案内のように、どこにリスクがあるのかちょっとわからなくなってしまっているというところに、非常に厄介な問題があろうかと思います。実はこの問題は、2年以上前でしょうか、ニューヨーク連銀がCDS等について、その決済が、かなり時間がかかりすぎているのではないかという警告を発したことがあったかと記憶しております。従って、そういう観点から、この問題はかなり注意をして見ていく必要があろうかと思います。ファンドの中でも、そういったCDOやCDSがらみのものがあるわけでございますから、そういったことは、きちんと大変なことにならないようにウォッチをしていく必要があろうかと思っております。
 ついでながら、格付機関について、今までは、言論の自由という観点から事実上、野放しになっていた。しかし、この問題が起こりまして、やはり格付機関の方についても、何らかのウォッチ体制は必要ではないかという海外の動きがございますので、こういったことは、我が国としても参考にしていくところが多いのではないかと思います。

【平成19年8月27日(月)就任記者会見】


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