アクセスFSA 第151号(2016年1月)

アクセスFSA 第151号 (2016年1月)

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トピックス

(1)「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」報告の公表について

平成26年9月、麻生金融担当大臣より、金融審議会に対して、「決済サービスの高度化に対する要請の高まり等を踏まえ、決済及び関連する金融業務のあり方並びにそれらを支える基盤整備のあり方等について多角的に検討すること。」との諮問が行われました。これを受け、平成26年10月以降、決済業務等の高度化を巡る情勢や諸問題について関係者からのヒアリングを行いながら審議を行い、平成27年12月22日に金融庁ウェブサイトに報告書を公表しました。

本報告書では、主に、マル1リテール分野を中心に、金融・IT融合に対応した、利用者利便に資するイノベーションの推進、マル2企業の成長力を支える決済サービスの戦略的な高度化、マル3利用者利便の向上と国際競争力強化のための決済インフラ(全銀システム等)の改革、マル4仮想通貨に関する、マネロン・テロ資金供与対策及び利用者保護のためのルールの整備、の4点について、目指すべき方向性と具体的方策がまとめられています。

金融庁としては、本報告書の内容を踏まえ、制度面の手当てを含め、必要な対応を行っていきたいと考えています。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」報告の公表について」(平成27年12月22日)にアクセスしてください。

ワーキング・グループの過去の議事録等については、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」からアクセスしてください。


(2)金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」報告の公表について

平成27年3月、麻生金融担当大臣より、金融審議会に対して、金融グループの業務の多様化・国際化の進展等の環境変化を踏まえ、金融グループを巡る制度のあり方等について検討するよう諮問が行われました。これを受け、金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」(座長:岩原紳作 早稲田大学大学院法務研究科教授)が設置され、平成27年5月より、計9回にわたり、金融グループを巡る制度のあり方について関係者からのヒアリングを行いながら審議を行い、平成27年12月22日に報告書を公表しました。

本報告書では、日本の金融グループの経営管理の充実を図るとともに、グループ内の共通・重複業務の集約や金融関連IT企業等への出資を容易化することにより、金融グループ全体の業務運営におけるシナジー効果・コスト削減効果の発揮やイノベーションの取込み、ひいては、金融グループが提供するサービスの向上やそれを享受する利用者利便の向上に繋がることが期待されると記載されております。

金融庁としては、本報告書を踏まえ、必要な制度面での手当てを進めていきたいと考えています。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」報告の公表について」(平成27年12月22日)にアクセスしてください。

また、ワーキング・グループの過去の議事録等については、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」から「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」にアクセスしてください。


(3)「金融仲介の改善に向けた検討会議」について

金融庁は、昨年9月に公表した金融行政方針にあるとおり、外部の専門家の積極活用等により、金融行政について民間の有識者の有益な意見や批判が継続的に反映される意思決定の仕組みの構築に取り組んでいるところです。

その一環として、昨年12月18日(金)に、外部有識者により構成される「金融仲介の改善に向けた検討会議」を設置しました。

第1回会議は、昨年12月21日(月)に開催され、地方創生及び一億総活躍社会の実現に向けた課題や地域金融の現状と課題をテーマとして議論が行われました。

なお、会議は非公開ですが、会議後、議事要旨を金融庁ウェブサイトにて公表しています。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」から「金融仲介の改善に向けた検討会議」にアクセスしてください。


(4)「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」について

  • 1.ガイドライン策定の経緯

    我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降も、地震や暴風、豪雨等による様々な自然災害が発生しており、将来的にも、このような自然災害の影響によって、住宅ローン等を借りている個人や事業性ローン等を借りている個人事業主が、これらの既往債務の負担を抱えたままでは、再スタートに向けて困難に直面する等の問題が起きることが考えられます。

    こうした債務者への適切な対応は、自然災害からの着実な復興のために極めて重要な課題であり、東日本大震災に関して策定された「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」に係る対応を通じて得られた経験等も踏まえ、新たな債務整理の枠組みが望まれてきたところです。

    このような状況の中、金融機関が、自然災害の被災者である個人債務者の自助努力による生活・事業の再建を支援するために債務整理を行うに当たっての指針を取りまとめることを目標として、平成27年9月2日、一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」が設置されました。そして、同研究会における有識者等の議論を踏まえ、12月25日に、金融機関等関係団体の自主的自律的な準則として「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が策定・公表されました。

    本ガイドラインは、金融機関等の債権者及び各関係団体等による態勢整備や制度の周知を経た上で、28年4月1日から適用が開始されます。

  • 2.ガイドラインの概要

    このガイドラインの主な特徴は、以下のとおりです。

    • マル1債務者は、債権者との合意に基づく債務整理を行うことで、信用情報に登録され、生活・事業の再建に向けた新たな借入れが困難となるなどの不利益を被ることなく、債務免除を受けることができる。

    • マル2対象となる債務者は、本ガイドライン研究会設置(27年9月2日)後に災害救助法の適用を受けた自然災害の影響により、既往債務を弁済することができない又は近い将来に弁済できないことが確実と見込まれる個人の債務者(住宅ローン等の債務者及び個人事業者)。

    • マル3対象となる債権者は、主として金融機関等(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農林系金融機関、政府系金融機関、貸金業者、リース会社、クレジット会社、サービサー、保証会社等)。

    • マル4弁護士等の登録支援専門家が、中立かつ公正な立場から本ガイドラインの手続を支援。支援にかかる費用は全額国庫補助。

    • マル5登録支援専門家が債務者・債権者間の事前調整を行い、全債権者の同意(又はその見込み)を得た調停条項案により、債務者が簡易裁判所に特定調停を申立て、最終的に債務整理が成立。

    • マル6本ガイドラインに基づく債務整理を行った場合、債権者及び債務者の双方に課税関係は生じない(同研究会が国税庁に確認済)。

詳しくは「一般社団法人全国銀行協会新しいウィンドウで開きます」のウェブサイトにアクセスしてください。


(5)「地域の成長マネー供給促進フォーラム」仙台開催について

平成27年12月9日に、東北財務局(仙台市)において、「地域の成長マネー供給促進フォーラム」が開催されました。

「地域の成長マネー供給促進フォーラム」は、最近上場した地元企業や、地元ベンチャー企業の経営者をはじめとし、取引所、証券会社、地域金融機関、ベンチャーキャピタル、行政当局等の関係者が一堂に会し、資本市場をめぐる現状や課題について幅広く意見交換を行うとともに、地域への成長マネー供給に係る取組事例の紹介・共有等を図るため、各地域で開催しています。過去には平成27年6月の福岡および大阪で開催されました。

今回の仙台開催では、東北地方のベンチャー企業など地元企業から企業の成長フェーズに応じた資金調達、ベンチャーキャピタルや地域金融機関等から地域のベンチャー企業等に対する成長マネー供給について、幅広い経験に基づく事例や課題が示され、活発な意見交換が行われました。例えば、「リーマンショックや東日本大震災の苦しい時期にも、地元のベンチャーキャピタルや地域機関から、地域ならではの応援をしてもらった」、「特許等の知的財産や事業性に着目した投融資がもっと活発になれば、ベンチャー企業にとっては使いやすいのではないか」、「いわゆる第二の創業の際には、過去の既存事業の実績に引きずられて、ベンチャーキャピタルから新事業についてなかなか評価してもらえない面がある」などの意見が聞かれました。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報・報道」から「「地域の成長マネー供給促進フォーラム」仙台開催について」にアクセスしてください。


(6)「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第4回)について

「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」は平成27年10月20日に第2回会合を、同年11月24日に第3回会合を開催したところですが、同年12月22日(火)に第4回会合を開催しました。同会合では、第2回に引き続き「取締役会等をめぐる論点」を議題とし、取締役会やCEOの選解任について具体的な取組み内容等を議論しました。

本会議は、当面、月1回程度の頻度で開催することを予定しております。また今後の会合において議論・検証されるべきと考えられる事項、その他コーポレートガバナンスの更なる充実等に関して、広く意見を募集しております。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「公表物」→「審議会・研究会等」→「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」にアクセスしてください。


(7)NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について

金融庁では、NISA(少額投資非課税制度)について、今般、「NISA口座の開設・利用状況調査」を実施し、平成27年12月15日、その結果について公表しました。

【調査結果の概要】

  • ○総口座数(平成27年9月30日現在)は、957万5,445口座

    • 前回調査時点(平成27年6月30日)から、約36万口座、約3.9%増加
    • 年代別の内訳の割合は、20~30歳代14.2%、60歳代以上54.4%
  • ○総買付額(制度導入時点~平成27年9月30日)は、5兆8,665億963万円

    • 商品別の内訳の割合は、上場株式32.3%、投資信託65.4%、ETF1.4%、REIT0.9%
    • 年代別の内訳の割合は、20~30歳代10.7%、60歳代以上60.1%

NISAは、広く国民のみなさまに投資への関心を持っていただき、中長期的な資産形成を促進していくとともに、日本経済の成長資金の供給拡大を図ることを目的として、平成26年1月から導入されました。

こうした中、制度導入から1年半以上が経過し、NISAの総口座数は約958万件となり、総買付額は5兆8,000億円を上回るなど、NISAの普及は着実に進んでいると考えられます。

NISAの口座を開設した顧客の年齢層を見ると、60歳代以上の割合が依然として半数以上を占める一方で、50歳代以下の割合については、9月末時点で約46%となっており、制度を開始した平成26年1月末時点では約37%であったことを踏まえれば、着実に増加しているものと考えられます。

詳しくは、金融庁ウェブサイトの「NISA(少額投資非課税制度)が始まりました!」から「NISA口座の利用状況等に関する調査結果の公表について」にアクセスしてください。


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