アクセスFSA 第162号(2016年12月)

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写真(1月26日 財務局長会議にて挨拶する越智副大臣)
1月26日 財務局長会議にて挨拶する越智副大臣

トピックス

(1) 金融行政方針で掲げた「金融行政の再点検」に係る具体的な取組みについて

現在、金融庁においては、金融を取り巻く環境変化に適合するよう、検査・監督のあり方を見直しています。新たなモニタリングにおいては、金融機関や市場の動向等をリアルタイムに把握し、金融システムの潜在的リスクをフォワードルッキングに分析していくことが必要です。また、こうした新しいモニタリング手法がより効果的・効率的なものとなるよう、PDCAサイクルを実施していくことが重要です。

こうした中で、必要なデータ等について金融機関の協力を得て機動的に収集していきますが、金融機関の負担にも配慮しつつ、必要性が低下したデータの収集を廃止等していく必要があり、さらに、行政の透明性・効率性の確保の観点も踏まえ、平成28年10月に公表した金融行政方針において、以下のような方向性を示したところです。

  • (1)必要性の低下した調査・公表資料等の廃止等を行う。

  • (2)許認可等に係る審査手続に関し、リスト化等による適切な進捗管理を行うとともに、効率化・透明化を図る。

  • (3)業務改善命令等について、立入検査の結果が解除の主な判断材料となっているという現在の運用を改める。

上記(1)~(3)について、具体的な取組みは以下のとおりです。

  • (1)必要な情報や報告頻度等はその時々の状況に応じて変化していくことから、過去から継続している作業(継続して徴求・公表している計数に係る作業、ヒアリング等を含む。)については、必要性が低下していると考えられるものを定期的に洗い出し、報告頻度を段階的に引き下げ、問題がなければ将来的に廃止していきます。

    なお、これまでに報告頻度の見直しや報告の廃止を行った主な調査等につきましては、金融庁ウェブサイトにて公表しています。

  • (2)許認可等に係る審査手続について、許認可等実行までの審査が長期に亘るものについては、予見可能性を確保しながら効率化を図るため、早い段階で議論すべきテーマと今後の見通しを金融機関等との間で共有して管理します。また、事務年度を跨ぐことによる担当者の交替等によって審査が停滞しないよう努めます。

    加えて、多くの申請がある登録について、申請者の利便性向上のため、新規登録申請の審査等に係る一般的な流れや過去の登録等の審査における主な論点等につきまして、金融庁ウェブサイトにて公表しています。

  • (3)金融機関に対する業務改善命令(銀行法第26条等)及び報告徴求命令(銀行法第24条等)に関する現在の運用は、当該命令を発出する要因となった問題に関して、立入検査を行い改善が確認されることが報告義務の解除の主な判断材料となっています。

    今後は、当該命令に対する改善計画の十分な実効性が認められ、かつ、当該計画に盛り込まれた改善措置の実現可能性が確保されたと認められる場合には、立入検査での検証の有無に関わらず、報告義務の解除を行うこととします。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融行政方針で掲げた「金融行政の再点検」に係る具体的な取組み」(平成28年12月13日)にアクセスしてください。


(2) 中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会の開催について

年末の資金需要期を迎えることを踏まえ、金融庁は、去る12月6日(火)に、金融機関等の代表者を招き、「中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会」を開催しました。

その際、麻生金融担当大臣から金融機関等の代表者に対して、年末の資金需要への対応に加え、担保・保証に必要以上に依存しない、事業性を評価した融資の取組みが進むよう、現場の目利き能力を育成していただくことなどを要請するとともに、地域経済の活性化や金融緩和政策等について意見交換を行いました。

併せて、同日付にて、金融関係団体に対し、熊本地震等による被災者の状況やニーズに応じたきめ細やかな対応を含む、年末の中小企業者等の金融円滑化について、書面で要請を行うとともに、当該要請文を公表し、要請内容の周知徹底を図りました。

<意見交換会参加機関等>

全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会、信託協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、全国労働金庫協会、農林中央金庫、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、日本政策投資銀行、全国信用保証協会連合会、住宅金融支援機構

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「年末における中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について」(平成28年12月6日)にアクセスしてください。


(3) 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について

金融審議会「市場ワーキング・グループ」(座長:神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)は平成28年4月開催の第37回金融審議会総会・第25回金融分科会合同会合における、麻生金融担当大臣による諮問を受けて設置されました。同年5月より12回にわたり、関係者からのヒアリング等を行いながら、マル1国民の安定的な資産形成と顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)、マル2国民の安定的な資産形成におけるETF の活用とインデックス運用の位置付け、マル3取引の高速化、マル4市場間競争と取引所外の取引、マル5取引所の業務範囲について、審議が行われ、同年12月22日に報告書が取りまとめられました。

報告書においては、各テーマについての審議結果の概要が掲載され、その内容を受けて「国民の安定的な資産形成を促進するために、顧客本位の業務運営に関する原則の策定及びその定着を通じ、顧客と金融事業者との間で信頼関係が構築されていくことが不可欠な前提となっている」、「近年の情報技術の進展等を受け、市場・取引所及びそれを取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、それに応じた公正で透明な市場を実現していくための環境整備が急務である」などまとめられております。金融庁では、今後、本報告書の内容を踏まえて、必要な対応を行っていくこととしております。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「広報報道」の中の「報道発表資料」から「金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について」(平成28年12月22日)にアクセスしてください。


(4) 金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」報告書の公表について

FinTechの動きは、我が国国内も含め、より一層の進展を見せています。また、平成27年に金融審議会に設置した、決済業務等の高度化に関するワーキング・グループの報告では、継続的な検討課題として、決済業務等に係る横断的法制の整備等が挙げられています。さらに、今後FinTechの進展等に対応して、制度面での対応について機動的に検討をしていく必要もあります。こうした状況を踏まえ、昨年、金融審議会に、新たに、金融制度ワーキング・グループが設置され、決済業務等に係る法制のあり方について関係者からのヒアリングを行いながら審議を行い、平成28年12月27日に金融庁ウェブサイトに報告書を公表しました。

本報告書は、利用者保護を確保しつつ、金融機関とFinTech企業とのオープン・イノベーション(外部との連携・協働による革新)を進めていくための制度的枠組みのあり方等についての審議をとりまとめたものとなっております。

金融庁としては、本報告書の内容を踏まえ、制度面の手当てを含め、必要な対応を行っていきたいと考えています。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」報告の公表について」(平成28年12月27日)にアクセスしてください。

ワーキング・グループの過去の議事録等については、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」の中の「金融審議会」からアクセスしてください。


(5) 「金融モニタリング有識者会議」(第5回)の開催について

12月12日(月)に第5回「金融モニタリング有識者会議」が開催されました。

金融モニタリング有識者会議は、平成28年8月、ルールとプリンシプルの最適な組み合わせ、担保・保証に過度に依存しない事業をみた融資への転換等、これまで金融庁が見直してきたモニタリングの基本的な考え方や手法等について、外部の有識者を交えて議論、整理するために設置されたもので、第5回会合では、「金融検査マニュアル・監督指針等のあり方」をテーマとして議論がなされました。

なお、会議は非公開ですが、会議後、資料・議事要旨を金融庁ウェブサイトにて公表しています。

※詳しくは、金融庁ウェブサイトの「審議会・研究会等」から「金融モニタリング有識者会議」にアクセスしてください。


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