五味金融庁長官記者会見の概要

(平成18年8月28日(月)17時00分~17時09分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

足利銀行の受け皿探しの件なのですけれども、先日も大臣からですね、「機は熟しつつある」という発言がございました。改めてここで、今後のスケジュール観ですとか、国民負担の最小化ですとか、これまでも方針は出されていますが、これも改めてどのような点に留意してやっていかれる方針かお聞きしたいと思います。

答)

まず、スケジュールの件ですけれども、受け皿選定の進め方は、足利銀行の取り組み状況についての検証作業を踏まえて判断すべきものであると考えております。足利銀行におかれましては、抜本的な経営改革の取り組み、これを進めてきておられまして、18年3月期決算などによって着実にその効果が現れてきているということが明らかになってきているというのが事実であろうと思います。先週の大臣の、「時機は成熟しつつある」という御発言は、こうした趣旨、状況も踏まえての御発言であったと存じます。ただ、具体的なスケジュールというお話になりますと、この点はまだ受け皿選定の時期、方法といった点について現時点において確たることを申し上げられる段階ではないというのが現状でございます。それから、受け皿の検討に当たっての基本的な考え方ですが、これは三点ございまして、第一に金融機関としての持続可能性、第二に地域における金融仲介機能の発揮、そして第三に公的負担の極小化、この三点が受け皿の選定に当たって重要なポイントになってくると考えています。

問)

本日、和歌山県を地盤とします紀陽ホールディングスの中期経営計画が出まして、その中に金融機能強化法の活用を検討するという項目が明記されたようですが、こうした動きについて、金融庁としてどう受け止めてらっしゃるのか、それから、今後他の金融機関、地域の金融機関などでですね、同様の動きが出てくることへの期待であるとか展望のようなところを、もしあればお聞かせください。

答)

お話がありましたように、今日、紀陽ホールディングスが発表なさいました中期経営計画の中で、金融機能強化法に基づく公的資金の活用を検討するということが公表されておりますが、この評価ということになりますと、これは個別銀行の経営判断に関わる事柄でございますからコメントは控えなければなりません。いずれにしましても、仮に金融機能強化法による公的資本参加の申請ということが行われました場合には、法令に定められた審査基準に基づいて適切に審査をするということになります。審査の結果、株式等の引受けなどの決定が行われました段階においては、必要な事項の公表も行うことにもなります。なお、こうした金融機能強化法の適用と言いますか、申請についての展望というお話ですが、地域金融機関が自らの機能というものを十全に果たし、地域の経済に貢献をしていくということのためには、様々な経営努力が求められるわけでありまして、その経営努力を行っていく過程で、例えば、統合再編という形でより地域に役立つ金融機関になろうということである場合に、その際に必要な十全の資本を準備したいということであれば、この金融機能強化法というのは役に立つ選択肢の一つであると私は思います。ただ、これを使うかどうかは、あくまで経営判断の問題でございます。この制度自体も時限で定められているというのは、やはり自力での資本調達ということについてなかなか困難な経済情勢というものが継続しているということから時限ということで、その期間においてはこうした制度も用意しましょうということでありまして、本来であれば資本というのは当然、自力で市場から、或いは地元の人たちから調達していただくというのが基本でございます。ただ、この時限の範囲内においては、この法律というのも地域に役立つ金融機関を作る上での一つの選択肢ではあると思います。具体的にこうした動きが今後どうなるかということは私も分かりませんし、軽々に予測を申し上げて何か予断を持たせるということでもいけないと思いますので、その点はコメントいたしません。

(以上)

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