五味金融庁長官記者会見の概要

(平成19年2月19日(月)17時00分~17時13分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

先週三菱東京UFJ銀行に対して、一部業務停止を含む業務改善命令を出されましたが、長官のご所見としては、どこにポイントがあったとお考えでしょうか。また、三菱UFJグループに関しましては、国内外で処分が相次いでいますが、経営責任についてどのようにご覧になっていらっしゃいますか。

答)

2月15日に、お話のありました銀行法26条に基づく業務の一部停止を含む業務改善命令を、三菱東京UFJ銀行に対して発出をしております。これは、既にご説明は済んでいますが、旧三和銀行当時から特定先との間で極めて異例な取引を長期に亘って継続をしていた、そしてこれに対して、経営陣・本部が的確に対応してこなかったことなど経営管理態勢、内部管理態勢、そして法令遵守態勢に重大な問題が認められたということでございます。

そこで所見というお話ですけれども、公共性の高い免許業種である銀行が、処分の根拠になりましたような大変に不適切な業務運営を行いまして、利用者の皆さん、ひいては社会一般の信頼というものを損ねたということは、極めて遺憾であると考えます。今回の処分によりまして、この銀行がこうした事案の再発を防止すべく、自らの社会的責任と公共的使命を踏まえまして、内部管理態勢などの改善に全力を挙げて取り組むことを期待したいと思います。

経営責任というお話がございましたが、当局としましては、今回のこの行政処分に関しては、この銀行に対して、「問題発生時以降現在に至るまでの経営の責任の所在の明確化」を業務改善計画に盛り込むということを求めております。具体的な責任のあり方ですとか、対応といったことは、基本的には銀行自らが判断することでございまして、その点を当局から申し上げることは控えたいと思います。

問)

企業会計審議会が、先週、内部統制ルールの意見書をまとめましたが、サービス業や金融業などからは、「売上高」、「売掛金」、「在庫」といった基準は業態に馴染まないなど、なお曖昧さを指摘する声もありますけれども、意見書の評価と今後の課題を長官はどのようにお考えでしょうか。

答)

企業会計審議会では、今般、内部統制報告制度が実効性を確保しながら、そして効率的に実施をされるという両方の要請を満たすように、内部統制の評価と監査に関する基準、そして実施基準という意見書を取りまとめていただいたわけです。今の売上高、売掛金、在庫という点は、まさに実効性・効率性という点に関わるのですけれども、この実施基準で該当する部分を正確に見てみますと、まずプロセスとして重要な事業拠点を選定するわけですね。その選定については、評価対象とする事業拠点を売上高等の重要性により決定するとしつつ、ここに売上高という言葉が出てきますけれども、注が付いておりまして、企業の置かれた環境や事業の特性によって異なる指標、或いは追加的な指標を用いることがある、ということで、売上高が絶対的な指標であるというわけではないわけです。そして、こうした重要拠点を選定した上で、評価対象とする業務プロセスを識別するということになりますが、この識別についての表現は、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目に至る業務プロセスは原則的に全てを評価の対象とするということで、ここに括弧書きで、例えば一般的な事業会社の場合、原則として売上、売掛金、及び棚卸資産というのが、事業目的に大きく関わる勘定科目という例示として挙げられているわけです。ここは主に製造業を念頭に例示をしたということになるわけであります。従って、金融業の方が売上とか、在庫とか言われても、というのは当たり前の話でございまして、この事業目的ですとか、事業の特性に応じて財務報告に虚偽記載の発生するリスクというものを、その重要性に応じて的確に把握をして、これに対応した適切な内部統制を整備する、こういう趣旨で書かれているわけですね。ですから各企業は、この趣旨を踏まえて、業種の実情に応じて、工夫して内部統制の整備をする必要性があるわけです。売上高という勘定科目がない会社が、売上高というのはありませんと言って済む話ではないのは当り前でございまして、実施基準にもそれははっきり書いてある。試されますのは、各経営者が、自分の会社の事業というものに対して投資家が投資をなさる時に、重要な情報となる勘定科目が何であって、であればそのプロセスというものをきちんと評価をし、監査を受ける必要があるという、この判断が問われるわけです。そういう趣旨のものです。その選定が間違っていれば、当然この実施基準によって、監査人からも指摘を受けることになるわけです。金融業という例示がありましたが、金融業において最も大きなリスクがどこにあるかというのは、金融業を経営している人なら誰でも知っているはずでして、それは当然に売上高に代わってこの評価プロセスに選定される事業プロセスになるというのは明らかでございます。こうしたことから説明しなければいけないという、ことほど左様に、この内部統制ということが、日本の企業経営者の皆さんに行き渡っていないのかなという心配も出てくるわけですが、金融庁としては、法律で定められました平成20年4月1日以降開始する事業年度からの適用ということに向けまして、この基準などの広報に努めるわけであります。もちろん政省令なども決めていかなければなりません。円滑な導入に万全を期していきたいと考えております。

問)

三菱東京UFJ銀行の処分についてですが、今回の不祥事は保険と違って、全社的に幾つか同じような例が見つかったわけでもなく、どちらかというと一部の拠点と経営トップの判断ミスだったと思うのですが、それにもかかわらず法人営業拠点の全行員に研修を丸一日少なくとも業務から離れて受けさせる、ここの狙いとはどこにあるのでしょうか。

答)

企業文化を創っていただくということです。今回問題になりました特定先との関わりが出てきてしまった時に、それをトップまでどうやって伝えていくか、これは当然考えなくてはいけませんが、同時に、司法当局・捜査当局との連携ですとか、初動を間違えないように何をしなければいけないか、こういう話が上がってきた時の対応としてしなければいけないことは何か、或いはこの話自体が銀行の信用自体を損なう大変重大な問題なのだという認識、こういったものを全行員が共有をしていただく、これは一人トップが知っていて何かすればいいということで収まる話ではない、こういう認識に基づくわけです。同時にこれは、畔柳頭取は確か身体的危害とかそういった言葉をお使いになったと思いますが、通常のサラリーマン生活では経験しない危険に身を晒すこともあり得るわけで、そのときに横の連携、縦の連携、行員全体がそのことを自分の問題として受け止めて、外の必要な人達とも連携を取って対応するということを即座に実行できないと傷を深くするということなのです。誰か一人の責任で、あの人がやればいいんだということでやっていたのでは、すまない話なのだということを認識していただきたい、そのために必要な研修の内容を用意し、全行員に徹底して欲しいという趣旨でございます。

問)

こういった反社会的勢力につけこまれるリスクというのは他にもあるような気はするのですが、長官としては他の金融機関、もしくは三菱東京UFJ銀行の他の所でも同様なリスクがあるとお考えでしょうか。

答)

金融業、特に銀行ではこうした問題というのは常に起こり得る話で、監督指針や金融検査マニュアルにおいても、そうしたケースにどういう対応をするべきかということ、或いはそうした対応が的確に取られているかどうか、或いは取れる態勢が出来ているかどうかということをチェックするようになっております。これは一人銀行だけが晒されているリスクということではない。ただ、起こったことは、この銀行の場合、歴代の拠点の課長が債務者の事務所に駐在をしたとか、現物預かりがあるとか、内部規定に違反した融資が行われていたとか、そして、それが長いことトップも知りながら、歴代のトップは手を打たなかったという対応の方は、これは相当問題のある対応であったことは間違いないです。

(以上)

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