五味金融庁長官記者会見の概要

(平成19年5月14日(月)17時00分~17時15分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私からは特にございません。

【質疑応答】

問)

季節柄の質問で大変恐縮なのですけれども、大手銀行が、行員の初任給、ボーナスなどを引き上げることを検討していらっしゃる銀行があるようですけれども、外資が高い給料を出しているということもあって、「当然だ」という声もあるのですけれども、一方で「元々銀行は給料が高い」という批判もあります。それから、「法人税をまだ納めていない」との批判もあります、かつて公的資金が入っていましたということで。こういった中で、人件費引き上げについては、「庶民がなかなか賛同しない」という声もあるかと思いますけれども、人件費を含めた大手銀行の経営のあり方について、長官の考えを改めてお聞かせ下さい。

答)

メガバンクと言いますか、主要行の平均の給与水準というのは、今、お話に出てきましたけれども、例えば、アメリカの大手銀行と比較すると、確かに低いです。他方で、これもお話に出てきましたが、国内の他の業種と比べますと、平均を上回る水準にある、これは統計で確認できます。ただ、やはり銀行の給与水準というのは、民間企業の給与水準の話ですから、各行の経営判断でこれを決定すべきもので、監督当局たる長官が、その水準の是非をコメントするという性格のものではないと思います。いずれにしましても、これは、銀行という社会のインフラストラクチャーを担う企業でございます。ですから、各行、その人件費を含め、どういう風に人材を確保し、経営を進めて行くかという経営判断をなさるに当たっては、利用者の皆様まで含んだところの多様なステークホルダーからの評価というものは、これは十分に認識をして経営に当たっていくということが大事だと思います。公的資金というお話がございましたが、未だ公的資金を完済していない銀行も当然あるわけですけれども、その場合には、このステークホルダーという中に、更に国民一般という方たちも入ってくるということでございますし、そういう銀行は、経営健全化計画を出しておられますから、その計画の中で、自ら定めた給与の水準といったものを明らかにしていますので、これはその方針に沿ってやっていただくということなのだろうと思います。法人税のお話が出ましたので、その点だけは敷衍させていただきたいのですが、主要銀行のほとんどが法人税を納付していないという点につきましては、これは、将来の課税所得と相殺が可能な欠損金が存在するということなどが原因でありまして、この点は、銀行だけでなく全ての企業に共通した法人税制の内容に沿った結果であるということでございます。ですから、銀行だけだという話ではないということです。ただ、既に主要行については、不良債権問題からは脱却したわけですし、業績も回復しつつあるということでございますから、今後、早期に法人税を納付できるようになるということは期待したいと思います。以上でございます。

問)

東京スター銀行のエグジットについてですけど、正式発表した中身ではありませんが、アドバンテッジというファンドがローンスターの持つ保有株式を全部取得する方向で調整に入っているという報道がなされているわけですけれども、これは場合によっては上場廃止になるかと思います。つまり、ローンスターは68%を持っていて、これを引き受けるとなれば、TOBをしなければいけないと。TOBをすれば、3分の2以上の取得ですから、応募株全部を買い付けないといけないということで、上場廃止基準に触れる可能性が出てくると。そもそも、100%取りにいくという話もありますし、そこのところはよく分かりませんが、果たして問題は、それでいいのでしょうかということをお伺いしたいのです。つまり、どういうことかと言いますと、1年半前に東京スター銀行は上場しました。それは、ローンスターがエグジットするために上場したわけですけれども、今度はローンスターが最後の一株を売り切るために、今度はわずか1年半で上場廃止をさせると。メイクマネーをするために東京証券取引所を使って、上げたり下げたりというのは果たして倫理的にどうなのかということを、長官のお考えをお聞かせください。

答)

特定案件ですから、それとしてコメントすることは控えたほうがいいです。企業の買収ということが行われる場合は、一般論でございますけれども、そのことが様々な方面に影響をもたらすということはあるわけでございます。それは、証券市場というものが機能していく上で予定していることであるならば、それは予定されたこととして、投資家の皆さんもこれを勘定に入れて行動をしていくことが必要なのだろうと思います。銀行のそれが売買ということである場合、当局の第一の関心事項は、新たに主要株主になるというような人たちが、それによって登場する場合には、その投資方針や投資目的というものが、銀行業務の健全性とか適切性ということを損なう恐れがないかどうか、こういう点が基本になるわけでございます。市場のメカニズムを使って企業買収ということを行っていく場合の、その他生ずる様々な市場のルールから来る話というのは、この点とはちょっと別の問題であろうと思います。

問)

重ねてですけど、銀行というのはとても公共性が高い組織だと思うのですが、それを売ったり買ったりして、ファンドが金儲けに使うのは如何なものかという、とても経済合理性とは関係ないレベルの質問ではございますが、どうなのでしょうか。

答)

重ねてになりますけれども、銀行監督上、当然、短期売買目的で取得するというようなことになっていないかどうかというのは、監督指針上も着眼点の一つになっているわけです。あくまで、基本は銀行というものの経営の健全性・適切性、銀行法で要求されているもの、こういうものが主要株主の交代によって損なわれることがないかどうかということでありまして、後はですね、市場がルールに従って取引をしていることについて、その是非ということになれば、市場の信頼を損なうような取引であるならば、それは違法でなくても問題があるでしょうし、それは自主規制機能を持った証券取引所なり、或いは証券会社といったものが、律していく話であろうと思います。最初から売り抜けの目的で、短期売買が目的ですという場合には、主要株主の認可申請が行われた際の認可の審査の中で、この点は追究をされているということになります。なお、既にこれは一般論で申し上げているわけでございますが、既に保有しているファンドなり主要株主、こういう方達が一定期間リスクを取って、その銀行の建て直しを図り、市場に上場できる。つまり、市場から資金を調達できるというところまで建て直していったということ自体は、これはこれで日本経済全体から見れば、評価をされることであろうと思います。リスクを取り、そしてリスクを取ったことのリターンが社会にも還元されたということでありますので、ファンドが取得するということ自体をもって、或いはそのファンドが建て直した後、次にどういう方針を取るかということについて、ファンドであるということ、或いはそれが一定のエグジットを目指すということ自体が悪いことだということは、これは言えないと思います。

問)

先週、東京プリンシパル証券について、業務改善命令の措置を継続といいますか、発表されましたけれども、これは現法制下では、そもそも監督できるのかどうかというところが、かなり曖昧で、なかなか確認できないというような難しい点が浮き彫りになったかと思うのですけれども、長官は、この問題について、どのような所感をお持ちですか。

答)

この案件というのは、非常に特異なケースです。確か、検査をすると言ったら、今日は営業しないとか、そんなようなお話であったような記憶がありますけれども、法令違反であることは、間違いないです。検査を拒否したということですから。ですから、この点については、一般の検査の拒否に対する行政処分という観点で、監視委員会の勧告に従って処理をしたということになるわけです。確かにこれは、非常に特異なケースです。でも、検査忌避案件として、適切な処理をしていくというのが基本になると思います。確か、ここは証券業について廃業の届出をされています。ですから、この廃業しているということと、それから金融先物取引が登録の取消処分を当方から既にしてしまっているということなので、現時点について、業務そのものについての行政処分というものは、例えば登録の取消ですとか業務停止ですとか、そういう処分はできないということになるのだろうと思います。いずれにしても、検査忌避案件としての適切な処理をしていくことに尽きると思います。

(以上)

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