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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成20年4月14日(月)17時01分~17時32分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

こんにちは。私の方からは特にございません。

【質疑応答】

問)

G7(七か国財務大臣・中央銀行総裁会議)のことですが、金融不安に対して監督規制の強化が打ち出されましたが、その一方で公的資金の注入の話題があまり表に出ず、物足りないという指摘もあると思いますが、まず、G7で打ち出された金融安定化策の評価をお聞かせください。また、日本の監督当局としてどのようにこれを受けて対応していくのか、お考えをお聞かせください。

答)

G7全体につきましては財務省の所管でございますので、私からは金融行政の観点からのコメントをさせていただきたいと思います。

今回のG7では、サブプライム問題に端を発したグローバルな金融市場の混乱について、その問題の深刻さとその原因について認識を共有したということが一つだと思います。また第二に、それを踏まえて金融システムと金融市場の強靭さを確保するための具体的な、主として制度的枠組みの面からの諸政策、具体的対応というものの重要性を、金融安定化フォーラム(FSF)のレポートに基づいて確認したということがあったかと思います。また第三に、当然のことながら、G7としてこの問題についての協力・連携ということを再確認したということであろうかと思います。

そういった大きな意義に加えて、より具体的に、金融安定化フォーラムからの報告をG7として強く支持し、その勧告を実施するということについてコミットメントが表明されたということかと思います。

そのうち、100日以内に実施すべき優先順位の高い勧告として何点か上がっているわけですけれども、第一に金融機関によるリスクについてのエクスポージャー等の徹底的かつ即時の情報開示。第二に国際的な基準設定機関によるオフバランス関連会社に対する情報開示等の基準の改善、時価評価会計のガイダンスの向上といったことが挙げられています。また第三に、やはり金融機関の取組みとして、リスク管理実務を強化させる、また必要に応じて自己資本の増強に努める、といったことも織り込まれております。最後、第四に、バーゼル銀行監督委員会による流動性リスクに関する改定ガイドラインの発出、および証券監督者国際機構(IOSCO)による格付会社の行動規範の改定といったことが盛り込まれております。

この100日以内の取組みに加えて、本年中、2008年中に取組むべき項目として、資本、流動性、リスク管理についての健全性規制・健全性監督の強化、透明性・価格評価の向上、これはオフバランススキーム、あるいは証券化商品、更には流動性コミットメントといったものを念頭に置いたものです。そして、格付の役割及びその利用方法に関しまして、格付会社が利益相反の問題に対処するとか、あるいは仕組み商品とその他一般の金融商品の格付等明確に区別するであるとか、あるいは格付手法の情報開示を改善するとか、そういったものが盛り込まれておりますし、証券化商品に関するオリジネーター(仲介者、証券発行者)により提供される情報の質というものを評価するための、あるいは改善するための勧めといったことも含まれていると思います。更には、リスクに対する当局の対応の強化ということで、当局間で協力をし、情報交換をするということについて、更に強化すべきであるといったこと、更には大手金融機関ごとに監督当局で構成される国際的なグループを設置するといったことが盛り込まれています。最後に、金融システム危機の局面における対応の強化ということで、中央銀行の流動性供給の取組みや、体力の低下した銀行への監督当局の対処のための枠組みについてのレビューをするといった取組みが挙げられているということでございます。

こういった中で我が国といたしましては、ご案内のとおり、金融庁が、これまで金融安定化フォーラム(FSF)を始めとする国際的な議論や検討の場において、昨年11月に公表されました「金融市場戦略チーム」の第一次レポート等も踏まえまして、例えば証券化という金融技術の一連のプロセスにおける各当事者の情報伝達あるいはリスク管理に関する問題、更にはバーゼル II を実施することの重要性等について、我が国の考え方を主張し各国からの理解が得られるよう努めてきたということでございます。今回のG7声明やFSFの報告書においては、こうした論点について基本的な方向性を同じくする問題意識あるいは対応策等が示されておりまして、先ほど申し上げたような点について各国の理解がかなりの点で得られたのではないかと思っております。

ご案内のとおり、本件については、6月の日本でのサミット財務大臣会合、更には秋のG7会合において、今般の報告書の提言の実施状況について報告するということが求められております。金融庁としては引き続き、FSFを始めとする国際的な議論や検討に積極的に参画していきたいと思っております。

また国内的には、我が国の金融機関のリスク管理の強化、我が国の金融システムの安定性の確保とこういった観点から、引き続き監督当局として実態把握に努めるとともに、必要に応じて適切な措置を講じていくと、こういう心構えでございます。

問)

サブプライム・ローン問題の国内の影響についてですが、先週の金曜日にみずほフィナンシャルグループが三度目の下方修正を発表しましたが、現時点での金融機関への影響というものを改めてお聞かせください。

答)

ご案内のとおり、サブプライム・ローン問題を契機とするグローバルな金融市場の混乱がなお続いているということであり、その中でサブプライム関連の商品だけでなく広い範囲の証券化商品にその影響が及ぶ、また更には証券化商品だけではなくて株式市場等を含め、その影響が引き続き拡大していると認識をしております。こうした中で先般、みずほフィナンシャルグループが平成20年3月期の業績予想について、三度目の下方修正を行ったということでございますし、また他の一部の金融機関においても業績予想の下方修正が公表されているという状況でございます。

そういう状況でございますので、サブプライム・ローン問題を契機とするグローバルな市場の混乱が今後我が国の金融機関にどの程度の影響を与えるかについて、断定的なコメントは避けるべきであると思っております。これまで、業績予想を下方修正した金融機関の公表内容を見てみますと、グローバルな市場の混乱を契機とする株式等あるいは証券化商品の価格の下落というのが、その一部について減損処理の対象になる、あるいはトレーディング勘定で保有しているものについては損失の計上がなされる、といったことを要因として、本年3月期の決算の損益の下振れ要因になっているということであろうかと思います。

他方で我が国の預金取扱金融機関全体の状況を見てみますと、サブプライムに直接関連した証券化商品ということでは、かねてから金融庁のほうでサブプライム関連商品の保有額が昨年の12月末時点で約1.5兆円であったこと、また、その時点までにおける実現損と評価損の合計が約6,000億円となっていたこと等について集計し公表させていただいているところであります。

先ほども申し上げましたように、現在、この影響というのはサブプライムと直接関わりのない金融商品にも波及しているということでございますので、より視野を広くして見ていく必要があると思いますけれども、我が国のこの状況を海外、欧米と比べてみますと、例えば欧米のLCFIと呼ばれる巨大複合金融機関等では、一社で兆円単位の損失を計上するということが起きています。これに比べますと我が国における影響というのは、相対的に限定をされていると思いますし、またこれもこれまで申し上げてきておりますけれども、我が国における損失計上というのは、我が国金融機関の体力、すなわち期間利益の規模であるとか、あるいは自己資本の厚みといったものに照らしても、やはり相対的には限定をされているという認識に大きな変更はございません。したがって、こうした金融市場の混乱が、直接、我が国の金融システムに深刻な影響を与えるような状況にあるとは認識していないと、この点についても従来と同じ考え方でございます。

ただ、しかしながらこの金融市場の混乱は現在もなお続いているということでございますし、市場の正常化には、なお相当程度の時間を要するものであるというふうに認識をしております。金融庁としては、引き続き警戒水準を維持しつつ、金融機関の今後の決算の動向やリスク管理の状況、株式、クレジット、為替といった様々な市場の動向等について内外の関係当局とも連携しながら、早め早めの情報収集に努めるなど、十分に注視していきたいと思っております。

問)

G7での金融安定化フォーラムの提言についてなのですが、金融庁として新たに何か取り組まなければならない課題というのはこの中にあるのでしょうか。あるいは国際当局と歩調を合わせて進めていくものという理解でよろしいのでしょうか。

答)

今回のFSFの報告に盛り込まれ、かつ、今般のG7である程度工程表と申しましょうか、日程・スケジュールの感覚を含めた整理がなされた項目というのは、ある意味で非常に多岐にわたっておりまして、ご質問の中でございましたように、バーゼル銀行監督委員会であるとかIOSCOであるといった国際機関においてまずは国際協調・議論の中で取り組んでいくというテーマもございますし、各国の監督当局が監督対象となっている金融機関に対応していく、求めていくという項目も含まれているということかと思います。ということで、各国監督当局としてやるべきことについては、今般のFSFの報告を我が国国内用に翻訳をした上で粛々と対応を検討していくということでありましょうし、また国際機関における議論については、その議論・検討の場に積極的に参画していくということだと思います。

具体的にどのようなことをやるかということは、先ほどの工程表を含めて今般のG7の声明あるいはFSFの報告書を国内におけるアクションにこれから丁寧に翻訳していくという作業があろうかと思いますので、その点はそういった作業をまずやってからということになるのではないかと思います。

問)

先ほどの件と関連するかもしれませんが、FSFの提言で先ほども触れておられましたけれども、大手金融機関ごとに金融当局でウォッチするグループを作るとあるのですが、大手金融機関の中に邦銀が含まれるということになるのかどうかというご認識はいかがでしょうか。

答)

そこの点もまさにこれから国際的な場において国際機関および各国監督当局が議論していく中で決まってくるということであろうかと思います。このテーマは確か2008年中に実施すべきテーマとなっていたかと思います。その日程感も踏まえてこれから検討が進められていくということであろうと思います。ゆっくりやるという意味ではおよそありませんけれども。

問)

先週も伺ったのですが、ゆうちょ銀行の(流動性預金の)上限(額)撤廃、流動性(預金)のところの(上限)撤廃問題につきまして、本日地銀業界がそのような要望を差し戻せ、撤回しろということをゆうちょ(銀行)に求めていくということを決めているそうです。受け入れられない場合は、全銀システムへの接続も反対するという強硬な姿勢を示しています。これは、かねて官業銀行の肥大化を反対してきた銀行業界の流れの中での動きかと思うのですが、このゆうちょ(銀行)の要望を認めるかどうかを判断されるご当局として、改めてこの問題にどのように対処されていくか伺えればと思います。

答)

郵政民営化については、これまでも申し上げているとおり、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険というものが大きな混乱を起こすことなく我が国全体の金融システムの中にうまく溶け込んでいくことによって、全体として我が国の金融サービスの質の向上、利用者利便の向上といったことに結実していくということが重要であろうかと思っております。これが一番大きな心構えです。これをやっていくための具体的な仕掛けとして、最大10年間の移行期間が設けられていて、移行期間当初は従来と同じ業務範囲、移行期間終了後は民間金融機関と同じ業務範囲という枠組みになっていて、その過程において新規業務を行う際には当局の認可が必要になるという枠組みであります。

ご質問のゆうちょ銀行の流動性預金の限度額の撤廃という要望につきましては、4月1日だったでしょうか、政令改正の要望書の提出を受けたところでございます。まだ受けたばかりでございますので、金融庁としては、まずは当該要望の内容等について会社側に十分な説明を行うよう求めているという状況にございます。

全銀システムへの参加云々につきましては、ご案内のとおり全銀システムの運営は内国為替を行う金融機関において自主的に行われているものでございますので、当局としてコメントすることは差し控えたいと思っております。地方銀行協会がご質問の中で触れられたようなお考えをお示しになったということは承知しておりますけれども、金融庁としては冒頭に申し上げた郵政民営化の全体についての大きな心構えを踏まえて対応をしていくということであろうかと思います。

問)

確認なのですが、先ほどのFSFの金融機関ごとの監督グループについて、邦銀が入るか入らないかはこれからの議論の中で決まってくるという話だったのですが、基本的にどの金融機関が入るかという点については、欧米のサブプライム関連の損失が大きかったところが優先的に対象になっていくという考え方との理解でよろしいのでしょうか。

答)

現時点でそこまで抽出の基準について具体的なものが存在しているわけではないと思います。ただ、グローバルな金融システムの安定あるいは金融市場の強靭性というものを確保することが目的ですので、そのような観点から必要な金融機関が選ばれていくということであろうかと思います。

この手の枠組みと申しましょうか、取組みというのはそれほど新規のものではなくて、例えば、ご案内のとおり我が国は世界に先駆けて昨年の3月末からバーゼル II を実施に移したわけでございますが、そのバーゼル II 実施に先立って、例えば我が国の3メガバンクが進出をしている国の監督当局、すなわち世界の主要なマーケットの監督当局が東京に集まって、スーパーヴァイザリー・カレッジということで、3メガバンクそれぞれの銀行のリスク管理の状況等について、我が金融庁が中心的な参加者でありますけれども、他の主要国の監督当局の方々も一緒に集まってモニターをしたということもございました。したがって、こういった取組みは今まで全くなかったような新規の取組みということでは必ずしもないと思います。他方で今般、G7の声明に盛り込まれたこのような取組みについて、選定基準が具体的にどうなるかということはまだオープンであろうかと思います。

(以上)

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