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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成20年4月21日(月)17時01分~17時21分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

こんにちは。私の方からは特にございません。

【質疑応答】

問)

先週のTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)によるJパワー(電源開発)の株買い増し申請の件が却下されたということで、審査結果はともかく審査過程が不透明であるということで、一部対日投資離れを招くという指摘もあるかと思いますが、その点について長官の考えをお聞かせください。

答)

この件につきましては、財務省及び経済産業省が外為法の規定に基づいて審査・判断する個別事案でございまして、所管外でございますので、金融庁として、その審査の過程であるとか、その結果についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

一般論で申し上げれば、かねて申し上げているとおりでございます。すなわち、対内投資のあり方については、一方で対象となっている業務・事業の公共性の程度に応じた公的規制の要請がございます。他方で我が国金融・資本市場の競争力強化、その活性化という、政府としての大きな優先課題の推進という要請があるわけでございまして、この両者の間の整合性をきちんととっていくということが何よりも大事ではないかと思っております。いずれにいたしましても、我が国の市場が閉鎖的であるかのような印象を与えることのないように、経済産業省及び財務省には明確でわかりやすい説明を続けていっていただくことを期待したいというふうに思っております。

問)

先週公表された14のプリンシプルの件ですが、日本でこういった仕組みがうまく馴染むかどうかという点も含めて民間からいろいろな声も出ているかと思いますが、このプリンシプル導入にあたられての意気込みとか、あるいはどういった点が課題になるのか改めて伺えればと思います。

答)

お待ち申し上げていた質問でありまして、大変ありがとうございます。

ベター・レギュレーション(金融規制の質的向上)の内容のうち、ルールベースの監督とプリンシプルベースの監督の最適な組合せというこの柱は、極めて重要なものであろうかと思っておりまして、この後の金融庁における金融行政の実効性を高める、また、効率性、全体としての透明性・公平性を高めていくという上で、何か個別事案についての特効薬ということではないと思いますけれども、中期的に見たときに非常に大きな要素になっていくというふうに思っておりますし、そのように期待しているということでございます。

ご案内のとおり、ルールとプリンシプルのうちプリンシプルについては、当局がお示しをして金融機関の側にこれを受け入れてもらうといった上意下達のようなものであってはならないわけでありまして、監督を受ける側の金融機関と、監督をする側の当局との間で共有されるということが極めて重要だというふうにかねてから思っていたところであります。そういう意味で、昨年の12月以降何度かにわたって、業態横断的な場での議論、あるいは個別の業界団体との議論というのを重ねてまいりまして、先週4月18日に成案を得たというところでございます。

このプリンシプルを共有することの意義でございますけれども、第一に業者の側、金融サービス提供者にとっては、自らが取るべき行動について基本的な考え方が明確となり、自主的なサービスの改善等の際の指針となるということが期待されております。つまり、プリンシプルは金融サービス提供者に期待される改善努力の方向感を示すとともに、ベスト・プラクティスのよりどころとなるものだと思っております。

第二として、私ども監督当局にとっても、検査・監督等の場面におけるルールの解釈や運用において、プリンシプルに示された基本的な考え方に準拠することで、実態に即した的確な行政対応、実態に即した公平性というものをより確かなものにすることが可能になるのではないかというふうに思っております。

第三に、金融サービスの利用者の視点から見ると、この第一の点、第二の点の成果が出てくることの結果として、利用者にとっても、あらかじめ金融サービス提供者に期待される行動であるとか、あるいは金融サービスに求められる品質といったものが理解されて、いわば安心して金融サービスを購入できるような環境を整備することに貢献しうるのではないかというふうに思っております。

金融庁としては、今後、金融監督を進めるにあたって、当該プリンシプルに基づいて、金融サービス提供者と対話を引き続き行っていくことで深みのあるコミュニケーションを実現し、より一層実効性の高い、かつ効率的で更に予見可能性の高い行政を行っていくように努力していきたいというふうに思っております。

こういった成果を期待するためには、金融庁自身も相当な努力をしなくてはいけないというふうに自覚をしているところでありまして、共有されたプリンシプルの趣旨ないし運用の仕方について、金融庁の職員一人一人がその内容をきちんと理解をする、この解釈について的確な理解をするといったことも含めまして、とにかく金融庁の職員全体に周知徹底が図られるということが大事だと思っております。それを通じて、法令等の運用にあたって、背後にある大きな理念、なぜこのルールがこういう形で存在しているのかという大もとのところに立ち返ったような、そういった行政対応、行政上の判断が行われるように努めていくということが大事だと思います。このことにはある程度の時間がかかると思いますけれども、たゆまざる努力を積み重ねることによって、その実効性を確保していきたいというふうに思っております。

問)

今のプリンシプルの件でお聞きしたいのですが、昨年の秋に金商法(金融商品取引法)が施行され、その後、金商法の対応で行き過ぎがあったということで金融庁から(質疑応答集の)リリースがありました。また、3月に内部統制の件でやはり11の誤解があったということで、後から説明が必要になってしまったということがあったわけですけれども、今回のプリンシプルについてもそのようなことが懸念されるのではないか、つまり、行政が投げかけたものが過剰に受け止められてしまうという事態も想定されるのではないかという気がしているのですが、そこのところはいかがでしょうか。

答)

例示をいただいた金商法の全面施行であるとか内部統制ルールの実施については、実態を踏まえて、行き過ぎた解釈や誤解を解くことが重要だということで、Q&Aのようなものを発表させていただいたわけです。これは言ってみれば、ルールとプリンシプルの文脈でいけば、内部統制にせよ金商法のリスク性商品の販売ルールにせよ、ルールの大きな趣旨が何であるのか、その大きな趣旨に立ち返ったときにどのような運用をすることが期待されているのかということをある程度ブレイクダウンして具体的にお示しをしたというものとして解釈していただけるのではないかと思っております。そのような意味では、このような取組みというのもベター・レギュレーションの一つの大きな流れの中に位置づけ得るのではないかと思っております。

次に、ご質問の趣旨はもう一つの側面、すなわち今回合意された14のプリンシプルを、あたかもこれがルールであるかのように解釈をして、これに基づいて何か不利益処分がなされるのではないか、その結果として、このプリンシプルについて金商法あるいは内部統制で懸念されたような問題を生じさせるのではないかということでございますけれども、これは金曜日(18日)に発表させていただいた内容の中にも入っていたと思いますけれども、プリンシプルは、業者の側で自主的に改善努力をする際の拠り所になる、あるいはベスト・プラクティスの拠り所となるものであって、合意されたプリンシプルのみに基づいて当局、金融庁が不利益処分を行うことはないということは明言しているわけであります。それから、仮に不利益処分を行う場合であっても、このプリンシプルに基づくきちんとした努力が自主的に行われているという実態があった場合には、そのことについては行政処分の内容を考える際の軽減事由として勘案するということも明言しているわけでございます。したがって、プリンシプルというのは望ましい大きな方向感を示すものでありまして、あたかもこれを何か細かいルールであるかのような捉え方をされないようにお願いしたいと思いますし、金融庁としても、このプリンシプルの性格あるいはその役割について、監督される側の金融サービス提供者のみなさんと日常的な対話を続けていくことによって、そのような誤解が生じないように目配りをしていきたいと思っております。

問)

プリンシプルなのですが、対象となるサービス業者の中には、まだ合意をされていない業界があるようです。そもそも合意されることを前提としていなかったのかもしれませんが、この網羅性・横断性について、今後さらに広げられるお考えなどはございますか。

答)

その点は、それぞれの業態によって提供されるサービスの内容が異なっている、あるいは提供のされ方も異なっているということがございますので、ある程度柔軟性を持って、当局と監督対象の当事者のみなさんとの関係も考えていく必要があると思っております。そのような意味で、画一的な共通のプリンシプルについて、全ての業態との間で、全ての項目を合意するというのには必ずしも馴染まない部分があると思っております。

ルールとプリンシプルで言えば、例えば、普段金融庁の監督対象とはなっていない不特定多数の一般投資家が取引所や市場で取引をされる際に、不公正取引ということで金融庁が行政対応をするという場合には、透明性・予見可能性・公正性といった観点から見てもルール中心に運用されなければいけないということだと思います。他方で、銀行や保険会社のような免許業種の場合には、自主的に法令遵守の態勢や顧客保護のための態勢をきちんと整備する、リスク管理態勢をきちんと整備してもらうといった要請が非常に強いわけでございまして、このあたりについては、まさに自主的な努力にその多くを期待しておりますので、そのような場合には、もちろん大きなルールは定められているわけですけれども、それだけではなくプリンシプルに基づいた自主的な努力が期待されているということかと思います。

今申し上げたのは二つの極端な例ですけれども、業態によって重点が微妙に違ってくるということはあるのだろうと思います。そのようなことも踏まえ、たまたま18日に発表させていただいた合意の相手方となっている業態というのは明示させていただいていますけれども、これ以外の業態についても必要があれば今後コミュニケーションを図っていくということでしょうし、だいぶ異なる性格を持っているので必ずしもこのようなプリンシプルについて共有するということに馴染まないという部分もございますので、そのようなものについて無理に一律にそのような結果を追い求めるということは必ずしも適当ではないと思っています。いずれにいたしましても、監督対象の金融サービス提供者のみなさんとの中身のあるコミュニケーションを図っていく、継続していくことが大事だと思っております。

(以上)

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