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佐藤金融庁長官記者会見の概要

(平成21年1月19日(月)17時01分~17時13分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

私の方からは特にございません。

【質疑応答】

問)

昨日ですけれども、札幌北洋ホールディングスが、改正金融機能強化法に基づき公的資金の注入申請を検討しているという報道がありました。個別のことなのでなかなか難しいかもしれませんけれども、現在の手続き状況などあればお聞かせ下さい。また、同社首脳が、昨年12月の一部報道のインタビューでは、公的資金の申請は全く考えていない(と発言した)という報道もあったと思いますが、今回は申請するというようなことになれば、金融庁の強い働きかけもあったというような見方もあるのかなというように思いますが、それについてもお願いします。また今後の他行の動きなどについても、もし何かあればお願いします。

答)

金融機能強化法に関する個別の申請事案であるとか、検討状況についての現時点での私どもからのコメントというのは差し控えるべきだろうと思います。

そもそも、この金融機能強化法に基づくスキームは、厳しい経営に直面する地域経済や中小企業を支援するということが大きな目的でございます。機能強化法に基づく資本注入を検討していただく、あるいは、そういった表明をしていただくということは、一つには、そういった金融仲介機能をしっかり果たすことによって、地域経済や中小企業を支えていくのだというコミットメントの表れであろうかと思いますので、そういう意味では歓迎すべきものだろうと思っております。また更に、実体経済においてもグローバルな金融市場においても、不確実性が大変高い状況になっておりますので、これまでも申し上げてきておりますけれども、「先を読む経営」ということが、ますます重要になってきている局面だろうと思います。そういう意味では、そういった「先を読む経営」の中で、資本を増強するということが選択肢に入ってきた場合には、その中で、機能強化法の活用ということも検討していただくということは、大変前向きな話であろうかと思っております。

金融庁としては、これまで全国で説明会を行ったり、あるいは、広く検討の呼びかけを行ってきているわけですけれども、最終的には今も申し上げましたように、経営判断の問題でございますので、個々の金融機関において、責任ある経営判断によって決めていただく話ということでございます。

問)

米シティグループが16日、日興コーディアル証券と日興アセットマネジメントを非中核事業に分割すると発表しました。国内証券業界の再編の動きが浮上しておりますが、現時点で把握している状況などあればご所感をお願いします。

答)

1月16日金曜日に、米国のシティグループが、当初22日に予定していた2008年の第4四半期(10-12月期)の決算を前倒しで発表するとともに、併せて、現下の経済・市場環境などにかんがみて、同グループを、商業銀行業務や投資銀行業務などの中核業務を手掛ける「シティコープ」と、その他の非中核事業、非中核業務を手掛ける「シティホールディングス」の2つに分割するといったことを内容とする事業再編計画を発表したものと承知をいたしております。また、この事業再編計画において、我が国にございます日興コーディアル証券や日興アセットマネジメントが、先ほどの非中核業務の中に位置づけられるであろうということは承知をいたしております。他方で、両社の売却観測が報じられていることは承知をいたしておりますけれども、現時点では、両社の今後のあり方について、シティグループ側から明確な方針が示されているとは承知をいたしておりません。いずれにいたしましても、個別の金融機関グループの事業再編等の話は、経営判断に関わる事柄でありますことから、コメントすることは差し控えるべきだと思っております。同様に、国内証券業界の再編の動きというご指摘についても、あくまで報道上の話であり、コメントは差し控えさせていただきます。

一般論として申し上げれば、グローバルな市場の混乱が続いている中で、欧米の主要金融機関に関して言えば、一部の大手が、単独では制御不能な巨額の損失を計上し、これらも契機として統合や事業再編の動きが出てきているという状況だと思います。我が国については、金融セクターだけを見れば、米国などに比べて相対的に安定はしているということかと思いますが、いずれにいたしましても、我が国の金融機関に関しても、適切な経営管理、リスク管理の下で、的確な経営判断を行うことが重要だと思います。その結果として、国際競争力と顧客利便性に優れた、質の高いサービスが提供されていくようになるということを期待しているところであります。

問)

金融機能強化法ですが、北洋銀行の表明ということで、今後これが呼び水になって申請が増えるのではないかという見方がありますが、金融庁としてそのあたりをどのように見られていますか。

答)

札幌北洋による表明というお尋ねでしたが、現時点において私が承知しているのは、18日の日曜日の午前に「現時点で決定した事実はありません。今後開示すべき事実を決定した場合には、すみやかにお知らせします。」というプレスリリースを出されているというところまででございます。

これもあくまでも一般論ですが、先ほども申しあげましたように「先を読む経営」ということが大変重要になっているということでございますし、地域経済を支える中小企業への金融仲介をしっかり果たしていただくということは預金取扱金融機関にとって最も中核的な役割ですので、そういったことも踏まえてしっかりとした地域経済への支えになるのだというコミットメントの表明という側面もありますので、こういった検討が真剣になされることは期待しているところでございます。

問)

関連で恐縮ですが、法律の目的を考えたときに、中小企業や地域経済への貢献という趣旨を考えて、そして現在の中小企業や地域経済が置かれている状況を考えたときに、急いで急遽作ったという面も考えて、やはり3月末という決算期末への(資本)注入というのが「先を読む経営」というなかで、今後の市場を考えたときに、ある程度(申請が)出てきたほうが良いというふうに3月末がひとつのタイミングになるのかどうか、それについてのお考えをお聞かせください。

答)

3月末というのは、ひとつの節目であります。平成20年度通年の決算が閉まりますので、ひとつの節目であることは事実だろうと思います。ただ各銀行において、資本増強を検討される際にどのようなタイミングで行うのがベストなのかということは、それぞれの金融機関において、それぞれ置かれた状況を踏まえ、あるいは資本増強の円滑な実施という観点から見て、一番良いタイミングをそれぞれ選ばれるということになろうかと思います。

(以上)

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