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三國谷金融庁長官記者会見の概要

(平成21年7月27日(月)17時00分~17時14分 場所:金融庁会見室)

【長官より発言】

今日はありません。

【質疑応答】

問)

まず、今日、民主党のマニフェストが、ちょうど今の時間帯に正式に発表されていると思いますが、細かい点はともかくとしまして、官僚主導から政治主導といった大きな転換点が特徴とされているように報道されております。仮の話になってしまうかもしれませんが、金融行政において、政治主導といったことが起きますと、どのような影響、もしくは効果が想定されるでしょうか。今後の金融危機からの出口戦略という点を含め、現時点でのお考えをお聞かせください。

答)

まずご質問の同党のマニフェストでございますが、本日公開されると承知をしております。しかし、これは衆議院選挙に関連しました公党のご議論でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、ご質問の金融行政という点について申し上げますと、金融行政には3つの任務、1つは金融システムの安定、2点目は利用者の保護と利用者利便の向上、3点目は公正・透明で活力ある市場の確立という3つの任務が課されております。私どもといたしましては、引き続き、その実現に向けて1日1日行政に取り組んでいくということかと思います。

その上で、お尋ねの出口戦略についてでございますが、これは具体的に申し上げますと、昨秋以降に講じました臨時・異例の措置、これを平時に戻していくタイミングや具体的な方法などにつきましては、経済の情勢などを踏まえる必要があると考えておりますが、具体的には、足もとの状況の丁寧な分析、それから個別の措置ごとの効果の検証、それから3点目は、場合によっては、国際的な動向との足並みの確保、こういったものを図りながら、慎重に判断していく必要があるということには変わりがないものと思っております。

問)

今日、株価が1万円超えていますので、少し時期が早まるとか、そういったようなことは。

答)

株式市場でございますけれども、本日、その数値だけ申し上げますと、終値で1万88円66銭でございまして、これは、6月12日に1万135円82銭を記録しておりますが、これに次ぎます今年2番目の高値ではあります。

しかしながら、株式市場の動向は、様々な市場参加主体がそれぞれの判断に基づき投資行動を行った結果として決定されるものでございまして、その水準等につきまして、先々のことにつきましても断定的なコメントは申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

いずれにいたしましても、世界的な金融混乱に端を発します金融経済情勢は、引き続き、様々な課題を抱えていると思っております。金融庁といたしましては、引き続き、内外の動向を十分に注視してまいりたいと考えております。

問)

ビックカメラの不正会計問題で、証券取引等監視委員会から課徴金納付の勧告を受けた元会長が金融庁に不服を申し立て、初の公開審判が行われると報道されています。過去にない例だと思いますが、金融庁における審判の準備態勢が万全であるかどうかなど、現時点での対応及びお考えをお聞かせください。

答)

審判手続中の事案について、個別具体的なコメントを直接申し上げることは差し控えたいと思いますが、本件について公表されている限りにおいて申し上げますと、本件につきましては、当初8月6日に予定されておりました審判期日が変更されておりますが、現時点で、変更後の審判期日は未定でございます。なお、審判期日を開催することが確定しました場合には、遅くとも開催日の1週間程度前には、金融庁のホームページで公表する予定でございます。

次に、これまでの実績を見ますと、様々な手続きを経まして、最終的に課徴金の納付命令まで行ったものは83件ございますけれども、これはいずれも被審人から違反事実を認める旨の答弁書が提出されましたために、審判期日は開催されておりません。仮に開催されれば、本件については、初めての例ということになると思います。

なお、その場合には、金融商品取引法に基づきまして、独立・公正な審判官の下で、粛々と審判手続が行われることとなるものでございます。

問)

先週来からのお話ですが、アリコジャパンで、クレジットカードの個人情報が不正使用された問題は、インターネット上の電子情報が外部に漏れた新しい犯罪類型で社会的被害が大きく、与謝野大臣が、改めて刑法上などの検討措置が必要である、という趣旨の発言をされておられます。金融庁として、今後そういった問題全般を含め、どのように対応されるお考えでしょうか。

答)

本件につきましては、先般、大臣からも、情報管理に一段と厳しく対処してほしい旨の発言があったと承知をしておりますが、金融庁といたしましては、個人情報保護法等に基づきまして、各金融機関、これは他の金融機関も含めまして、情報の安全管理について必要・適切な措置を講じるよう、これは機会を捉えまして注意喚起をしてまいりたいと思っております。

次に、本件につきましては、アリコジャパンにおきまして、引き続き、流出した疑いのある情報の特定に向けた調査を進めている旨公表していると承知しておりますが、一般論として申し上げれば、保険会社において顧客情報の漏えいなどが発生した場合には、影響のあった顧客に対しまして、迅速かつ的確な対応を行うとともに、二次被害等の発生防止に向けて、実効性のある対策を講じ、その上で、再発防止に向けた取組みを行い、信頼回復に努めていくことが重要であると考えております。

いずれにいたしましても、個人情報保護法等に基づきまして、各金融機関において顧客情報の管理が適切に行われるよう、私どもも引き続き、的確な検査・監督などに努めますとともに、問題があると認められる場合には、必要に応じまして、監督上の対応を行ってまいりたいと考えております。

問)

そのアリコの件なのですが、現時点で金融庁が行っている顧客保護のための指導とか、対応を詳しく教えてもらえませんか。

答)

個別の事案に対します行政上の直接の対応についてのコメントは差し控えたいと思っておりますけれども、いずれにしても、現在、アリコジャパンにおきましても、今申し上げましたように、この情報の特定に向けた調査を進めている旨を公表しているものと承知をしております。

また、当社によれば、これまで個人情報危機特別対策本部を立ち上げ、外部のセキュリティ分野の専門家の協力も得た上で、その調査を行っている、あるいはクレジット会社に協力・連携を依頼している、それから、7月24日から、情報流出の可能性があると現時点で判断される顧客に書面での連絡を開始していると承知しております。引き続き、こういった取組みを進められまして、顧客の利益の保護に万全を期してほしいと思っております。

問)

金融庁の危機感を教えてもらいたいのですけれども、過去にないことで、現時点で、そういう被害の犯罪が続いている状況なのですから、個別、個別と言わずに、一般の契約者が分かるように、ちゃんと説明してください。

答)

金融庁といたしましては、これは従来からでございますが、こういった事案が生じますと、一つには、その個別の事案につきましては、様々な形で情報を集めたり、あるいは対応を促すとともに、それから、こういったことが他の機関でも波及しないよう、注意喚起を促すなどの措置を講じてきているところでございます。

この問題、こういった形で、現在、個人情報にかかります懸念が生じているところでございますが、私どもとしても、こういった問題にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

問)

先ほどの民主党のマニフェストの件なのですけれども、マニフェストの内容というよりは一般論で結構なのですけれども、「公開会社法」というのを民主党は主張して、これは、過去のマニフェストという意味ではなく、以前から主張してきたと思うのですが、先月、金融審のスタディー・グループの方では、会社法と金商法(金融商品取引法)の整合性の問題があって、上場会社に限定した法制度というのは、まだ時期尚早、というような趣旨の報告をまとめたところだと思います。前回、長官の就任会見のときに、少子高齢化社会を睨む上で、引き続き市場強化というのは必要じゃないか、ということをお話しされたと思うのですけれども、その市場強化を図っていく際に、上場会社に限定した法整備というのは必要だとお考えなのかどうか、その辺をお聞かせ願えますでしょうか。

答)

まずご質問のマニフェストでございますが、これは、今、公開されている形なのでございましょうか。

問)

5時からです。

答)

まだ私は最終的なものを承知しているわけではございませんが、各党からマニフェストが出ているかと思いますが、それに対する直接の言及は差し控えさせていただきたいと思います。

その次に、公開会社、あるいはコーポレートガバナンスに関します議論は、従来から様々なところで議論は提起されてきているところでございますが、金融庁といたしましては、これまでも金融商品取引法等を通じまして、会社のコーポレートガバナンスにつきましては、金融商品取引法等で、その角度から取り組める範囲内につきまして、あるいは公認会計士法の世界等でも様々な対応をしてきたところだと思っております。

基本的に、金融・資本市場というのは、様々なプレーヤーから成り立ちますが、まず発行体のガバナンスがあって、それを会社の内部監査というものがあり、さらに外部監査というものがあり、さらに必要に応じて様々な行為規制等が、これは行政も含めてあるわけでございますが、そういった順序で自らのコーポレートガバナンスの向上に努めていただくということは、大変大事なことではないかと思っております。

方法論につきましては、それは様々なご意見がございますでしょうが、私どもといたしましては、先般、コーポレートガバナンスにつきまして、現段階での考えられる案を、考えられるその段階での論点をお示ししたというところかと思います。引き続き、日本の金融・資本市場が適切に発展していくように、様々な角度からの議論が行われていくものだと思っております。

(以上)

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