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参議院財政金融委員会における中川財務・金融担当大臣の発言要旨

(平成20年11月6日)

(はじめに)

このたび、財務大臣及び金融担当大臣を拝命いたしました中川昭一でございます。

本委員会における御審議の開始に当たり一言御挨拶を申し上げますとともに、今後の財政政策及び金融行政等を運営するに当たっての基本的考え方を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

(最近の経済・金融情勢に対する政策運営について)

まず、最近の経済・金融情勢に対する政策運営について申し上げます。

去る十月十日に開催されましたG7においては、現下の国際的な金融情勢への対応について、集中して議論を行ってまいりました。その結果、現下の危機的状況についての共通の認識の下で、金融市場を安定化させ、信用の流れを回復するための五項目の行動計画をまとめ、明確なメッセージとして打ち出しました。

G7では、私から、日本の経験を踏まえた金融機関への公的資本注入の意義や、IMFがこの危機に柔軟かつ積極的に対応すべきであり、必要ならば我が国もIMFへの資金貢献を行う用意があることなどを申し上げてまいりました。

さらに、十月二十七日、G7として声明を発表し、最近の為替相場における円の過度の変動、並びに、それが経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを懸念するとともに、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する旨、表明いたしました。

我が国の金融システムそのものは欧米に比べれば相対的に安定しており、セーフティネットも十分に整備されておりますが、金融資本市場の急激な変動が我が国の金融や実体経済に与える影響については、常に高い緊張感を持って対処していく必要があります。このため、当面必要な対策として、自社株買い規制の緩和、空売り規制の強化及び政府等保有株式の市中売却の一時凍結等を既に実施に移すとともに、銀行の自己資本比率規制の一部弾力化など、株式市場の安定や金融機能の一層の強化等のための施策を実施することとしております。

現下の経済情勢の下、中小企業の業況は厳しい状況にあります。民間金融機関においては、適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が求められます。中小企業金融については、これまでもきめ細かい実態把握に努めるなどの対応をしてきておりますが、先般改めて、金融機関の代表者を集め、金融円滑化に向けた要請を行いました。

さらに、国の資本参加による金融機関の資本基盤の強化を通じて、中小企業に対する信用供与の円滑化等、地域経済に対する適切な金融仲介機能を発揮するとの観点から、「金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を、また、保険契約者等の保護を図り、保険業に対する信頼性を維持する観点から、「保険業法の一部を改正する法律案」を、国会に提出させていただきました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

中小企業に対する円滑な金融は、金融機関の最も重要な役割の一つと認識しており、今後とも、情勢の変化に即応しつつ、適時適切に対応できるよう努めてまいります。

また、政府は、「安心実現のための緊急総合対策」を具体化するため、平成二十年度補正予算を九月二十九日に国会に提出し、その後国会の御審議を経て、十月十六日に成立したところであります。

さらに、同対策をとりまとめた後の内外の金融・経済情勢の変化等新たな事態に対応するため、十月三十日、新しい経済対策として「生活対策」を策定いたしました。

本対策においては、第一に、生活者の暮らしの安心を確保するため、総額二兆円を限度とした生活支援定額給付金の実施等の施策を講ずることとしております。

また、金融・経済の安定強化を図るため、先ほど申し上げた株式市場安定化策等に加え、中小・小規模企業等資金繰り対策として、セーフティネット貸付・保証枠を三〇兆円規模に拡大する等の施策を講ずることとしております。

さらには、地域の活性化のため、高速道路料金の大幅引下げ等の施策を講ずることとしております。

政府といたしましては、本対策を実効あるものとするよう努めてまいりたいと考えております。

(今後の財政政策及び金融行政等の基本的考え方について)

続いて、今後の財政政策及び金融行政等の基本的考え方について申し上げます。

我が国の現状に鑑みれば、国民の不安を払拭するとともに、将来への希望が持てる経済を構築することが重要であると考えております。

他方、我が国財政は極めて厳しい状況にあり、経済や社会保障に悪い影響を与えないためにも、財政健全化に着実に取り組んで行く必要があります。そのため、日本経済の持続的で安定した繁栄を図ることを基本として、これまで政府・与党が掲げてきた財政運営上の基本方針である、二〇一一年度までの国・地方の基礎的財政収支の黒字化という目標に向け、努力をしてまいります。

また、政府としては、国民の安心を確かなものとするため、持続可能な社会保障制度の構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムを、年末までに策定することとしております。この中には、基礎年金国庫負担割合を二分の一に引き上げるための前提となる、消費税を含む税制抜本改革の姿も含めることとしております。

平成二十一年度予算編成については、従来にも増して、メリハリの効いた予算編成に取り組んでまいります。このため、成長力の強化、質の高い国民生活の構築等の重要課題への思い切った予算配分を行うための重要課題推進枠を設け、これに、従来の削減に加え、政策の棚卸し等を通じて捻出した財源を充てることとしております。

金融行政については、国際的な金融市場の動向を十分注視しつつ、これまで申し上げた施策の策定・実施を含め、引き続き、金融システムの安定、利用者保護・利用者利便の向上、及び公正・透明で活力ある市場の確立に向けた諸課題に対し、全力を尽くしてまいる所存であります。

(結び)

以上、財政政策及び金融行政等に関する、私の考えの一端を申し述べました。今後とも、与野党の皆様のお力添えを得て、政策運営に万全を尽くしてまいる所存であります。

峰崎委員長を初め、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。

(以上)

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