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衆議院財務金融委員会における中川財務・金融担当大臣の所信表明

(平成21年2月12日)

(はじめに)

今後の財政政策等については、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において改めて、財務・金融担当大臣として、財政政策及び金融行政等において今後取り組むべき課題等について、所信を申し述べます。

(最近の経済金融情勢への対応)

はじめに、最近の経済金融情勢への対応について申し述べます。

世界の金融資本市場の状況を見ますと、米国などで発展した証券化商品や金融派生商品が欧米を中心に広く保有されていた状況の下、市場においてこうした商品の価格が著しく下落し、十分なリスク管理を怠っていた欧米等の金融機関等において大規模な損失が発生したこと等を契機に、市場全体が混乱に陥りました。百年に一度とも言われる金融危機であります。

金融資本市場の混乱は、信用収縮等を通じて実体経済に悪影響を及ぼし、世界的な景気後退が発生しております。我が国においても、輸出や生産が減少し消費も停滞しており、雇用情勢が急速に厳しさを増すなど、景気は急速に悪化しております。

こうした情勢に対し、厳しい財政状況の下、「当面は景気対策」、「中期的には財政再建」、「中長期的には改革による経済成長」の三段階で経済財政政策を進めることとしております。

まず、財政面で十二兆円程度、金融面で六十三兆円程度、合計七十五兆円程度となる一連の経済対策をとりまとめました。これら一連の対策に盛り込まれた各措置については、可能なものから早急に実行しているところでありますが、対策をより実効あるものとするためには、平成二十一年度予算を、平成二十年度第一次補正予算及び第二次補正予算とあわせて、切れ目なく実施していく必要があると考えております。

さらに、我が国は、昨年十一月の「金融・世界経済に関する首脳会合」において、IMFに対し最大一千億ドル相当の融資を行う用意があることを表明する等積極的な貢献を行っており、各国から高い評価を受けております。今後とも、バブル経済崩壊後の危機を自らの力で克服した経験を踏まえた情報発信を行いつつ、金融危機後の新しい世界経済・金融に対応した枠組みづくりの議論に、積極的に参画するとともに、我が国の景気回復を図って、世界経済に貢献してまいります。

(我が国財政の現状と財政健全化の取組)

次に、我が国財政の現状と財政健全化の取組について申し述べます。

既に申し述べましたとおり、我が国経済は世界的な金融危機の渦中にあります。一方、我が国の財政は、国・地方を合わせた長期債務残高が平成二十一年度末には八百四兆円、対GDP比で 百五十八%になると見込まれ、主要先進国の中で最悪の水準にあるなど、極めて厳しい状況にあります。

「金融・世界経済に関する首脳会合」の宣言にもあるとおり、即効的な対応が求められる中にあっても、財政の持続可能性を確保する政策の枠組みを維持していくことが必要であります。とりわけ、巨額の債務を抱える我が国にとりまして、財政健全化は、安定した経済成長を図る上でも重要な課題であります。当面、現行の基礎的財政収支に関する努力目標の下で、景気回復を最優先としつつ、財政健全化の取組を進めてまいります。

また、中期的な財政責任を果たし、社会保障に対する国民の安心強化を図るため、昨年末に閣議決定いたしました「中期プログラム」に従い、消費税を含む税制抜本改革に向けた取組を進めてまいります。

(平成二十一年度予算及び税制改正の大要)

続いて、平成二十一年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。

平成二十一年度予算は、世界的な経済金融危機にあって、国民生活と日本経済を守るための施策を大胆に実行する、「生活防衛のための大胆な実行予算」であります。

国民生活を守るため、医師確保・救急医療対策、雇用対策、出産・子育て支援などの施策を講じます。また、日本経済を守るためのセーフティネットや成長の芽を育てるための施策を盛り込んでおります。これらの重要施策については、重要課題推進枠を活用するなどにより、思い切ってメリハリを付けました。

また、財政規律を維持する観点から、「基本方針二〇〇六」等に基づく改革を継続しております。さらに、行政支出総点検会議における指摘等も踏まえ、厳格に政策の必要性を精査することなどにより、徹底した無駄の削減を図り、公益法人への支出、特別会計の支出、広報経費等の行政経費等について、大幅な削減を行っております。

一般歳出は、五十一兆七千三百十億円であります。これに地方交付税交付金等及び国債費を合わせた一般会計総額は、八十八兆五千四百八十億円であります。

一方、歳入については、租税等の収入は、景気の悪化等により、前年度当初予算と比べ、七兆四千五百十億円減少の四十六兆千三十億円を見込んでおります。その他収入は、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定からの四兆二千三百五十億円の受入れを含め、九兆千五百十億円を見込んでおります。

以上のように、歳出・歳入両面において最大限の努力を行う一方、税収が大幅な減少となるなか、新規国債発行額については、三十三兆二千九百四十億円となっております。

平成二十一年度税制改正については、現下の経済金融情勢を踏まえ、景気回復の実現に資する等の観点から、住宅・土地税制、法人関係税制、中小企業関係税制、相続税制、金融・証券税制、国際課税、自動車課税等について、必要な改正を行うこととしております。

(金融行政における取組)

現下の金融行政について申し述べます。

我が国の金融システムそのものは、欧米に比べれば相対的に安定しておりますが、株式市場等の大幅な変動や実体経済の悪化から来る影響が大きくなってきており、引き続き高い緊張感の下で状況を注視してまいります。

また、我が国の景気が急速に悪化する中で、企業の資金繰りも大変厳しい状況となっており、金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっています。このため、金融機関が安心して資金供給できる環境を更に整備する観点等から、改正金融機能強化法の迅速な施行、銀行の自己資本比率規制の一部弾力化、貸出条件緩和債権に該当しない場合の取扱いの拡充など、様々な措置を講じてきたところであり、引き続き、金融仲介機能の発揮を金融機関に対して要請してまいります。

さらに、こうした中で、国際的に連携しつつ、金融危機の再発防止と金融システムの強化を強力に推進するとともに、我が国金融・資本市場の機能強化に引き続き不断に取り組んで行く必要があります。このため、格付会社に対する公的規制の導入、金融分野における裁判外紛争解決制度の創設、金融商品取引所による商品市場の開設等に関する所要の制度整備を行うこととしております。また、資金決済に関するサービスの適切な実施の確保及びその提供の促進を図るための所要の制度整備を行うこととしております。

(提出法律案の概要)

本国会に提出することを検討中の法案を含め、今後、御審議をお願いすることを予定している法律案は、平成二十一年度予算に関連するものとして三件、その他として四件であります。

既に国会に提出された各法律案の概要について、御説明いたします。

第一に、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案」でございます。同法案は、平成二十一年度における公債の発行の特例に関する措置並びに平成二十一年度及び平成二十二年度における財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの一般会計への繰入れに関する特例措置を定めるものであります。

第二に、平成二十一年度税制改正における諸措置等を盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する法律案」でございます。

第三に、税関における水際取締りの充実・強化等及び暫定税率等の適用期限の延長等を内容とする「関税定率法等の一部を改正する法律案」でございます。

第四に、国際通貨基金への加盟国の出資総額が増額されることに伴い、我が国が出資を行い得るよう所要の措置を定める「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」でございます。

以上に加え、先ほど金融行政における取組において申し上げた制度整備を図るため、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」及び「資金決済に関する法律案」の提出を予定しております。

また、「国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案」の提出を検討中であります。

現下の経済金融情勢を考えますと、予算とともに、予算関連法案についても、今年度内に成立させることが是非とも必要であります。また、その他の法律案についても、速やかに所要の施策が講じられるよう、できるだけ早期の成立が求められるところであります。御審議の上、御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。

(結び)

以上、財政政策及び金融行政等に関する、私の考えの一端を申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て、政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。

田中委員長をはじめ、委員各位におかれましては、御理解と御協力をお願い申し上げます。

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