松下金融担当大臣挨拶
(平成24年7月27日(金) 財務局長会議)

私は、一月半前の野田内閣の改造により自見大臣の後を受けまして、金融担当大臣を拝命いたしました。併せて、郵政民営化、郵政改革の最後を作り上げるという大事な役も仰せつかりました。金融機関との関わりもございますので、しっかりとした対応をしていきたいというふうに考えております。

私は、平成21年9月から今年の2月まで、約2年半でございますけれども、経済産業省の副大臣として、我が国の経済産業の振興に取り組んでまいりました。また、昨年3月11日の震災以降は、発災直後から福島の現地災害対策本部長を務めておりまして、200万人の福島県民及び16万人の避難している方々の生活支援、将来の復興・再生、根本的な暮らしの再建から始めるという、大変困難な仕事でありましたけれども、その仕事にあたってまいりました。復興庁が今年2月に発足しまして、その2人の副大臣のうちの一人として、特に福島第一原子力発電所の事故の収束と、その後の復興・再生にあたるということで、特命の復興副大臣としての仕事もしてまいりました。大変難儀な仕事でありましたけれども、その際、特に感じたことがございました。東日本全体の復興・再生にあたっている中で、やはり「金融」は非常に大事だとそう思いました。

電気、水道、鉄道、道路といった社会インフラと同じで、順調に動いているときにはあまり有り難みは分からないけれども、一旦今回のような大きな災害に見舞われて、機能がストップした時の、その深刻な影響というのは計り知れないものがあるということをつくづく思いました。ともすれば、電気、水道、鉄道、道路といったものに目がいくのですけれども、それらを支えている「金融」というお金の流れは、極めて大事だとつくづくそう思いました。

災害時でも止まってはならないということでありますので、こうした意味を含めて、今日こうしてお集まりいただいた財務局長の皆様方に、特に2つのことをお話ししたいと思っております。

一つ目は、「中小企業の再生・成長を通じた地域経済の活性化」についてであります。お手元に、私が経済産業省の副大臣の時に中心となって作成しました、「中小企業憲章」が配付してあります。これは、基本的な理念や考え方とともに、国が責任を持って中小企業を支えていくという具体的な仕組み、方策、対応等についても触れてありまして、我々が日常、取り扱っていく政策がこうした観点をきちっと入れているか、またどのように進んでいるかといったことを進度としてチェックしたいという思いで作ったものでございます。これはポケットに入るサイズでございますので、私はいつも持っておりますけれども、是非ご利用いただきたいと思って配付いたしました。

私は、経済産業の振興に取り組んできた経験から、円高の影響、あるいは殆ど進んでいない世界との高いレベルの経済連携、これらによる影響がもたらす産業の空洞化と地域経済の衰退、地元で苦しむ中小企業の実情に強い懸念を抱いています。今日の日経新聞にも掲載されていましたけれども、富士通の桑名(三重)工場(が売却されるとの報道)、ここは私の地元(鹿児島)の隣町の富士通の工場とも密接に連携しており、大型の集積回路の組立てに取り組んできたところでございますけれども、今、地元ではこのことで足元が揺らいでおります。また、パナソニックは、鹿児島県の誘致第1号の企業であり、約45年前に私の地元の隣町に乗り込んできた企業でありますけれども、2年後には閉鎖するということとなりました。雷が落ちたというような状態でありまして、今、県や国を挙げて町の再生をどうするかといったことに取り組んでおります。1,000人が仕事を失い、人口5万人の町が暮らしの基盤をなくすといった状態であります。こういったようなことが全国で進んでいるのではないか、皆様の地域でも同じようなことが起こっているか、起こりうるのではないかと考えております。産業の空洞化への対応、産業の建て直しに向けて、政策を総動員してやらなければならないと考えております。

こうした中、金融担当大臣として、金融を通じて地域経済をどのように活性化していくか、より具体的には、各金融機関の支援を通じて地域の中小企業をどのように再生・成長に向けた軌道に乗せていくかが、極めて重要な任務と考えています。日本再生プランをまもなく閣議決定しようとしておりますが、そこにもしっかりと取り組んでいかなければならない課題と考えております。

このため、私としては、中小企業金融円滑化法の最終延長も踏まえつつ、今こそ、各地域の金融機関がそれぞれ総力を挙げ、地域経済の活性化を図り、地域の企業の自助努力による経営改善や抜本的な事業再生、すなわち持続可能な事業経営体質の強化、を強力に支援していくことが重要と考えています。

財務局長におかれても、所管地域の金融機関による、中小企業に対する具体的な支援の方針や取組み状況等についてしっかりとフォローしていただき、金融機関の自発的な取組みを促していただきたいと考えています。

二つ目は、「被災地における二重債務問題への対応」についてであります。震災発生後の東日本の復興再生に向けて取組みを進める中で、深刻な問題となると感じましたのが、いわゆる「二重債務問題」でありました。

被災地域の復興のためには、被災者の一日も早い事業や生活の再建が極めて重要です。他方で、被災者が本格的に事業や生活の再建を図っていくための新規の資金調達が必要であります。このため、今後、この「二重債務問題」に直面する被災者が増加していくことが予想されます。私としては、心を傷つけられ、痛めつけられて生活基盤を壊されてしまった被災者が元気を出して再出発できるよう、政府としてもしっかりと支援をしなければならないという気持ちを一貫して抱いてきています。

このため、金融庁では、復興庁及び中小企業庁と連名で、被災事業者支援の促進策を公表し、また、金融機関に対して、被災者にとって最適な解決策の提案・実行支援や、東日本大震災事業者再生支援機構及び私的整理ガイドラインの利用を勧めること等の要請を行ったところです。

財務局におかれても、東北と関東が中心となるわけでございますけれども、九州をはじめとして多くの地域それぞれの被災者のおかれた状況を十分に踏まえた上で、被災者の支援に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。金融機関においては、心のこもった、そして踏み込んだコンサルティング機能を発揮し、被災者の支援にあたっていただきたいと、特段のお願いを申し上げるところでございます。

財務局にも様々な金融行政上の業務・課題はあると思いますが、私からは、本日、特にこの二点を申し上げました。各財務局長ならびに財務局職員の皆様におかれましては、こうした考え方を踏まえて、各地域における金融行政の遂行に努めていただきますよう、心からお願いをいたしまして、私の挨拶といたします。

(以上)

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