中塚金融担当副大臣挨拶
(平成24年9月20日(木)全国証券大会)

金融担当副大臣の中塚一宏でございます。本日は日本証券業協会、全国証券取引所協議会および投資信託協会の共催により、平成24年全国証券大会が盛大に開催されますことを、まずもって心よりお喜びを申し上げます。皆様方におかれましては健全な証券市場、ひいては日本経済の発展のため、ご尽力をいただいておりますことに心より敬意を表させていただきたいと思っております。

証券市場をめぐりましては課題が山積しております。今後とも皆様方からご意見をいただきながら、諸課題に取り組んでまいります。

我が国経済は復興需要等を背景に、穏やかに回復をしてまいりました。今後、この回復の動きが確かなものになることを期待されておりますが、一方で、世界経済の動きとしましては、昨年夏以降、欧州債務問題が顕在化する中、ソブリンの信用不安が欧州の金融市場、金融機関に伝播し、さらにそれが実体経済に影響を及ぼしていく可能性が指摘されているところです。

我が国の金融システムは総体として健全であり、安定しておりますが、このような状況の下、金融庁としても内外の経済・市場の動向や、それが我が国の金融システムに与える影響について、引き続き緊張感を持って注視をしていく必要があると考えております。

我が国の金融資本市場について鑑みますと、一部の上場企業において不適正な会計処理を行っていることが判明した事案や、AIJ投資顧問事件、そして公募増資インサイダー事案と、昨年から今年にかけて、その公正性・透明性について内外の投資家の皆さんからの信頼を揺るがしかねない事案が明らかとなりました。

金融庁としてはこれらの事件は本当に遺憾なことであると思っております。再発防止に向けた取組みを通じまして、投資家の市場に対する信頼を確保し、証券市場の発展、ひいては国民経済の発展を実現してまいりたいと考えております。

その一環としまして、法令違反に関与し、我が国市場の公正性・透明性に疑念を抱かせるような行為を行った関係者に対しては刑事告発や行政処分等、必要な対処を行っているところです。金融庁としては、今後とも、証券取引等監視委員会と密接な連携を図りながら、市場の公正性・透明性を揺るがす行為に対しては厳正に対処してまいりたいと考えております。

また、並行して、それぞれの事件の背景等を踏まえ、再発防止に向けても様々な制度について、その運用面も含め、所要の点検・検討を進めているところです。先ほど、前会長から独自の取組み、そして決意の表明がございましたが、金融庁としてもインサイダー取引規制の見直しについては、7月31日に金融審議会のワーキング・グループの審議を開始いたしました。またAIJ投資顧問の事案については、当該事案を踏まえた規制・監督の見直しの案を取りまとめ、9月4日に公表し、ご意見を募集しております。

金融庁としては、こうした取組みを通じまして、公正・透明な市場であることが一番の活力につながるという強い信念の下、我が国市場に対する信頼をしっかりと揺るぎないものにするべく、最大限の努力をしてまいります。

最後に二つ申し上げます。今月6日、改正金融商品取引法が成立いたしました。関係者の皆様のご尽力に心より敬意を表し、感謝を申し上げます。改正金商法に盛り込まれた総合的な取引所は証券・金融商品の垣根を取り払い、利用者利便の向上、国際競争力の強化を目指すものであり、その実現は日本の市場の将来にとって極めて重要であると考えております。金融庁としては、総合的な取引所の実現に向けて関係省庁、農水省や経産省と緊密に連携をしながら、関係者の方々に早急に協力を要請してまいりたいと考えております。

二つ目ですが、国民の皆さんが資産を安心して有効に活用できる環境整備を進めることが重要です。現在、金融審議会において投資信託・投資法人法制の見直しのために、幅広い観点からの検討を進めております。金融審議会での議論を踏まえ、来年の通常国会に関連法案を提出することを念頭に置いており、引き続き幅広い視点からの検討が行われることを期待しております。

最後になりますが、本日お集まりの皆様方のさらなる取組みにより、我が国の金融資本市場が健全に発展することを心より期待を申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。

(以上)