麻生金融担当大臣挨拶「平成25年全国証券大会」(平成25年9月19日)

麻生太郎です。

本日は、日本証券業協会、全国証券取引所協議会、投資信託協会の共催によります「平成25年全国証券大会」にお招きをいただき、誠にありがとうございます。皆様におかれては常日ごろから健全な証券市場、ひいては日本経済の発展のためにご努力いただいておりますことに心から厚く御礼を申し上げると同時に、開催にあたり一言ご挨拶させていただきたいと存じます。

東日本大震災から日本の復興を図るため、同時に日本経済の再生を確実にするため、第二次安倍内閣におきましては、デフレからの早期脱却に向けて、いわゆる「大胆な金融政策」、これは主に黒田総裁のおられる日本銀行の話であります。そして「機動的な財政政策」、これは主に財務省の話であります。そして、皆様方の関係される「民間投資を喚起する成長戦略」、いわゆる「三本の矢」というものを我々は一体的かつ強力に推進をしてきたところです。

その結果、ご存じのように先般9月9日に発表されましたGDP成長率は2次速報値がいわゆる名目で3.7%、実質で3.8%と、景気は順調に上向いており、日経平均株価も今日は1万4,766円、261円高だったと記憶しますが、確実に皆様方の扱っておられる株価も商品も値上がりをしてきておりまして、安倍政権ができました時に比べて4割高ぐらいになっていると思います。したがって、経済の再生へ間違いなく第一歩を踏み出しているということは、はっきりしていると思っております。

また、去る7日になりますが、2020年の東京オリンピックが正式に決定しました。今後、このオリンピック並びにパラリンピックの成功を確実にしていかねばなりませんので、その準備が必要であると共に、この開催が長年、我々が苦しんできたデフレ不況、いわゆるデフレーションによる不況はここにおられる方々が1人も経験したことがない不況であります。我々は数々戦後不況を経験しましたが、いずれもインフレ不況。デフレで不況の経験者はここにゼロです。

したがって、今回のこの不況に関しては日本銀行も間違えた。財務省も間違えた。もちろん、証券業界も、経済学者は言うに及ばず、後ろに控えているマスコミの人たちも含めて、我々は間違いなくデフレ不況に対する対応に関しては無知であったし、そういったものに対する対応を間違えたという素直な反省の上に立って、今回の内閣を運営していかねばなりません。我々は3年3カ月の間の野党時代にそれを確信して、今回の政策に臨んでおります。是非我々は今後とも、このデフレ不況からの脱却に如何に対応するかということを優先順位の一番に置いて考えていかねばならないと思っております。したがいまして、今後、安倍総理の指示によって、今後の経済成長を確かなものにしていくためには、その果実が東京だけではなく、大都会だけではなく、全国に広めていく経済政策のパッケージとしてまとめていかねばならないと思っております。

次に、経済成長するにあたっては資金が要ります。その成長資金の拡大に向けた取組みについて申し上げさせていただきます。本年6月に策定した「日本再興戦略」におきましては、経済成長に必要な成長資金の供給を拡大し、デフレ脱却を後押しする観点からの施策を盛り込んでおります。これを受けて、新規・成長企業へのリスクマネーの供給の在り方について、現在、金融審議会のワーキンググループにおいて具体的な検討が進められております。これまでにもクラウドファンディングについて議論が行われたほか、今後、地域における資金調達を促す仕組み、また、新規上場の推進策、上場企業の資金調達の円滑化などについて検討をしていく予定であります。

政府としても、成長資金の供給拡大に向けた取組みに全力を尽くして参りますが、企業投資やリスクファイナンスを通して新たな成長が生まれるためには、民間資金の活用、同時に活力が必要であります。やる気がなければカネがあっても誰も投資する人はいません。こうした観点から、証券業界をはじめとする金融業界の役割は極めて重要であろうと存じます。先ほどNISAの話が出ておりましたが、10月1日までの口座開設予約数が証券会社だけでも320万口に達する見込みとのことですが、こういったものは間違いなく、成長資金の供給拡大のために大きく貢献していくものだと思っております。

もう1点、わが国の金融資本市場の活性化について申し上げます。我が国の巨額の金融資産、個人金融資産世界一、対外純資産世界一、こういった巨大な金融資産から成長分野への資金供給と、安定的な資産の形成が両立していくということを考えていかねばなりません。アジアナンバー1の市場構築に向けて金融・資本市場の活性化に取り組んでいくことが極めて重要であります。中でも証券・金融商品を横断的に一括して取り扱う総合取引所の実現につきましては、極めて重要な課題の一つであると考えております。日本取引所グループには更なる利用者利便の向上や、国際競争力の強化等々に向けて取り組んでいただくために、総合取引所の中核となっていただくことを切に希望・期待をいたしております。なかなか難しい問題があることははっきりしておりますが、これは是非ともやっていかねばならない問題の一つだと考えております。政府といたしましても、総合取引所の早期実現に向けて、今後とも積極的にお手伝いをさせていただければと思っております。

最後になりましたけれども、本日は、証券業界に長く携わってこられた方々が大勢お集まりのことだと思いますが、今回の一連の証券業界の長い間のデフレ不況からの脱却に向け、株価はかつての7,500円から1万4,700円まで上昇しています。しかし、上がってよかったじゃないか、とんでもありません。1989年、バブルの最後、12月29日、東京証券取引所の終値は3万8,915円だったんですよ。今、いくらです、1万4,000円。あまり安易に安心して、現状に甘んじているような顔をしている人は証券業界には向かない人たちだと思って、最近お目にかかる方に発破を掛けておりますが、「羹に懲りて膾を吹く」みたいな話ばっかりされるので、「証券会社なんか辞めたほうがいいですよ」と。「ほかの職業にお勧めしますよ」ということを申し上げたこともあるくらいですが、今は我々に活力がなくなってきているところが問題であり、リスクを取らないのは企業として、経営者としていかがなものかと。そういったものに積極的な支援をできる皆様方の力は極めて大きいと思っております。皆様方の一層のご精進、またご努力を切に期待を申し上げてご挨拶に代えさせていただきます。おめでとうございました。(拍手)

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