与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年5月26日(金) 8時53分~9時02分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は案件どおりでございますけれども、本日公表された4月の消費者物価指数は、前年比で0.5%と6カ月連続でプラスとなりました。

内容につきましては、原油価格の高騰により、石油製品が押し上げ要因として働いており、こうした特殊要因を除いた物価は、依然として前年比ゼロ近傍で推移しており、まだ弱含みの動きが続いております。数字は、後ほど事務的にお知らせをいたしますが、コアでも0.2上昇しておりますから、弱含みとはいえ、一般物価の下落というのは、恐らく悪い状況からだんだん脱出しつつあるというふうに考えております。

以上です。

2.質疑応答

問)

経済財政関連で、その物価についてですけれども、トイレットペーパーの値上がりなども報じられてきているわけですけれども、今後の見通しについて改めてお願いいたします。

答)

前から申し上げていますけれども、いわゆる物価の下落が経済の縮小につながるというデフレスパイラルのおそれというのは、とうの昔に消滅していると私は考えております。最近の物価の下落と言われているものというのは、むしろ生産性の上昇とか、或いは輸入物価の下落とかということに起因するものであって、いわゆる供給力が需要を大幅に上回っていて、それが物の値段の値崩れを起こしているという状況では全くないのだろうと、私は思っております。

ただ、最終的に消費者が体験する物価というのは、生鮮食品も体験するわけですし、原油を除く、或いは石油製品を除くといっても、消費者にとっては、それらの物価というものは生活実感としてあるわけですから、統計的にはコアと分けておりますけれども、生活実感の物価としては0.5%の上昇があったというふうに考えるのが自然だと私は思っております。

問)

昨日、損害保険ジャパンに対して、金融庁が多数の保険金未払いなどを理由に、一部業務停止命令を出されましたが、一方で損保ジャパンの平野さんは、その直前に社長を退任されまして、今後は財界活動や社会活動に会長の立場で専念したいということを仰っておられますが、そういったことも踏まえて御所見を改めてお願いします。

答)

処分は金融庁の日常業務ですから、特に感慨は全くありません。

損保ジャパンも、大変社会的地位の高い会社でございますから、社会に対してどういう経営者としての責任を明らかにしていくかということは、損保ジャパン御自体が御判断されることだと私は思っております。

問)

歳出・歳入一体改革の関連で1点お伺いしたいのですけれども、22日に財政・経済一体改革会議が開かれた後、諮問会議もありませんし、何か一見その動きが止まっているようにも見えるのですが、来週以降、実務者協議の日程も含めて、どういう展開になるのか、少しお話しいただければありがたいのですが。

答)

静かな時ほどものが動いているというふうに考えていただいた方がいいのではないかと思っています。

問)

来週、実務者協議は予定はされていないのですか。

答)

まだ、党の方からは確定的な連絡はありませんけれども、段々そういう打ち合わせというものが必要になる時期が近づいていると思っています。

問)

その場合のテーマは、分野ごとに何か、今現在でございますか。

答)

確たるお話ができないのですけれども、仕事を進めるための協議は、いずれしなければならないのだろうと思っています。

問)

一昨日の自民党の税調で、消費税の増税時期について、2007年度については難しい、2008年度以降というような先送りの考え方が中心になってきているのですけれども、歳出・歳入一体改革への影響についてはどのようなお考えですか。

答)

何か幹部の間で話し合われたということは伺っておりますけれども、柳沢税調会長にお目にかかって、党としての税に対する考え方も近々伺わなければならないと、そのように思っております。

問)

不祥事を当局に届けなかったとして、山口県の西京銀行に対して改善命令を出す方針であると一部報道がございますが、この件は現状どのような段階にあるのでしょうか。

答)

現段階では、私は聞いておりません。

問)

先日、足利銀行が決算を発表しまして、概ね計画を上回る業績を上げていることが確認されたかと思うのですが、今後の受け皿についての考え方、現状でお考えをお聞かせください。

答)

足利銀行は、新頭取の下で銀行全体として非常に努力をされて、私どもが予想していたよりも、遥かに良い実績を残されたと私は思っております。そういう意味では、現経営陣及び従業員の皆様方に敬意を表したいと思いますし、また栃木県は県庁を始め、多くの地元の方々も足利銀行のために御尽力くださったものと思っております。

受け皿の話は、まだちょっと早いと思いますけれども、こういう状況が続けば、いずれそういうことが話題にもなりますし、また課題にもなっていくと思っております。その場合は、県知事始め県民の声もよく伺って、物事を決めていくという手順になると思っております。

(以上)

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