与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年6月9日(金) 9時08分~9時19分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議は案件どおり行われまして、金融庁報告では、いわゆるFRC報告、今年半年間で破綻金融機関にとりました措置についての報告書を閣議で御決定をいただきました。

以上です。

2.質疑応答

問)

まず株価ですが、午前の東京市場も下げで始まったというふうになっておりますけれども、欧州市場も下げて、世界全面株安の懸念も持たれています。日本経済のファンダメンタルズは依然強固だというお考えだと思うのですが、景気のマインドに与える影響をどういうふうにお考えでしょうか。

答)

株価が下がることが国民経済或いは一人一人の国民の生活に影響するかと言えば、短期的にはそういうことも直接的な影響はないわけでございます。株価が下がることによって、資産効果で下がるということで、中長期的な消費者のマインドには影響がありますけれども、この下げというのは日本経済のファンダメンタルズによるものではなくて、やはり世界的な投資者の心理がやや将来に対する不確定要素を強く認識し過ぎているというところから起きていると思っておりまして、日本経済そのものを揺るがせるものではないと。株価はそもそも上がったり下がったりするものですから、その一つ一つの現象に全くばたばたする必要はないし、慌てふためく必要もないと。

また、下げの原因は、そういう国際市場における心理的な不安定要因からもたらされているということを考えれば、下げの理由ははっきりしているわけですから、慌てる必要はないと私は思っております。

また、日本の経済政策に影響を与えるものでもないというふうに思っております。

問)

来週、日銀の金融政策決定会合があるのですが、こういう足元の株安を受けて、大臣が日銀に求められる経済政策というのはどういうものでしょうか、期待されるものは。

答)

日銀は何から何までわかっておられるわけですから、そういうことを前提に慎重かつ責任のある政策判断をされると、私は確信をしております。

問)

歳出・歳入一体改革の議論が大詰めに入っておりますけれども、今後のスケジュール感と要対応額についての現時点でのお考えをお聞かせください。

答)

中川政調会長に伺ったところ、来週からいよいよ党の方でも歳出に対するものの考え方の最終的なすり合わせを行うと。そして、それに基づいて数字を出して議論をされるというふうに思っております。

要対応額については、私は予断を持ってこういう数字、という考え方は全く持っておりません。ただ、皆様方に御説明するときに、きれいな、またなおかつ根拠を示しながら御説明できる数字を作らなければならないと、そのことだけを考えております。

問)

細かい話ですけれども、要対応額というのは、きちっと説明するためには、そのギャップを歳出削減で埋めるか、増税で埋めるか、或いは増税と歳出削減をどういう組み合わせにするかによって、結構、要対応額そのものが変わってくる面が技術的にはあるというようなお話も伺うのですが、とはいえある程度決めの問題でその辺を説明されていくということになるのか、というところもお願いしたいのですけれども。

答)

要対応額というのは、ある一定の経済条件の下で経済は成長したとき、普通に進めばこのぐらいお金がかかり、そういう経済の下では、このぐらいの国としての収入があり、そのギャップを言っているわけですから、むしろ税の方から決まってくるわけではなくて、予想され得る経済の状況の下での歳入の予想、そういう要素から決まってくるはずです。

要対応額がこの程度の規模だろうという想定をすることが、作業の第一段階だと思っていまして、それは先程申し上げましたように、恣意的な数字ではなくて、一定の前提を置いて計算をしてまいります。一定の前提が皆様方に説明可能な前提でなければなりませんし、また、計算の過程が説明可能なものでなければならないと。そういうものは5年先の話ですから、完全に当たるはずもないのですけれども、今、入手し得る最善の前提条件を入れて、なおかつ説明可能な方法でものを考えていく。その結果、出てくるものが要対応額だろうと思っております。

先程申し上げましたように、それは幾らでなければならないとか、そういう話ではなくて、皆様方にもなるほどと思っていただけるような前提、計算方法で計算する。したがって、説明可能な数字になるということだろうと思っております。

問)

大臣、歳出・歳入の関係で2010年代初頭のプライマリーバランス黒字化というのは一里塚だといつも仰ってますが、どうも今回の一連の議論で出てくる歳出・歳入一体改革の具体策というのは、一里塚までの具体策が出てくるような議論の進め方がされているような気がするのですが、今回はそういう整理になるわけなのでしょうか。

答)

山に登るためには、まず登山口に辿り着かなければいけないという意味で、プライマリーバランスというのは、まず登山口までの話です。これはどうしても通り抜けなければならない関門であるという意味で極めて重要ですが、プライマリーというのは、第一次的なバランスという意味ですから、これを基礎的財政収支と訳したのは、多分、誤訳だろうと私は思っておりまして、第1回目に到着すべき関門ということで、国民が求めている財政健全化というのは、その先のことを含めて日本の財政が持続可能であるということを求めておられると思っておりますので、政府も、また与党も2010年代中頃、またそれ以降に関するきちんとしたものの考え方、またそういうものの考え方に基づいたメッセージというのが必要になってくるのではないかと、私、個人としては想像しております。

問)

株安と日銀の金融政策の関連について重ねてお伺いしたいのですけれども、来週の日銀の決定会合に関連しては、慎重かつ責任ある判断をされるというお話だったのですが、こういう世界的な株安の状況、なおかつ日本の株安が不安定な状況が続いた場合に、依然として7月のゼロ金利解除というのが市場には根強いのですけれども、そこは7月の時点においても、やはり慎重、時期尚早とお考えになりますでしょうか。

答)

私は日銀総裁でないのでお答えしようがないのですけれども、日銀は何もかもおわかりの上で御判断くださると確信をしております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る