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与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年7月18日(火) 10時22分~10時33分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は、案件どおりでございました。特に御報告すべきものはありません。

以上です。

2.質疑応答

問)

改めて、ゼロ金利解除なのですけれども、金曜午後から、民間金融機関で普通預金の金利引き上げ等の動きが相次いでいるわけですけれども、こうした点を踏まえまして、金利復活時代の金融機関のあり方について、若干漠然とした質問で恐縮ですが、御所見をお聞かせください。

答)

金融機関の一番大きな使命というのは、金融仲介を通じてお金という資源が適切に社会に配分され、それが効率のよい社会をつくっていくということであると私は思っております。ほとんどタダで借りて人様に貸し出しをするというのは、金融仲介と言えるかどうかということがありましたので、出し手にも一定のお金が利息という形で配分される、取り手はお金という資源のコストを払うと。そういう意味では、金融が正常に戻る第一歩を示したのがゼロ金利解除かと私は考えており、普通預金が0.00幾つの世界から0.1とか0.2に戻ってきたということは、私は正しい姿ではないかと思っております。

問)

金融庁の長官人事なのですけれども、今朝も一部報道で、五味長官続投というようなことがありましたけれども、この点についてコメントをお願いします。

答)

まだはっきりした相談が済んでいるわけではありません。それから、理屈の話ですけれども、留任というのが人事かどうかという問題があるわけです。

しかしながら、今朝の新聞の報道ぶりに大きな誤りがあるというふうにも感じませんでした。そういう意味では、まだ皆様方にこの場で何か断定的なことを、あるいは確定的なことを申し上げる段階ではありませんけれども、あの記事の大きな方向が間違っているかどうかといえば、間違いを見つけることはなかなかできなかったということでございます。

問)

今日の「経済財政白書」のサブタイトルなのですけれども、これまでずっと5年間、「改革なくして成長なし」というサブタイトルがついていまして、それが今回、「新たな成長を目指す日本経済」というふうに改まりましたが、これも含めて、今回の「経済財政白書」に対する大臣の御所見を伺わせてください。

答)

日本経済は、もう御存じのように3つの過剰に悩んできた。雇用、設備投資、債務、こういうものがおおむね一掃された段階に来たと私は思っております。需要と供給ということを考えますと、そこのギャップはなくなっておりますし、むしろ日銀の短観あるいはゼロ金利解除に当たって行われた議論というのは、ひょっとして気が緩んで設備投資を過大にしてしまうのではないかという心配がされたくらいです。それから、失業率も減っておりますし、有効求人倍率も全国ベースでは1を超えている。緩やかですけれども、雇用者の賃金は上昇を始めている。こういうすべてのことから考えまして、日本は緩やかな安定的な成長軌道に乗り始めたという認識の下に、この白書は書かれていると考えております。

サブタイトルが重要なのではなくて、日本経済の実態が大事なのだろうと思っております。

問)

白書の関連なのですけれども、白書の第3章で雇用の話が出ていまして、雇用情勢は全体的に改善してきているとは思うのですけれども、この白書の中を読みますと、15歳から24歳までとか25歳から34歳までという若年層、ここら辺の失業率が、全体に比べて依然として高い水準にある。それから、アルバイトとかパートとか、非正規の雇用の割合が若年層で高いというところが述べられていまして、今まさに経済的格差ということが一つ焦点になっている中で、この若年層の雇用というあたりは、大臣はどのように考えていらっしゃいますか。

答)

ニート、フリーターの存在というのは、現在は社会的な危機として顕在化していないということですけれども、時が経ちますと、やはりこれらの問題は日本が抱える重大な社会的課題になり得る、社会を不安定化させる原因になり得るということですから、今のうちからニート、フリーターに対する考え方、これは政策として考えていかなければなりませんし、やはり雇用の形態も、年功序列はやめるとか成果主義だとか、色々なことが試行錯誤されたわけですけれども、やはり穏やかな、静かな、堅実な日本社会を形成し、その中で、自分は中ごろに位置しているという意識を持った人たちが増えていくということが、私は社会として望ましいし、社会の安定性、また将来の発展にもつながるものだと思っております。

そういう中で、非正規雇用を減らして正規雇用を増やそうという動きが一部企業の間で出てきたということは大変望ましいことだと思っていますし、こういう傾向が続くということを私は期待しております。

問)

デフレ脱却宣言の関係なのですが、大臣はかねてから、遅行指標を使ってデフレ脱却宣言をすることについて経済的に意味があるのかどうかということをずっと繰り返してこられたと思うのですが、政治的に考えて、小泉政権5年間の経済立て直しの運営を総括するという意味での政治的なデフレ脱却宣言というものに関して、その必要性も含めて、もしお考えがあれば。

答)

経済的に意味があるかどうかということは、私はそれなりに自分の考え方を持っておりますけれども、一つの内閣が5年間の色々な努力の成果を総括するという意味では、そういうことはあり得る話だろうと思いますし、その5年間の総括をするということは、それは意味のあることだろうと思います。

ただし、それは我々がやるのではなくて、仮にそういうことがあるとすれば、それは小泉総理のお仕事ではないかなと私は思っております。

(以上)

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