与謝野内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年8月1日(火) 10時31分~10時39分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は案件どおりでございましたが、先般御質問があった保険法及び保険業法の改正というのは一体どうなっているかということですが、保険法という法律はよく調べましたら、独立した保険法というのではなくて、商法の一部を保険法と呼んでおります。この商法中の保険法は、いわば民事上の保険契約の概念を定義したものでございます。

それから、金融庁でやっておりますのは保険業法の一連の法律がございますが、これはいわば監督法というふうにお考えいただきたいと思っております。商法の改正は、御存じのように会社法についても、片仮名の法律からきちんとした近代的な法律に変わりましたので、商法の一部のいわゆる保険法も、いずれ現代文に直し、また内容も現在の保険契約に合致したものに直していくということになると思います。

それに伴いまして、保険業法はどうなるのかということですが、保険業法は実態に合わせた監督法でございますから、当面はここを直さなければならないという部分は見当たらないのではないかと思っております。いずれにしましても、法務省と金融庁の間でよく考え方をすり合わせて進めてまいりたいと思っております。前回の宿題を一応お答えします。

2.質疑応答

問)

きのう、ゆうちょ銀行のトップ人事に高木元金融庁長官が社長に就任することが発表されたわけですけれども、ただでさえ民業圧迫を懸念する民間金融機関からは、あれだけ巨大な金融機関のトップに元規制当局の長官が就かれることに対して、競争上著しく公平性を欠くのではないかという懸念があるようなのですが、この点について大臣の御所見をお聞かせください。

答)

高木さんは金融庁長官をやられ、そのうち準備室で民営化関連法案の作成、成立に向けて大変努力をされた方でございまして、私も当時、自民党の政調会長として与党と政府の交渉は私と柳澤さんで、専ら高木さんを相手に交渉をやってまいりましたから、いわば郵政民営化法をつくったときの精神的な同志だと思っております。

いろいろな御批判はありますけれども、使命感に燃えた優秀な方でありますので、郵政民営化の精神またその原点に常に立って、ゆうちょ銀行の運営にも当たっていただきたいと思っております。

問)

ガソリン価格が高騰しまして、生鮮野菜の値上がりも激しくなっていますけれども、個人消費に与える影響と、これから個人消費はどういう動向を示すのかという、見通しについてお教え願いたいと思います。

答)

原油価格が上がり、それが軽油、ガソリン、重油等の製品価格に反映してくるのは、タイムラグがあったのは当然のことであって、それはいわば石油会社が効率化、合理化では吸収できない原価高であったということがあると思います。ガソリン価格が上がることで、ガソリンを使っている国民の負担は大きくなりますし、軽油価格なども上がって、トラック業界に大変大きな影響を与えております。軽油価格は、本来は荷主が負担しなければならないはずですが、実際は荷主は上がった分の3分の1ぐらいしか負担してくれないということで、しわ寄せはトラック業界に行っていると。これは、デフレ、デフレと言ってきたわけですけれども、明らかにそういう原油高というのは、実際の国民生活に影響を与えるような物価高に結びつき始めたと私は思っております。当然、合理化、効率化で吸収できる部分もありますけれども、否応なしに、原料高が最終製品に反映されてくるし、反映されるべきものだと思っております。

まだこの原油高が国民の消費購買力を奪うというところまではいっておりません。アメリカ等ではかなりガソリン高が国民生活に影響を与え始めたと言われておりますけれども、日本ではまだそういう報告は来ておりません。

(以上)

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