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与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年9月12日(火) 10時28分~10時47分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議は案件どおりでございました。それから、先般会見の最後の方で、私が総裁選挙で誰を支持するのかという御質問がありましたが、立候補届があったのと同時に、私からは私の選挙区におられる党員4千数百名に対して、総裁選挙にぜひ参加してくださいと。また、それぞれの党員の皆様方はそれぞれの御見識で、自民党の総裁に最もふさわしい方を選んでいただきたいと申し上げました。

よくある質問で「与謝野は誰を支持するのか」という質問がありますが、私は安倍晋三さんを支持しておりますというはがきを出しまして、党員の皆様方に対しては、安倍晋三さんを支持することを明確にいたしました。

前回お答えできなかった質問のお答えは以上です。

2.質疑応答

問)

まず貸金業の話ですが、特例の高金利28%について、昨日の自民党の会議では高過ぎるとの意見が多かったということですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

議論が進んでいる最中ですので、私から特段の感想を述べるということは避けなければならないと思っておりますけれども、金融調査会の幹部たちは、いわば両側から挟み打ちにあっているような形で、大変苦労をされている。そういう中で、何とか着地点を見つけ出したいということでお考えになっているわけだと思います。

金利水準については、高いという意見もありますし、このままでいいのだという意見もあり、党の議論としては拮抗しているのだろうと思います。ただ、世論の御理解を得るためにどういう判断を自民党がしなければならないかということも、このことを考えていく上での一つの重要な鍵だろうと私は思っております。

問)

総裁選で安倍さんを支持する理由についてお聞きかせください。

答)

どなたも立派な方で、3人の方々と私は大変親しい。そういう中で、政策的にも十分理解できますし、またこれからの時代の自民党の総裁は政治と国民の間のいわばインターフェースに努めなければならない、国民の支持率が高いことは幾つかの重要な要素のうちの一つだと思っております。そういう意味では安倍さんが今まで取ってこられた行動や国民の支持の動向、また安倍さんとは私は長い間のお付き合いでございますので、そういう信頼感から私は支持をいたしますと。党員の皆様方はそれぞれの御判断でやってくださいということでございます。

問)

支持されるというお考えは安倍さんにもお伝えになっているのでしょうか。

答)

そういうことは言っておりません。

問)

昨日発表されたGDPの改定値では堅調な回復が確認できたと思うのですが、一方で機械受注は過去最大のマイナスになっています。設備投資の先行きについて不透明感が広がったという見方が出ているのですが、今後の景気の先行きについて大臣の御認識を。

答)

そんなに確かな将来予測というのはできないわけですが、機械受注等も上がったり下がったりということですが、全体としてはトレンドとして横ばいないしは上昇方向に進んでいくだろうと思っております。

問)

自民党の貸金の議論に関連して、このまま議論が停滞したり割れたままですと、臨時国会に法案を提出できなくなるのではないかという懸念が出ています。そうすると、いわゆる多重債務問題解決のための規制が発効するのが遅れてしまうのではないかという意見が出ていますが、臨時国会提出にこだわるべきか、あるいはこだわらずにもっと議論を深めてもいいのではないかについて、大臣のお考えはいかがでしょうか。

答)

まず与党のコンセンサスが形成されることが、法案を成立させる第一の関門で、その第一の関門のところで議論が盛んになっているわけですが、議論自体がこのように盛り上がるというのは、党としてはそう悪いことではないと思っておりまして、大いに議論を尽くしていただきたいと思っております。

ただし、政治というのはいずれは結論を出さなければならないという宿命と責任があるわけでして、先延ばし先延ばしということではないと思っております。それは、一つは今御指摘がありましたような多重債務問題という社会問題、これに対して政治として真剣に取り組むということが極めて大事ですし、また最高裁の判例を見ましても、貸金業法の重要な条項が死文化してしまっていると。こういうことに対しては、やはり政治は素早い応答が必要だろうと思っております。

問)

前回の会見の時に、金融庁が出した案はベストな案だとおっしゃられて、特例については、基本的には特例というのはなく、利息制限法の範囲内でやるのが施行から3年後以降のイメージだとおっしゃられたかと思うのですが、仮にその対象が極めて限定的なものだとすると、特例にこだわる意味があまりよくわからないのですが、これはなぜ必要だと思われますか。

答)

ベストの案だというのは、与党の御注文に応えるという意味では、与党の報告書に沿って、その内容を実現するための最善の案を作ろうと努力したということを申し上げたわけです。

特例にこだわるのには2つ理由があったわけですが、一つは借り手側がやはり激変緩和的な措置を必要だろうという意見があった。それから、貸手側も一部激変緩和的な要素が必要なのだろうということでありますけれども、両者ともそういうものは必要ないのだろうということであれば、特例にこだわる必要はないと思っております。

問)

今50万円という案が出ていまして、50万円ですと結局今の初回の借入れとほとんど変わらないレベルだと。それで、おまけに今は29.2%と20%との間はグレーゾーンですから、最高裁の判例に従って、過払い利息として戻ってきているわけなのですが、特例になるとこれが戻らないと。そうすると、わずかな対象のためにグレーが白になって、多重債務の入り口としての問題は、きっかけになるという意味合いでは危険性が大きくなるのではないかという意見もあるのですけれども、それにはどうお考えですか。

答)

当然そういう意見はあると思いますし、それも立派な論理の立て方だと私は思っております。

問)

20%の金利で貸せない人に28%で貸して、平均的な家計所得を基に算出した返済額で返済するというのは、多少やはり考え方として無理があると思うのですが、それについてはどうでしょうか。

答)

額や何か、どういうようにされたらいいと思いますか。

問)

私、専門家ではないのですが、一般的な家計所得だとすると、20%の範囲内で返せるリスクとしては、20%の範囲内で貸せるような人が対象になるのではないかと思うのですが。

答)

懇談会は党の報告書に基づいて一案として出した特例の、一番大きなポイントというのは、やはり全体がコンピュータで管理されていると。全業者の全機器がコンピュータで一元的に管理されていると。そういう中で短期の特例というのは幾つか制限がかかっていまして、少額短期の期間それから少額は幾らなのかと、これは党の方でお決めいただければいいと思うのですけれども、あそこのポイントは、やはりその時点で何らかの借入れを貸金業者から行っている方は一切対象になっていないということで、これは逆に今のご質問のような議論を生んで、そうなると非常に少数しか少額短期を利用できないという意見が一つあります。

もう一つは、やはり実際に生活者で困窮に瀕した場合の、いわば駆け込み寺的な要素というのはやっぱり必要なのではないだろうかと、そういう生活者の実態に沿った意見ももう一方ではある。そこのところがこれから自民党の中で議論される、非常にポイントになるのではないかと私は思っております。

問)

同じく貸金業の議論で、今回セーフティーネットの話が、毎回案の後ろにちょこちょこっと付いているだけで、事実上そんなに議論されていないと思うのですね。今、駆け込み寺的なものが必要なのではないかとおっしゃいましたけれども、それが28%の高金利での貸付ではなくて、公的金融が担うべきなのではないかという意見が結構あるわけですけれども、その点についての大臣のお考えを聞かせてください。

答)

消費者金融からお金を借りてどうにもならない方を、国民の負担で解決するということについては、実は様々な意見があります。しかしながら、駆け込み寺的なものが必要だという意見、その前の段階で誰か相談に乗ってくれる人はいないのかというカウンセリング機能について、これはおそらく党の議論の中でも、やはりカウンセリングの機能、それからその結果何らかのセーフティーネット機能を一体どこに担わせるのかということを含めて金子会長、増原小委員長はきのう若干お話を伺いましたら、そういうこともお考えのようでした。したがいまして、その議論は避けて通っているわけではなくて、むしろそのセーフティーネットについても、国民の御理解の上でどこまでできるかを考えようという姿勢は、党の方では持っておられると私は理解しております。

問)

今朝のテレビ番組を見ていましたら、貸金の話は基本的に自民党で検討するということで、大臣も繰り返しおっしゃられているわけなのですが、金融庁もしくは大臣御自身への批判というような形も出ていると思うのですが、それについてはどう思われますか。

答)

何が出ていますか。

問)

要は、金融庁案の中に特例を設けていることが業者保護ではないかとかいうことが、金融庁への批判という形で出てきていると思うのですが、それについてはどうお考えですか。

答)

金融庁としては、自民党の報告書並びに懇談会の中間報告の線に沿って、その線に沿った最善のものは何かということでご提示申し上げた。ご提示するについては、その一案だということでご提示申し上げたので、それをどう料理されるかというのは、党の方の仕事だと私は思っております。

問)

安倍官房長官を総裁選で支持されると今表明されましたが、ここに来て、安倍官房長官が消費税について、一時の姿勢からやや含みというか、近い将来の点で含みを持たせる発言に変わったようにも見えるのですが、その辺は大臣の選択の中で影響はあったのでしょうか。

答)

政策の問題については、安倍官房長官と総裁選挙に関するお話をしたことがないと。しかし、安倍さんの発言をずっと聞いていますと、やはり骨太方針という、3候補それぞれ閣僚として閣議決定で賛成、署名されたものに沿っておられると私は思っておりまして、安倍官房長官の御発言やその総裁選挙の公約も財政に関することや経済に関することは、いずれも骨太方針の大筋に沿ったお考えの表明であると私は理解しております。

(以上)

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