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山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成18年10月31日(火) 9時29分~9時37分 場所:院内)

【大臣より発言】

本日、閣議におきまして貸金業法の改正案が決定されました。貸金業者に対する参入規制・行為規制の強化、借り手ごとに信用情報機関において借り入れ総額を把握して過剰貸付を禁止する仕組みの導入、上限金利の大幅な引き下げ、これらの多重債務問題を抜本的に解決するために有効と考えられるあらゆる施策を総合的に実施するものと考えております。本法案につきましては多重債務問題の一刻も早い解決のため、今国会での早期の審議、成立をお願いしたいと考えております。

また、閣議におきましては、テロ対策特措法に基づく基本計画の変更、これはテロ対策法が成立したことを受けて、官房長官から発言がございました。また、防衛庁長官からも同様の趣旨の発言、外務大臣からの発言もございました。

また、総務大臣から、完全失業率が前月に比べ0.1%の上昇となったという調査報告があり、また、就業者数は6,431万人で、前年から比べますと6万人就業者数が減っており、完全失業者数が280万人と5万人減少しております。また、全国2人以上の世帯の消費支出は27万3千円で、1年前に比べ実質6.0%減少しているという報告がございました。

また、厚生労働大臣から有効求人倍率の御報告があり、有効求職者は0.1%増加という報告でございましたが、しかし全体として見ますと、現下のこの失業情勢は厳しさが残るものの改善が進んでいるという評価でございました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

貸金業について質問させていただきます。今日閣議で決定しました一連の改正法案について、改めてお伺いいたしますが、政府としては国会審議の中でどのような点を強くアピールしていくお考えでしょうか。それから、9月の時点で導入する方向だったいわゆる特例の高金利、この措置がなくなりましたけれども、これが国会の審議あるいは世論に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。

答)

まず、現在における問題性というのは、貸し手に返済能力が無い、もしくは不足していることを知りながら貸しているという事実、また、借り手も返すことがほぼ不可能に近い高金利で借りているという事実、特に借り手の方は資金が無いという心細さ以上に借りてしまう、そして返せないという惨めさが残ります。貸し手も借り手も、今は健全性を欠いております。この点において、それぞれの立場を注視しながら、健全性を図っていくことに審議の重点を置き、与野党共にこういった面での解消、すべからく多重債務の解決を図って行きたいと思っております。

また、特例の問題でありますが、これはいろいろな議論の中で見送られることとなりました。一番私の念頭にありますのは、シンプルなメッセージ性、つまり上限金利を20%にしたのだというメッセージ性が、特例を置くことによって若干弱くなる。やはり、コンシューマー、利用者の立場を考えれば、20%というメッセージが強く印象に残り受け取られることによって、今の時代性、特に問題性が解決されるというインパクトがあると思っております。

問)

激変緩和措置が無くなることによって、借りられなくなる人に対するセーフティネット的なものについては、今国会ではどの様な議論をされていくのでしょうか。

答)

借りられないという立場の方が出ることを配慮した特例措置という考え方がありました。しかしながら、強いメッセージ性に法案を整理しました以上、残る問題となるかもしれません。しかしながら、ここにおいては3年間ゆっくり実行までその検証をすることが出来るという点と、もしそういった事態が強く予測されるのならば、見直し規定がありますからその意味において措置が出来ると考えております。

問)

医療保険の不払いの問題で、今日各社が金融庁に不払いの件数を報告すると把握しておりますが、今回もまだ、先月も特約で不払いが多く見つかったばかりということで、今後保険各社に対してどういった点について報告を受けて検証を注目していくか、その辺はいかがでしょう。

答)

一般論になりますけれども、経営管理態勢、支払管理態勢を検証した結果、問題が認められる場合には、不適切な不払いの件数の多寡のみに着目することではなく、当該事実の内容等に応じて適切に対応していきたいと思っております。

問)

関連しまして、こういった問題が続いたことに対して、先月もお伺いしたかと思うのですが、金融庁の通常の監督・検査の中で、事前に芽を摘めた部分、もう少し支払管理態勢について深度をもって検査すべきだったのではないかというような見方もあるのですが、この様な見方についてはどの様にお考えでしょうか。

答)

前にも申し上げたとおり、いわゆる金融商品の多様化ということと相まった問題でありますので、今後こういった検査の経験等を積み上げて、更により良いものとなることを期待しております。

(以上)

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