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山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成19年8月27日(月) 13時32分~13時42分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

ありがとうございました。

【質疑応答】

問)

11ヶ月お疲れ様でした。最後の記者会見ということで質問させていただきます。在任期間中いろいろなことがありましたけれども、現状についてどのような評価をされているのかということと、常々、大臣は国内金融業の国際競争力強化ということをおっしゃっていましたけれども、期間中のご自身の評価とやり残したことがあればお聞きしたいのですが。

答)

現状の金融業界の評価としては、危機管理の時代からテイクオフする発展段階へのプロセス、途上にあるという位置づけでございます。特に、これから、我が国が是非とも取り組まなければならないのは、人材の募集と登用と育成という三つ、これらを特に意識してやっていく必要があろうかと思っております。その到着点は、市場の活性化であり、市場の健全化、この二つを我が国がものにすることによって、世界の流動性の、かつて1990年においてありえた、3割を超えるシェアをストックマーケットおよび、その他の市場が持つということになるならば、その資産効果は、計り知れないものがあるだろうと思いますし、現在、景気の牽引力になっております消費も、アメリカ並みの7割~8割という景気の王様という、キング・オブ・景気の、その夢が叶うのではないかというように思っております。すなわち、国民国家たるG7のメンバーとして、成長を遂げる、それすなわち、国民一人一人が豊かになっていくというモデルのためには欠くべからざる、金融活性化への目標を掲げて、この金融機関が頑張っていかなければならないという様に私は思います。それから、そのことにおいて、東京の機能だとか日本の金融機能を強化しようといいましたスローガンをこの一年言い続けることによって、ある程度目標としてのメッセージは届いたかと思っております。しかしやはり政治は現実でございますし、そこにおける具体的プロセス、特に、スタディグループから中間報告をいただきましたが、そうしたメッセージを具体化する段階についてまでは、今日これからという所でございまして、その意味におきましては、仕事の総量のうち、看板を掛けただけでありまして、これからその事業が進んでいくということでありますから、今後、その意味では次の方に大いに期待するところでございます。

自分自身は、自分の評価ということは不可能でございまして、ただ無我夢中で向こう岸に渡りきれればと思っておりましたが、今日辞表を提出しまして、大臣の任を解かれました。本当に正直、向こう岸にたどりついて、ほっとしているという、四万十川で溺れずにすんだという様に思っておりますので、本当にこれも皆さんのおかげでございまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

問)

在任中にいろいろ金融界の不祥事もあったかと思いますけれども、金融界のトップに対して最後に言っておきたいことはございますか。

答)

国の組織というものもそうです。それから、企業の組織もそうでございます。団体の組織もたぶんそうだろうと思います。所謂、フラット化していると私は思っております。現場の職員がいて、その現場に上司がいて、さらにその上の上司、上司、上司と重なっていって組織ができている、そういう企業の商品とか、企業のサービスというのが、私はもはや、時代に通用しないと思っております。事業経営者は、現場主義、現場が全部把握できる人でないと、フラット化した組織でないと、私は通用しない時代が来ているという様に確信をしております。その意味において、是非これから金融機関のトップは、管理だけではなくてトレード、マネージ、そういったことも含めて多様な人材がこの金融業界で能力を発揮する、そして現場でも通用する人たちがトップに立たれるということを期待しているところでございます。

問)

金融機能の強化について、途上にあるというお話でしたけれども、具体化に向けて一番大事なことは何でしょうか。

答)

最も具体化しやすいのは、民間でおやりになっておられると思いますけれども、国際的な人材をこの日本のマーケットのプレーヤーとして確保することができるかどうかだと私は思っております。東京ドームというスタジアムは立派でも、プレーヤーが少年野球であると、お客さんは納得しないと思います。イチロー、松坂、松井、そのレベルの、大リーガーで通用するレベルの方々が、その三人が外に出たといいましても、百人国内にいてプレーをしていただければ、私はそのマーケットというのは大変な勢いがついてくるだろうし、その商品性も優れたものが出てくるだろうと私は思います。そんな意味で私は、人材をとりあえずは国家が募集して、そして、その人たちの知恵で眠れる資金が有効に国民のために活用できる、更に、そういう人材が民間に移る、あるいは、民間から国に来るという様な新しい試み、いわば、シンガポールモデルのGICやテマセックの様なものが、この日本で実現するならば、一つ大きくそうした東京マーケット、日本マーケットの募集力、スカウト力というのが上がると思います。スカウトの対象となる人は、日本人でも外国人でも私はよいと思います。ともかく、そうした人材をこの日本に確保しておく。そして、その人材を確保することにおいて、次に、やがて能力のある、私もやってやろうという次なる若手が育っていくというシステムを作ることによって、ロンドン、ニューヨーク、東京という世界三大マーケットの力が発揮できる、伍して戦えるということになっていくだろうという様に思いますので、まずは日本における人材の問題、これを取り掛かる必要があるだろうと私は思っております。

問)

冒頭、金融機関の現状について、危機管理の時代からテイクオフの発展段階の途上だというお話がありましたが、地方の金融機関についての現状についてどんなふうにお考えですか。

答)

まだリスクテイクする準備ができていないというように思います。かつて(昭和)30年代、40年代にはベンチャー育成能力と、事業・企業の再生能力、両方備わっておったのだろうと思います。そのためのリスクテイクを、早くリレーションシップバンキングの中でも積極的に取り入れていくということに地域がなれば、おもしろい、小粒でも新しい金融機関の事業モデルができてくるし、そのことにおいて、地域がもっとより世界中のそういったことを学ぶ人達が生まれてくるというように思いますので、金融機関が工夫をしていただいて、その地域にある事業を積極的に伸ばすということにおける資金の活用や仲介機能の発揮、さらに預貸比率における新しいモデルというようなことを考えていただければ、この国はまだまだ捨てたものじゃない、地方から起こると思いますので、是非ともそこは金融機関の皆様に頑張っていただきたいと、エールをお送りしたいと思います。

大変長い間どうもありがとうございました。

(以上)

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