渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成19年10月19日(金)9時25分~9時37分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。本日の閣議についての私の報告事項はございません。

【質疑応答】

問)

保険商品の銀行窓販の問題ですけれども、予定通り12月22日に全面解禁される方向となりました。その際、販売後のトラブル処理などについて、金融庁として監督を強化する方針ですけれども、これまでの議論を振り返って、改めて大臣の考え方をお聞きできるでしょうか。

答)

この議論は何年も前からやっていまして、私が自民党の金融調査会の事務局長をやっていた時代に全面解禁を3年後という具合に決めたわけです。この間、モニタリングもやりまして、その結果についての丁寧なご説明もしてきたわけです。一方、生保においては、先ごろの大変な加入者・契約者に対するご迷惑をかけるような事態が頻発したわけでございまして、そうした教訓も踏まえて今回の解禁の合意に活かしていただきたいと思っております。いずれにいたしましても、最終的に利用者・契約者の保護ということは極めて大事なことでありますし、いろいろなチャンネルが広がって利用者・契約者がより利便性を享受できるシステムにしていくべきだと思っております。

問)

保険の不払いの問題を、今回活かしていくべきだというお考えでしたけれども、窓販の議論の中で、不払いの問題があるが故に窓販の全面解禁は慎重であるべきだという考え方と、一方で、保険会社が銀行に委託しなければいい問題であって、不払いの問題と関連づけるというのはやや筋違いではないか、という考え方があると思うのですが、大臣はどうお考えですか。

答)

これは最終的に利用者へのサービス向上に繋がる態勢が確立されるのが望ましいことです。そのためには、きちんとガバナンスを効かせて業務執行態勢を確立して、いろいろなチャンネルで、それぞれ利用者へのサービス向上の競争を行っていただくことが極めて大事なことだと思っています。その過程で利用者保護・サービス向上の精神が大いに発揮されるものと思います。

問)

G7会合ですが、今日開幕してサブプライム問題が議論になる見通しとなっています。この会合についての大臣の期待と、世界金融市場についての現状認識を改めてお願いします。

答)

これは、夏ほどの不安心理はございませんけれども、かねてから申し上げているように油断大敵だと思います。これで完全に終わったわけではないという認識に立った各国の協調体制が必要であるかと思います。証券監督当局の情報交換や、いろいろなレベルでの調整が精力的に行われております。一方、通貨当局、中央銀行においても、それぞれのレベルで情報交換・意見交換が行われているわけでして、言ってみれば、21世紀型の危機管理が求められる時代になっていると思います。たまたま、ブラックマンデーが20年前に起きました。その当時とは比べものにならないくらい、リスクが複雑化し拡散をしているわけです。グローバル資本主義の中で、瞬時にお金が移動していくということは、危機の波及スピードもそれだけ速いということでありますから、まさに危機というものをどれだけ認知し、これを肥大化させないような方策を取っていくかということがまず必要になるかと思います。それぞれの金融機関においては、リスク管理の徹底ということがさらに求められていくと思います。今回のG7が通貨当局、中央銀行のトップが集まって成果のある話合いになることを希望いたします。

問)

格付機関の問題、これもサブプライムとの関連ですが、昨日も(金融市場)戦略チームの会合がありました。諸外国と日本の格付機関に対する監督・チェック体制というものは違うと思いますが、その意味での日本での問題点、どのようなことがあるという大臣のご認識と、今後の金融商品ですとか格付会社のチェック体制についてどうあるべきかという現状の考え方を教えてください。

答)

グローバル資本主義の下では、国境を越えてお金や金融商品が売り買いされるわけです。そうすると、日本とアメリカ、ヨーロッパで格付けが違うということがありますと、「一体、これはどういうことだ」という話になってくるわけです。アメリカでは、今年の6月から格付会社についての規制方針が若干変更されたわけであります。これを規制強化というか規制緩和というか意見があるわけであります。日本においても、今まで全くノーチェックであったこの問題について、格付会社と仕組債との問題がサブプライムローンやCDOにおいて顕著に表れたわけでありますから、これをどうするのか、国内だけの視点ではなくて、G7の動向、あるいは欧米各国の動向も横睨みで見ながら日本の対応を考えていくことになろうかと思います。いずれにしても、来月中には戦略チームにおいて、第一次レポートを出したいと思っています。

問)

最近の国会答弁についてお伺いしたいと思います。先日、総理からご感想があったということで、最近、答弁にもちょっと変化が見られるのではないかという見方もあるようですけれども、最近気を付けられている点と、そのことについて総理からどのようなお話があったのか、何か反応があったのかお聞かせいただけますか。

答)

特に注意をされたなどということは全くございませんけれども、福田内閣は丁寧に説明をしていくという大方針がございますので、私もぶっきら棒にならないように、また挑発的にならないように気を付けているつもりでございます。時折、性格が出てしまいまして挑発的になる場面がないとは言いませんけれども、内閣の方針に従って答弁はしていきたいと思います。しかしそれによって、例えば「公務員制度改革や独法改革といった改革の方向性が後退をする」というご批判は全く当たりません。その点はご心配に及びませんので、どうぞご安心いただきたいと思います。

(以上)

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