渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年2月15日(金)9時02分~9時27分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

本日、年度末に向けた中小企業対策について福田総理大臣から指示がございました。

「原材料価格の上昇や建築着工件数の落込み等により、これらの影響を受ける中小企業等において収益圧迫や資金繰りの厳しさが増しているなど、中小企業をめぐる経営環境は厳しくなっている。それを受けて、最近の各種ヒアリングや調査によれば、地域や中小企業の景況感も悪化している。

これまで政府としては、原油価格の高騰等により深刻な影響を受けている国民や中小企業に対して昨年末に『原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議』を開催し、予算措置を含めた具体的な対策パッケージを取りまとめた。これらの対策は、順次実施に入っており、政府一丸となって取り組んでいるところである。

しかしながら、我が国の経済が下振れリスクを抱える中で、こうした中小企業等に対してきめ細かく対応することは、極めて重要である。

今後、こうした中小企業等が年度末の資金繰りを迎えることもあり、官房長官を中心に関係閣僚で協力して、早急に、必要な対策を検討していただきたい。」

ということでございました。

私の方からは、年度末に向けた中小企業金融の円滑化について発言をいたしました。

「原油・原材料価格の高騰や需要の減少等により中小企業の業況は悪化しており、これら中小企業に対する金融機関の融資判断の厳格化の動きも見られる。また、ここのところ、貸出残高が前年同月比マイナスで推移するなど、中小企業金融の現状は厳しくなっているものと認識している。

年度末の資金需要期を迎えるにあたり、我が国経済の基盤を支える中小企業に対する金融円滑化に向け、金融庁としては、実態を十分に踏まえ、対策について検討してまいりたい。」

ということを申し上げました。

私の方からは以上です。

【質疑応答】

問)

サブプライム問題ですが、先日、金融庁の調査で損害・損失が6,000億円に拡大したという調査がありました。この6,000億円という数字をどう評価するのか。また、この調査は、サブプライムに限ったもので、サブプライムが含まれていない類似の証券化商品は含まれていない調査なのですが、それを含むとさらに拡大するという可能性も高いです。それも含めてこの数字に関してご意見をお願いいたします。

答)

かねて申し上げてきたように、サブプライム問題がサブプライム以外のところ、例えばオルトA(オルタナティブA)、プライム、商業用不動産、その他消費者クレジット、オートローンなどに広がりを見せていることに対しましては、警戒水準を高めていく必要があるということを申し上げてまいりました。

今回の主要行11行の発表については、サブプライム関連以外のものについてもディスクロが行われたと認識しております。今回の金融庁の発表は、9月末から3ヶ月経ってサブプライム関連商品の損失がどのような具合に増えたかという観点からまとめたものでございます。したがって、これは大手11行のものよりサブプライム関連商品に特化したものとなっているわけであります。

確かに9月末よりは増えてきておりますので、今後さらにこの額が増えることは十分予想されると考えます。引き続き警戒を怠らずにこの問題についてはウォッチしてまいります。

問)

新銀行東京についてなのですけれども、東京都側が新たな出資、追加出資を予定しているとされていますが、そもそも銀行開業から3年以内に一千百数十億のうち8割以上の資本が毀損しているという状況、ビジネスモデルをどう考えるかということと、都側がさらに追加出資をして、今後の見通しがたつのかどうか、そして都の経営責任というのは避けられないと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

答)

個別行の問題については言及いたしませんが、一般的に金融ビジネスモデルがうまくいかない場合には経営が悪化するというのは当然のことであろうと思います。例えば、ミドルリスクのテイカーがいないというのは、日本の金融にとって大変な構造的問題だったと思います。そのミドルリスクテイカーを目指したビジネスモデルに、非常に画期的なものはあったと思います。しかし残念ながら、そのモデルを実現するためのツール、スコアリングモデルが不完全であったり不十分であったりすると、なかなかこのようなミドルリスクテイカーとして成功することは難しいのではないかということがあろうかと思います。

いずれにしても、これは一般論としての話でございまして、スコアリングモデル融資というのをより精緻化していく必要がある、よりノウハウを沢山蓄積していく必要があるということがあろうかと思います。もう一つは、日本の金利体系が相変わらず歪であるということです。かねて私が持論として申し上げてきたことでありますが、金利と貸出残高をグラフにしてみますと、大体2%くらいのところに大きな山があるわけです。そして、これが急速になくなって20%超えたところで小さなコブが出てくるという「ふたこぶラクダ」の構造が延々と続いてきていたわけです。デフレが終わっていないということも相当大きな影響があるのだろうと思います。デフレが完全に終息した後には、リスクに見合ったプレミアムを取るというマーケットメカニズムに即した金利体系、言ってみれば正規分布的な状況が出現してきても全くおかしくないのだと思いますが、残念ながらそのようなことがまだ不十分であるということから、なかなかミドルリスクテイカーが育たないということが言えるのではないでしょうか。いずれにしても一般論の話であります。

問)

銀行業の免許を出した金融庁としてですけれども、通常、開業から3年後に黒字化するというのが大きな前提になっているかと思うのですが、全く違う方向になっています。そのような意味で金融庁としての立場と言いますか見通し、責任についてどうお考えですか。

答)

個別行の話については言及いたしません。いずれにしても、当初のビジネスモデルとその後の展開が違えば、当然最初の目論見とは違った結果が出てくるということは一般論としてはあり得ることだと思います。

問)

冒頭の中小企業金融の円滑化に関連してですが、昨年12月の改正貸金業法の施行などでの消費者金融業者の貸し渋りが中小企業の資金繰りに影響しているのではないかという見方がありますが、大臣はこのあたりについてどのようにお考えですか。

答)

商工ローンの貸し渋りという話を耳にしていないわけではございませんが、本来、もっと安い金利で借りられる人たちが高い金利を払い続けていたという現実もございます。したがって、よりリスクに見合ったプレミアムの世界が実現していくことが大事であろうと思いますので、真に構造改革として進めていかなければならないことであると考えています。

中小企業金融について総理から指示がございましたので、商工ローンの借り手だけではなく中小企業全般について年度末の資金繰りの対応をどうするかということを検討しております。来週中に結論は出したいと考えています。

問)

先日のCIC(中国投資有限責任公司)との会談ですけれども、純投資だという意図を確認したというお話でしたが、そうしますと、敵対的買収ですとか経営権の取得などを目指しているものではないということが確認できたという理解でよいのでしょうか。

答)

そういう直接的なご発言がございました。経営権について関心はないということと理解しております。

問)

中小企業対策で、今、念頭に置かれている何か方策はあるのでしょうか。

答)

例えば、我が金融庁ということではございませんが、中小企業庁などで考えている中小公庫の資本性の資金、資本的劣後ローンの供給などというのは、大変結構なことだと思います。こういうことは、政府系金融機関だけがやらなくてもよいと思います。ただ、これが年度末に間に合うかどうかは、現時点ではなんとも申し上げられません。いずれにしても、年度末の対策だけで終わるわけではなくて、さらに、年度を越えてもこの厳しい状況は続いていくわけでありますから、当面の政策、そしてその次の政策、立て続けに考えていきたいと考えております。

問)

先ほどのCICの経営権のことですが、具体的にどういうようなコメントが先方からあったのでしょうか。直接的な発言があったということですけれども。

答)

詳しい中身については、先方のご意向もあって残念ながらご披露できませんけれども、私としては、日本の投資受入れは歓迎できるという立場は確認できたと思っております。

問)

国交省の都市再生機構の天下り問題ですが、13日の予算委員会で民主党から、冬柴大臣と大臣の考え方が違う、答弁不一致、閣内不一致という指摘がありましたけれども、これについてどうお考えかということと、今後、UR(都市再生機構)の天下り問題についてどのように解消していくおつもりなのでしょうか。

答)

これは閣内不一致ということでは全くございませんで、昨年末の整理合理化計画を受けて交渉を進めているところです。URについては3年以内に組織のあり方について結論を出すということになったわけでありますから、この3年の間、徹底したスリム化を進めるべきだと私は考えたわけです。そこで、URの連結と単体ベースの累積欠損金の差額、なぜこれが生じているのか、これはまさしく随意契約を通じて子会社、関連会社に剰余金が流れ込んだ結果ではないか、という疑いを持っているわけです。そういうことについて、人の面、つまり天下りと、お金の面、つまり「埋蔵金」の両方の観点から、国交省に検討を提案したものでございます。国会で問題になりました人の方の天下り問題について、閣内不一致があるのではないかというご指摘だったと思いますが、現在交渉継続中のお話であって、閣内不一致にはあたらないと考えております。

問)

自民党で国家戦略本部の方で、日本版政府系ファンドの検討をするということになったようで、それに加えて、山本議連(資産効果で国民を豊かにする議員連盟)の方では超党派にするというような考えもあるようなのですけれども、大臣は日本版政府系ファンドについて戦略チームの方で議論を深めたいと、海外の政府系ファンドの調査を踏まえて議論を深めたいという考えを示していますけれども、最近の日本版政府系ファンドの議論の広がりについてどのようにお考えでしょうか。

答)

大変結構なことだと思います。私の金融市場戦略チームでも既にブレインストーミングは始めたところでありますが、こういう議論が国会と政党の方でも行われるというのは非常に結構なことではないでしょうか。是非、与野党を超えた議論の深まりを期待したいと思います。

問)

政府系ファンドを日本で作ることに対して、国会の中で理解は広まっている状況なのでしょうか。

答)

要するに、こういう議論が昨年あたりから急速に増えてきたのは、やはりソブリン・ウェルス・ファンドの存在というものが相当大きくなってきたということと表裏一体のことだと思います。ですから、いつも申し上げますように、このソブリン・ウェルス・ファンドは世界の金融・資本市場の中で、投資する方も、投資を受ける方も、お互いにベストプラクティスを求めて今、模索中だと思います。日本としても相当大きな資産をいろいろな場面で抱えているわけでありますから、こういった金融資産の運用について、議論を深めていくのは大変結構なことではないのでしょうか。今までこうした資産の運用ということについてあまりにも無関心すぎたという反省は持って然るべきだと思います。

問)

議連では今後、どういうふうな形でファンドを作っていくのかという設計図を作って、春には総理に全体図を示して法案化を進めたいという考えだと思うのですけれども、まずこの流れについてということと、今、金融市場戦略チームで検討しておりますが、いつぐらいに大体の中身がまとまって、大臣としてのお考えが示されるのでしょうか。

答)

当初の予定では第二次レポートは年度内に出したいと考えておりました。間に合うかどうかはわかりませんけれども、やはり議論というのはだらだらとやってもしょうがないので、それなりのスケジュール感を持って進めていきたいと思っております。

問)

金融市場戦略チームで日本でも資産を有効活用したほうがいいという結論になった場合に、大臣として積極的にファンドを作っていこうという動きを今後なさる予定はございますか。

答)

金融市場戦略チームの結論にまだ方向性が出ているわけではございませんけれども、私が選んだメンバーでございますので、戦略チームの結論は尊重してまいりたいと考えます。

問)

中小企業の関連で、本日、日本銀行の政策決定会合がありますけれども、日銀の政策に期待する点はございますか。

答)

やはり、政府と中央銀行が一体となった政策を進めていくことが大事であると思います。ここにきて、下振れリスクがかなり顕著に出てきているわけでありますから、当然のことながら、そういったことを念頭に日銀としては政策決定を行われるものと思っております。

(以上)

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