渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年3月7日(金)8時46分~8時52分 場所:国会内)

【大臣より発言】

おはようございます。私の方からはございません。どうぞ。

【質疑応答】

問)

今日、日銀人事が提案ということだと思うのですけれども、名前が取り沙汰されている武藤さん(日銀副総裁)に対して、野党が反発を強めているといわれています。任命までに時間、空白を含めて混乱が続くようですと、例えばマーケットとかいろいろ影響があると思うのですが、その辺の想定される影響について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

空席ができるということは、決して良いことではないと思います。どなたが出てくるのか私はまったく存じ上げませんけれども、今回の手続きの中で、候補となった方のヒアリングを国会でやるプロセスがあると聞いております。これは大変結構なことだと思うのです。誰がやるかということも大事ですが、何をやるか、どういうスタンスで金融政策を執り行うのか、国会の席でいろいろな疑問に答える、ご自分のスタンスを述べる、現状認識、これからの方向性といったことについてヒアリングの場で質疑応答をやるというのは、大変結構なことだと思います。そういう手続きを決めたわけですから、正々堂々とやったらよろしいのではないでしょうか。

問)

新銀行東京のことで、86億円の融資の焦げ付きということが明るみに出ていますが、改めて、今後の対応や、当時の対応など振り返って、どのようにお考えでしょうか。

答)

不良債権比率が10%くらいあるという話は聞いております。自己資本比率がどれくらいになっているかというと、これは17%くらいになっていると聞いておりまして、その点では、主要株主である東京都、そして東京都議会がいま議論をしているわけでありますから、そちらの議論を待ちたいと思っております。

問)

日銀の総裁候補ですけれども、今後、ヒアリングをするということですが、大臣としては質問するとすればどんなことをお聞きしたいと思っておりますでしょうか。

答)

私は質問する立場ではありませんので、これは国会の議論でしょうけれども、まず、やはり世界の金融・資本市場が動揺をきたして久しいわけです。これが収まる兆しが残念ながらまだ見えていない。そういう時に、日本経済もダウンサイドリスクが大変高まってきているわけでありますから、マクロ政策の一翼を担う日本銀行として、そういう現状の認識、それから金融政策の方向性、これを聞いてみるのは大変貴重なことだと思います。私に質問の機会でも与えられれば、いろいろと聞きたいことはたくさんございます。

問)

福井総裁の最後の金融政策決定会合が今日行われますが、この福井総裁の5年間についてどのようにご覧になっているでしょうか。

答)

この5年間、日本経済がデフレから脱却できずにもがいてきた中で、大変世界的にも珍しい状況にあったと思います。冷戦崩壊後、日本がいち早くバブル崩壊、不良債権、デフレの中にはまってしまった。今、もしかしたらアメリカ、ヨーロッパが似たような軌跡をたどるかもしれないという中で、日本銀行の金融政策というのはおそらく、成功、失敗両面から歴史的な評価にこれからさらされていくのであろうと思います。

私の印象では、最も効いたと思われる金融政策は、2003年ごろだったでしょうか。大量の為替介入をいたしました。ギネスブックに残るような介入をした時に、それまで日本銀行でしたら、不胎化をしたはずなのです。ところが、あの時には非不胎化、つまり、介入に使った円資金を回収せずに、そのまま放置をしておいた。おそらく30兆円を超える介入のうち半分以上は非不胎化されたのではないかと記憶しております。これは、日銀当座預金の増加というところにその結果が現れるわけでありますが、こういう政策は実は金融政策としていちばん効いたのだと思います。かなりヘテロドックス(異端)な手法だったかもしれませんけれども、デフレにはまった日本のマクロ政策としては、非常に効果があったという印象を持っております。

(以上)

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