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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年10月28日(火)9時49分~10時04分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議の前に給与関係閣僚会議がございまして、そこで人事院勧告をどうするかという話が出ました。私の方からは、財政事情もありますけれども、官民の差というものを反映するようにというふうに前回伊吹大臣の方からお願いをしたわけですけれども、それについての言及がなかったと。引き続きその辺のことを是非判断をしていただきたいと。それから厚労大臣、総務大臣、与謝野大臣等々からもご発言がございました。今日のところは色々意見が出たので、また次回ということになりました。

閣議につきましては、特にご報告することはなかったと思います。

1点ご報告することがございます。株の空売り規制について、昨日対策の1つとしてネイキッド・ショート・セリング(売付けに際して株の手当てがなされていない空売り)というんですか、これを11月の第1営業日を予定してやるということをご報告いたしましたが、その後、総理のご指示もあり、次のようにしたいと思います。空売り規制等の履行状況、違反があったかないのかについて、緊急に直ちに今から調査をすることを決定いたしました。これは金融庁、証券取引等監視委員会、東証が連携して行います。法令違反があった場合には過去に遡って厳正に対処したいと考えております。それから、ネイキッド・ショート・セリングに関わる空売り規制を本日から実施いたします。これは閣議決定、政令は若干時間がかかりますが、本日中、出来るだけ早い時期にやる予定にしております。その間は緊急対応として、東証のご判断で会員証券会社に対してネイキッド・ショート・セリングの受託の自粛要請をするということにさせていただきました。

【質疑応答】

問)

今の空売り規制に関してですが、過去に遡っても厳正に処分するということですが、過去というのはいつ頃までをメドに考えておられるんでしょうか。

答)

違反ですから、時効があるとすると時効を超えてということはありませんけれども、とにかく過去というのは、はっきりとは決めておりませんけれども、今日朝緊急に総理からのご指示で総理と相談した中での判断ですので、いずれにしても過去ということです。

問)

今回新たに前倒ししたということですが、この判断というのはどういうところが背景にあったんでしょうか。

答)

昨日の対応を発表いたしましたけれども、依然としてマーケットの動きが昨日で8%ぐらいですか、下がっているという状況の中で、もちろんもともと違反があったかないかを厳正に調査をするというのはある意味では当たり前のことを改めて厳正に過去に遡ってやるということ。それから率直に申し上げて、欧米で既にネイキッド・ショート・セリングの禁止をやっているわけでございますけれども、日本でこれがまだ数日間遅れている。この数日が非常に大事であるということを私と総理とでご相談をいたしまして、これは即やらないと、この数日がある意味では日本の株式市場にとって非常に大事である、ある意味で危険であるという判断をしたものですから、早朝から総理とご相談をして、総理のご指示も踏まえてこういう決定をしたところでございます。

問)

昨日G7の声明を発表されましたが、そこで円ドル相場、円高に急伸することはなくて横ばいという動きで、市場からは効果は限定的ではないかという意見もあるんですが、現在の市場の動きに対して大臣のご所見をお願いします。

答)

急激な変動というものは決してどの国にとってもプラスではない、マイナスであるという判断でああいうG7の共通認識を発表したわけでございます。そういう意味では急激な変動がなかったということで、私としては効果があったのではないかというふうに思っております。

問)

給与関係の閣僚会議の件ですが、現下の経済情勢だと民間企業の給与も厳しい状況になりつつあると思うんですけれども、そういった情勢を踏まえての何かご意見というのは出ましたでしょうか。

答)

民間との間に差がないからそれを前提にやるんだというような考え方の報告があったので、少なくとも私の地元含めて地方では、やっぱり官の方が高いという認識を私持っていますという発言をいたしました。それから何といっても民間が官との関係だけではなくて、やっぱり実質所得が非常に上がっていない、場合によって下がっている、しかも物価が上がっていると。こういう状況をどういうふうにしていったらいいかということが、実は今日の会議よりももっと大事な、今日の会議も大事なんですけれども、日本全体という意味で言えば、まずそっちの方もというか、そっちの方をきちっとしていく、そのために緊急経済対策第1弾、そしてまた第2弾を今作業しているわけで、何とか最低賃金の問題も含めて働いている皆さん方の賃金が上がることが最も大事なことであると。その中で民が上がっていくこととの関係で官の方も上がっていくというのがあるべき望ましい姿だろうというふうに思っております。

問)

円高傾向が続く中、市場では円売り介入を望む声というのが根強いように思われますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

今の段階で私の考えは、私共が週末何日も徹夜して調整したあの声明が私の考えでございます。介入についてはお答えはいたしません。

問)

昨日株価安定策を発表されましたが、後場に入ってからもなかなか下げは止まらず、今朝に入ってからも今日の市場でもなかなか反発の力が弱いと。昨日発表した後の株価についてご所見をお願いします。

答)

まあマーケットですから。ただ、さっき申し上げたように日本だけが横並びでないということになると、これはどこの場合でもそうですけれども、そこにプレッシャーがかかるという、よりかかりやすい状態になっているということは言えるんだろうなという意味で、さっき申し上げたように欧米並みのルールに変えていくことが非常に今日本にとっても、またほかの国も同じようなことがあるかもしれません、大事だなというふうに思って判断をしたところです。

問)

昨日もちょっとお話が出ていたかと思うんですけれども、こういった金融情勢の混乱において金融政策のあり方、これは日銀の独立性というのがありますけれども、こうした金融市場の情勢の中で金融政策のあり方について大臣のご所見をお聞かせください。

答)

金融政策は日銀が日銀法に基づいておやりになっていらっしゃる。そしてまた政府ともよく連絡を取っておやりになっていらっしゃるし、我々も日銀とよく連絡を取りながら私は金融行政をやっていきたいというふうに思っております。昨日山口副総裁もご挨拶に来ていただきまして、そんな混み入った話はしておりませんけれども、今後もそういう形でやっていきましょうということをお話ししたところです。

問)

こうした状況でアメリカやヨーロッパでは利下げの動きというか、そういう観測も出ているんですけれども、日本としてはどう対処すべきだと思われますか。

答)

観測という言葉に対してはお答えはしない方がいいと思います。

問)

今週末にも麻生総理が生活対策と同時に発表される社会保障の安定財源確保のための中期プログラムについて現在策定をしていると思うんですが、その策定状況を教えてもらえればと思うんですが。

答)

これは今党の方で前面に出てやっていただいておりまして、最終的に政府と調整をしてまとめていきたいと思っています。

問)

一部消費税の増税に向けた工程表が示されるんじゃないかという報道もありますが、それについてはどのようにお考えですか。

答)

現在作業中です。

問)

先程空売りの違反行為があったどうか、過去に遡って調査されるということですけれども、今現在具体的にそういう違反行為みたいなものが過去を遡ってみると見られる状況が何かあるかということなんでしょうか。

答)

いや、今から調査を改めてするということですから、それはやってみなきゃ分かりません。

問)

空売りの規制強化の件なんですけれども、実施を前倒すと共に空売りの規制そのものを範囲を拡大させるということはお考えになっていますか。プラスアルファとして何か規制を。

答)

空売りの対象はさっき言ったネイキッド・ショート・セリングであるということは変わっておりません。

問)

一部報道で、空売りを全面禁止出来るような法的な環境整備を今後検討するような、そういう報道があるんですけれども。

答)

報道とか観測とかそういうものを前提に私はお答えはいたしません。

問)

昨日の対策の発表の仕方ですけれども、市場関係者からは何でマーケット前にやらなかったのかと。大臣自身が9時から会見をやると言いながら15分遅れているわけですよね。マーケットはものすごくああいう場合は、政府のメッセージに注目しているわけですから、それの対応も含めて批判があると思うんですが、それについては如何ですか。

答)

お聞きしました。

問)

それについてこちらがお聞きしているんです。

答)

マーケットにまた私からも直接お聞きしたいと思います。間接情報ではなくて直接お聞きします。

問)

新聞に出ていますよ、それ…。

答)

ああそうですか、新聞ですか。

問)

ちゃんと答えてくださいよ。

答)

いやいや、だから間接的な話は答えられない。新聞が全部間違っているとは毛頭言いませんけれども…。

問)

あなたが遅れた事実も含めて批判が出ているわけですよ。

答)

ああそうですか、直接お聞きします。

問)

国民にちゃんと答えてください。

答)

はい。国民にはちゃんと答えますよ。

問)

だからこの場で答えるということですよ、それは…。

答)

いやいや、ちゃんとお答えしますから。

(以上)

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