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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年11月7日(金)9時00分~9時15分 場所:国会内)

【冒頭発言】

閣議では特にございませんでしたが、今日朝、総理がオバマ次期米大統領と電話で会談をしたということについてのご報告がございました。閣議、閣僚懇は以上です。

私の方からは、まず金融機関の自己資本比率の弾力化について決定をいたしました。これは世界的な金融状況の変動に対応するものですが、あくまでもルールを超えたものではないと。ルールの範囲内で出来ることをやるということでございます。まず国内基準行につきましては、株式・債券等に有価証券の益を今までも入れておりませんでしたが、損が出た場合はティア1から落とすということになっておりましたが、損についても益と同様、自己資本から動かさない、つまり算入しないというか、プラスもマイナスも算入しないということでございます。それから国際基準行はバーゼルの枠組みの範囲内で、既に各国もやっているところはあるわけでありますけれども、国債・地方債等について益も損もティア1、ティア2に入れない、プラスもマイナスも国債・地方債等については自己資本比率にカウントしないということを決定いたしました。これはあくまでも自己資本の話で、会計上の話とはまた別の話でございます。これは平成24年3月末決算までの措置として今年の12月期決算から適用したいと思っておりますので、早急にパブリックコメントに諮りたいと考えております。

2つ目が、もう既に委員会審議でも答弁しておりますけれども、例の条件緩和債権にした場合に不良債権化するということに対して対応したいと。5年にするとか、10年のものを計画どおりいっていればそれも考えるということにつきまして周知徹底をしろというご質問がございました。従いまして本日付で財務局を含めたすべての検査担当・監督担当官に公文書で周知徹底をしたいと思っております。それから金融機関側にも周知徹底をしたいので、金融機関にも中小企業の実態を踏まえた融資、あるいは債権の取扱いを今申し上げたような形でやっていただきたいということでお願いをすることとしております。

3点目が昨日の「週刊文春」で麻生内閣及び私に対しての記事が載っておりましたけれども、全く事実と違う点が少なくとも2点ございます。総理と日曜日の夜お会いした時に、その後の皆さんとのいわゆるぶら下がりで私が泥酔状態にあったということでございますが、その日は朝から夕方まで、そしてまた総理との会談の時も水1杯しか出ないということは私、たしかどこかで申し上げたと思うんですけれども、お酒を一滴も飲む機会がなかったということで、これは総理にもご迷惑をおかけする話だと思います。2点目は、先週の月曜ですか、9時過ぎの記者会見で、特にある記者からしつこく何でこんな時間にやるんだというご質問がありましたが、これも何かお酒と関係があるのではないかという趣旨の週刊誌が昨日出てまいりましたが、全くそういうことはございません。従って「週刊文春」に法的措置も含めて、今日対応したいと思っておりますし、また文書を「週刊文春」側に出したいと思っておりますが、その文書は今弁護士と相談しておりますけれども、出来次第皆さん方にもお渡ししたいというふうに思っております。以上です。

【質疑応答】

問)

来週15日、金融サミットが近づいてまいりましたけれども、日本としてはどのような方向で訴えたいという、どういうことが金融サミットとして打ち出されることを期待されるかということを。

答)

まずどういうことを打ち出されることを期待しているかというと、G20というのはある意味では世界の色々な立場の国々を代表している、先進国G7とまた違う、世界のある意味では代表者会議みたいな感じなので、これから協力し合うということを確認することがまず非常に大事なことだろうというふうに思います。その上でどういう成果が出るかについてはこれからまた事務的、あるいはまた私レベル、あるいは総理レベルで話し合いが行われるものというふうに考えておりますが、とにかく協調を前提とした成功ということを何としてもなし遂げていきたいというふうに思っております。日本としてはG7行動計画の更なる前進ということになると思います。それから総理の30日の生活支援対策の中でもございましたけれども、いわゆる証券化商品の監督の問題、あるいは時価会計をどうするか、あるいは格付をどうするかといったことについて積極的に対応したいという総理のご発言もございますから、国際的なルールも含めて、それから私が提案いたしましたIMF等への国際機関の役割を更に重視して期待をしていきたいと、そのために支援をしたいということ等を更に前進させていきたいと。特に一昨日、昨日、またマーケットが非常に厳しい状況、特に昨日は各国利下げ、英国の1.5%ですか、にもかかわらず英国もマーケットが悪い数字が出ておりますし、各国悪い流れになっておりますので、また為替の方も円から見れば少し動いておりますので、そういった状況を見極めながら来週末に臨んでいきたい。各国やれることは日本も含めて、それまでにやれることは積極的にやっていきたいというふうに考えています。

問)

定額給付について高額所得者に辞退を促すような案も出ておりますけれども、今のお考えを改めてお願いします。

答)

ですから前から申し上げていることを繰り返すならば、私はそういう気持ちでありますけれども、そうすべきだと思いますけれども、迅速性あるいは特に低所得者の方々に出来るだけ早く給付をしたいということを考えればやむを得ない対応だったのかなと思いましたけれども、色々なご意見、特に総理のご意向もあるわけですから、迅速性が失われないということで作業を進めているようでありますから、それをぜひ私としては期待したいと思っております。

問)

金融サミットの前に財務大臣会合が開かれるという報道もありますけれども、これはアメリカ側から実際その様な連絡とかというのはあるんでしょうか。

答)

財務大臣も来いということになって私も行くことにしておりますけれども、特に現段階で財務大臣だけ集まってということが決まっているわけではございません。G20財務大臣会合があるということが決まっているわけではございません。

問)

週刊誌に送る文書ということですけれども、まず最初が抗議と謝罪要求の文書を送るという…。

答)

そういう趣旨になると思います。全く事実無根のことについて訂正と謝罪と、またそれを周知してもらいたいということ、その対応を見てその後考えたいと思います。

問)

いつごろ出される…。

答)

今日中に出します。

問)

オバマ大統領が当選しまして、今後また財務長官も含めて新しいスタッフが集まると思うんですが、アメリカにはどういったことを期待したいと。

答)

アメリカの人事ですから見守るしかないわけですけれども、このアメリカ発の金融危機、経済危機に対して、思い切った迅速な対応をアメリカとしてもやっていただきたいし、その際日本の経験というものもお役に立てるのではないかと思っておりますので、その辺の連絡も是非密にとって我々としても協力出来るところは協力していきたいと。オバマ大統領就任予定者の内閣も引き続き、私レベルでも連絡を密にとってやっていきたいというふうに思っております。

問)

自己資本比率の緩和なんですが、12月からということで地方銀行なんかにとっては結構決算なんかで複雑になってくるというか、株の影響なんかもという、どのような影響が…。

答)

正確にもう一度言い直します。国内基準行は損を計上しなくていいというふうに申し上げました。国際基準行についてはカウントしない取り扱いも認めるということで、カウントしてもいいと。逆に益が出る場合にはカウントしてもいいと、正確に言うとそういうことでございますが、いずれにしてもこれは急激なマイナスに対しての対応措置で、どの金融機関でもこれは冒頭申し上げたように別にルールを、国際的な約束とか法律を変える話ではございませんから、その中でプラスになるような形で採用していただければいいなというふうに思っております。

問)

これはいつまでの時限措置としてか、もう一度…。

答)

平成24年3月末決算までです。12月末決算に間に合うようにするということです。

問)

定額給付の件でお伺いしたいんですけれども、高所得者の方に仮に辞退していただくというふうなことになった場合、2兆円の予算で組んでも執行のところでは2兆円を割れてしまうというふうな形にならざるを得なくなるのかなと思うのですが、そういう理解でよろしいんですか。

答)

まず2兆円というのは、2兆円でやると決めているんじゃなくて2兆円を限度としてという言い方になっていますね。ただ質問の趣旨はよく分かります。辞退した場合にさらに執行額は減りますよねと。ですからこれは早くということと低所得者の方に出来るだけ多くということがポイントだということで、それはちょっと結果的にそうなることについては、なったとしてもそれはやむを得ないことじゃないのかなというふうに思います。

(以上)

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