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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年11月21日(金)9時44分~9時59分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議では特にご報告することはございませんでした。

私からは以上ですが1つだけ、金融機能強化法は昨日も6時間ぐらい熱心にご審議をいただきました。昨日何回も私から申し上げましたが、これは平時においても貸し渋り、貸し剥がしという声を、私の目安箱を通じて毎日大量に全国からいただいているわけでありますが、だんだん年末を迎える時期になってきまして、言うまでもなく年末というのは企業にとっては資金繰りが非常に厳しくなっていくわけでございます。特に、手元にここ3年間の月別の全規模、中小企業の倒産件数のデータがございますけれども、それまで1,000件から1,100件、1,200件、多い時でも1,300件という状況がずっと続いておりましたけれども、9月、10月と1,400件を超して徐々に増えてきているという状況であります。従いまして、色々条件緩和等々色々なことを周知徹底をしたり、ルールを若干変えたりして、頑張ってやっていけば、資金繰りがつけばやっていける企業をうまく拾って、そして企業が頑張ってもらえるようにしたいという趣旨の法案でございます。昨日も熱心に審議はしていただいておりますけれども、先が見えないということになりますと、仮に60日と、これは国会が延長すればという前提でございますけれども、60日経過した場合には、1月5日には3分の2で再可決をするということでございますけれども、1月5日というのはもう年を越してしまってという時期でございまして、成立はしたけれども年末資金繰りが出来なくて残念な結果になりかねないということは、我々としては絶対に避けなければいけないと思っております。そういう意味で引き続き審議はするということで、それ自体ありがたいことでありますけれども、是非ともその辺の年末、今もそうですけれども、特に年末に向けての対策というものを、十分法案審議に当たっては委員会の皆様方に、反対ならしょうがありませんけれども、この法案の果たす役割というものを是非ご理解いただいて早期に成立をしていただきたいと昨日つくづくお願いをし、また一部野党の方からも、そのことは分かっていますというようなご趣旨のご発言もいただいたところであります。

それから、ここのところまた、直接的にはアメリカの大企業を巡る状況がきっかけだとは思いますけれども、世界中で同時株安という状況になってきておりまして、ワシントンでも政策の整合性、協調政策ということでも合意をされておりますので、今後日本としても何が出来るかということを早急に考えて、そして出来るだけ早く実行をしていきたいと思っております。これは関係各省庁、それから外国、それから日銀等ともよく連絡を取り合いながらやっていかなければいけないと考えております。以上です。

【質疑応答】

問)

道路特定財源の一般財源化に伴って地方にどうやってお金を回すかという問題で、麻生総理の発言が交付税なのか交付金なのかとか、または総枠についてどの程度なのかという点が不明確ということもあって、色々混乱というか波紋が広がっている感もありますけれども、麻生総理の真意がどの辺にあるとお考えか、また中川大臣がどのような方法、額が適当だなというふうに考えがあればお聞かせください。

答)

総理が一昨日ですか、7,000億、1兆という2つのパラメータを色々と頭の体操をしたご発言があったわけですけれども、総理もすぐにまたご発言をされているようでありますし、私としては今党でも議論をしていただいているところでもございますし、私の立場からは党の議論をよく聞き、最終的には麻生総理と来年度の予算にも絡む話でもございますので、しかるべき時期にご相談をし、ご指示を仰ぎたいと思っております。一般財源化をする、そして地方には1兆円を差し上げる、この2つは大原則だと思っておりますので、その中でどういうふうにしていったらいいかということは、私自身はこれから自分自身の考えを固めて、そして関係方面とご相談をしていきたいと思っております。

問)

同じく麻生総理の発言で消費税の引上げ時期について、前提条件として名目成長率が2%から3%が続くことが条件になるのではないかというような発言がありましたけれども、この考えについてどのように受け止めますでしょうか。

答)

総理は常々、景気回復を最優先として景気が回復していけば担税力と言いましょうか、税を払う力もより出てくるわけでありますから、その時にこれは大体3年というものを1つのメドにしているわけでありますけれども、その時点で景気が良くなる、景気が良くなった時に安定制度としての裏付けとなります安定財源というものをきちっと議論していく。当然これは税が中心になると思いますけれども、安定的な税財源を確保するために消費税を含めた抜本改正をやっていくと、これが麻生氏から私への指示でございますので、何%がいいということを私から現時点で申し上げることは控えたいと思います。

問)

先程の株価の話なんですが、今回、昨日400ドル以上下げて東証も下げで始まったんですが、先程のお話だと新たに追加の何か対策というようなものを考えているというお話でよろしいんでしょうか。

答)

考えているじゃなくて、何か対策があるだろうかということを勉強しようということであります。

問)

今の株価の水準というのはそういう状況にあるという…。

答)

株価ももちろんですけれども、変動率、特に下げ幅が5%を超えるような、昨日で6%ぐらいですか、やはり5%を超えるようなその変動・下げが現実各国で続いているというのは、やはりこれは世界経済に与える影響は大きいと思いますので、そういう観点からも、無理やり株価対策をやるということは出来ませんけれども、我々の与えられた権限の中で株価が安定するような対策というものが何かないかなということを勉強してみたいというふうに思っています。

問)

今のお話なんですけれども、つまりある株価がある一定の下げ幅を超えたら、それ以上株価を下げないようにブレーカーみたいな機能を市場につけてみようという、そういうお考えでよろしいんでしょうか。

答)

サーキット・ブレークの一部については先週公表したと思いますけれども、今のご指摘はある株価という…。

問)

いや、相場全体のお話なんですけれども。

答)

ですから大きな変動が起きないようにする、それは制度としてやるか、あるいはまたそれ以前の何かルールでもってそうならないようにしていくかも含めてこれから検討していきたいと思っています。

問)

先程金融機能強化法の早期成立というお話がありましたけれども、直接的には今成立してもすぐに年末の資金繰りに、銀行に資本を注入するという話なので直接的な関連性はなかなか難しいので、やはりこれは金融機関の心理面に与える影響というか、それが…。

答)

そんなことはありません。法律が公布されてから2カ月以内に施行するということですから、今日成立しても2カ月仮にかかってしまうと年内に間に合いません。ですからそういうことも含めて、施行までの期間も出来るだけ短く我々としてもやっていかなければいけないと思っておりますし、とにかく年末の資金がきちっと入るようにするための目的でさっき申し上げたわけですから、これは決意表明だという程度のものではなくて、実際にこのシステムに乗って、そして必要な資金が資金需要者に渡るようにしなければならないという前提で申し上げているわけであります。

問)

先程も道路の話があったんですが、麻生総理の発言が医師会についてとか、あとは郵貯の株の売買についてとか、その辺でちょっとぶれがあるんじゃないかというような話も出ているんですが、その辺は総理と近い大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

答)

お医者さんの話は、あれは私はそうは思わないし、私の親戚にも医者もいますし同級生にも医者もいますし、昨日私に質問した参議院の民主党の議員はお医者さんで私もよく知っている人ですが、仲がいい人ですし、訂正されましたけれども、される前の話はそうは思いません。郵貯の株の問題というのは今この時期に大量の株を放出することが果たして先程申し上げたようにいいかどうかという別議論があって、何か放出をしないと、何か小泉路線の全面否定だみたいな、そういう論点で取り上げられると我々としても不本意であって、まさに景気対策、経済対策の観点からのみ考えていけば、確かNTTの時も延ばしたことがあったような記憶がありますけれども、そういう判断というのは当然あり得るんだろうというふうに思います。

問)

一部報道で、AIGグループの保険会社でアリコジャパンを買収するということで中国の政府系投資ファンドと交渉が始まったという報道があります。個社の話で恐縮なんですけれども、例えばそれを、報道が事実として前提として、中国の政府系投資ファンドがこういった日本の企業を買収することについてはどういうふうにお考えでしょうか。

答)

まだ報道、朝新聞で読んだばかりなので、改めて金融庁の報告を受けた上でお答えしたいと思います。

(以上)

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