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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年11月25日(火)9時54分~10時04分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議では特にございませんでした。

私から1点、先週18日公表しましたインサイダー取引規制に関するQ&Aにつきまして1点追加をいたしました。金曜日に東証の方にもご通知をいたしました。これは自社株取得にかかわるインサイダー規制、これは実質かなり厳しいというか抑制的になっておりまして、もちろんインサイダー取引はいけないんですけれども、現実厳しくなっておりますので、上場会社の役職員に対してインサイダー規制について、インサイダー規制は駄目なんですけれども、過剰な内容にならないような規則にしてもらいたいという趣旨のQ&Aを作って、東証を通じて上場会社の方にお伝えをいただきたいということを金曜日に行いました。

【質疑応答】

問)

昨日ですけれども、米国政府がシティグループに対して追加の資本注入と不良債権に対する政府保証ということ、救済策を発表していますけれども、これに対する受け止めと、シティグループには先月も公的資金が注入されていますけれども、そういった経緯から対応がちょっと泥縄じゃないかとか、今回の措置で十分なのかという指摘も出ているようですけれども、これに対する大臣のお考えも含めてお聞かせください。

答)

まず日本の経験からいって、今回シティグループに対してああいう形で大規模な多様な対応を米国政府がやられたということは評価したいと思いますし、マーケットもそういう見方で現時点ではとられているというふうに見ております。これで十分かどうかということに関しては、全体として金融危機がこれで好転すればいいんですけれども、この状況については引き続き注意深く見守っていかなければいけませんし、米国政府も当然そういうふうに見ていると思いますし、我々も注意深く見守っていきたいというふうに思っています。

問)

来年度の予算編成に向けて与党の方から社会保障費の2,200億円の抑制だとか公共事業費の3%削減だとか、こういった枠を突破すべきだというか、こういった枠を超えて当初予算でも一層の財政出動を図るべきだという意見が出始めているようですけれども、06年の骨太の方針で定められた歳出削減について来年度予算編成についてどのように対応していかれるか、改めてかもしれませんがお聞かせください。

答)

与党の方で今色々とご議論していただいているわけで、私はまだ現在進行形ですからそれについてコメントは控えたいと思います。今日総理の方に呼ばれて多分それに関する何らかの、それに関するかどうか分かりませんけれども、予算編成に関する何らかの指示があるというふうに予定が入っておりますので、総理の指示も承りながら、また与党の議論もしっかりウォッチしていきたいというふうに思っています。

問)

オバマ次期大統領がアメリカの次期財務長官にニューヨーク連銀のガイトナー氏を指名しました。今後重要なパートナーになるかと思うんですけれども、彼に対する大臣の今のお考えと、すぐに連絡をとってこの金融危機に対応するお考えがあるかどうかを聞かせてください。

答)

私としてはすぐにも連絡をとりたい気持ちはありますけれども、正式に就任もされておりませんので、その辺の間合いをどうしたらいいのかなと率直に思っております。ガイトナーさんという方は、直接お会いしたことはございませんけれども、非常に優秀だし、何といっても日本の90年代のことをよくご存じだというふうに聞いておりますので、このアメリカの金融危機に対して適切な対応をとっていただける適任の人だというふうには思っております。

問)

金融機能強化法なんですけれども、会議が長引いて来年まで強化法の採決が出来なくてたなざらしになるという状況もあるんですけれども、中小企業金融とか苦しい状況で、こういった状態に仮になったとすれば、どういうふうに対処されるおつもりですか。

答)

これはさっき言えばよかったんですけれども、閣僚懇談会でも私から申し上げまして、自然成立ということになっても1月5日ですね。年越しということになりますので、これは何といっても、特に資金繰りに困っている企業、そしてまた年越し資金というものを考えたときには何としても、法案が成立しても政省令等の準備があります。これは出来るだけ早く対応するようにと既に指示は出しておりますけれども、いずれにしても作業も成立後もかかるわけで、それから「さあどうぞ」といって審査をして、そして注入して貸し出しをするということになると、本当にぎりぎりの状況に来ているなというふうに私は認識をして、さっきも金融庁の方に、これは国会で今ご審議いただいていることではありますけれども、とにかく年内に必要な資金が適切に行くようにしてほしいという指示を改めてさっき出したところです。これは日本中の中小企業が期待し、また困っていることに対しての対応ですから、是非党派を超えて、日本の経済が国会の状況で悪化するということのないように、是非ともここは、各党色々ご苦労されておりますけれども是非きちっと、特に年末に間に合うようにやっていただきたいというのが、先週の委員会でも私何回か申し上げましたけれども、是非その辺をご理解いただきたいなと。少なくとも年内に必要な資金が供給出来るように、融資出来るようにしていただきたいというのが私の立場からの切なる希望であります。

問)

今、金融庁に年内の年越し資金の供給で指示されたというのは具体的にはどういう…。

答)

具体的には何も、国会審議ですから。ただ作業に時間がかかるということになれば、いつ上がるか分かりませんけれども作業で年を越しちゃったみたいなことになると今度は我々の方の責任が出てきますので、それに間に合うようにやれる準備というのは限られています、現段階では。でも、ゆめゆめ越しちゃうことのないように我々の方も出来るだけの準備をしていく必要がありますし、何といっても国会の方も審議を尽くして出来るだけ早く成立をしていただきたいという、これはお願いですね。

(以上)

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