中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年11月28日(金)10時30分~10時43分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議の前に安全保障会議がございました。イラク撤退の問題、それとクラスター爆弾問題等々ございました。閣議の方では私から、一昨日の財政制度審議会の予算編成に関する建議について申し上げました。以上です。

【質疑応答】

問)

昨晩の総理のぶら下がり会見で、総理が毎年社会保障費の伸びを2,200億円抑制する方針について限界に来ている等々見直しともとれるようなご発言をなさいましたけれども、社会保障費の抑制方針、来年の予算編成の中で見直していくべきだという意見がございますが、大臣の現在の見直しに対するお考えをお聞かせください。

答)

まず総理の夜のぶら下がり会見に私はおつき合いしていないのでコメントが出来ません。それから2,200億円云々については今党の方でも議論をやっていただいている最中ですから、今私から申し上げることは控えたいと思います。

問)

社会保障費だけではなくて、公共事業費の3%削減とかODAについても党内からシーリングを見直すべきだという意見が出ていますけれども、予算編成に当たっては7月のシーリング、閣議了解したシーリングの方針を堅持なされるのかどうか、その点についてお考えは。

答)

党内からODAあるいは公共事業、それから社会保障等々についての見直しというご意見があることは承知しておりますが、私の立場としてはシーリングの立場で今臨んでいきたいというふうに思っております、現段階で。

問)

閣議の後に総理とお話しをされていたようですけれども、どのようなお話しをされていたのかご紹介をお願いしたいんですけれども…。

答)

秘密…。アメリカとかヨーロッパの金融・経済対策について私から報告しました。もう全然、秘密じゃあなくなったよ。

問)

先日の財制審の建議提出の後に西室会長の記者会見の中で、大臣と出席された委員の皆さんの意見交換のやりとりのご紹介があったんですけれども、その中で建議にも書いてある財政投融資特別会計の金利変動準備金を対策の財源に活用することについて話題になった時に、大臣のご発言として紹介がありましたのは、この手法は赤字国債の発行と同じと言われても仕方ないけれども云々というようなご紹介があったんですけれども、間接的なお話だったので、この点について大臣改めてどのように捉えていらっしゃるのかを…。

答)

それは多分あそこの場で初めてお話ししたので多分誤解というか、びっくりされた方がいると思いますけれども、ここでは何回か質問もいただきましたけれども、結局、財投特会の1,000分の50の部分を特例法でもってこっちに持ってくるというのは、実質的に赤字国債発行と帳簿上は同じですよねということはここで申し上げましたよね、確か何回も。それを申し上げたわけであります。多分あそこの場では私から初めて、あるいは多分財務省から初めてそういう話になったので、先生方は非常にびっくりされたと思いますけれども、ここでも何回か質問いただいたし、僕も答えましたね。実質は確かにそのとおりですと。マーケットに与える影響を考えてああいう形にしましたということは、ここでは申し上げたので是非そういうふうにお伝えいただきたいと思います。

問)

先程大臣は社会保障費の2,200億円の問題についてコメントは控えるということでしたが、これはシーリングを守るのであれば、必ずしも2,200億円抑制ということにこだわるものではないという理解でよろしいんでしょうか…。

答)

党の議論が今やっている最中なので、党で色々な議論が出ておりますので、それを踏まえてやっていきたいと。

問)

昨日総理から保利政調会長の方に雇用対策について指示があったんですけれども、これは二次補正と09年度予算、両方での対応という趣旨のご指示だったかと思いますが、財務省としては雇用対策に対する財源的な手当てをどう図っていくかという、何か今その点についてお考えがあればお伺いしたいんですけれども。

答)

今日本の経済状況、先週の月例経済報告を踏まえましても、これからますます悪い情報の方が多いわけですから、特に収入、雇用、それから経済状況、そういう中で雇用というものがある意味じゃあ非常に大事だし、それから金融担当大臣としてはやるべきことがまたいっぱいあるのかな、財務大臣としてもあるのかなと。それから政府として立場は違いますけれども、日本銀行にも色々とまた今お考えいただいていることがあるのかなと。是非日本銀行にも認識を共有するならば対策を取ってもらいたいという意味で、雇用も財政もやるべきことはやっていかなければいけないなというふうに思っています。

問)

先週、乱高下の激しい株式市場についてどういう対策が出来るのか勉強をしてみたいというお話がありましたけれども、1週間ぐらい経ちましたけれども、その後勉強の成果というのは何かありますでしょうか。

答)

勉強というのは途中のことを報告するものじゃないと思います。色々なことを勉強しています。皆さんが「えっ」とか言うことから、こんなものかとか。だって勉強というのは、あなたもそうだろう、勉強というのはプラスもマイナスも勉強するんだから…。

問)

具体的にどういう勉強をされているのかなと。

答)

それは秘密ですよ。方向性が固まったらお示ししたいと思います。

問)

先程お伺いした財投のお話で補足でもう1点お伺いしたいんですけれども、先日の財制審の建議を読んでいますと金利変動準備金の準備率を上回って余っている部分ではなくて、その準備率を仮に下回ったとしても云々かんぬんというようなくだりがありまして、それは一時的に必要な政策の財源として準備金を取り崩すことも、場合によっては仕方ないのかなというふうに読めるんですけれども、大臣この点についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

建議のご指摘で申し訳ない、そこまで詳しく読み込んでいないんだけれども、準備率ありきで物事を考える、ありきなんですけれども、でも経済状況を踏まえて準備率を超えて、1,000分の50を超えて云々かんぬんということについては今後の議論だと思います。今回は余った分について特例法を改正して政策財源にしますということなので、準備率云々の話はこれからの金利変動、金利がどんと上がれば必要なお金も増えていくわけですけれども、それはこれからの話だと思います。

問)

第2回の金融サミットなんですけれども、開催地がロンドンに決まったということでブラウン首相が発表がありましたが、そのあたりの受け止めと、あと麻生総理、ブラウン首相とお話になったということですが何かご報告がありましたでしょうか。

答)

まず2点目のブラウン首相と麻生首相とのお話については直接聞いておりません。それから4月30日までに第2回をやるということについては、イギリスが非常に熱心だったということは僕らも承知していますし、一時期日本も熱心になったんですけれども、どうぞイギリスでやってくださいと、協力しますよという対応に日本は途中から変わっております、麻生総理も私も。だから4月中にやるということについては日本は前サミット議長国として、あるいはIMF、世界銀行に一番貢献をしている日本として全面的に協力をしますということで、別に何か勝ったとか負けたとか取られたとかそういう話では全くないので、大いにロンドン会合を日本としても支援したいと思います。

問)

先程日銀にも認識を共有するような対策を取ってもらいたいというお話がちょっとあったんですが、これは具体的に追加の利下げとかその他流動性対策、そういったことを念頭に置いておっしゃられている話なんでしょうか。

答)

私は所詮素人ですから、白川総裁という大変玄人の方と今日経済財政諮問会議でもお会いしますので、そこで色々と教えてもらいたいというふうに思っています。そういう意味で私は素人ですけれども、あとまだこういう対策が必要なのかなみたいなことが頭の中にあるので、その辺を白川総裁にチェックをしてもらおうかなと思っています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る