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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年12月5日(金)10時29分~10時44分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議におきまして、財務省所管として地方自治法施行60周年記念貨幣のうち、平成21年度前半に発行予定の長野県及び新潟県分の貨幣について図柄を決定いたしました。図柄は、皆様の前にご用意してあるとおり、長野県は上高地の風景と善光寺、新潟県はトキを題材にして図案化しております。

【質疑応答】

問)

最初に基礎年金の国庫負担の引上げについてなんですけれども、麻生首相が4日の夜に記者団に、引上げの時期について2009年度中に対応出来ればいいというふうに述べられました。一方で、昨日大臣がお話しされています舛添厚労大臣の方からは、年金制度の安定とか国民の信頼回復に当たって4月から上げる必要があるというお話があったと聞いています。大臣は引上げの時期についてどう対応すべきとお考えでしょうか。

答)

21年度からの2分の1への引上げについては、昨日厚労大臣にも申し上げたとおり、安定財源というものがどうしても必要になってまいります。そういう中で、どういうふうにして安定財源につなげていくかということについて、今、党の方で税制についても毎日、連日議論をしているところでございますので、現段階ではその様子を見守っていきたいというふうに思っております。

問)

昨日の舛添厚労大臣の大臣折衝の中で、2009年度の予算編成で社会保障費の伸びの抑制の部分について、厚労大臣の方からたばこ税を引き上げて削減幅を圧縮したいというようなお考えが示されたと聞いています。来年度の値上げが実現した場合に、大臣としては 2,200億円の抑制幅というのは圧縮しても構わないというふうにお考えになっていますでしょうか。

答)

たばこ税に限らず、2,200億円について圧縮をしていただきたいという厚労大臣からの強いご指摘がございました。具体的にたばこ税という言及がございましたけれども、党の方でこれまた葉たばこ耕作者の方々、あるいはまた税収がどの程度見込めるのかといったことについて、議論をしておりますので、どのぐらい財源を確保して、それがどのぐらいの増収と言いましょうか、税収減になるかということももう少し状況を見守っていきたいというふうに思っております。

問)

今日の閣議の後に残られて総理とお話をされていたようですけれども、どういったお話だったか…。

答)

時候の挨拶…。特に難しい話はしておりません。

問)

道路特定財源の一般財源化について、与党で大体考え方がまとまっております。1兆円を道路を中心とした公共事業、地方自治体が使えるような新しい交付金にというのが骨格になっていますけれども、このやり方に対してもともと特定財源という、税金の使い方が予めかなりかちっと固まっている仕組みを改めて、柔軟に必要性の高い分野にお金を回しやすくしていくという、この改革の本来の目的にそぐわないのではないかという指摘がありますけれども、この点については大臣どのようにお考えでしょうか。

答)

そぐわないというのは、すみません、何がそぐわないんですか。

問)

つまり、地方の道路を中心とする公共事業を対象にした交付金という、かなり限定されたお金の使い方になるわけですけれども、これが税金の使い方の自由度を上げるという本来の一般財源化の趣旨と反するのではないかという点です。

答)

一般財源化をするということは、もう既に夏前の段階で決定をしているわけでございますけれども、他方、真に必要な道路は造ります。また、地方において道路の建設、維持、補修等々のニーズが非常に高いということで、そういった道路ニーズ、それから、地方としてある程度自由度を持った形で財源が地方に行くと。これは、黒か白かということはなかなか判断がしにくいことだろうというふうに思っております。そういう意味で、この臨時交付金を1兆円にして、そしてまた、道路に主に使えるような財源を手当てをするということで、これはもう喧々諤々議論になったところでございますので、最終的に党の方で、また政府としても、これを議論に議論を重ねた上での判断、決定だというふうにご理解をいただきたいと思います。

問)

先程の社会保障の2,200億円の削減の件ですが、たばこ税の増税を今党で議論していると思うんですが、それは基本的に社会保障の2,200億円を削減するのにシーリングに書いてある安定的な財源が見つかれば見直しもと言うものの、安定的な財源というものに当たるというふうにお考えと言うことでよろしいんでしょうか。

答)

そうですね、私事で恐縮ですが、私もたばこを吸う方ですけれども、どのぐらいのたばこの値上げ幅になるかにもよりますけれども、本当は止めたいたばこではありますけれども、私としては、こういうことを言うと怒られるんですかね、現時点では安定的財源ではないかというふうに思っております。上げ幅にもよりますけど。

問)

それに関して、JTとかそういう方なんかは、取りやすいところから取るのはどうかとか、あと、喫煙者が国民全体の社会保障費を負担するのは考え方としてどうなのかみたいな話があるんですが、それについてはどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

答)

ですから、先程申し上げたように色々ご意見があって、まさに今、耕作者の方、あるいは製造業者の方、小売販売店の方々、あるいはその安定財源を図る方々、色々ご議論している最中だと思いますので、その辺の様子をもう少し見守っていきたいというふうに思っております。

問)

先程の基礎年金国庫負担の2分の1への引上げに関しての安定財源確保までのつなぎ財源というご発言があったかと思うんですが、つなぎ財源として想定されているのは、具体的に財政投融資特別会計の金利変動準備金と、そういう意見もあるんですが、こういったものを大臣は想定されているというふうに理解してよろしいんでしょうか。

答)

現時点では何も想定しておりません。大変大きな金額ですし、財政も非常に厳しいわけですけれども、これはもう法律で決まっている、ある意味では約束事でもありますので、それに向けてどういうふうにしていったらいいか、これは政府挙げて知恵を絞っていく必要があるのではないかというふうに思っています。

問)

先日、来年度予算編成に向けた基本方針が閣議で決定されましたが、その中にシーリングの維持という表現の一方で、その状況に応じて機動的、弾力的に果敢に対応していくんだということが謳われていますが、その機動的、弾力的対応というものが具体的にどういう手法を指しているのかについて、政府・与党内でも非常に解釈がまちまちで、色々な考え方があります。シーリングとは別に大きな予算の特別枠のようなものを作るという考え方もありますし、あるいは、今年度の補正予算、それからシーリングにも書いてある重要課題の枠ですね、3,300億円の。など、色々なものが言われていますけれども、大臣としては、機動的、弾力的な部分はどういったものを念頭に置かれているんでしょうか。

答)

私はこういう立場ですから、原則としては入りを量って出を考えるという、あえて言えばそういう立場だろうと思います。しかし、まさに「堅持」から「維持」にニュアンスが若干変わったというのは、やはり世界の経済情勢が非常に見通しが暗い。あるいは、先月のG20 でも財政出動も各国とも視野に入れてですか、頭に入れながらという、そういう手法もあり得ますねということで、必要に応じて、どうしても必要な財政出動、これは必ずしも全部が財政出動だということでは決してありませんけれども、財政出動も踏まえた色々な対策を今各国、とりわけ先進国は取っていかなければならない。さらには国際機関、あるいは各国との連携、それから政府と中央銀行との連携等々も踏まえてやっていくということで、何も起こらず、景気がこれから良くなっていくんであれば、それはそれでありがたいことでありますけれども、世界の状況、今回もヨーロッパで金利を下げましたけれども、かなり世界の経済・金融情勢が厳しくなっていく中で、絶対に何もしないということを現段階で断言する程、私は現在の経済情勢に自信を持っておりません。

問)

新銀行東京なんですけれども、経営難に陥った原因について、東京都にも責任の一端があるというふうに大臣はお考えでしょうか。

答)

これは、都の関与があったとかないとかという報道がございます。これは私としては、個別行のことでありますし、非常にデリケートな話なので、大変申し訳ないですけれども、金融庁のトップともよく相談をした上で、きちっとした対応、あるいは皆さんに発表をさせていただきたいというふうに思います。

問)

全く別の質問になってしまうんですけれども、金融情勢の悪化を受けて、自動車メーカーのホンダがF1から撤退をするというようなことが発表されていますが、それについて大臣のご所感を伺えますでしょうか。

答)

一F1ファンとしては非常に残念なことだと思います。ただ、ホンダに限らず日本の自動車メーカーも世界の自動車メーカーも、大変厳しい状況にあるということも報道されているところで、なかなかこれも、やるべきだとも、やる必要ないとも、はっきり白黒をつけるということは、私の立場からは、やはり経営ですから差し控えた方がいいと思います。

(以上)

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