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中川財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年12月9日(火)10時33分~10時50分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

今日はまず、雇用対策について、与党が作られた報告についての議論を関係閣僚、官房長官を中心にいたしました。これは後程、もう一度申し上げます。

次に、ドーハラウンド、WTO交渉の閣僚会合があるのではないかという前提で、関係閣僚、これは総理、官房長官、外務大臣、私、経産大臣、農水大臣で、事務方も含めて状況について話し合いをいたしましたが、ご承知の通り、昨日、ジュネーブでは2つのペーパーについてまだ議論すべきことがあるので、3つ程、確かNAMAの分野別関税撤廃問題、それから重要品目と綿花の特恵の問題、この3つについてもう少し議論を詰める必要があるというラミーさんの判断で、閣僚会合は1週間程延ばそうということになったわけでありますけれども、いずれにしても、日本としては閣僚、政府はもとより、与党そして国民各位とよくご相談をして、年内のモダリティ合意ということについては、ワシントンでのG20でも合意事項になっておりますので、政府としては合意を目指すと共に、日本の守るべき国益、得るべき国益というものをきちっと共通認識を取ることが大事だという総理からのご指示がございました。日本の代表を含め、今、ジュネーブで連日大変熱心な交渉をやっていることについて、またペーパーが出たこと自体については、その努力は評価したいと私は思っております。内容は色々と問題があるというふうにも思っております。

閣議でございますけれども、閣議では、官房長官から天皇陛下が御在位20年をお迎えになられますので、政府として来年の11月12日に天皇陛下御在位20年記念式典を行うというご発言がありました。それを受けまして私から、財務省としては天皇陛下御在位20年の記念式典に合わせて記念貨幣を発行したいと考えております。これから作業に入りたいということを発言をいたしました。

閣僚懇談会で、先程申し上げた雇用問題について、内容はもうご承知だと思いますけれども、雇用を出来るだけして下さいというための政府としての支援、それから万が一職を失った方々に対しての政府としての支援、それから内定取消しに対しての対応というものを、予算措置が伴えば2次補正あるいは21年度で対応するということになっておりますけれども、これはこれで非常に内容は私は充実していると思いますが、問題は、突然年末になって職を失い家を失うなんていう方がいらっしゃるやに報道で聞いております。これは何としても、私はあってはならない、突然年末を迎えておひとり、あるいはご家族、おじいちゃん、おばあちゃん含めて、年の瀬、寒い中衣食住が突然失われるということは日本においてあってはならないと。総理からも強いこれに対しての対応を取るようにと。必要があれば、財務大臣もきちっと対応するようにというお話がございました。

これはまさに例えがいいかどうか分かりませんけれども、ある日突然災害に遭って、家を失い仕事も出来なくなっちゃったみたいな状況になるわけですから、住む家も無くなり食糧も無くなって、自衛隊か何かが食糧供給支援に入るみたいな、こんな状態に例えてもいいようなことが現に起こっているとするならば、それは対応しなければいけない。これはもう災害というか、社会問題というか…。ですから企業側も、私はやはり今まで世界のトップなんて言っていた企業が突然、それは経営上の問題もあるでしょうけれども、そういうことには是非最大限の努力をしていただきたいし、総理からのご指示があった以上は、我々としても特に2次補正なんていうことを言ってられない、年末年始に対しては必要な対応を私としてもしていかなければいけないというふうに考えております。

最後にもう1点。「生活対策」の中で決められております中小企業向けの日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の金利や貸付条件の見直しを含めた拡充に加えまして、日本政策金融公庫からの信用供与を受けて指定金融機関が行う危機対応業務、自然災害とか円高とか、あるいは内外の金融上の異常事態に対して資金を提供する等々の危機対応業務、これを活用するということが「生活対策」で決められているわけでございます。これは、私としては備えあればということで、早急にやるべきだと判断をいたしまして、昨日これを活用出来るようにしろということを決定いたしました。ただ、これは関係各省がございまして、出来るだけ早くこれが発動出来るようにしていきたいと。別に何があるということでもございませんけれども、年末年始でございますので、もうやれることは何でもやっておこうという一環の一つとして、この「生活対策」のこの事項を出来るだけ早くということで決定をして、さっき申し上げたように、正式決定はあと数日かかるかもしれませんけれども、そういう決定をいたしました。

以上です。

【質疑応答】

問)

金融機能強化法が12日に成立する見通しになりましたけれども、まずその点について大臣のご所感をお願いします。

答)

色々ございましたけれども、そういうことであれば本当にありがたいことで、国会が決めていただいた作業、段取りに則って一生懸命審議をさせていただきたいと言ったらいいんでしょう、何と言うんですかね、成立に向けてまた努力をしていきたいと思っております。

問)

関連ですけれども、12日に成立したとして、大臣の今のスケジュール感として、実際に銀行の方までお金が回っていくまで、どの位の期間を想定されておられるでしょうか。

答)

いや、物事、百里の道は九十里をもって半分と。まさに12日かどうか分かりませんけれど、成立してからその先のことを考えたいと。成立に向けて全力を尽くすということです。

問)

今朝、一部報道で20兆円の経済対策を検討しておると。環境、物流、医療分野に重点を置いて、2008年度から3年間で20兆円ということなんですけれども、実際そういったことを検討されておられるんでしょうか。

答)

知りません。

問)

改めてなんですけれども、各種の世論調査で麻生内閣の支持率が急落しまして、概ね20%台の前半という形になったわけですけれども、閣僚の一人としてこの結果をどのように受け止めてらっしゃるか、お願いいたします。

答)

国民の、これは本当に複数のデータですから、重く受け止めていかなければいけないと思っております。それだけに暮らしを良くする、経済を良くする、地方を元気にする、日本を元気にするという景気回復、暮らしの安全・安心といった総理が掲げている目標を、更にさっき申し上げたように、雇用の問題とか色々ありますから、経済も今日のGDPなんかも、2次QEですか、も良くないわけですから、とにかくそれを反転上昇させることに更に努力をしていくという決意でやることをやっていくと。一つ一つ全力でやっていくということで決意を今新たにしております。

問)

その支持率急落に関してなんですが、原因についてはどういうものが背景にあるとお考えですか。一部に総理の発言について批判的な声も集まっていますが…。

答)

いや、分かりません。どういう発言か分かりませんが、とにかく皆さん、いろんな犯罪もあるし、雇用情勢も厳しいし、本当に世界も日本も暗いんで、とにかくしっかり成果を出せよということで、我々は頑張るしかないというふうに思っています。

問)

先程の雇用に関係する話なんですけれども、2次補正、あるいは来年度当初予算の編成が進んでいますが、場合によっては年内に予備費あるいは前倒しで対応するというお考えがあるということですか。

答)

さっき申し上げたことをもう一度繰り返しますけれども、年末に向けてこういう解雇等々の問題が非常に大きな問題であると。通常の景気循環の中での雇用調整とは違うという認識を総理も私も持っているわけでありまして、だからこそ、あの雇用対策は対策として粛々と進めていきますけれども、年末年始ということになりますと、とても間に合わない。その対策を各大臣、特に財務大臣、きちっと対応せよということは、多分支出のことも入っているんだろうというふうに考えております。具体的なことはそれ以上指示を受けておりませんので分かりません。ただ、財務大臣にということは、支出も考えておけよということではないかというふうに私は受け止めております。

問)

今、政府と与党で「中期プログラム」の制定をしていると思うんですが、消費税率の上げ幅とか上げる時期などについて今検討がされていると思うんですが、大臣としてはどういうふうにまとめて欲しいとか、そういうふうなお考えはあるでしょうか。

答)

これはもう与謝野大臣と党の方で、今大詰めの段階に来ております。昨日、与謝野大臣、わざわざ来ていただいてご説明していただきました。

問)

特にそれについて要望というか、どういうふうにして欲しいというのは…。

答)

要望というか、昨日も別に意見が違ったとか、そういうことはございませんでした。

問)

年末年始の雇用関係のことで、財政の支出というのは具体的にはどういうことをイメージされていますか。

答)

ですから、具体的な指示がないんで、財務大臣も含めてということだから、私の場合には財政支出もあり得るんだろうというふうに受け止めましたというふうに申し上げたわけであります。

問)

それは関係閣僚会合の中で総理が…。

答)

閣僚懇の中で話があったわけです。

問)

閣僚懇の中で関係大臣全員にこれについて考えてくれという指示をしたんですか。

答)

各大臣、財務大臣も含めてというふうな、私の名前が特に上がりましたので、あっ、これは支出のこともあり得るんだなというふうに、私の立場からはそういうふうに受け止めました。具体的なことはございませんでした。

(以上)

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