中川財務大臣兼金融担当大臣記者会見の概要

(平成21年2月17日(火)19時01分~19時23分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

何度もすみません、6時過ぎに総理のところに辞表を提出いたしまして受理されました。お昼の時には、何とか緊急対策として予算あるいは関連法案を早急に通したいというふうな思いが強かったわけでありますけれども、今日の午後の予算委員会の様子、野党が出席していない委員会、あるいはまた自民党・公明党を含めて与党からも私に対するご叱声もいただきまして、このままでは国会が予算・関連法案含めて、私の一日も早い成立という希望がなかなか実現しにくいと、困難な状況にあるという判断をいたしましたので、今日の夕方改めて考え直しをして、そして先程総理のところにお邪魔をしたわけでございます。総理の方からは5カ月間、これは総理のお言葉ですが、よくやったというありがたいお言葉をいただきまして、引き続き、とりあえず今、腰とか風邪がちょっと調子が悪いんで、早く体調を万全にして引き続き頑張ってもらいたいというありがたいお言葉をいただいたところでございます。とりあえず以上です。

【質疑応答】

問)

衆院の予算が通るまで辞任しないと言っていた今日の昼の段階でのご自身の判断をどう思われますか。

答)

あの時はそういう思いが強かったわけでありますけれども、今申し上げたとおり委員会の様子等々を見た時に、私はこのポストについていることが目的ではなくて、予算等々を一刻も早く上げることが最優先課題でございますので、そういう意味で改めて考え直しをしたわけでございます。

問)

その判断自体が、数時間も経たないうちにこうやって当日の辞任というふうになったわけですけれども、その判断自体が甘かったんではないかというふうに思うことはございませんか。

答)

何がベストかというのは終わってみなければ分からないわけですけれども、予算委員会の様子、あの数時間の中断あるいはその後の審議等々で委員会の様子を実際に肌で感じたわけですけれども、その結果こういう判断をしたわけでございます。

問)

大臣のおっしゃる法案を一日も早く通したいというために、この間恐らく総理だけじゃなくて国会をどう通すかという意味で国対の大島委員長、国対の方々ともお話をされたんじゃないかと推察するんですけれども、その辺のところを、もしあるのであればどういうお話で、どういうアドバイス、どうした方がいいというお話をいただいたのかということがもしあれば教えてください。

答)

ここに至るまで総理あるいは官房長官はじめ政府関係者の皆様方、そして大島・鈴木両国対委員長をはじめ、国対あるいは与党の皆さん方に大変ご迷惑をおかけしたわけでございますけれども、折に触れて国対あるいは官邸とも連絡をとりながら対応してきたつもりでございます。色々と情報も教えていただきまして、そういう中で最終的に私の判断で先程申し上げたような決断をしたわけでございます。

問)

未曽有の金融危機の最中で退任される今の率直な心境と、後任に与謝野大臣が兼務をされるということになったと思うんですが、もし何かお言葉をかけるというか、メッセージがありましたら。

答)

本当に私はもともと力不足、未熟ですけれども、この百年に一度という状況の中で財務・金融という大事な大事な仕事を任されて、私なりにやってきたつもりでありますけれども、しかし後任が与謝野大臣ということで、私よりもはるかに優秀、経験のある方ですから、そういう意味では後任が与謝野大臣ということは非常に心強いことだというふうに思っております。

問)

国際会議で大失態を演じて、なおかつ昨日のGDPでも分かるように日本経済が相当傷んでいるという時に、まさに今日辞めることになったわけですけれども、ものすごい国民生活、国民に対して大迷惑をかけていると思うんですが、これに対してあなた今どう思っているのか、それを聞かせてください。

答)

私は閣僚として、そしてまた議員として責任を全うするということ、これが重要であることはあなたに言われるまでもなく感じているつもりでございます。ローマで一連の会議が終わって、そして記者会見の時にああいう状況になったことは先程委員会でも申し上げたとおり、国民にあるいは政府、あるいは国会に大変ご迷惑をおかけしたということは私自身痛感をしているつもりでございます。

問)

さっきの予算委員会で野党がいない、そのシーンを見て率直にどういうことをお感じになられたんですか。

答)

野党はとにかく、私のことも含めて徹底抗戦ということだったんだろうと思います。その結果がさっき申し上げたように、予算あるいは関連法案の審議に影響するというふうに私自身感じたので、こういう決断をしたわけでございます。

問)

今回のこととは直接関係はないかもしれないんですが、お酒にまつわる話題が結構多かったと思うんですけれども、今後お酒との付き合い方というか、どうしようとか何かお考えがあったら教えてください。

答)

土曜日の出来事は、色々なマスコミで書かれるのかもしれませんけれども、土曜日の出来事は直接は関係ございません。これだけははっきり申し上げ、何かあれば私もきちっと対応していかなければいけないと思っております。お酒については確かに、過去においても色々とご迷惑をおかけしたわけでございまして、現時点でとても今の私のこの体調から言えば、とてもお酒を飲む気分にはなれないというのが率直なところでございます。

問)

麻生内閣はまだ続くわけですけれども、中川さんご自身、2度の総裁選で麻生さんをご支援されて2度目に総裁になられたわけで、その後も麻生さんの自他ともに認める片腕として重要ポストに就かれたわけですけれども、結果的にこのような形で麻生政権を去らなくてはいけないことになったことについてお気持ちがあれば教えていただけないでしょうか。

答)

私は麻生太郎という政治家、人間が、人間的にもまた政治家としても非常に国のことを思い、そしてはっきりとしたお考え、信念をお持ちの方ですから、今ご指摘のように過去何回か麻生総裁・総理誕生のために、微力ですけれども働いてきたわけであります。そのことを非常に誇りに思っております。だからこそ今お役に立てたかどうか分かりませんけれども、こういう形で麻生総理の閣僚という立場から離れるのは大変私自身残念ではございますけれども、また違う形でこの難局を乗り切っていくために、麻生内閣を、あるいは麻生総理を私なりに支えていきたいというふうに考えております。

問)

官邸に行かれる前に副大臣、政務官と大臣室でお話をされたと思うんですが、そこではどういうお話をされたかということと、残る方にどういう仕事をしていただきたいかという何かお考えがあればお願いします。

答)

委員会が終わってから一度副大臣、政務官に来ていただいたのは、厳しい状況ではあるけれども頑張っていくんだという決意表明をしたわけです。そしてその後改めて1人になって考え直して、官邸に辞表を提出した後、また皆さんに来てもらいまして、こういうことになったと。本当に皆さん方に迷惑をかけて申し訳ないと思っているけれども、こういう今の日本の状況ですから、是非与謝野大臣を支え、また麻生総理のお力になってこの難局を是非皆さん方で頑張っていただきたいということを申し上げました。

問)

今回の辞任の引き金となったG7の会見の最中で、今日1日のドタバタぶりが国際社会にどういうふうな印象を与えるかについてのお考えをお願いします。

答)

これはやはり決していい材料ではないと。私自身のことで各方面に迷惑をかけているということは、日本にとって決してプラスではないというふうに思っています。

問)

関連になりますけれども、今回の辞任を受けて日本の財政運営に与える悪影響というものはどういうふうにお考えですか。

答)

財政運営については、何といってもこの第2次補正予算、財源問題、それから21年度予算、これを早急に上げるということによって、この悪影響を出来るだけカバーしなければならないというふうに思っております。だからこそ私がお昼決断したこと、そしてまた、ただいま皆さんに申し上げていることを含めて、その一点にあるというふうに私は考えております。

問)

入院はされるんでしょうか。

答)

この後、さっきも申し上げたと思うんですけれども、病院に入るということは入院ですが、特にどこかを治療するのかしないのか分かりませんが、何か手術をするとか、あるいはまた腰は痛いし風邪気味ではありますけれども、特に、はっきり言ってゆっくり、毎朝今4時に起きておりましたので、少し睡眠不足を解消して、また体調を戻して頑張っていきたいというふうに思っております。

問)

大臣は財務大臣と金融大臣を兼務された初の大臣ということだと思うんですが、やはりその兼務というのがかなり体的にきつかったとか、そういうのはありますか。

答)

物事は考えようだと思うんですけれども、昔は1つだったわけで、10年ほど前に財金分離ということで2つに分かれたわけですけれども、私は総理があえて1人の閣僚にこれを任せ、そしてたまたまというか、光栄なことに私が指名されたわけでありますけれども、私自身はこれを兼務するということは確かに大変でしたけれども、私は今の日本の状況を考えると、意義のあることだというふうに思っております。

問)

今回の直接の引き金となったG7後の会見以外でも、例えばG7で一部同行記者と会食をした問題等色々話が出ていますが、5カ月の在任期間中で、今回の会見以外で反省すべき点で何かあったとお思いでしょうか。

答)

まず前から知っているマスコミの方だけではありませんでした、他にも役所の人もいましたけれども、それ自体は仕事が終わってから夜会ったわけで、それ自体は特に私は反省ということについては感じておりません。あと他に反省すべき点があったかと言えば、仕事の面でも家庭をほとんど、私が10時、11時に帰って4時に起きて7時に出るという生活をやっていましたので、それについては仕事だからしようがないと言えばしようがないですけれども、これから挽回しなければいけないなと。それ以外にも私は未熟な人間ですから、色々と反省しなければいけない点があると思いますが、それはこれからじっくり自分のこと、あるいは自分がやってきたことを含めて、今というよりも少し時間を置いてじっくりと考えてみたいと思います。

問)

ご自身の進退について、その甘さを指摘する報道があるんですけれども、野党の今日の反発はある程度予想された出来事でもあると思うんですが、危機管理とう観点から、ご自身の進退に対する判断が色々甘かったことについて危機管理という観点から問題がなかったか、率直に今のお考えをお願いします。

答)

私は率直に申し上げて、今日与野党の委員たちが質問をするというスケジュールになっておりましたし、どういう質問をするかということは、想定も含めてさっき申し上げたように朝から自分で勉強しておりましたので、正常な審議が行われるものというふうに考えて、本当は9時からだったと思いますけれども、委員会に出席をしたんですが、残念ながらああいうことになったというふうに私は率直に今感じております。

問)

確認なんですが、今回閣僚の方は辞められるということなんですが、国会議員の方は続けるということですか。

答)

私は国会議員としてまだまだやることがありますので、そんなことは考えておりません。

問)

お昼の会見では、入院されることについてホテルでもいいんだけどというふうなことをおっしゃっていましたけれども、先程もゆっくり休みたいんだというふうなことをおっしゃっていましたけれども、医療費が非常に増大しているとか色々言われている中で、ゆっくりしたいというふうなことで病院に入るというのは国民に理解されると思いますか。

答)

現に腰が痛くて、そして風邪がここ2週間ほどずっと抜けないという状況ですから、私は病院でしっかりと先生に診てもらうということの方が私にとってはいいことではないかということで、家に帰れば多分しばらくはマスコミの皆さんもいっぱい来られるかもしれないし、家族もおりますので、ここはひとつ病院に入ると。医療費が高いのは国民が怒るかどうかと言われると、別に遊びに入るわけではないので、しっかりと治すということが私の目的ですので、それで病院に入るということを決めたわけです。

問)

G7の件で1点確認したいんですが、ワーキングディナーが終わった後に打ち合わせとかあったと思うんですが、13日の打ち合わせ終了後というか深夜に別途また飲んでいたというような噂もあるんですが、それは事実なんでしょうか。

答)

ですから仕事が終わった後、親しい人たちとサンドイッチか何かをつまみながら飲みましたけれども、その後はバタンキューですぐ寝ました。

問)

それはどれぐらい、何をお飲みになられたんですか。親しい人たちとお飲みになったというのはいつ頃何をどれぐらいお飲みになったんですか。

答)

いつ頃というか、ワーキングディナーが終わった後、ジントニックを3杯か4杯飲んだと思います。他の人は別のものを飲んでいましたけれども。

問)

その時は大臣は体調が悪かったとか、そういうことは特にお感じにはならなかったんですか。

答)

風邪気味ではありましたし、腰も痛かったです。

問)

それでも飲まれたと。

答)

ええ、その後次の日の準備もございましたから、それが終わった後はファイル等を見て準備をいたしました。

問)

そこでアルコールを飲まれたことが翌日のG7に影響したとか、あるいは会見でのああいう失態に影響したとか、そういうことはないんでしょうか。

答)

G7の会合、8時過ぎからだったと思いますけれども、これはどなたに聞いていただいても結構だと思いますけれども、私は日本の立場で積極的に発言をし、そして会議の成功に貢献したというふうに考えております。

それでは、どうも長い間お世話になりました。ありがとうございました。

(以上)

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