与謝野財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年7月17日(金)10時29分~10時48分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

今朝、経済財政諮問会議が開かれましたが、これは林大臣の方から報告があると思います。

閣議が開かれまして、案件通り淡々と終了いたしました。以上です。

【質疑応答】

問)

先日の日本銀行の金融政策決定会合で、企業の資金繰りの支援を延長することを決めたという決定がなされたわけですけれども、日銀のその景況判断も含めてこのことについての大臣のご所感をお聞かせいただけないでしょうか。

答)

CPの発行環境、あるいは社債の発行環境というのは以前よりも随分改善されております。一部札割れが起きているような状況もありますし、最も直近の社債の発行状況を見ますと、AAAからAAのところまで発行条件、発行が以前よりははるかに容易になっていて、消化はされている。こういうことですから、一方では日銀のCP買取り、あるいは社債の買取り等、必要がないのではないかという意見も一部ではございますけれども、まだまだ世界全体として見れば金融の状況というのは不安定要素も持っていますので、仮に日銀の出番は当面ないとしても、そういう窓口は開けておく必要があるんではないかと思っております。

それから、景況認識については、内閣府と日銀の考え方の方向性が大体一致しておりまして、底入れという表現でありますけど、いわば麻生内閣が目指していました経済を底抜けさせないということに対しては、我々も一定の達成感を持ち始めているということでございます。

問)

国際会計基準の見直しが進められているようですけれども、一部の国内の金融機関からは当惑の声も上がっているようですけれども、政府当局としてはどのように今後対応されていきますか。

答)

これは、BISを中心に会計基準並びに特に自己資本比率を上げろというご要請が、考え方が一部あって、これは、まだ国際的にはコンセンサスに達していない問題ですけれども、将来、そういうことがあり得るとしても、当面、自己資本比率規制をきつくするということは、やはり信用収縮につながる可能性がありますので、世界中の金融当局はそういうことも考えながら物事を進めなきゃいけないと思いますし、金融庁としても、現実離れした会計基準や自己資本比率というものは、やっぱり相当慎重に考えなければならないと、そういう立場でございます。

問)

解散前のスケジュールのことなんですけれども、自民党の多くの方が求めていた両院議員総会が自民党執行部の判断として開かれない方向におさまりつつあるようですけれども、大臣としてはいろんな意見を聞くべきだ、開くべきだというお考えだったと思うんですけれども、この自民党執行部の判断についてご所感をお聞かせ下さい。

答)

執行部は執行部の理屈があって、両院議員総会を開くに必要な数に足りてないというような議論もあります。しかし、昨日、大島国対委員長から私のところに電話がありまして、総理ご自身から大島さんのところに電話があって、両院議員総会かどうかは別にして、解散前に議員の方々の意見を聞く機会を作ると。それは、月曜日の11時からやりたいと。こういうことですから、自民党の国会議員はそれぞれの思いを持っておられます。そういうものに対してやはり総裁、執行部が謙虚に耳を傾ける。また、総裁、執行部も率直に自分達の心情を吐露する。そういう会合が持たれることは、議員総会という名前か緊急集会かという、名前のことは別にしまして、実質的に議員の声、また総裁の心情というものがそこで交わされるわけですから、自民党としては解散総選挙に出発する前の、私は大変大事なプロセスを取るということになったということは、それ自体喜ばしいことであると思っております。

ただ、この緊急集会も形ばかりのものではなく、やはり総裁・執行部は心情を吐露し、また国会議員の方々の声を真摯に、謙虚に受け止めて、執行部が対応していくという、まさにその真剣さというものを国民の皆様が見ておられると、私はそのように感じております。

問)

大臣は今、名前はともかくとおっしゃいましたけど、名前もそうなんですけれども、両院議員総会かどうかということは議決権を伴うかどうかということも大きな違いがあるかと思うんですけれども、先日の会見で大臣は、自民党のことだから執行部はちゃんと考えるだろうというご発言をいただきましたが、今回のこの結論は、その大臣の先日の会見の時の期待に応えた形と判断されていらっしゃるかどうか。

答)

執行部は執行部で理屈を持っていまして、署名された方の数が足りないと。あるいは、署名されている方が辞退をし始めていると。そういう中であっても緊急集会という形で物事が行われると。そこの議論が真剣で、やっぱり国の将来を考えながら自民党が行動しようと。そういう会であれば、議決権があるなしということは実はあまり関係ないんではないかと、私はそういうふうに判断しております。

問)

解散を決めた時に総理から各閣僚はサインを求められると思うんですけれども、その詔書へのサインに大臣はどう臨まれるかについてお聞かせ下さい。

答)

これは、8月30日の選挙というものが、いわば任期切れ選挙に近い話なので、解散という名前に値するかどうか、判断がつきかねます。第一はやはり、月曜日の緊急集会が自民党が団結をした形で選挙に突入すると、そういうきちんとした形を執行部側も国会議員側も真剣にやると。権力闘争をやるという場ではない、そう思っております。その推移も是非拝見したいと思っておりますし、また私も一閣僚でございますけれども、日本の経済、財政、あるいは国際金融、日本の金融システムというものに一閣僚として責任を持っているわけでございます。選挙の直後には国際会議も開かれますので、そういうことを万端考慮しながら自分の行動を決めたいと思っております。

問)

懇談会、懇話会では、大臣はご出席されるのか。されるとしたら、閣僚として出席なのか議員として出席されるのか、お聞かせ下さい。

答)

私は議員でもあり閣僚でもあり、両方の任務を持っておりますので、出来れば自民党全体のご意見も静かに拝聴したいと思っております。

問)

結論として進退を考えるということになる可能性はございますか。

答)

ですから、月曜日の会というのは、名前は別にして、大変自民党にとって、自民党の命運を決するような大事な会合なんで、執行部側も議員側も本当に公の気持ちでこの会合に臨んでいただきたいと思っております。

問)

大臣、官邸の方に、総理に会いに行ったと思うんですが、そこでどういうことが求められたかということと、今回の議員総会で総理にどういうことを求めていたのか。

答)

これは、もともと一昨々日、石破さんが会いたいと言われて、お目にかかって、やはり全国的に選挙の情勢が厳しいんだけれども、東京の状況はどうかというので、私も東京都議選直後でございましたんで、率直に東京の状況を具体的に石破大臣にお話をしました。どうしたらいいのかということを二人で相談した結果、やはり総理にお目にかかって地方の状況、東京の状況というのを率直にお話をしようと、そこから始まった話でございまして、徒党を組んで何かやろうという話ではありませんし、現に徒党を組むつもりもありませんし、徒党も組んでおりませんし、石破さんとは連絡を取りましたけれども、他の方とは連絡を取ったりとか、そういうことはしておりません。

問)

先程の解散の閣議書の件ですが、21日の会が形だけのものになってしまった場合、これは閣議書にサインをされないことも念頭にあるということで理解してよろしいんでしょうか。

答)

開く以上は出てくる議員も真剣な、私を離れた立場で物を言われると思いますし、心情を吐露される総裁・執行部側も本当にこれ以上ないという真剣さでお話をされると思いますので、不毛な結論になるということを予想しているということは全くございません。

問)

そうすると、不毛な結論にならない限りにおいては、閣議書に署名はなさるということですか。

答)

私が申し上げているのは、そういう不毛な結論に達しないというふうに考えていますし、そういうことを期待していますということでございます。

問)

そこをちょっと確認しておきたいんですが、このまま麻生総理の下で解散ということは、自民党にとっては不毛な結論になりかねないと、そういう思いでしょうか。

答)

今、不毛という言葉を使ったのは、懇談会の議論が不毛なものではなくて、もっと真実性の高い、真剣味のあるものになるでしょうと。また、ならなければなりませんということを申し上げたわけです。選挙については申し上げていません。

問)

石破さんは、もう麻生さんの下で戦う、選挙をするしかないんだというような趣旨の発言をされていますが、与謝野さんも、お気持ちとしてはそのようなお考えですか。

答)

昨日、石破さんのお考えは伺っております。

問)

細かい話ですみません。先程月曜日に会を開かれるという話でしたけれども、火曜日ということはないですか。月曜日でよろしかったですか。

答)

ああ、失礼、失礼。連休を間違えていました。月曜日は休みですから、火曜日です。すみません。

問)

先程の大臣のおっしゃり方だと、石破さんは麻生さんの下で選挙されることは決めたみたいだけど、大臣はまだ結論を出していないというふうに受け取ったんですが、それを決めるには、総理のどういったところをというか、総理に何を期待されるというものはあるんでしょうか。

答)

その会合で真剣なやりとりが行われている中で、党の一体性を保つことが出来るかどうかという、やはり自民党にとっては非常に実は大事な会合なんで、これはやっぱり総裁・執行部も真剣にやる。また、発言される一人一人の国会議員も自分の政治生命を賭けて発言をすると、そういう場でなければならない。私はそう思っています。

問)

では、そこで総理の説明を聞いて判断されるということですか。

答)

多分、心情をきちんと吐露されると思っています。

問)

大臣は麻生政権の経済政策を主導されてきた、いわゆる政権の要のポジションでおられると僕は認識しておりますが、その大臣が先日、官邸に石破さんと行かれたこと。それから、両院議員総会の開催を求める署名に加わられたことなどが、麻生政権に大きな動揺をもたらしたと私は考えますけれども、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

国会議員、閣僚として当たり前のことをやったんで、自分の良心に基づいて最善の行動をとったと思っております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る