亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(雑誌・フリー等記者)

(平成21年10月20日(火)10時35分~10時57分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

どうもおはようございます。

私からはPDF「郵政改革の基本方針」(PDF:81K)、先ほど9時15分からの閣議で了解(閣議決定)いただきました。それに基づいて、26日からの臨時国会で、株式の、また資産の凍結法案を提出いたします。

それとあと、モラトリアムについては、今、最終的な詰めに入っておりまして、今日、政策会議で皆さん方の最終的なご意見を聞くことになっているようですが、それを受けて、最終的な法案作成をやる予定にしており、これも臨時国会の冒頭で提出をしたいと考えております。

【質疑応答】

問)

日経ビジネスの加藤です。

今朝から報道機関が、西川郵政社長の辞意というのを伝えています。新しい経営陣のもとで経営をしていただきたいという大臣の考え方に従いますと、西川さんが招いてきた4分社のトップ等々も一新される必要があるとお考えでしょうか。

答)

これは、現在の法律の中で、日本郵政という会社が現に業務をやっているわけです。そうした中で、私どもは今後、閣議決定に基づいて株を凍結し、また資産を凍結するという形で、今後の改革をやる一つの枠というか、土台をつくって、その上で新しい事業展開をやっていく作業に入りますから、そういう作業については、当然前から言っているように、新しい酒は新しい皮袋に盛っていかないと。真反対ですから。

こんなことを言ったらおかしいけれども、純ちゃん(小泉純一郎元総理)が郵政事業をガタガタにしてしまったわけですから、今の経営陣も小泉・竹中の方針の中で牽引をしてこられたわけですから、それが180度、がらっと変わるわけですから、そういう新しい方針の中で経営が行われていくということでないといけませんので。ただ、現在、会社があるわけですし、その会社の経営陣が、こういう新しい時代に対してどう対応されるかということは、西川社長をはじめ、それぞれ立派な会社経営をやってこられた方々ですから、それなりのご判断がおありであろうと私は思っております。

何度も言うように、我々は、小泉さんがガタガタにした前の郵政事業に戻す気は全然ありません。もう新しいネットワークを生き生きとさせて、事業展開をやっていきますから、それに相応しい組織にこれを改変していく。皆さん方からも良い知恵があったら、ぜひひとつ教えてください。前から言っているように介護をやったり、年金のあれと、いろいろとアイデアもあるし、鳩山総理も、「亀井さん、こういうことやったらどうだ」と、良い知恵も私に言っていただいておりますが、3党だけで、あるいは私どもだけで、政府だけでどういう事業をやろうなんて考えはありません。皆さん方もぜひいろいろな知恵を出してください。副大臣、政務官もどんどんと、私だけではなかなか厳しいので、皆さん方から意見を聞ければ、新しい事業の中でどんどんやっていきましょう。まあ、ソープランドまで経営してとは、そうはいかないけれども(笑)。

地域のためになる、また国家の、国民のためになる事業。そのためにはいろいろな事業展開。ただ、その場合、既存のいろいろな民間の事業との関係がありますから、そのあたりとうまく協調して、あるいは一緒になってやっていく、そういうようなことを含めながら、幅広く検討していきたいと。私もそれには少年のような夢を描いております。夢だけではしょうがない、やはり現実化していかなければいけないわけですから、ぜひとも皆さん方からいろいろご意見をいただいて。

問)

J-CASTニュースの亀松と申します。

今の日本郵政の絡みですけれども、人事の話で、新しい人事として、新社長にりそなの会長のお名前が…。

答)

私は顔も知らないですよ。そんなことをやったら、その人迷惑じゃないですか。はた迷惑だと思います。誰が言い出したのか、メディアは本当に気を付けなければいけません。自分たちは紙面に勝手に出して、出された人は迷惑ですよ。それぞれ人権もあるし、名誉もあるのですから、マスコミはもうちょっと自制しないと駄目ですね。私は、一切、考えているということもありませんし、もちろん声をかけたこともありません。そういうことはありません。

問)

フリーランスの岩上安身と申します。

大臣のお話を聞いていると新しい事業、かなり、固定的な観念に縛られず広くやる、というような意気込みがあるのですが、それはやはり小泉内閣の時代に、随分痛めつけられた地方、この地方の再生のために使われるような事業とか、そういうあたりの目配りと言いますか、配慮と言いますか、お考え、おつもりはあるのでしょうか。

答)

もちろん。

問)

もうちょっと具体的に。

答)

だから、なにも限定された地域社会だけではなくて、日本全体に対して、この日本の元気が出る、そのための事業をやっていけばいいと私は思います。

具体的になりますと、これはいろいろ、さっき言ったように民間にもいろいろな仕事をやっている方がいらっしゃいますから、そういう方々との調整。政府がやっている仕事、介護だとか年金の問題とか、いろいろあります。そういう問題を、民間事業を侵食するという意味ではなくて、我々としてはどんどん協力をして一緒になってやっていきたいと。

170兆(円)の郵貯のお金だって、その地域から集めたって、地域で使っていないのです。使っていなくて、国債を買ったり米国債を買っているわけでしょう。だから、地域で集めたお金はいわば地域のために使えるようにするにはどうしたらいいか、というのは、これは地銀もあれば、信用金庫、信用組合もあるわけですから、そこらと一緒にどううまく力を合わせてやっていけるのか、このあたりも工夫のしどころだと思います。そういうことを含めて。

問)

今のような国債の運用とか、そういうパターンではないと…。

答)

そういうのは簡単だから。ゆうちょ銀行の運用能力とも関係あるのです。だから、そこらをもうちょっと幅広く、場合によっては世界に向けて、郵貯の170兆(円)のお金が日本人の幸せのために使われていくだけではなくて、世界中の人たちがそのお金を使っていけるということがあってもいいと私は思うのです。日本だけが孤立していていいわけではない。我々の生活も世界の人たちとの関係の上で成立しているわけですから。

だから、そういう意味でもっともっと幅広い範囲での活用、これも、実際にやるとなれば、言うは易くして簡単ではありませんよ。また、実際問題として、そういうことをやる人間が必要でしょう。そういうことをどんどんやっていけるような布陣をどうやって得るかという大きな問題もあります。大塚(副大臣)君みたいな人が、国会議員なんて野暮な仕事は辞めてそういう世界でやったほうがいいよね。(笑)

問)

クビというふうに聞こえます。(笑)

答)

こんな優秀なのに、クビというのは。いなかったら私が務まらないです。(笑)

副大臣)

そこで勝手に解説をつけないでください。(笑)

問)

日刊ゲンダイの小塚といいます。

話がガラッと変わるのですけれども、フジテレビ系列FNNの世論調査で昨日出たそうなのですけれども、現在の閣僚、あと幹事長、それぞれポストが適任かどうかという質問がありまして、小沢幹事長、岡田大臣、長妻大臣、前原大臣、亀井大臣、それから福島大臣、その6人について適任かと聞いたところ、亀井大臣だけが「適任ではない」が半数以上で、ほかは半数以上が「適任だ」ということだったのですけれども、ちょっと感想を聞かせてください。

答)

あなたたちに対してもそうだけど、亀井静香は評判が悪いから。慣れています。

問)

意気込みを、こういうふうに思っていらっしゃる世論の方々に何かありますでしょうか。

答)

ありません。もう昔から、子供のときから、「(亀井)郁夫さん(参議院議員)はあんなにいい子なのに、静香さんは何でこうなの」と、そればかり言われてきた男ですから(笑)。人からこう言われるのはもう慣れていますから。

問)

言葉はちょっとあれかもしれないですけど、郵政改革ですとか、あともう一つ、モラトリアム法案とか、いろいろとやっていらっしゃるのに、ちょっとなぜかなと私は思うのですが。

答)

そんなこと、人相が悪いからに決まっているではないですか。小沢さんも人相悪いかな。(笑)

問)

東洋経済の浪川です。

このペーパーを拝見して、かなり大がかりなことになると思うのです。つまり、銀行法、保険業法に変わる新たな規制を検討するということも含めて、膨大な法律をつくる作業。今度の臨時国会で凍結法と基本法を出したとしても、恐らく年明けには改革法の具体的なものを出さないといけないのではないかなと思うのですが、そのための法律をつくっていく作業というのは、言ってみれば物すごい人数も必要だし、大変な作業だと思いますけれども、これはどこがやるのですか。

答)

私のところでやります。

問)

総務省ではないという…。

答)

私が担当大臣やっているのですから。ただ、今、総務省にいる職員の方も、郵政関係をやっている人は、今までのことをフォローしていくということをやったら(仕事の)中身がなくなってしまう。それは、新しい郵政改革の仕事をやらないといけなくなるでしょう。

問)

たしか、郵政改革の推進会議をお持ちで、そこに各官庁から人を集めて法律をつくっていくような形になってくるのですか。

答)

そこら辺は副大臣などともよく相談をして。200本近く法律を改正するのでしょう。

問)

すごい本数の法律になりますよね。

答)

それは私とか政務三役、長谷川憲正(総務大臣政務官)の4人でやって済む話ではないですよ。

問)

100人ぐらい役人を集めないとできないと思っているのですけども。

答)

役人って優秀ですから。やはり役人の力を使わなきゃいけません。政治家の優秀なのと、役人のアホというのはチョボチョボですから。

問)

分かりました。いずれにしても、かなりの突貫作業がこれから。

答)

それはそうです。役人は働くために奉公しているのでしょう。

問)

ケツダンポトフのそらの(佐藤)と申します。

記者クラブの開放がさらに進む中、内閣や何かで働きかけるようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。

答)

基本(政策)閣僚委員会のメンバーですから、内閣全体に責任を持っている立場です。だけど、一応、各大臣がそれぞれ所管のことについては第一で権限を持っているわけですから、大臣の判断でそういうことをおやりになったらいいのではないですか。

問)

亀井大臣が何か働きかけるということは…。

答)

働きかけるというか、大体、マスコミのほうが封建的で頑なですからね。今日だって(一緒にやることを)拒否したので、こういうふうに分けてやっているので。

問)

フリーの竹川と申します。

金融庁が認可している、銀行を通じて販売しているリスク限定型の投資信託というのがあるのですが、金融危機において、株価の急落で、日経平均株価と連動して、一定の割合に収まると元本が確保されるわけですが、株価の急落で元本をかなり大幅に下回る投資信託がかなり増えています。来年から、かなり償還になる本数が増えてくるのですが、そういった株価の急上昇、急落においては、ハイリスク・ローリターンになりかねない商品を認可していることについて、大臣はどのようにお考えですか。

答)

そういう種類の商品については、実態はなかなか難しいと思います。金融庁が、個々の商品の中身のリスクとかそういう問題を個々に検討して規制をかけるなんていうことは、なかなか不可能です。やはりそれは、その商品を開発して運用しているところ、あるいは取引所等を含めてそれを扱っているところ、実質的に善良な投資家に被害が及ばないような、そうした商品の開発、販売、やはりそういうことを心がけていただくことが大事だと思います。現実問題、金融庁がこういうものについて手取り足取り全てを規制したり、開発を手伝ったり、そういうことはできません。やはり自由主義社会ですから。

問)

日本証券新聞社の田口と申します。

郵政事業の形態として、株式会社形態ということをこちらで述べられておられますけれども、具体的には、株主も含めてどういった形の株式会社形態をイメージされているのでしょうか。

答)

今は、全株を国が持っているわけですから、さっきも言ったように、今後事業展開をしていく中で、どういう経営形態、組織形態が適当なのかという検討を当然していくわけですね。その中で、今のように株を売却してしまうと、そういう改革ができなくなっていくでしょう。だから、それを今、凍結して、それ(株の売却)をしないということでやっておいて、我々は改革をやっていくと。その結果、この政府1社での株式所有ということが良いのか、そうではない形での株式を所有する形が良いのか、それは事業展開の形(になります)。私は、国のため、国民のために良いか悪いか、ということが判断基準だと思うのです。

問)

それは期間的にいつまで、というようなプランはお持ちなのでしょうか。

答)

そういつまでも、そんなにのびのびしているわけにいきません。だから、さっき言ったように、来年の通常国会にはいろいろな法案も出していくわけですから、それまでに、細部の事業までは入っていけないけれども、大まかな事業展開の方向、法案をつくっていく過程の中でいろいろなものを検討していかないといけませんね。いつまでもいつまでも、来年の通常国会の先までそんなことを延ばしていくことはなかなかできないと思います。

問)

ファクタ出版の月刊ファクタの宮嶋といいます。

この(閣議決定文の)2.を見ますと、これは事務次官会議でやったら絶対通らないというのでしょうか、(つまり)事務次官会議がなくなったおかげで、かなり文言も踏み込んだ言葉になっているのではないかと…。

答)

何がですか。

問)

もともと2.などを見ますと、要するに、地域や生活弱者の権利云々と書いてあるではないですか。こういうのは、事務次官会議が存在していると、役所の調整でなかなか通らなかったのではないかという感じがするのですけど、どうなのですか。

答)

私が大臣をしていたら、昔だろうが、今だって変わらないでしょう。

問)

要するに、普通、役所の中で事務次官会議がありますと…。

答)

あんな事務次官会議なんて、(私は)運輸大臣も建設大臣もしていましたが、そんなものは全然関係ないです。事務次官会議なんていうのは形式的なものです。

問)

文藝春秋の伊藤雄一郎と申します。

先ほどおっしゃった金融行政なのですけれども、事後チェック型が基本だったと思うのですが、最近、FXの規制とか、先に業界に監督をかけるような動きが強くなっている気がするのですが、そういう認識はおありでしょうか。

答)

本来は自由主義社会ですから、自由に皆さんが商売をされていくという方が良いと思います。ところが、それをやっていると、欲につられて過激な商品が生まれて、騙しのテクニック的な商売まで横行してしまって、被害者が続出してきているという状況もあるでしょう。

また、そうではなくても、アメリカのサブプライムローンの破綻でも見られるように、やはりそうしたデリバティブ商品というか、そういうようなことを含めて、実際には、一般の投資家には分かりにくい、それのリスクがどの程度あるのか分かりにくいような商品が販売されているわけです。プロでないと分からない。プロでもなかなか分からない。そうであるとすれば、善意の投資家に大きな被害が起きる前に、金融庁としては、そういうものについて事前に指導していくとか、いろいろなことをやった方が良い場合があると思うのです。そういう中で、うちの連中、非常に苦労しながらやっていると思いますよ。もとは自由主義経済ですから、できるだけ自由に。しかし、現実には、善い人もいれば、悪い人もいるのですから、そういう人によって良い人に被害がかからないようにするのも、私は、政府、国の仕事だと思っていますから、一生懸命うちの連中はそういうことをやっています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る