亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(雑誌・フリー等の記者)

(平成21年11月10日(火)10時18分~10時57分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議は(報告することは)別にありません。何かあったら、皆さん方のほうで質問を聞いてください。

【質疑応答】

問)

世界日報社の野村と申します。

景気情勢のことでお伺いしたいのですけれども、アメリカの失業率が10%を超えまして、アメリカも非常に厳しい状況になっていると思うのですけれども、もうアメリカに頼ることはできない、ということで、昨年、国民新党さんがお出しになられた景気対策案といったものも踏まえながら、日本、中国、それから韓国、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国が一体となって、アジア規模の大規模な内需拡大策を打ち出していくような時期に来ているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

答)

とにかく、前内閣の負の遺産を整理する、ということを、今、人斬り以蔵の仙谷(行政刷新担当大臣)が一生懸命やっているけれども、これも大事だけれども、同時にスクラップ・アンド・ビルドのビルドをやっていかないと。ただセーフティネットを張っていくとか、あるいはマニフェスト、これらも中長期では効いてきますけれども、直ちにこれが内需という形になっていく、ということはそう期待が持てる話ではないので、経済情勢がよければ良いけれども、「こういう時には政府の直接支出で、直接内需を創出するという努力をされないと駄目ですよ」ということを、私は総理に申し上げているし、また閣僚懇等でもいつも話をしておりますけれども。だから、来年の1月の補正、次の予算編成、あまり財源論にとらわれないでやっていかないと、下手をしたら小泉さんの二の舞にしてしまいます。だから、そういう意味で負の遺産を斬る、斬るというその刀が未来への芽まで斬ってしまったら大変なので、そこらの舵取りは、政権として、今、正念場に来ていると私は思っています。このことは菅(副総理)さんにも、(国家)戦略局のほうにも言っているし、藤井(財務大臣)さんにも言っているし。

あなたがおっしゃることは、今後の政治の舵取りでポイントになっていくことではないかと思いますよ。アメリカへの外需が、すぐにそんなに期待できない状況だったら。「アジアに」と言っても、やはり内需を拡大するということ、外国頼みではなくて、まず日本でできることをやらないと。その努力をしていくということをもうちょっと力強くやる必要があるのではないですかね。財源論にとらわれるというのは間違いです。日本という国は、政府は借金まみれだけれども、民間といったらお金があるわけですから、アメリカと違うわけですから。そういう面で、世界経済に対する責任を逃れるようなことを考えたら駄目だと思います。おっしゃるとおりだと思います。

問)

(月刊)リベラルタイムの大沼と申します。

郵政の今後についてお伺いしたいのですが、将来のビジネスモデルというのはどういうふうに考えていらっしゃるか、ということなのですが、まずコアビジネスの郵貯と簡保がかなり減ってきているという中で、人件費比率の上昇が予想されるといいますか、まず内部的にも、この間のリストラ及び新規採用の抑制で「人員が足りない」という声が出ているようです。一方で、「郵便局を行政拠点に」と大臣はお考えのようでいらっしゃいますけれども、そうしますと、行政拠点にした場合、介護ですとか、そこに振り向ける人員、陣容を新たに雇用しなくてはいけないと思うわけですけれども。そういった中で、「将来、10兆、20兆規模の国費等に穴が開くのではないか」というように指摘する方もいらっしゃいますけれども、そういったことを踏まえて、郵政の将来のビジネスモデルというのをどう考えていらっしゃるか。

答)

まず簡単に言えば、小泉(元総理)さんによる郵政民営化の中で、郵政の事業体がガタガタにぶっ壊されてしまったのです。明治以来の極めて勤勉な職員を抱えてやってきた組織自体が、そういう意味では、完璧と言っていいぐらい壊されてしまっていますね。そういう中から、いつも言っているように、小泉(元総理)さんが壊した、その前の形に戻すのではないです。新しい、日本一の会社ですから、ある意味では世界一と言っていいですね。これが、従来の事業分野だけではなくて地域社会のために、地域で集めたお金は地域で使っていかなければいけないのですからね。国債とか米国債ばかりに使って、8割ぐらいそうでしょう。だから、そうした金融資産というか、そういうものを地域経済のために使っていく仕組みを作る。これも大臣の大きな仕事だと思います。ただ、郵政自体が運用するノウハウを持っていませんから。また、妙に独自に運用をやってしまうと、地銀とか、そういう信用金庫とか地方の金融機関ともろにぶつかって、そこが潰れてしまいますから、そこらをどういう仕組みにしていくか、ということも一つ大きな問題ですけれども、それと併せて、そういうお金を含めて思い切った事業展開をしていく、ということを考えております。齋藤(日本郵政)新社長のもとで、今、取組みを始めようとしているのですが、まず、組織自体を、こんなことを言ったらおかしいけれども、占領軍がバーッと占領してしまって、組織をガタガタにしてしまっていますから、占領軍をちょっと引き揚げてもらわなければいけないわけです。そうして、生き生きとした組織体にしていくということの中で、新しい事業をどう展開していくかということを、これも急いで考えていかないと来年の通常国会には基本法を出していかないといけませんから。あなたがおっしゃったように、総理も「あれをやったら良いのではないか、これやったら良いのではないか」と、私にもサジェスチョン(示唆)してくれていますけれども、大塚副大臣、(田村)政務官も考えていますが私自身もいろいろ考えて、齋藤(日本郵政)社長自身もいろいろな大きな夢を描いていますから。

ただ単に今まで政府がやっていたことの、年金の業務の肩代わりとかということだけではなくて、さっきあなたが言った介護なんかにしても、今、本当に介護事業自体が行き詰まっていますよ。私が予想したとおりなのです。これはこんなことを言ったらおかしいけれども、私が(自民党)政調会長の時に(法案の)手直しをさせたのですけれども、相当激突をして(手直し)したのだけれども、純ちゃん(小泉純一郎元総理)が作ってしまった法案を根底から変えるわけにはいかなかった。今から考えると、私があの時厚生大臣やっていればよかったなと思っているのだけれども、厚生大臣を私は断ったのです。それで純ちゃん(小泉純一郎元総理)がなって、あんな法律を作ってしまったのだけれども。それを(自民党)政調会長の時、いろいろな作業の段階で少し手直しはしましたけれども。当時から「これではもう行き詰まるよ」ということを言っていたのですけれども、もうそのとおりになってきたのですね。そういう介護自体の見直しはやらなければいけないと思いますが、そういう中で、この郵便局の全国のネット(ワーク)、山の中から海まであるわけですから、そういうものを地域の介護について使っていくということは、私は、一番現実的な方法だと思うのですよ。そのやり方もまた厚労省と協議しなければいけないことですし、また、地方の自治体あたりの考え方もあるわけですし、そういうことをあれしながら、この分野についても精力的に(大塚)副大臣や(田村)政務官とも、今から忙しい目を見てもらわなければいけないと思っていますけれども。

あのネット(ワーク)を使う方法というのは、それ以外にも幾らでもありますよ。アバウトに言うと、北海道から沖縄までいろいろなネット(ワーク)が張られているでしょう。例えば、北海道のほうの若い男の子と沖縄の女の子が結婚する。(郵便局が)縁結びしたという(こと)でしょう。やり方によっては、これは、一つの突飛(な話)かも知れないけれども、突飛でもないのですよね。そういう一つの、そういう田舎の山の中から都会までずっとそういうネット(ワーク)ができ上がっているというのは、今は郵便局ぐらいなものですよ。しかも、何かインターネットとか、そういう機械のネット(ワーク)ではない、簡単に言うと、人間のネット(ワーク)なのですよ。だから、そういうものを人間のために使っていくというやり方はいろいろあると思いますので、あなたたち(大塚副大臣、田村大臣政務官)も良い知恵を出してください。

副大臣)

婚活の話は、今、初めて聞きました(笑)。

答)

とにかくこれはもったいない。それをやって生き生きとした事業を展開していこうと思っています。曽野綾子(三浦知壽子)さんにも重役(社外取締役)になってもらったのも、そういういろいろな発想を、新しいことや、また地方の小さな4万人の都市の市長(小池清彦 新潟県加茂市長)さんにも入ってもらったり、また地方の経営者、そういう方(々)にも入ってもらったりして、今までの郵政事業とは違った形で、全国民的な観点から新しい事業を検討しようと思っています。

問)

日本証券新聞社の田口です。

世界の株式市場が少し戻ってきているということもある中で、日本の株式市場は、新政権の不透明感もあり、少し戻りが弱いと言われているのですが、金融(担当)大臣として、国内の株式市場につきましてどのように見ておられるのか、またどのような方向性を持って今後対処していくべきだとお考えなのか、お聞かせ願えますでしょうか。

答)

今、株価が低迷しているのは、別に新政権、自公政権から新政権に代わったから低迷しているというわけではないのですよ。自公政権の時より良かったのではないですか。7,000円ぐらいまでいってしまったのでしょう。あんな、日本をガタガタにぶっ壊してしまって、マスコミはこうやって(もちあげて)やったけれども、新政権は、今、新しい時代を作る、ということでやっているわけですから。たださっき私も言ったように、この新政権としての新しい生命力を、経済の面においても、社会生活の面でもあらゆる面において、それを出していかなければ駄目なのですね。その姿が、もう前政権が悪いことばかりしているから、それを整理することに、今、力がいってしまって、新しいものを作り出していくということが、今のところはなかなか見えないでしょう、力が。見えていない。だから、私は、それが株価にも影響してくると思いますよ。だから、そういう意味では、基本は、一つはアメリカのニューヨーク市場の影響をもろに受けてしまっているけれども、残念ながら、大体、翌日から翌々日、同じようなトレンドとなっているでしょう。7割近い東証(の売買代金)も、こう(ニューヨーク市場の影響を受ける)ということもあるけれども、基本は、日本経済自身が非常にたくましいエネルギーを持つことですよ。それであって、はじめてあれなのであって、これは、今の日本の企業自体が未来に向けてそうした力強さというのをまだ示していないということがあると思いますよ。

問)

今後期待していく上で、どういったものが「新しいもの」になるのでしょうか。

答)

だからそれは、総理が言っているような、(CO2)25%削減みたいな大きな目標を出してしまったわけだけれども、環境なんていうのも、日本は科学技術立国ですから、国内はもちろんだけれども、そうした世界の環境(問題)を克服していくという、私は、そうした形での産業活動も大きな経済成長の一つの機関車にはなり得ると思っています。これは菅(副総理)とも言ったのだけれども、例えば「エコカーなんていったら、今度はエコ住宅をやったら良いではないか」と、私は言ったのです。エコ住宅。そういうふうな形で、総理の打ち出した(CO2)25%(削減)に向けての住宅産業だってそうですよ。いろいろなもの、もっとこれは裾野が広いですから。それは、そういうことがまた経済成長になっていく、そういうことが株価を押し上げていく一つの要因にもなっていくと思うのだけれども、それはいろいろあると思いますよ。今は、もう地方はカラカラになっているでしょう。地方をまた再生していくというエネルギーが。私は、またこれは株価にも影響していくと思うし、もう簡単に言うと、今、カラカラにしてしまったのですから。だから、7,000円台まで落ちてしまったけれども、要は、今の日本の株価には大和魂が全然感じられない。ニューヨーク市場に「右に倣え(ならえ)」してしまった。そういう日本の経済に対して、世界が注目するという日本の産業に、外国から企業が、資本が投資をしていこうという魅力のある日本経済にしていかなければ駄目ですね。世界のどの国にもあるような産業ではなくて、日本の産業みたいなものを日本自身が作り出していくこと。その一つは、やはりテクノロジーだと思います。

問)

銀行研修社の佐藤と申します。

金融円滑化法案(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案)の住宅ローンについてお聞きしたいのですけれども、元本、利息を3年間猶予する、ということを目玉にされているということなのですが、実際、そもそも猶予された場合は、最後の総返済額が猶予される前と猶予された後で100万、200万という単位で増えてしまう可能性があると思うのですが、この点についてどういうお考えがあるのか。

答)

それは、(債権を)ちゃらにする話ではないのですから。猶予する話ですから。やはり先々、この返済のあれ(債務)は残ることは当然ですよね。それが残ることは当然だと思うのだけれども、返済条件が債務者にとって過重にならないように貸し方はきちんと相談に乗って、「そういう貸付条件の変更をしなさい」ということがこの法律のあれ(趣旨)ですから。それは国が金太郎飴みたいにピシッと出す(命ずる)わけにはいかないので。それはローンだって対応はいろいろあるわけですから、貸し手と借り手との間で、「借り手の立場をきちんと考えて猶予してあげてください」というのがこの趣旨ですから、そういう面で、個々の問題でいろいろな問題が起きてくると思うけれども、金融(検査)マニュアルも、今、2人(大塚副大臣、田村大臣政務官)のところでやってくれていますけれども、大体、今週中ぐらいに金融(検査)マニュアルはがらっと変わりますから。この眼目は簡単です。従来は、金融機関をどっちかというと守る、という視点に立った金融検査という性格が、ある面で強かった。今度は違います。守るものは守るけれども、そうではなくて、借り手にとって経営コンサルタント的な役割を金融機関が果たしているかどうか、果たしていなかったら、「こらっ」と言うのが今度の金融庁の検査の主眼なのです。そういうことを言ってくれているのでしょう。

副大臣)

はい。

答)

だから、がらっと変わるのですよ。

副大臣)

1点補足していいですか。

答)

どうぞ。

副大臣)

後で検査しますから、つまり条件変更で過大な総返済額に変更されているようなケースが見受けられれば、それは当然指導されるわけですから。

問)

利息の分とかで100万、200万と増えている分も含めて指導で良いのですか。

副大臣)

いや、それは利息の分とか元本の分とかという細かいことはここでお答えはできないのですけれども、トータルとして顧客に過大な負担を負わせるようなことになっていれば、それは後できっちり指導するわけですので、それは、金融機関は分かっていますから、適切な対応をすると思います。

問)

それはノンバンクだけではなくて、生命保険会社もですか。

副大臣)

ノンバンクですか。

問)

ノンバンクは対象外ですけれども、生命保険会社とかも住宅ローンを扱っていると思うのですが、そういったところに関してはどうなのでしょうか。

副大臣)

生命保険会社は、今回は(法律の対象に)入っていませんけれども、ただ、生命保険会社も金融庁の監督下ですから、金融行政がどこを見て行われているかというのは、当然、経営者は理解しているはずなので、的確に対応してくれると思います。

問)

フリーの竹川と申します。

先日、金融庁が出されました「税制改正要望」なのですけれども、こちらに関して、特に大臣の方からは何か、何らかの「こういう形でまとめるように」という指示はあったのでしょうか。また、現在の投資家から見ると、今の金融商品の税制とか証券税制も含めまして、非常に複雑でシンプルではないので「分かりづらい」という声が非常に大きいのですよね。大臣とされましては、金融所得の一体化についても含めて、今後、投資家にとって良い金融商品の税制というものに関しては、どういうふうにお考えでしょうか。何か長期的なビジョンがあれば教えてください。

答)

私は、そんな専門家ではないけれども、やはり税制が非常に複雑になっていますね。それは何も金融関係だとか、証券関係だけではなくても。これを「もうちょっと単純化していくべきだ」というのは、前から議論されていることなのですけれども、今度、うち(金融庁)としてあれ(要望)しているのは、あれ証券税制なんかではどういう…。

副大臣)

損益通算とかですね。

答)

これは、前からこれ言っていることですね。

副大臣)

はい、前から言っています。だから、一体課税的な、今のご質問のような趣旨の方向は向いていますよ。

答)

あっちで取って、またこっちで取るということにならないで、やはり、一体的に課税していくということは大事なことですね。

問)

東洋経済の大崎です。

郵政の人事のことで確認なのですが、齋藤社長を決定されたのは亀井大臣という見解で良いかと思うのですけれども、副社長以下の取締役、経営陣についても、実質決定権は亀井大臣にあって、任命責任は亀井大臣にあるという理解で良いのでしょうか。任命責任はどなたに…。

答)

あれは取締役としての選任は私の方からお願いしたわけですね。それを副社長という形にしたのが齋藤(日本郵政社長)ですかね。副社長ということは。取締役まで私が。

問)

社長以外の、要は、役員の任命責任というのはどなたがお持ちに…。

答)

株主である政府。それを私が、政府を代表して事実上それをやったということですね。

問)

日刊ゲンダイの小塚です。

先ほどの郵政の件で、「まず占領軍を引き揚げてもらわないといけない」というふうに亀井大臣がおっしゃられましたけれども、要するに、西川前社長を代えまして齋藤(日本郵政社長)さんになったと。それ以下の役員というのを代えたと。もっと下の、例えば、部長ですとか、そういう内部のクラスの人も引き揚げてもらわないといけないのですか。そういう意味合いでよろしいのでしょうか。

答)

それ以下の子会社の分は、それの中にも占領軍の手足になっていた占領軍の下士官クラスもいるわけでしょう。…もっと上ですかね。方針が変わるのですから、それはやはり務まらないでしょう。末端は別ですよ。幹部クラスではね。

問)

そうすると、もっと幹部クラスを代える必要があるというふうに…。

答)

だから、今、検討しているわけですよ。経営方針ががらっと変わったわけですから、その方針のもとで幹部が仕事をしていくのに相応しいかどうか、ということですよね。面従腹背では困るわけですから。給料だけもらっていれば良いという方たちにやられてしまうと困るわけですから、真摯に、新しい経営方針に従ってやっていくという幹部でないといけないわけですよ、子会社を含めて。それはどうかというのは、やはり齋藤社長がちょっと時間をかけて判断をしていくことだと思います。

問)

人事関係は大体いつぐらいに。どういう感じでお考えなのか。

答)

日にちは、はっきりとはいかないですけれども、そんないつまでもズルズルというわけにはいかないでしょう。だってその下、その子会社の幹部の下にも従業員はたくさんいるわけですから。彼らが一生懸命仕事をしていく上においても、新しい経営方針に基づいてちゃんとやる幹部ではない人のもとでは仕事をやるわけにはいかないわけでしょう。そこは混乱が起きないように、できるだけ早く整理をした方が良いと思います。これは齋藤社長がやることであって、そこまで私がどうだこうだと言うことではありません。

問)

フライデーの記者の岩崎と申します。

人事の件でもうちょっと突っ込みたいのですけれども、齋藤次郎(日本郵政社長)さんの後釜で、太田省三(東京金融取引所新社長)さんの人事の件であったりとか…。

答)

あれは、副社長か何かがあがったのでしょう。

副大臣)

そうですね。

問)

それとあと、国会で、(人事官の国会同意人事案を)議運で、江利川毅(元厚生労働事務次官)さん。ちょっとこちらの省庁(金融庁)とは直接関係ないのですけれども、江利川さんが。今、(国会で)給与法をやって、(人事が決まらないと、給与法の審議が出来ないが、)給与(法)をやらないと郵政株式凍結案もなかなかいかない、というところも込みで伺いたいのですけれども、その辺の人事を見ると、小沢一郎(民主党幹事長)さんの名前がちらちらと聞こえるのですけれども、それは、その辺に関して亀井先生のご見解をお伺いしたい…。

答)

今、私はもううんざりしているのですけれども、役人だったら何か背中に「紋紋」の入っているような扱いをして。「紋紋」が入っている人でも、立派な人もいるのですから。入っていない人よりも立派な人がいるかもしれないですよ。「紋紋」を入れている人が、何もヤクザとは限らないですからね。だけどそういう、役人をしたら、もう後、社会的な貢献ができない、働いたらいけないという、これは差別ですよ。フライデーあたりはもうちょっとそこらを…。おかしいと思わないですか。それは同じ人間が、今、少子化時代だと言って、だんだん働き手が少なくなっていくわけでしょう。有能な人間が、元役人をしていたというだけで、60過ぎて(仕事に)就けない。これはおかしいですよ。そう思わないですか。

あなたちょっと、フライデーでキャンペーンやってくださいよ。いくらでも協力しますよ。だけど、本当、予算委員会でそんなことばかり聞くから。皆さんそう思わないですか。これは、おかしいですよ。こういう雰囲気は。天下りでいけないのはこういうことなのです。かつて、それをやっていたから批判を受けたけれども、役所、国交省でもどこでも、「この審議官を、課長をあんたのところで引き受ければ、これだけ仕事を付けるよ」と。それをやるわけですよ。やっていた。それはいけない。そういうお土産付きで、役所は自分のところの役人を民間会社に掃いていたのですよ。これは絶対にいけないのです。だけど、そうではなくて、そういうことではなくて、やはりノウハウをちゃんと持っている人が欲しい民間会社なんかたくさんあるわけでしょう。そういうところが活用することまで「駄目だ」と言ったら、これはちょっとおかしいのではないですか。アメリカなんてそうでしょう。役人やったり、民間会社いったり、あれは行ったり来たりしているのです。内閣(政権)が代わったら、全部、行ったり来たり、行ったり来たりしているのです。これは、官と民とが、そういう形でしょっちゅう替わっているのですよ。日本だって、役人をやっても優秀なのは民間に行く。また民間からも、また役人になっていくとか、私はやれば良いと思うのですよ。そういうことが今の日本はおかしいですね。今の日本は、イカレていますよ。私は、本当にイカレていると思います。

問)

「小沢人事だ」みたいなことでよく言われていたりする…。

答)

小沢さんはよく知っているけれども、あの人は、そんなことにあまり口出しをしたり、やる人ではないのですよ。もっと言うと、あまり関心がないんです。関心がないのに、マスコミが何でも「小沢さん」と言う。小沢さんをでっかくしてしまっている。何でも「小沢さん」、何でも「小沢さん」でしょう。そのうち、朝ご飯を食べている時も、「あ、これは小沢さんのおかげで」というようなことになってしまうんではないですか(笑)。実際は、そんなことはないのですよ。

問)

週刊ダイヤモンドの鈴木と申します。

年金の受給窓口を郵便局に設置しようか、という案が紙面でちらほら出てきているのですけれども、それについて、現在の実現可能性とか、大臣の本気度みたいなのを教えていただきたいのですが。

答)

これは、年金手帳あたりを長妻(厚生労働大臣)から、そういうことで手伝っていただくという方法もあると思うのです。大塚副大臣が、今、折衝していますから。

副大臣)

議論しています。

答)

それとパスポートなんかでも、今、わざわざ県庁に行かなければいけないでしょう。県庁に行かなくたって、最寄りの郵便局で発給を受けるようにしたって良いと思うのですよ。そういういろいろな、とにかく、今、日本中のネットワークで、あんなネットワークほかにないのですから、市町村合併で市町村のネット(ワーク)だってなくなってしまっている。農協だってなくなっている。郵便局のネット(ワーク)だけなのです。これを活用するということは、日本のパワーをうーんとでかくすると思いますね。

問)

フリーのジャーナリストの岩上です。

ちょっと大きい話になるのですけれども、大臣は日頃から、経済に関しては非常に「力強く、大きく」ということをおっしゃっています。積極財政のお考えだと思うのですけれども、日本の財政といいますか、経済の状態というのは非常に不均衡な状態にあると思うのですけれども、これは縮小均衡ではなくて、やはり拡大均衡に持っていくべきだろう、とお考えなのだろうと思います。経済の規模だけではなくて、日本は人口規模、それから少子高齢化、若年人口の縮小によって、人口と経済の両方のデフレ、二重のデフレスパイラルが起こっているのだろうと私は思うのですけれども、結局のところ、若年人口を増やすためにお金が回るような、この二重のデフレを逆転させるような大きな政治の仕組みというのが重要なのではないかと思うのですが、その時に、今ある日本郵政の、例えば、郵貯のお金、こういうものをどういうふうに使うか、ということでいろいろなプランはないのかと思うのです。介護の話は出ますけれども、人育ての話というのがまだ出てこないところ、何かこれを使い方…。

答)

だから、それを大塚副大臣(や田村大臣政務官)に、今から研究してもらうのですけれども、170兆(円)なんて言ったら、三菱(東京UFJ銀行)と三井住友(銀行)を足したぐらい膨大なお金なのですよ。ただ残念ながら、郵貯は、(お金を)集める力はあっても運用する力はないのですよ。だから、国債みたいなものに使って。それはさっき言ったように地域でも使う、日本全体でも使っていく、ただこれは難しいこと。最初から運用するノウハウを身につけるのはなかなか難しいですから、そこらの仕組みをどうしていくか、という問題もあります。だから、銀行協会、地銀とか信用金庫等も含めて、ああいう金融界とちょっとネゴしなければいけないと思っているのですよ。ネゴして、そういう郵貯のお金、簡保、どういう使い方をしていくかということを、あなた(大塚副大臣)頼みますよ。

副大臣)

はい。

答)

これを役人に任せているわけにはいかないですから。やはりそれは政治家が、そういう金融界とちゃんと話をしていかなければいけない。私は、金融界も怯えている部分があると思うのですよ。「あの乱暴な亀井だから、俺たちにとっては大変な競争相手になるのではないか」と思って。だけど、私は優しいですから。とにかくそこらは、だからあれだけの膨大なお金を、今のような硬直した使い方をしないで、もっと国民経済的に、あるいは世界に対して使っていける仕組みを考えなければいけない。これを齋藤(日本郵政)社長とともに、あそこ(日本郵政)もできたばかりですから、そういう力は、今持っているとは思えないですから、我々が齋藤(日本郵政)社長を助けてあげなければいけないと思うのですね。

問)

お金にしてもネットワークにしても、人育てとか少子化対策のために使える。

答)

それは使えます。幾らでも使えます。だから、そういうものはもっと言うと、国の予算ではなくても、やり方によってはそういうものを使う方法だってあるのです。何でも「国」、「国」、「国」と言わなくても、郵便貯金のお金をそういう面で、子育てに対しても、そういうお金をうまく使っていくという仕組みを考えればあると思います。あなたも良い知恵があったら出してくださいよ。妙な推理ばっかりしないで(笑)。

問)

ニューヨークタイムズのマーティン・ファクラーと申します。

記者会見についてお聞きしたいのですけれども、毎回、2回記者会見をやらなければならないという異常な状態で、大臣にとっても、多分、面倒くさいと思うのですけれども…(笑)。

答)

いや、そうではないですよ。私はいいですよ。

問)

大変お時間もかかるし、貴重な時間ですし、この異常な状態をどのぐらい続けるつもりであるのか、ということと、あとこういうふうに2つの記者会見をしないと駄目だという異常な状態についてのご見解を…。

答)

これは、原因はマスコミの閉鎖性。ここ(金融庁)の記者クラブが共同で(会見することを)認めれば良いのですよ。ただ、記者クラブが主催になっているから、私が「一緒にする」と「嫌だ」と言うものは、やりようがない。だから、「それならあなた方との時間を半分にしてここで後でやるよ」ということでやっているわけであって、彼らがいつまでも閉鎖的で分からず屋であればこういう状況を続けていきますよ。何もあの記者クラブに入っている人たちだけがジャーナリストではない。彼らは思い上がったらいけません。

問)

ウォールストリートジャーナルのアリソン・テューダーです。

日本郵政が民間企業の、民間の金融企業との不公平な競争条件にならないために、どのような対処をなさいますか。どのようなお考えでいらっしゃるのですか。

答)

あなたは、私が言っていたことを聞いていなかったのですね。私が言っているのは、郵貯、簡保のお金を、今の金融界と協力しながら、もっと国民経済的に、あるいは世界のためにもっと使っていけるような形にしたいと。仕組みを含めて。それを今考えています。こちらに頭の良い、顔を見たって頭が良さそうでしょう(笑)。彼(大塚副大臣)に「そこらを考えろ」ということを、今、言っています。ただ単に競争条件を、どうだこうだする、そんな低いレベルでは考えていないです。もっとでかいレベル。

問)

銀行の商品を売るために郵政のネットワークを使いますか。

答)

いや、だから、そこらを含めて、今後、金融界と話をしていきたいと思います。金融界にとってもプラスになる。郵政事業にとってもプラスになる。敵対する気はありません。協調しながらやっていく。また、これは外国の銀行とも同じことです。私は偏狭な民族主義者ではありません(笑)。

(以上)

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