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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年9月7日(火)11時44分~12時29分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日、閣議の前に自殺総合対策会議がございまして、ご存じのように、ここ12年間で自殺者が3万人を超えているという大変深刻な状況にあるわけでございますが、しかし、政権交代して以来、6月までは自殺者が減ってきたわけでございますが、大変残念なことに7月・8月、自殺(者)が増えているという話がございまして、そんな話がございましたので、各省(庁)から発言がございましたが、金融庁といたしましては、この自殺の原因というのは、大体3万人ちょっと超えていますけれども、半分が健康問題、その残りの半分が経済・生活問題なのですよ。そのまた半分が実は家庭問題という構造がございまして、当然ご存じのように、健康問題ではうつ病が多いということは皆さんご存じかとは思いますが、そういったことで多重債務の問題がございましたので、ご存じのように、多重債務相談窓口を当庁としても法律(貸金業法)をつくって以来、特に各財務局または都道府県、あるいは多重債務窓口において一生懸命自殺リスクの高い方、あるいはそれを抱える相談者、このケアを必要とする人々に対して、自殺関連相談窓口や医療機関等に適切に誘導できるように金融庁としても取り組んでいるということを今日を発言いたしておきました。

それから、私は40年(間)医者をしておりますので、最後に、私の臨床経験でございますが、そのときに、菅総理もおられましたが、うつ病、あるいはうつ病の初期といいますか、(そのような状況で)自分は非常に元気がないということを(患者が)言われるのですね。当時も精神科の一般、あるいは内閣の一般常識として、元気がない人に、元気がないというのを、「元気出せ」と言って実は励ましてはいけないのですよ、うつ病の場合は。「元気出せ、元気出せ」と言いますと、実は自責の念に駆られまして、「私は何で元気がない(のか)」ということで自分を責めるのですね。ますます実は自殺に追いやるということがございますので、これは精神科的には、内科的には、医者の基本的な常識のようなものですが、心の元気がなくなるのは、言うなれば心の風邪のようなもので、そのうち元気になることもありますから、そう元気を出そうと頑張らなくてもいいですよ、自然体にしていたら、そのうちよくなりますから、風邪と一緒ですからというのが、お医者さんの世界では常識なのですね。ですから、そのことを菅総理をはじめ各閣僚に(申し上げました)。

皆様方だって、悪気はなくて、職場でも何か元気がないとか、よく寝られないとか、眠れないという人に「元気出しなさい」と言いがちなのですよ。ところが、「元気出せ、元気出せ」と言いますと、今度は患者さんというか、軽いうつ病の人にとっては耐えられないことでして、元気がないといって自分を責めるのですよ。実はそれが自殺に追いやるということがしばしばありますので、そのことを、40年(間)医者もしていますので、そういったことを実は対策会議で申し上げておきました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

まず新しい銀行の自己資本(比率)規制について、週末にある中央銀行総裁・銀行監督当局長官会合(バーゼル会合)で最終の取りまとめが予定されておりますが、大きな論点として、中核的自己資本比率の水準と、新しい規制に移行するまでの期間をどれくらいとるかというこの2点があると思いますけれども、この議論の進捗状況について、大臣は現在どのように報告を受けていらっしゃるかという点が一点。

答)

まさに日本国からいえば10年前からの金融ショックみたいな、それから世界的にいえば2年前からの、ご存じのようにリーマンショック以来、アメリカ、ヨーロッパの銀行など世界的な不況ということで、大変大事な経済の金融の会議でございますが、まさに時宜を得た質問でございますが、7月にご存じのように中央銀行総裁と銀行監督当局長官、金融庁では金融庁長官が出席をさせていただきましたが、会合では、ご存じのように、この規制水準、この規制水準もよくお分かりのように量と質・質と量ということを私申し上げておりますけれども、質と量との2つの面がございます。それと、どれくらいきちっと実施するまでに段階的にやっていくのか。それはご存じのように各国、各国によって置かれた金融情勢、あるいは金融情勢が非常に違いますから、そんなことを考慮しながら、9月の会合において改めて、ご存じのように検討する旨が明らかにされているということになっております。

これまで7月の会合で合意された自己資本の定義等については、我が国の実情にも配慮した措置が盛り込まれてきており、我が国などの主張が取り入れられたものだと思うのですね。この前も、前回の記者会見でも申し上げましたが、そういうふうに認識をいたしております。この前も申し上げましたように繰延税金資産ですね、バーゼル III が始まったときは、これは中核的資本には入れないというふうなことでございましたけれども、これはぜひ入れるべきだと強く日本を中心に主張いたしまして、これもご存じのように、繰延税金資産というのは引き当てとタイミング、税制と金融とのタイミングの差があるから、日本の場合たしか7年でしたかね、引き当ての繰延税金資産というのがございますが、他の金融機関への出資、これは全部が認められたわけではなくて、ご存じのように条件付きでございまして、金融機関への普通出資が10%以上の場合等を合算して普通株式と、Tier1ですね、普通株式と内部留保が基本的に、ご存じのように中核的資本でございますが、その15%まで参入するということが、この前申し上げましたようにこれは決まりましたから。

もう一点は、これも先週申し上げましたように、ソフトウエアですね。無形固定資産に計上された資産、ソフトウエア等について、会計基準の際に基づく取扱いの不平等を是正するということで、これも認められましたので、そういったことをあれこれ申しましたが、日本を中心とする、日本と同じような経済情勢にあるのはご存じ、どちらかというとヨーロッパの大陸、フランスとかドイツとか(の銀行は)、どちらかというと英米の銀行とはやはり基本的に銀行の様態が違いますので、そういった意味で、かなり、これはたしか27カ国ですかね、だんだんそこら辺に集約しつつある、収斂しつつあるということが現状だというふうに私は報告を受けております。

交渉に先立つ現段階から見て、具体的な水準についてはまだ言及することは今の時点では差し控えたいと思っていますが、金融庁といたしましては、非常に経済のグローバル化、非常に金融の果たす役割は大事だということは皆さん方もよくお分かりでございますし、中長期的に我が国の銀行の自己資本、それから流動性の強化に資するものとなる一方、我が国の実情や景気回復に対して配慮することが重要と考えており、こういう観点から引き続き積極的に我が国の立場を主張していきたいというふうに思っています。

私は何回も申しますように、自己資本比率が高ければ高いほど確かに一見安全に見えますけれども、それだと、よく我々10年前に経験したように、貸し渋り・貸し剥がしが起こるわけでございますから、あのとき健全な企業まで、健全に近い企業まで倒産をしたというようなことがございますし、日本の経済が混乱したということは10年前私も、何度も申し上げます、与党の国会議員として、私が閣僚のときに、1997年か98年でございますが、北海道拓殖銀行が倒産する、山一證券が破綻するという時代で、その後が金融国会でございましたから、身をもって体験しておりますから、やはりそこら辺は安心・安定という、これはこの金融機関あるいは金融システム、基本的にG20の世界でございますし、このバーゼルの会議は27カ国出ていますけれども、そういった意味の安心・安全ということと同時に、余り数値だけ高ければ高いほどいいわけではない。そこは余り高くしますと、今さっき言ったように、今度は貸し渋り・貸し剥がしが起きて経済そのものが縮小するわけでございますから、そこら辺をきちんとバランスを持ってやっていきたいというふうに思っておりまして、そういった意味のことを、新規制が我々の立場、10年前に金融危機を実際に経験して、そういった立場もきちんと踏まえながら主張をしていきたいというふうに思っております。

少し長い話になりましたけれども、よくお分かりのところだと思いますけれども、非常に大事なことでございます。

問)

関連して、中核的な自己資本比率について、一部報道でドイツの銀行協会が6%で先進国が合意するのではないかという見通しを立てているのですが、仮に6%で合意した場合、大臣は先ほど高ければ高いほどいいというものではないとおっしゃいましたが。

答)

しかし、ある程度の率がないと、ご存じのように今度は銀行に対する信頼性というのが揺るぎますし、また、いざというときに銀行がまた信頼性を失うことがあってはなりません。ですから、ドイツがそういうことをどこかで、ドイツの新聞に載ったということは私今初めて聞きましたけれども、各国、各国がこのことは非常に注視していると思いますよ。いろいろな数字も多分出てきているのだろうと思いますけれども、今の時点では、交渉が始まる時点ですから、金融を扱う責任者としては今の時点ではコメントは差し控えたいと思っています。

問)

それともう一点、今朝の朝日新聞さんの報道で、日本振興銀行が国内外の金融機関と、投資ファンドなどと資本提携の検討をしているという報道があったのですが、大臣はこの件について現在どのような報告を受けているのかということと、振興銀行の現在の経営状況についてどのように認識でいらっしゃるのか、その2点をお願いします。

答)

分かりました。これは個別の金融機関の資本政策については、ご存じのように経営判断に係る事項でございますので、当局としてはコメントを差し控えたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、同行は業務改善計画に基づき業務改善命令を出したわけですから、その業務改善計画に基づき経営改善に向けた取り組みを行っているところだというふうに承知しておりまして、当局としては、今の段階ではしっかりその取り組みをフォローして、厳正に監督していきたいというふうに思っております。

問)

フリーランスの岩上と申します。

 大臣は冒頭に自殺の原因についてお話しされておりました。その原因の半分が経済問題であると。

答)

いや、半分は健康問題ですね。その残りの半分の半分、4分の1が経済・生活問題だという統計の数字を申し上げたのです。

問)

はい。政権交代するまでは12年間3万人超えでしたけれども、今年6月ぐらいまでは減少傾向にあり、逆に7・8月、再び増加傾向にあるということでしたが、これは明らかに鳩山(前)政権の時代には減少傾向にあり、今度菅政権になってから増加傾向にあるというふうに、ほぼ時期的に重なり合うと思います。健康問題について、一つの政権が与える政策がすぐに即効で即座に何か効果をもたらしたり、あるいはよい影響、悪い影響をもたらすということはないとしても、経済政策に関しては何か相関性があるように思われます。鳩山(前)政権の何がこういうプラスをもたらし、菅政権の政策の何がマイナスの影響をもたらしたと大臣はお考えになりますでしょうか。

答)

大変想像力が豊かなご意見でございますが、私は疾病と原因との因果関係というのを疫学というのですけれども、それを実は非常に専門的に日本とアメリカで研究していた、たまたま医学でも内科の医者ですけれども、そういったことを研究していた人間でございますから、確かにそういう傾向が一般的にはございますけれども、これはそのためには、かなり医学的には、大変技術的な話になって恐縮ですけれども、かなり細かい分析をしてみないと分からないので、一概にはそういうふうなことは、言っておられましたけれども、そこはもう少し詳しい分析が必要かなというように、これは大臣の所見というよりも、疫学を研究した一医学者としてはそういうことになるのかなというふうに思っております。

なかなか一概には言いにくいということでございまして、いずれにしても、7月・8月は自殺者がふえてきたわけですから、これを低くするように金融庁としても、さっき言いましたように最大限の努力をしたいと、こういうふうに思っております。

問)

世界日報社の野村と申します。いつもお世話になっております。

民主党の代表選について若干お聞きしたいのですけれども、新聞社の世論調査などでは、菅首相支持が7割程度占めておるとの発表がなされておりますけれども、こういう世論調査の結果が代表選にどういう影響を及ぼすかということが一点と、逆にネットの調査では逆転しまして、小沢前幹事長が7割以上の支持を集めている状況がありますけれども、このあたりについての違いについて大臣のご所見をお聞きしたいと思います。

答)

分かりました。これに類する質問はよく受けるのですけれども、ご存じのように私は国民新党の副代表でございまして、今の政権は民主党と国民新党の連立内閣でございまして、この前も申し上げたと思いますけれども、郵政の民営化、理念なき郵政民営化に反対して我々は4年半前に結党した政党でございまして、郵政民営化というのは、何もそれは小泉さんの時代、古い時代だというふうに皆さん方は思われるかもしれませんけれども、構造改革の一丁目一番地と言ったわけですね。

郵政民営化によって小さな政府をつくると、一番のページに「小さな政府」「小さな政府」「小さな政府」と3回書いてあります。小さな政府をつくるということは、はっきり言えば、必要な歳出を削るのですよ。と同時に、歳出を削ったのだから、結果として地方交付税交付金を削ったり、社会保障費を骨太方針2006で自然増を毎年2,200億ずつ、医療、福祉、年金、介護を2006年の閣議決定で小泉内閣のときに決めましたね。

同時に、これは大事な点なのですが、小さな政府というのはコインの表なのです。裏ではお金持ちから税金を取らないということなのですよ。今、フラット税制といいますね。これは主にアメリカの共和党が言っていることなのですよ。アメリカの民主党、例えば今度のオバマさんでも累進課税というか、所得の多い方には少し税負担を増やそうと。クリントンさんは8年間(大統領を)やりましたね。非常にアメリカの経済をうまくやった人ですよ。スティグリッツというノーベル賞をもらった人が主に経済政策をやりましたけれども、これをしっかり踏襲したのですね。その前に、ご存じのように、やはり少し所得の多い方には税率を上げておりまして、踏襲をしっかりしまして、5年目ぐらいから経済が非常に伸びてきた。

当然、ITというのは、米ソの冷戦構造の要するに果実といいますか、アメリカが軍事的に研究していた、非常にたくさんの研究開発費用を費やしていたITの技術、例えばインターネットにしてもGPSにしてもあのとき出てきたわけですからね。それを大統領の軍民転換委員会というのをホワイトハウスにつくりまして、米ソの冷戦構造が終わったから、それをどんどん民間に放出したわけですね。どんどん、非常に高度な軍事技術は必要ではないのですね、ある意味で。その判断は大したものですよ。これがインターネットやGPS、私は自民党の通信部会なんかずっとやっていましたからよく知っていますが、それで非常にアメリカの競争力がついてきたということもございまして、後からITバブルということになりましたけれども、そういった意味で実はアメリカの財政赤字というのは、改善したのですよ。

ですから、日本では私がよく言いましたように、27年前に私が国会議員にならせていただいたときは、所得9,000万円以上の方は88%税金取られていましたよ。所得税が70%、それから県民税が18%、9,000(万円)以上はね。超累進課税日本だったのです。だから、1億円近く収入がある人は8,800万円取られまして、1,200万円しか手元に残らないというのが27年前の超累進課税日本でした。中曽根内閣の途中から、これを直していこうというので、今はご存じのように所得税は40%、それから県民税は幾ら所得が多くてもフラット税制で10%。今たしか税制ではそういうふうになっております。

ですから、クリントン(元大統領)が「フラット税制は30年前の古い税制だ」とアメリカの議会で言っているように、私は、フラット税制というのは、どちらかというとアメリカの共和党のものなのですよ。民主党は必ずしもそういう税制をやらないのです。オバマさんも今度所得の多い方には要するに累進課税を課そうかということを言っていますね。

我々国民新党は、「弱きを助け、強きをくじく」ということを言いますが、弱きを助け、強きに責任を持ってもらうということが、非常にやはりこれは人間の昔からの美徳だと私は、思いますよ。何も桃太郎さんだって、桃太郎さんとキジと犬とサルで、それで鬼が島の鬼をやっつけに行ったのですから、だからやはり弱きを助け、強きをくじくというのは、これはやはり昔から人間の社会の一つの道徳ですよ。ですから、僕は言うのだけれども、「弱きを助け、強きに責任を持ってもらう」ということが今の社会、非常におかしくなっているのではないかと。

だから、やはりそういう意味では、私はそういった意味でも、私自身、国民新党としてはやはり基本的に、亀井さんなんか典型的に顔もそういう顔をしていましたけれども、弱きを助け、強きに責任を持ってもらうということですから、やはり私は本当にそこら辺の、政権交代したのですから、税制の方もやはりきちんと、政権交代したことというのはどういうことかということを国民に分かってもらう必要が私は実はあると思っておりまして、これはかなり国民新党の意見に近いので、まだ何も民主党とすり合わせなんかしていませんけれども、そういう意味で、やはり私は、少し話しが長くなりましたけれども、そういった路線ということが、アメリカだって、戦後50年(間)、(うち)29年(間)が共和党の政権、21年(間)が民主党の政権ですから、ですからやはりバランスがとれるのですよ。

だから、そういうことがやはりきちんと、政権交代が54年ぶりに戦後初めて起きた、あるいは明治の官僚国家以来130年ぶりに起きたという、極端な話、官僚主導国家から初めて去年8月に政権交代が起きたわけですよ。確かに、またお叱りいただくところがあるかと思いますけれども、そういった意味で、やはり政権交代があってこそ初めて私は民主主義だと思いますよ。8月に私は与党の国会議員としてアメリカに行かせてもらって、全員、共和党も民主党も「日本が政権交代してよかったな」と。当時、イラクの問題が大きな問題でしたから、私が悪く憶測すれば、日本に戦後民主主義を教えたと。やっと君たちも自由選挙をして、政権交代して一人前の自由主義国家になったのかというふうな雰囲気でしたよ。

ですから、私は長々としゃべりましたけれども、そういったことで、当時、民主党と国民新党と社民党で野党の三党合意を作って、8月末に国民の支持をいただいて政権交代したわけですから、責任がございます。ですから、これはもう言ったように、この新自由主義的な小泉さんがした経済至上主義、過度の規制緩和、過度の小さな政府、過度の市場原理主義、そして過度の官から民へということが日本のセーフティネットを破壊し、生活を破壊し、地方と中央との格差をつくり、そして弱者切り捨てになったということが三党合意の初めに(書いてあり)、選挙の8日前に作った、私、(国民新党の)政調会長でしたからつくったのですよ。あれはスーパーマニフェストと言っているのですけれども、8項目しかありませんよ。最初に書いてある文章はそれですよ。ですから、やはり三党合意というのが、そこにやはり歴史的意義があったと思うのですよ。

しかし、アメリカだって2年前に非常に大きく変わったわけでしょう。過度の規制緩和というか、金融の規制緩和がどれくらい、今度アメリカにも行ってまいりましたけれども、オバマの要するに金融規制改革法、何でも自由で、何でもコンピュータを使って金融工学をつくって、結局はリスクを自分の会社の中で取れなくて、社会、アメリカの政府にとってもらうどころか、そんなことが世界の経済に全部影響を及ぼしているわけでしょう。やはりその反省点に私はアメリカにはあったと思いますよ。ボルカールールなんて見ればね。だから、そういった大きな中でやはり我々が主張したことは、世界史的にも間違いでなかったというふうに、当時は5年前、非常に弾圧されて、虐待されて、一言でもあんまり、幾ら言っても皆さん方も書いてくれませんでしたけれども、今もそういう状況にあるのかもしれませんけれども、そこだけはきちんと私は政治家として押さえておきたいと。

ですから、やはり民主党と国民新党と信頼関係がありますから、少し長くなりましたけれども、それは民主党の中に今お二人代表が出ておられますけれども、あっちが勝つ、こっちが勝つということを私は論評いたしません。どちらになりましてもきちんと、小沢さんは綿貫さんときちんとそのことについての政策協定を結んでいただきましたし、菅代表は亀井さんときちんと(政策協定を)結んでいただいておりますから、どちらがお勝ちになるか、それは民主党の方々がお決めになられることですから、やはり民主党と国民新党の友情はそういう歴史的な意味においても、政権交代をしたという意味においても決して揺るぐものではないということを、私はそう思っています。

問)

保険毎日新聞の園田です。

生保の二重課税の問題で、還付が10月から始まるというような報道があったのですけれども、それについての見解と、あと保険を金融機関で販売する保険窓販の規制の見直しが12月までというふうになっているので、それに対する見解をお願いします。

答)

ご質問はいわゆる年金型生命保険の二重課税問題で、財務省、国税庁が10月から還付を開始する方針を固めたとの報道があるがいかが考えるかと、こういうことだと思いますが、いわゆる年金方式の生命保険の二重課税問題に関する還付等については、税務当局において検討が行われているものと承知いたしております。

検討内容については金融庁としてはコメントは差し控えますが、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、保険の契約者は法の観点から税務当局と連絡、連携をとりながら、生保各社が税務当局の対応方針に従い適切にフォローしてまいりたいというふうに思っております。これが一点。

それからもう一つは、これは保険の銀行の窓販といいますか、保険の銀行窓口販売について、19年12月から全面解禁いたしましたが、今年12月で、概ね3年を経過いたしましたことになるのですが、どのような見直しをしていくか、こういうお話だと思いますが、銀行等の保険募集については、平成13年以降の保険業法施行規則等の累次の改正により、ここが大事なところなのですが、非公開情報保護措置等の弊害防止措置を講じたのですね。簡単に言えば、これは私も自由民主党にいたときから長い間、実は生命保険の銀行の窓口での販売、窓販ということはいつも論議になりまして、銀行というのはご存じのように融資をいろいろな企業、個人にもしていますから、非常に優越的地位にあるのですね。ですから、その優越的地位にある方がそれを商売のために利用して、例えばこれを融資してやるけれども、抱き合わせでこの生命保険に入れとか損害保険に入れということをするのではないかということが大変な問題点でしたから、ですから、そこをファイアーウォールと申しますか、そういう非公開情報保護措置等の弊害防止措置を講じた上で、要するに段階的に保険商品を取扱うことが認められたのが平成19年の改正だったというふうに思っております。

平成19年12月、すべての保険商品の取扱いが認められて全面解禁したわけでございますが、弊害防止措置についてはモニタリング結果等を踏まえ、保険契約者等の保護や利便性の観点から概ね3年間経過しまして、所要の見直しを行うことにしておりますが、現在の方向性については、現在確たることは申し上げられないというふうに思っておりますが、たしか私が聞くところによりますと、窓口販売は損害保険だとたしか1%、それから生命保険だと6%ぐらいの数字ということをたしか報告いただいておりますので、ファイアーウォールといいますか、融資に関する情報がかなりきちんと私は厳格に守られているのではないかということを思っておりますし、一時こんなものを銀行で売られたら、生命保険を売って回る生保の募集員の方々の生活を非常に圧迫するというような論議も当時あったやに私は覚えておりますけれども、現実には地方銀行でも生命保険を売っていないところもございますし、それから、3メガバンクは売っているようでございますが、それもどちらかというと商品を揃えるというか、そういう色彩が強いのではないかというふうに私は思っておりまして、当時、銀行で窓販されるともう生命保険業界、特に生命保険の勧誘員の方の生活が本当に脅かされるというようなことを大変自由民主党でも当時議論の過程では噴出したのですが、結果としては、この生命保険が窓販6%、損保1%ということを見れば、この辺はやはりできるだけ自由にした方が国民の利便になるわけですから、それから、生命保険に入った人の保護というのは非常に大事でございまして、生命保険に入る人の利便性というか、便利な方がより生命保険に接することができるわけですから、そういったところを考えたら、まだ今の時点では確たることは申し上げられませんけれども、しかし、3年後に見直しを行うということでございますが、こういうことは少し一歩踏み込んだ発言になるのかもしれませんけれども、出てきた数字を見ると、妥当なところではないかなというふうに私は、ここは個人的意見ですけれども、思いますね。

実は私、27年か26年ぐらい前に、今、民主党の山岡さんというのがいますね、国対委員長。彼が生命保険会社出身で、27、28年前につくった自由福祉協会の創設メンバーの一人なのですよ。当時私は1年生議員でしたけれども、私は医者でしたから、民間の社会保障というのは大事だと。公的な医療保険とか公的年金はどうしても財政が厳しいので削らざるを得ない。そうしたら、やはりそれを補完する民間の生命保険会社とか、そういうことをしっかりやるべきだという立場の、私は自由福祉協会という、これは自民党から小沢さんが出ていって分裂しましたけれども、実は創設メンバーなのですよ。(私は)医者でございますから、そのころから公的社会保障、それから民間の社会保障ということで、一生懸命そのころから勉強しておりましたので、少し申し上げたかと思いますけれども、やはり官と民とのベストミックスというか、それがやはり今の日本の社会、何もかも年金も官も頼る、あるいは何もかも官でないとできないこともございますから、官をやめて全部民に頼るということも私は日本の置かれた国情、歴史を踏まえて、官と民とのベストミックスが大事だということを私は最初のときに申し上げたと思いますが、そういうことを考えてみると、見直す方向性については、現在確たる方向は申し上げられないということを金融担当大臣としては申し上げますけれども、今までの私の経過を踏まえたら大体いいところをついてきたのかなという感じもしますね、バランスのとれたところで。

問)

フリーランスの岩上です。

先日大臣は、ご自身が自民党時代に環境基本問題調査会長をおやりになっていたと。

答)

5年間しましたよ。

問)

環境問題に大変造詣があるということで、またお医者さんとしても公衆衛生、環境医学を専攻されてきたと。

そこで、環境問題について、国務大臣として、また公衆衛生のお立場からちょっとご見解をお聞きしたいのですけれども、東京都の事業でありますが、築地市場を豊洲へ移転させようとしておりますが、この豊洲の土地の汚染が大変ひどいということが明らかになっております。

そこへの手続上、例えば26種類の有害物質を国の土壌汚染対策法では調査しなければならないのに、都はなぜか7種類の物質のみしかやっていなくて、その中でも、例えばベンゼンが4万3,000倍とかシアンが930倍とか、途方もない数値が出ている。更に、盛り土を国は50センチでよいというところを2メートル50センチもの盛り土をして、これで土壌がきれいになったとしていたところを、今年4月21日、朝日(新聞)が報じましたけれども、盛り土が再汚染されてしまった。下からの地下水で全部新しい土地もよごれてしまったと。こんな状態のところに本当に強行して魚の市場を持っていくと。都民だけではなく、首都圏民、更に全国民に流通する魚が非常に汚染される危険がある。健康被害、食の安全の問題上ゆゆしき事態ではないかと思うのですけれども、都だけに任せてこれはいいものか。国レベルで考えなければいけない問題ではないかと思うのですけれども、ご所見をちょっとお聞かせ願えますでしょうか。

答)

大変具体的な、ある意味で時宜を得た質問だと思いますし、私も環境基本問題調査会長を5年行いましたが、やはり問題が、地方自治というのが基本的にあるのですよ、憲法上もね。私は地元でも言うのですが、やはり地方自治というのがございますし、これは東京都でも東京都議会でも大変大きな問題になっているというふうに私は認識しておりますから、今、私の立場ではコメントは差し控えたいと思っていますけれども、やはり環境と人間との健康との問題、これは非常に大きな問題ですから、しっかり第一義的に東京都あるいは東京都議会でしっかりそこら辺をやっていただきたいというふうに思っていますね。

ただし、環境の土壌汚染法は、よくお分かりのように、これはアメリカで最初につくったのですよ。そのときも私は環境基本問題調査会長でしたから、よく法律の制定の過程を知っておりますが、これもきちんと、今度は生物多様性条約の国際議長国が日本国でございまして、10月に、日本であるのですけれども、そういったことを踏まえてやりますが、これは余りにも個別のホットな話でございますから、私の立場からはコメントは差し控えた方がいいのではないかな。第一義的に憲法による地方自治の原則、東京都知事あるいは東京都議会が、一生懸命ホットイシューとしてやっておられますから、今はちょっとここのことについては、恐縮ですけれどもコメントを、金融担当大臣でもございますから、差し控えさせていただきたいと思っています。

何かほかございますか。

問)

新しい金融監督方針なのですけれども、実体経済と企業へのバックアップということで金融機能を強化しようということが書いてありますが、これは今までの金融庁ではなかったことなのかなと思って、大転換ではないかと思うのですが、改めて金融監督方針がどのような意義を持っているのか教えてください。

答)

分かりました。金融庁においては、毎年、事務年度の最初に検査及び監督に当たっての重要事項を明確化するために、検査(基本)方針及び監督方針を策定・公表しております。新しい事業年度の検査方針及び監督方針について、8月28日にご存じ公表いたしました。

本事業年度の検査の基本方針においては、昨今の経済情勢等を踏まえ、資金需要者への適切・円滑な資金の需要や利用者への良質な金融商品、サービスの提供という役割を果たす体制や、その役割を果たすための十分な財務基盤と強固で包括的なリスク管理体制の整備状況を検証することを基本とする考えのもとに、検査、運用の基本的枠組みとか、重点検証項目を示しました。また、本年度の検査(基本)方針においては、本年6月に閣議決定されました新成長戦略や、それから、ここが特に私が強調したいところでございますが、昨年12月に制定された中小企業金融円滑化法、これは3党合意に基づいて亀井前大臣が国会のご同意をいただいて成立させた法律でございますが、これを踏まえて円滑な金融仲介企業にかかわる記述を充実させるとともに、リスク管理や金融システムの安定に関し、マクロ・プルーデンスの遵守等により、フォワード・ルッキングな監督姿勢を強調したものでございまして、金融庁としてはこれらの方針に基づいて金融機関の利用者や国民の視点に立った適切かつ実効的な検査、監督を実施してまいりたいということでございます。

特に私が今強調しましたけれども、やはり中小企業金融円滑化法、これは非常にある意味ではコペルニクス的な転換だったと思っていますよ。こんなのはやはり政権交代ができたからできた法律であって、私もここで申し上げたと思いますが、私、地元が北九州市でございますから、まさに中小企業のまちでございますから、中小企業の経営者本人から何回も「自見さん、本当にこの法律作ってくれてよかった」と。

今、不況の中でございまして、よくお分かりのように、中小企業者と金融機関というのは、やはり金融機関が強いのですよ。(中小企業者は)あまり意見が言えなかったと。ところが、法律を作っていただいたおかげで、条件の変更とかということをきちんと言えるようになった。また、これは亀井(前)大臣のときも言われたと思いますが、金融機関の監督の方もそういうふうな意識の変換というのを非常に亀井(前)大臣が言われたようでございまして、銀行というのはコンサルタント業でもあるわけですから、ただお金を貸して、お金を返してもらうというだけでなくて、いかに産業をきちんと、この産業企業がやはり持続可能でやっていけるかということ、そのために健全で強力な金融機関、あるいは親切な金融機関が必要なのですが、やはり私はそういった意味でもそういったことの精神を踏まえて検査、監督をやっていただきたいということを庁を預かる者として強くそういう方針を打ち出したつもりでございます。

どうもありがとうございました。

(以上)

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