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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年12月10日(金)11時16分~11時34分場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、2点ございます。

1点は、閣議で、金融再生法第5条によりまして、本年4月1日から9月30日までの間に政府が破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容に関して取りまとめて、決定して頂いた上、国会に提出するという法律になっております。要するに、この半年間に破綻金融機関の処理のために講じたことを、きちんと閣議で決定して、国会に報告するという法律がございます。それで、本報告書の内容のうち主なものは、日本振興銀行に対する管理を命ずる処分等の状況であるということでございまして、金融庁といたしましても、今後とも我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期して参る所存であるということを、閣議の席できちんと発言させていただいたわけでございます。

その後、閣僚懇がございまして、複数の大臣から、預金保険機構による概算払い(率)が25%ということが報道されておりますが、これは仮払いといえども非常に低い数字ではないかという発言がありました。確か(全額保護下に経営破綻した)木津信用組合が、結果的には(弁済率に当たるものを仮定計算すると)23%だったのですが、これ(振興銀行の概算払率)は25%でした。当然、概算払いですから色々変わってきますけれども、非常に低い数字だったと聞いております。それほど経営者の責任は重たいという意見が出ましたし、また、別の閣僚からは後から、この問題は竹中平蔵(元)金融担当大臣、そして木村剛(元)金融庁顧問が、この振興銀行の仮免許の申請を、辞めたその日にしたということでございます。そういう強い意見が2人の閣僚から出ましたし、この振興銀行のことを発表したとき、官房長官の発表で、政務三役において検証するだろうという話が談話として出たということが記憶にもあると思います。こういった閣僚からの声、それから国民からの声、そして何よりも、やはり金融機関というのは国民の信頼が大事でございますから、この問題は、特に(当時)竹中平蔵さんが金融担当大臣であり、木村剛さんが顧問であったという経緯もございますから、このことをきちんと国民の前に明らかにして、信頼を回復するための検証委員会(日本振興銀行に対する行政対応等検証委員会)を金融庁につくる、検証を行うための委員会を設置するということを私は決めましたので、視野に入れているということを、今日はぜひ皆様方にお伝えしたいと思っております。これが1点です。

もう1点は、昨日、福岡県の北九州市と福岡市に出張してまいりまして、中小企業の業況及び資金繰り、中小企業金融円滑化法、これは、来年3月31日までの時限立法でございますから期限がございまして、今週月曜日に東京で、各種、銀行協会を初め色々な金融界の方から、経済産業大臣と私で色々意見も聞かせていただきましたし、また、金融庁といたしましても、大阪、それから名古屋にも行かせていただきまして、今回はかつて、4大工業地帯の一つである北九州市、ここは非常に製造業の中小企業が多いところでございます。それから福岡市というのは、九州の中心都市でございまして、そういったところにおいてお話を聞かせていただいたわけでございまして、金融機関、あるいは地元中小企業幹部の方たちと、地方の状況について意見交換を行いました。意見交換の中では、業況は回復基調にあるものの鈍化しており、長期化する円高の影響が懸念されるなど、中小企業を巡る状況はなお厳しいものがあるとの意見が出ております。また、景気対策や中小企業金融円滑化法の延長等を望む声が聞かれました。金融庁といたしましても、これらの意見を踏まえつつ、今後、特に今から年末を迎えますから、年末は何かと企業経営は物入りな時期でもございますから、中小企業等の金融の円滑化に取り組んでまいる所存でございます。

また、私は郵政改革担当大臣でもございますので、北九州市の郵便局を訪問して、現場の声、状況等を視察し、意見を交換させていただきました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

先ほど大臣が言われたような中小企業金融円滑化法なのですけれども、年内に方針を決めるとの旨を、昨日、おっしゃっているようですが、方向性としては延長するということでよいのでしょうか。

答)

これは、延長を視野に入れて検討するということを、私は国会でも申し上げておりますけれども、基本的には中小企業円滑化法の、要するに中小企業の業況、資金繰り、経済の情勢、各種データの注視・分析、あるいは中小企業、金融機関から直接生の声を聞くということも大事で、延長も視野に入れて検討しているということでございましたが、ご存じのように12月でございますから、年内には結論を出し、年末までには、全国の中小企業者に声が届くように、決断を、遠くない時期にせねばならないと思っております。

問)

住専の二次ロス問題です。自民党政権時代は、大枠としては官民折半と決めておりましたけれども、現政権での対応方針はどうなりますか。

答)

非常にポイントを得たご質問だと思っています。住専負債の回収等については、法律を踏まえて、平成23年12月を目途として完了するとの処理計画を、RCC(整理回収機構)において作成しているところであります。現在、RCCにおいては、国民負担の最小化のために、債権者の状況に配慮しつつ、債権の回収に努力しているところであります。また、金融庁においても、今後のRCCの住専勘定の閉じ方等について検討を行っているところでございますが、この住専債権の二次ロスの処理方法等の見通しについては、現時点で確たることは申し上げられないということから、関係者とも十分協議しつつ、検討を進めたいと思っております。

問)

官民折半というものの大枠は、白紙に戻すということでよいのでしょうか。

答)

住専債権の二次損失の処理方法については、関係者と十分に協議しつつ検討を進めたいと考えておりまして、現時点では確たることは申し上げられません。

問)

振興銀の検証委員会の枠組みを、もう少し詳しく教えてください。

答)

第三者の検証委員会をつくって、この振興銀行に関して国民の失われた信頼を回復したいと思っております。

問)

東洋経済新聞の浪川です。

以前、僕がお尋ねしたように、振興銀行をつくるときの竹中さんたちの会議の議事録は、何もないわけですよね。何もなくて何を検証するのですか。何を材料に検証するのですか。

答)

要するに、木村さんが経営者でしたから、預金保険機構では、きちんとそこのところの刑事責任、民事責任を色々問うために、田邉さんを新しく預金保険機構の理事長に任命させていただきましたから、それは当然、法律と商法に基づいてやっていくということだと思っていますが、私が最初に申し上げたように、やはり木村さんが金融庁の顧問であり、竹中平蔵金融担当大臣(当時)と当時の銀行のことに関しまして、かなり中心的な役割を演じたと言われております。そんなことも含めて、しっかりその辺も検証したいと思っております。

問)

当事者たちが言った議事録がないということは、当事者に来てもらってヒアリングするということもあり得るということですか。

答)

第三者と申しましても専門的知識のある人、有識者の人、世間も納得していただける方、あるいは金融界の方々も納得していただけるような専門家も人選したいと思っていますので、その辺に応えていけるのではないかと思っております。私が第三者の検証委員会をつくる前に予断を持って言うことは、委員になっていただく方に関して非常に失礼なことになりますので、そういうことを想像しながら、きちんと第三者の検証委員会をつくっていきたいと思っております。

問)

検証委員会の結果は、いつごろまでに取りまとめられる方向なのでしょうか。

答)

今日、今さっき言いましたように、金融再生法第5条によって、閣議できちんとこういう報告をさせていただいたわけでございますから、そういったことを一つのきっかけとして、特に閣僚懇でも、今、紹介したようなご意見が閣僚から相次いだわけです。そういったことを重たく受け止めまして、この検証委員会をつくるということでございますから、今、確たることを申し上げるのは、かえって第三者の検証委員になっていただく方に失礼になると思っていますが、いずれにしても目的は、国民の金融に対する不信、(概算払いが)25%という話に対しても、非常に低いのではないかということが閣僚からも出たという話でございますし、そういったことも含めて、きちんと国民の納得できる結論を導くために、第三者による検証委員会をつくるということを視野に入れておきたいと思っています。

問)

フリーランスの高橋と申します。

外為どっとコムという会社が、9月に偽の為替レートを配信して、1ヶ月の業務停止命令を10月に受けております。ここの研究所の首席研究理事が竹中平蔵氏でありますが、本来、民間に下っても、範を垂れるべき立場であるわけですけれども、こういったことがあっても全く任を退くどころか、未だに「竹中平蔵レポート」というのを今週月曜日にも出していて、トップページにこういうものが掲載されておるわけです。こういった現状に対して、どのように思われますか。

答)

外為どっとコムの首席研究員を、竹中平蔵・元金融担当大臣がしておられるということは、今初めて聞きました。

問)

「首席研究員理事」という名称になっています。それで、主要閣僚を歴任ということがうたってあるものなのですが。

答)

私は、そのことは今初めて聞きかせていただきましたけれども、基本的に金融というのはやはり信頼ですから、やはり日本国の閣僚だった人が、ましてや金融担当大臣ということは、辞めた後からも国民からできるだけ疑惑を招かれないように、きちんと自分の身を厳しく律していく必要があると思っていますけれども、そのことは初めて聞きましたので、調査してみます。

問)

金融庁のホームページには処分が載っているのですけれども、マスコミが全く報じていない現状をどのように思われますか。

答)

処分したということは、たしか私も聞いた記憶がございますが、竹中さんが主席研究員だということは、私は、実は知りませんでしたので。

問)

検証委員会について、概算払いが25%にとどまった理由として、やはり監督検査のあり方ということもあると思うのですが、これについて検証するということは特にないのでしょうか。

答)

まさに、そういったことも含めてきちんと検証します。私は、検査忌避ということで、検査が妨害されました。ですから、非常に異例なことでございますが、同じ検査官が2回目も、3回目も、監督に行って非常に熱心にやっていただいたということも聞いておりますけれども、そんなことを視野に入れつつ、第三者の検証委員会はしっかりやっていっていただけるものだと私は期待いたしております。

問)

要請なのですが、その検証委員会については、目的等、紙を出していただけませんか。今日、発表があったわけですけれども、それとはまた別途でお願いします。検討してください。あまりにも生煮えなので、どんなものを、いつ、どういうことを目的に出すのか、これは要望です。大臣、検討してください。

答)

そういうことであれば、検討はいたします。私は一国の大臣として、金融庁の行政の最高責任者として言ったことでございますから、きちんと私は言ったことに、当然ですが、責任を持たせていただきます。

(以上)

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