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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年1月14日(金)10時23分~11時01分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日の、9時からの閣議で総理から全閣僚辞表を出すようにというご指示がありまして、第1次菅内閣、4か月続いたと思いますけれども、総理から大変よくやって頂いたと、お褒めの言葉を頂きまして、これについては今度また内閣改造したいので、全員辞表を提出して頂きたいというお話がございまして、私も、金融・郵政改革(担当)国務大臣の辞表を提出してきたところでございます。

それから、1月9日から5日間、フランス、ベルギーに行ってまいりまして、フランスにおいては、ラガルド経済・財務・産業大臣、これは日本で言えば財務大臣と経産大臣を合わせたような大変広範な権限を持った方でございます。サルコジさん、その前の大統領の時も確か漁業・農業大臣をした方で、女性の弁護士さんでございまして、サルコジさんの右腕でございます。今年のG8・G20の議長国はフランスでございますが、このラガルド経済・財政・産業大臣は世界の経済に関して大変影響力のある大臣でございます。

それから、ノワイエ フランス(中央)銀行総裁ですが、BIS(国際決済銀行)の議長になった方でございますが、ちょうど私とお会いした前の日にバーゼルから帰ってきたという話で、白川さん(日本銀行総裁)が副議長で自分が議長だということをノワイエ フランス銀行総裁が言っておりまして、2か月ほど前に確か日本にも来られまして、金融庁大臣室でお会いしましたし、また、駐日フランス大使が、ENA(フランス国立行政学院)の同級生だそうで、ノワイエさんの歓迎会を開きました。ノワイエさんとお会いしたのは、今度で3回目でございます。

それから、ベッソン経済・財務・産業大臣付産業・エネルギー・デジタル経済担当大臣ですが、この方は、ラガルドさんの分野は非常に広いので、この下に約3人の閣外大臣というのがおりまして、そのうちの1人がベッソン大臣でございます。あと主に郵政もデジタル経済担当大臣でございますから、郵政のことについても意見を交換してまいりました。

それから、バイイー ラ・ポスト会長、フランスの郵政事業の一番上の方とお会いしてきました。特に印象に残ったのは、フランスは「ラ・ポスト」という昔からの百数十年続いた郵政事業を行なう組織がございますが、これは昨年、株式会社にしたけれども、全株を政府と政府系団体すなわち日本で言う公団・公社みたいなところが持っておりまして、全部政府かあるいは公が株を持っております。バイイー ラ・ポスト会長とお話をしましたが、5年前の郵政改革のときに覚えておられる方もおると思いますが、当時、ドイツポストが民営化して非常に大々的に成功しているということが、特にツムビンケルというドイツポストの5年前当時の会長を小泉さんがわざわざ官邸に呼びまして、コンファレンスをした時に、ツムビンケル氏は基調講演をしました。そして、ドイツのマッキンゼーの会長もしておられたツムビンケルさんは、今から5年前にユーロが統一、ヨーロッパが5億人の市場になる、攻めていくということで、M&Aを華々しくしまして、ドイツポストの会長になり、積極的にM&Aを敢行いたしまして、フランス、イギリス、ヨーロッパ各国の宅配業者のようなものを買収し、華々しくスタートしたわけでございます。バイイー ラ・ポスト会長によると、経営がうまくいかないということで、ドイツポストを全部手放しまして、それからフランスで買ったドイツポストの子会社、あるいはイギリスでもうまくいかないということで、全部買収をキャンセルしまして、結局今、ラ・ポストがヨーロッパ全域では18%、郵便に関してはヨーロッパで一番の市場を持っていくということをお聞きしまして、やっぱり郵政事業というのは、民営化すればいいというものじゃなく、やはり非常に公益性・公共性もあるものですから、非常に採算がとりにくいというところもございます。特に、電子メールが発達していますから、それぞれ苦労はいたしておりますが、ヨーロッパの5億人の市場で、ラ・ポストが18%を占めるナンバー1のポストであります。EU(欧州連合)で今、色々な共通の規則もつくっておりますが、18%を占めているということは、大変私の印象に残りました。

それから、ベルギーにおいては、バルニエ欧州委員とお会いしました。EU(欧州連合)は27か国でございまして、各国から1人ずつ言うなれば欧州委員会の閣僚が出るのです。閣僚が出て、このバルニエさんという人はフランスから出た人でございまして、フランスの元の外務大臣とか、たしか農林水産大臣をやられた方ですが、フランスからは欧州委員としてはバルニエさんが出ておりまして、27の欧州委員会のそれぞれの(日本で言えば)省のようなものがございまして、彼が域内市場サービス担当でございまして、欧州政府の金融大臣(のようなもの)です。それから、郵政も彼が監督しておりまして、域内市場サービス担当でございますので、彼と意見を交換してまいりました。

面会では、国際的な金融規制改革について我が国の立場を説明するとともに世界金融システムの安定に向けてより密接な協力を行うための当局間の信頼関係の醸成を行うことができました。また、郵政改革についても、郵便局を通じた郵便・貯金・保険の3事業一体でのサービス提供の保障が、国民、利用者のための重要な政策であると改めて実感できたところであり、大変有意義なものであったと思っております。

特にラガルドさんですね、(フランスは)今年のG8・G20の議長(国)であり、(その国の)財務大臣でございますが、この方から改めて私の方に、ヨーロッパのファイナンシャルタイムズ紙に書いていますように、日本が、アイルランドの救済のためにIMF(国際通貨基金)とヨーロッパEU政府が共同して支援策を発表したわけでございますが、そのEU政府、それからEUの公的な基金ですが、そこがユーロ債を発行しますので、それを実は日本国政府が20%以上買うということをアナウンスしまして、そのことを大変高く評価して頂きました。各国が通貨政策、金融の安定化に苦労しておりますので、そういった中でアイルランドの危機があったわけでございますけれども、これはIMF、EUの強力な支援策によって安定化しました。それに加えユーロ債を出し、起債をしたわけでございますけれども、日本国政府が20%以上買うということを約束したということが大々的に、ヨーロッパでも、また日本の(ファイナンシャルタイムズ)アジア版でもこれは1面の記事でございますが、大変そのことをラガルド経済・財政・産業大臣から高く評価するとお礼を言われました。今日は海外出張の報告を閣僚懇でやりましたので、菅総理をはじめ、野田財務大臣にも、全閣僚おいででございましたが、そのことはお話しました。日本が国際貢献しているということは、なかなか日本では新聞記事になりませんが、もちろん日本の新聞社(で報じたところ)もありますけれども、やはり日本では(GDPが世界で)2番目か3番目という話でございます。客観的に見て国際金融に非常に貢献しておるわけですから、そういった意味で、非常に日本が果たす役割の重要性というのをEUにも行き、通貨の安定性、ギリシャ危機、それからアイルランド危機に非常に貢献をしたということを、G8・G20(議長国)の財務大臣からお礼を言われまして、そういったことを感じながら帰ってきました。

全体としては、特にフランスではバーゼル III の議論がございまして、この前ソウルのG20で結論を得た部分と得ていない部分がございますが、大体銀行の自己資本比率、あるいはそういったことについてもかなり日本とフランスとドイツと意見が合いました。アメリカとイギリスは金融危機そのもの、アメリカは金融危機が発生した当事国でございますから、まだ国民の方から非常に納税者の金を使って金融危機を救ったと大変ひどい批判を受けております。民主主義国家でございますから、日本も12年前に金融危機で、私が閣僚だったときに北海道拓殖銀行が崩壊し、山一證券が崩壊しました。

あのときは、その2年前に住専の問題もございまして、当時、住専の問題を日本の公的資金で救済するのは税金ではないか、けしからんと大変強いお叱りを頂いたわけでございますから、民主主義国家において金融機関が破綻した場合に、納税者の納めた税金で処理するということが、いかに民主主義国家にとっては困難だということを、私自身も閣僚もしていましたし、当時与党の国会議員でもございましたので、嫌というほどわかっております。

私に言わせれば、アメリカ、イギリスはそういう段階であるから、こういった金融の問題は、冷静にある程度合理的にきちっと着地点を見つけて、国際的行為をとっていかなければならないというふうに思っております。

そういった意味では、フランスと日本とドイツというのは比較的金融の様態が似ていますので、そういったことも再確認したということを、ラガルドさん、あるいはノワイエさんと再確認できたという事は、非常に大きかったのではないかなというふうに思っております。

少し長くなりましたけれども、そういったことでございます。

【質疑応答】

問)

今回の第1次改造内閣、4か月の任期ということだったので、この4か月を振り返られて、大臣の方から何かご感想があれば。

答)

4か月間、私の場合は6月11日からやらせて頂きまして、それを含めまして所感いかにというご質問でございますが、まず、6月に改正貸金業法の完全施行に際しまして、改正貸金業法フォローアップチームを設置いたしました。制度の周知徹底や施行状況の実態把握等に努めてきたということが、6月に強い印象がございます。

9月には、戦後初めてですけれども、日本振興銀行の破綻でいわゆるペイオフを発動させて頂きまして、大変鮮烈な印象、また責任の重たさを感じております。

それから、武富士の会社更生法手続の申し立てに対して、金融システムの安定あるいは利用者保護の観点から、私から言うのもおかしいのですけれども、金融庁の方に大変努力して頂きまして、政府、財務省あるいは日本銀行等々もよく理解して頂いて、適切に取り組めたのではないかなというふうに思っております。

それから、先月14日には2009年12月に施行いたしました中小企業金融円滑化法、これは各地いろんな人のご意見を、東京、名古屋、大阪、あるいは北九州、福岡、仙台等々へ行き、聞かせて頂きまして、総合的に勘案をいたしました。確かにこの法律の結果、中小企業の倒産は減りましたが、一部で円高や、厳しい局面もございまして、世界経済に下ぶれリスクもございますし、そういったことを勘案して、当然、金融の規律ということも大事でございますけれども、それも一方で、よくわかっておりますけれども、やはり総合的にきちっと判断しまして、1年延長を決定、公表したということでございます。

特にこの場合、金融機関はノウハウ、あるいはコンサルタント機能を金融機関は非常に持っているのです。私も26年間、こんなこと(国会議員)をさせて頂いておりまして、本当に地域から色々陳情を受けるのです。中小・零細企業の社長さんから、「資金繰りをどうしたらいいか」とか、「あそこの銀行に自見さん声かけてくれ」なんていう陳情を、私も22年間、自由民主党にいましたから、よく受けるのですけれども、実に金融機関というのは、よく知っておられるのです。例えば、こういったところはこういうニーズがあるとか、こういう商品ならあそことか、大体1つの金融機関で、地方銀行でも2万社とか融資しており、経営内容を知っていますから、そういった意味で地域の金融機関というのは非常にたくさんの情報をもっておられるのです。それが金融機関というものです。

そういった意味で、私は(中小企業金融円滑化法を)1年間、延長させて頂く方針であることを公表しましたが、金融機関にコンサルタント機能を発揮して頂きたいと思っております。この前12月の時点でも申し上げましたように、全国の99.7%は中小企業ですから、1年延長させて頂くという決断をさせて頂きました。

それから、先月16日に閣議決定されました平成23年度税制改正大綱では当庁の要望を反映した証券の軽減税率の2年間の延長に関して、事務方ではかなり戦ったのでございますけれども、私はこれを巌流島の決闘と申しましたけれども、財務大臣と私と2回ほどお話をしまして、大局的見地からやっぱり景気を回復するということで、デフレ脱却、景気回復ということは一番大事なことですし、これは証券税制で、キャピタルでございます。まさに資本主義の基本の部分ですから、株式が上がれば当然ですが、年金だって株式で運用しているところが多いのです。当然年金でも年金の運用状況がよくなるとか、ありとあらゆるものが株式と連動したものが多いのです。それから基金なんかも、政府だって色々基金を積んでおりますけれども、これはみんな運用しております。例えば、国鉄(を分割民営化してできたJR)三島会社の(経営安定)基金なんていうのもみんな運用しておりまして、今、低金利で株式が下がってだいぶ基金の果実が少なくて苦労しておりまして、私は九州出身ですから、JR九州は、株式の運用に非常に苦労しています。

そういった意味でも、ありとあらゆる個人の方でも株式はありまして、3分の1、1,650万世帯の方、すなわち3世帯に1世帯は株式保有者でございまして、年収500万円以下の人が70%の株式を保有しています。昔ですと金持ち優遇税制とお叱り頂いた時代もございましたけれども、今は70%以上の方が年収500万円以下の方でして、非常に株式の保有は一般化、大衆化しておりますので、ぜひそういったことを踏まえて、2年間延長を認めさせて頂きました。

話は別ですが、1月4日に(東京証券取引所の)大発会に行かせて頂きまして、このことを言わせて頂いて鐘をたたきました。あの日169円株式が上がりまして、あの辺を好感して頂けたのかなというふうに思っております。

当然、アメリカの金融緩和といったことも非常に大きな影響があるというのはよくわかっていますけれども、華やかな空気の中で、今年はうさぎ年でございますから躍動だということで、跳ねて、跳ねて、跳ねるということがテレビにも流して頂きまして、あれが少し正月の気分を明るくしたのではないかなと、自分で言うのもおかしいんですけれども、そういうことを全身全霊をかけて景気回復、金融庁の一番大きな税制の1丁目1番地がこの証券税制の軽減でしたから、そんなことが好感されたのではないかなというふうに思っております。

それから、先月24日には中小企業のアジア地域への進出支援体制の整備強化などを盛り込んだ、金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプランを取りまとめ公表したところでございまして、これは、ご協力頂きたいんですが、日本の中堅・中小企業が親会社についていくということはありますけれども、独自に、特に成長著しいアジア市場、特に中国に行きたいというのが、円高の中で日本の中堅・中小企業は多いのです。中小・零細企業には、自分の手なれた金融機関、自分の町では地方銀行だとか信用金庫だとか信用組合とか、馴染みのある金融機関すなわち自分のところの経営状態あるいは長い間の歴史・経緯を知っておられて、大体そういった身近な銀行があるものなのです。ところが、それらの金融機関と縁を切って、いざ中国に進出しようとしても、支店がありませんから、その点は非常に不安なのです。

それで、JETRO(日本貿易振興機構)とJBIC(国際協力銀行)できちっとシステムをつくって、これは戦後初めてのことでございまして、大畠(前)経産大臣とも意見を一致させ、こちらでは担当参事官、経済産業省は中小企業庁の次長が組んで、実質やっておりまして、この前、日本貿易会の新年賀詞交換会に行ってきましたら、これは大手商社、中堅商社の集まりでございまして、私は20年前、通産政務次官をしておりましたから知り合いも結構多いのですが、この話をしますと、大手商社の社長、会長をした人が、「自見さんそれは非常にいいことだ」と言っておりました。商社だけでも日本にある自分のところと取引がある中小・零細企業を海外に連れていきたいと思って色々やっているので、政府がバックアップしてくれるということは非常にありがたいと言っておりました。ぜひ、これはまた経産大臣とも話してみますが、商社、商社といっても大手の商社と中堅の商社等色々ありますから、これとしっかり組んでJBIC、JETRO、それから日本貿易会、この辺と組んでしっかり、中小企業・中堅企業が海外に行きやすいように、そして今の経済活性化においてアジアの追い風を日本の経済が如何に受けるかということが、日本国にとって非常に大事なことでございますから、そういった意味で政府には政府の役割がございますから、強力にきちっとやっていきたいというふうに思っております。

あとは私が8月に米国、それから中国を訪問、バーナンキFRB議長、温家宝首相、王岐山副首相と面会しました。先ほど、ラカルドさんにお会いしたというお話をしましたけれども、ラカルドさんは王岐山さんと非常に親しいということを言っていました。彼女はフランス人ですけれども、8年間シカゴで弁護士をしておられて、その時代から王岐山さんと非常に親しいというふうなことを言っていました。そのような国際的ネットワークといいますか、ヨーロッパも非常に中国の経済に興味を持っておりますので、色々外国の首脳とお会いしても、そんなことを生かしていけば、そういうことで一つ話題ができるわけですから、それが巡り巡って日本の金融、政府、そして経済にいい影響があるようにという事が私の任務でございますから、しっかりやっていきたいというふうに思っております。また、1月にはフランスのラカルド経済・財務・産業大臣と話してまいりました。

それから11月12日、保険業法の一部を改正する法律の一部を改正する法律、これは共済関連でございますが、これが前の臨時国会で、いの一番に通りまして、大変こういったこともありがたいことだと思っております。

私としては、このように様々な施策に全力で取り組んできたところでございますが、この取り組みは我が国の経済、金融、資本市場の発展につながることになれば幸せだと思っております。

それからもう一つ、私は大事な郵政改革担当大臣でございますので、郵政改革法案は、郵政民営化によって生じた諸問題を克服し、郵政民営化によって、郵政事業は5分社化しております。この5分社化によるデメリットは非常に大きいのです。一例を挙げれば、課長とか中間管理職が1社だったときに1人だったのに、5分社化しましたら、課長とかそういったポストが非常に増えまして、逆に言うと頭でっかちになっておりまして、ある新聞社も逆に5分社化した弊害というのを、この間大新聞が、「郵政改革法案棚ざらしは国民利益に反する」と書いていました。

郵便局長に郵便の遅配、誤配(の改善)を頼んでも、それは自分のところの所管ではないのです。郵便事業会社でございますから、郵便局長に頼んでも、あの大きな建物の中に、郵便局長と郵便事業会社の支店長とゆうちょ銀行の支店長とかんぽ生命の支店長がいます。昔なら、郵便局長といったら当然ですが、全部の責任者でしたから、郵便局長にクレームがあってもそれは全部解決しました。今も国民はまだ、郵便局に行けば一番上の人は郵便局長、ポストマスターだろうというのは大体世界では常識ですし、日本でも明治以来常識だったのですけれども、今は郵便局の局長に頼みにいきましても、それは違う郵便事業会社のことですから私は権限がありませんというふうなことが現実に起こっております。

それから、共同担務といいまして、明治以来、郵便、貯金、保険を一緒にやっておりました。ところが、特に郵便配達の方が来ますと、昔は特に過疎地でしたが、今は過疎地だけではないのです。この前、名古屋の郵便局に行って聞きましたら、大都会でもたくさん独居老人の家庭があります。そこに郵便を持っていったら、「あ、ちょうどいいところに来た。」、「ちょっとうちのお金を郵便貯金に入れておいてくれ」と、12年前に郵政大臣をしましたけれども、当時国家公務員ですから、政府全体として、高齢化、過疎化に臨まないといけませんので、そういうことを積極的に促進させたのです。それはうまくいって、結構郵便配達の人が大都会の中でも独居老人の家に行ったら、「自分は足腰が弱いと。これ、ちょっと郵便貯金に預けておいてくれ。」といったら、「はい」と言って預かってきて郵便貯金に入れることができたのです。

過疎地は特に、これの貢献が強かったのですけれども、今、共同担務を廃して、それで別会社ですからできません。郵便配達の人に頼んでも、例えば東芝の課長に日立のことをしてくれと言っても無理なように、今はできないのです。それは、分社化してしばらくたちますと、益々その弊害が強くなりまして、これには、大新聞の論調も変わってきていますし、そういった意味で、自分としてはこの法律に盛り込まれている内容が、我が国にとって本当に絶対必要であり、行き過ぎた小泉さんの時代の新保守主義的な改革、これをやっぱり本当に国民の目線に合った有意義なものに絶対する必要があると確信しておりますので、亀井(前)大臣に引き続き、その成立を一貫してやってまいりましたが、残念ながら今はまだ、成立いたしておりません。

しかしながら、下地さん(国民新党幹事長)から岡田幹事長に書簡を出してもらうという感じでございましたが、次の通常国会においてできるだけ可及的速やかに全力を期すということを文書で約束してくれていますから、これは、私のときは成立しませんでしたけれども、次の国会においてぜひ成立を期して頂きたいというふうに思っております。

私が大臣の職務を続けるか否かにかかわらず、これは国民的利益でございますから、ぜひ今度こそ必ず成立させるものと信じて、引き続き私も努力をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

問)

今回の内閣改造で、与謝野さんが経済財政担当大臣で入閣されるというふうにされていますけれども、与謝野さんは自民党で郵政民営化の方針の取りまとめに当たられた方でもありますし、一方で「民主党が日本経済を滅ぼす」という本を出されたりとか、連立与党の経済政策に対してかなり批判的な見解をお持ちだった方ですけれども、こういう方が入閣されることについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

誰を閣僚に任命するかは、内閣総理大臣の大権でございまして、予想記事、観測記事は色々出ておりますけれども、私は今、国民新党の副代表でもございますし、国民新党と民主党は、野党の時代から長い間統一会派を組みながらやってきたわけでございますし、これは総理大臣の大権に属することでございますから、私が色々論評するのは適当ではないというふうに思っております。

問)

フリーランスの高橋と申します。

日本振興銀行の(第三者)検証委員会の設置状況についてお聞かせください。

答)

検証委員会をつくるということをアナウンスしまして、今、水面下でやっております。やっぱり一歩一歩水面下でやっておりまして、ヨーロッパに出張もさせて頂きまして、(帰国後)辞表を書いてまいりましたので、公表することができなかったわけでございますが、金融というのは何と申しましても国民の信頼が大事でございますから、色々皆さん方からご質問を頂きましたけれども、これはきちっとやって頂きたいというふうに思っております。

問)

先ほど、外遊のご報告がありましたけれども、今回、改造のためということとは思いますけれども、途中で日程をキャンセルされて、大臣は帰国されたことを不本意だったと思うのですけれども、これに関しては、先方もあることなので、外交上礼を失する部分があるのではないかというような指摘も出ておりますけれども、大臣は不本意な形だと、日程変更はないと信じているとおっしゃって出かけられたわけですから、その信じることが裏切られるような形で呼び戻されてしまったわけですけれども、これについて如何お受け止めでしょうか。

答)

特にイギリスを訪問させて頂きたいということを言っておりましたが、しかし、実は行く前にきちっと仙谷官房長官から、ひょっとしたら14日に(出張を)やめて頂くようになるかも知れないから、そういうことも含んで外国に行ってくれというアナウンスが私の方にありました。そういった意味で、金融庁の方に対しては非常にありがたいと思っておるのですが、そういった場合も(含めて)きちっと日程を作ってくれておりました。しかし、そうはいってもイギリスの方々に大変申し訳なかったと思っております。

いまさっき言いましたG8あるいはG20の議長国であるフランスには行けましたし、EUは27カ国で構成されており、17か国が共通通貨のユーロを使っておりまして、それの金融大臣であり郵政大臣でもあるバルニエ欧州委員はEUの閣僚でございますけれども、こういった方とお会いできたということは、不幸中の幸いであったかなというふうに思っております。イギリスに対しては大変申しわけなかったと思っております。

そのことは、実は事前に官房長官から言われておりまして、そういった時はきちっと帰ってきて頂きたいという前提の下で行かせて頂いたのです。

問)

報道では大臣留任ということでもありますが、正式にはまだ決まっておりませんので、こういう聞き方をさせて頂きますが、郵政分野について先ほど今後の課題のようなことを述べられましたけれども、金融分野について、年明け以降、これから次の大臣にどういうことを課題として引き継がれていくかということを教えてください。

答)

それは少し長々としゃべったのでぼやけたと思いますが、3年前のリーマン・ショック以来、金融の分野は非常にEU、アメリカの投資銀行は、大手5社全部、いわゆるアメリカの投資銀行という形態を変えまして、それからヨーロッパでもギリシャ危機、アイルランド危機、日本でも実体経済が大変な不景気になってきたわけですから、そういったことを見越して、特に今、世界の金融を中心とした経済が一番大事な分野だと思っています。どういうふうにやっていくのか。まさに、21世紀のリーマン・ショックというのは世紀的な出来事だというふうに確か言ったと思っています。

その後、どうするのかということは、極めて人類の、21世紀前半の金融経済、あるいは、それが混乱しますと政治まで変わってきます。ラガルドさんというのはG20の議長国の、財務大臣・経済大臣ですけれども、今さっき日本がアイルランドの救済のためのEUから出す起債を買うというだけでフィナンシャル・タイムズの1面であり、そういったことが出てフィナンシャル・タイムズでもこういった認識を持っており、そういった意味で極めて金融の分野というのは、ここ1~2年が非常に大事だと思っています。

ここを間違うと世界の経済は非常に、そういうことはないでしょうけれども、一生懸命英知を集めてG20ソウルサミットで合意しましたし、人類が1929年の轍を踏んではならないと、強い決意と使命感を少なくとも私は持たせて頂いております。

どうもありがとうございました。

(以上)

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