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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年2月10日(木)17時25分~17時45分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、閣議がございましたけれども、特にございません。

【質疑応答】

問)

まず1点、大手消費者金融の第3四半期の決算が昨日で出揃いました。過払金返還請求の動向が10-12月期は、その前よりも、かなり増えてはいるという状況も明らかになっています。武富士破綻の影響もあろうかと思いますが、この内容について大臣の受け止めをお願いします。

答)

消費者金融大手3社の過払金返還負担額の動向を見ると、平成19年度は3,606億円、20年度は3,700億円、21年度は3,889億円となっておりまして、今ご案内のあったように今般発表されました22年度の第3四半期、4月から12月の決算では約3,010億円になっておりまして、前年同月比プラス5.8%となっておりまして、高止まりの状況が続いていると承知いたしております。

過払金返還負担の今後の見通しについて確たることを申し上げることはできませんが、引き続き貸金業の経営環境を把握する観点から、その動向についてはしっかり注視してまいりたいと思っております。

問)

この増えていることに対する3社の経営の影響というのはどういうふうにお考えですか。

答)

3社に関する経営の影響は、一般論として申し上げれば、基本的に現下の貸金業者の経営環境は過払金返還負担額が高止まりをしておりますから、引き続き厳しい状況になることは認識いたしております。

いずれにしても、貸金業法の今後の動向については、十分注視してまいりたいというふうに思っております。

問)

もう1点、民主党の小沢元代表と菅総理が会談をされて、小沢さんが菅総理から離党を促されたということを明らかにしたようですが、これに対するご所見があればお願いします。

答)

菅総理と小沢元代表がお会いしたという話は聞いておりますけれども、私も(衆議院)予算委員会の最後の一般質疑の質問が当たっていたので、それ以上のことは(分かりませんが)、お会いしたということだけは聞いておりました。

ただし、私はいつも申し上げますけれども、国民新党と民主党と2年近い野党の時代に、私は参議院議員でございますから参議院で「民主党・新緑風会・国民新・日本」という統一会派を組んで、3党合わせれば過半数を超えていたという状況で、後期高齢者医療制度反対だとか、そういったことに一緒に国会で統一して法律を提案させて頂いて、参議院では通ったのですが、衆議院では残念ながら否決されるということが何度もございました。そういった一つ一つの積み上げの上に、我々民主党と国民新党、当時、社民党は連立を離脱されましたけれども、2年前の8月14日、歴史的な政権交代をした選挙の1週間前に、当面の衆議院選挙に当たっての共通公約ということを民主党、社民党、国民新党で出したわけでございます。何度も申し上げて恐縮なのですが、私も当時政調会長でございまして、これはあまり申し上げませんけれども、1週間前に3党で話し合いましたが、簡単にまとまった6つの公約ではないのです。色々と党には党の立場がございまして、それぞれの立場と主張が違うから別々の党なのでありまして、小異を捨てて大同に就くということで、当面の衆議院選挙に当たっての6つの共通政策というのを結ばせて頂いたわけでございます。

そういったことを振り返ってみれば、お互いの政党の内部には色々ございますけれども、基本的に国民新党と民主党というのは信頼関係がございますから、特に連立を組んでいるという信義の問題もあって、私は菅内閣の閣僚でもございますし、民主党の内部の話をコメントするのは政党人として控えておくべきではないかというふうに思っています。

問)

保険毎日新聞の園田です。

昨年成立した公益法人に関する共済事業の改正保険業法なのですけれども、公益法人の人たちが詳細なガイドラインなどの中身について凄く気にされているようなのですが、今後の見通しなどについてもしお聞きになっていらっしゃることがあったらお教えください。

答)

先の臨時国会において、これは大変厳しいねじれ国会の中でございましたが、金融庁提出の保険業法、亀井前大臣からの時の宿題でございましたけれども、平成17年の保険業法の改正前から共済事業を行ってきた団体等のうち、一定の要件に該当するものについては、保険業法の規則の特例を設けて、契約者等の保護を図りつつ、当分の間その実態に即した監督の下で事業の継続を可能とするというものでございました。

今申し上げましたように、前の臨時国会で確か補正予算よりも先に、各党各会派のご理解を頂いて通過をさせて頂いた法律でございますが、改正前の施行期日は公布の日から起算して6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日と書いておりますので、確か公布の日は平成22年11月19日だったと思いますから、(施行期日は)平成23年5月18日だと思います。そういうふうに法律で定めておりますから、それまでの間、関係する政令・省令(共同命令)やガイドラインを制定できるよう現在準備を進めているところでございます。

政・省令でございますから、当然法律の趣旨を体して作るというのは、その辺を踏まえて今準備中でございます。

問)

NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併協議が伝えられておりますけれども、これに対するご所感と、それから国内取引所への影響、あるいは国内取引所の国際戦略上のあるべき姿についてどのようにお考えになるかお願いいたします。

答)

私は、ご指摘のような報道があったことは承知いたしておりますが、個々の取引所の経営判断に関することであり、金融庁としてのコメントは差し控えさせて頂きたいと思っております。一般論として申し上げれば、取引所における様々な取組を通じて金融資本市場を活性化し、内外の市場マーケットの利用者にとっての利便性を向上することは望ましいことだと思っております。

金融庁としましても、我が国の資本市場の国際的な競争力を強化して、内外の投資家が安心して投資できる魅力あるマーケットを構築することが重要だと考えております。取引所をめぐる世界的な動向も十分念頭に置きながら、私も去年8月ニューヨーク・香港の証券市場に行かせて頂きましたし、また今年の1月4日の大発会にも行かせて頂いたわけでございます。いずれにしても、そういったことを念頭に置きながら、金融資本市場の整備に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

問)

東洋経済の井下と言います。

銀行が中小企業向けに売っております為替デリバティブの問題なのですけれども、事務方で銀行に調査をしていると思うのですが、その調査の実態の動向とか、大臣はもうお聞きになっておるのでしょうか。

答)

金融庁が銀行を対象に、中小企業向けの通貨デリバティブと呼ばれる金融商品の販売状況等を調査していると聞くが、その調査結果如何にと、こういう話だと思います。

昨今の市場環境の急激な変化を背景として、為替デリバティブ契約に影響が出た契約者から、金融庁に対して相談や苦情が寄せられているところでございまして、こうしたことから金融庁といたしましても、中小企業と銀行が過去に締結したデリバティブ契約の現状を把握するため、今、中小企業との契約の状況や顧客への影響等の調査に取り組んでいる段階にございます。これまでも金融庁としては、デリバティブ契約で損失を受けた企業からの相談や苦情を分析して、平成22年4月にデリバティブ販売に関わる監督指針を改正するなどしてきたところであります。リーマン・ショック以来、通貨の変動が特に色々あったものですから、そういったことも今後引き続き顧客の保護上、必要な事項については適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

問)

結局、数字は集計をして公表をするのか、金融庁として数字を把握した上でどのような対応をお考えなのでしょうか。

答)

金融庁として、個々の民事の紛争に介入することは適当でないですから、個々の民事の紛争に対してはADRの場で解決が図られることが適切だというふうに考えています。

しかし、そうはいっても、融資を受けた方が一般的には弱い立場にございますから、それで抱き合わせで買わされたというような実情も、私も政治家をしておりますから、金融(担当)大臣になる以前から聞かせて頂いたこともございますし、そういった明らかなことがあれば、これは優越的地位の濫用といいますか、また商道徳上も許せる話でもございません。しかし、同時に人間というのは中々利益を得たときは黙っていますけれども、損をしたら、人のせいにしがちでございますから、そこは公平公正にきちっと見ていく必要があるというふうに私は思っています。

私としても、金融庁としてはデリバティブ契約で損失を受けた企業からの苦情や相談を分析して平成22年度にデリバティブ販売に関わる監督指針を改正したところでございまして、今後とも引き続き顧客保護上必要な事項については適切に対応してまいりたいと思っております。私も(この問題には)重大な関心を持っておりまして、調査結果を踏まえて、今後も適切に対応していきたいというふうに思っております。

問)

フリージャーナリストの佐々木実といいます。

 国債ボンド、日本国債について、関連して伺いたいのですが、ムーディーズの担当者が将来的に格下げの懸念もあるというような発言もしていますけれども、現在の日本の国債は9割以上日本の機関投資家が持っていて、不幸中の幸いだという状況だと思うのですが、その中で最も大きなプレーヤーの1人がゆうちょ、かんぽだと思うのですけれども、実際上、運用が大部分の国債をゆうちょ、かんぽが運用していると。具体的に、今の大量発行が短期で止まるという状況ではないことを考えますと、経営の自由度が増した郵政が持っている国債をどうするかという問題は非常に大きな問題になってくる可能性があると思うのですが、この郵政事業と国債のマーケットの問題というのは、大臣はどういうふうにとらえておられるのですか。

答)

最初の質問の方でございますが、米国の格付会社ムーディーズの日本の国債担当者が9日水曜日に、日本国債の格付の見通しについて発言したとの報道であることは私も承知していますが、その詳細については把握をしておりません。いずれにいたしましても、信用格付は各格付会社の専門的知見に基づいて意見されるものであり、個々の格付やその見通しの具体的な内容についてコメントすることは、私の立場としては差し控えたいと思っております。

金融庁といたしましては、市場の動向、金融機関に与える影響について注視してまいりたいと思っています。

後段の質問でございますが、日本郵政グループが国債をたくさん保有しているが如何にということでございまして、その国債を持ってどういうふうに運用していくかというのは、私は郵政改革法案の責任者でございますけれども、郵政は基本的に株式会社であり総務大臣の所掌だとは思いますが、基本的に私の立場からコメントするものではないと思っております。あまり株式会社にしたものを政府が口を挟むよりは、むしろ株主ですから、原則としてその辺は経営陣が考える問題だというふうに私は思っています。

問)

大臣の発言を確認したいのですけれども、為替のデリバティブで、抱き合わせ販売のような話を耳にしたことがあるというような趣旨のご発言をなさったのですが、それは今回のことでお聞きになったのか。

答)

昔そういうことを聞いたことがございます。

問)

では、今回のことは必ずしも一致したことではないと。

答)

今回のことではありません。私は、以前そういったことで処分を受けた銀行があるということは聞いたことがございます。

問)

今回、金融庁に上がってきている相談・苦情の中に、抱き合わせ販売とか、無理に買わされたとかというのがあるということとは、また違うということですか。

答)

私は今、そういう認識は持っていません。

どうもありがとうございました。

(以上)

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