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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年3月1日(火)11時05分~11時41分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

昨日、深夜に、予算が衆議院で可決いたしました。

今日は、閣議の前に自殺総合対策(会議)というのがございまして、これも私も自殺対策の閣僚会議の一員でございまして、金融庁といたしましても、多重債務問題に関しては、各都道府県の自殺相談所とよく連携をとるということが一つ大事な問題でございます。特に3月は季節的に非常に自殺が多い月だそうでございまして、特に今日初めて知ったのでございますが、私が時々、1997年から98年に北海道拓殖銀行が破綻し、山一證券が崩壊したということを言いますけれども、あれ(97年~98年)は、総理が言っておられましたけれども、自殺の「魔の活断層」と言うそうです。あれから13年間、ずっと3万人の自殺者がいるわけでございまして、色々と関係がある省(庁)が多いですから、それを何とか減らそうということで、総理からもしっかりやるようにというご指示が出ました。

私からも発言をしておきました多重債務に関する財務局、都道府県、市町村の窓口、それから自殺相談所とそれぞれの窓口が相互乗り入れで、よく連絡をできるようにということを金融庁としてやっておりますけれども、それを一層徹底するということも言っておきました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

金融審議会が7日に開催することが決まりました。2009年以来の再開となるのですが、政治主導との兼ね合いというのがポイントになると思うのですが、改めてその役割と、当面の主要テーマはどのようなものになるかというのをお聞かせください。

答)

皆様方もご参加、取材を頂いたと思いますが、金融審議会は1月25日に、委員の改選を行ったところでございます。今般、金融審議会総会・金融分科会の合同会合を3月7日に開催する運びとなったところでございます。

具体的にどのような課題を議論していくのかという点については、現在検討を行っているところでございまして、当面金融庁が審議会に検討していただきたい課題については、政務三役として諮問を行いたいと考えております。

金融審議会は該博な経験、あるいは色々な実務経験者、そういった方を集めさせていただきまして、専門的なご意見を伺おうと思っております。しかし同時に、やっぱり役所というのは政治主導が基本でございますから、そういった方々から色々なテーマによって分科会を作らせて頂いて、その都度、専門の方に入って頂くということになります。そういった機動的な、弾力的な運用もしていきたいというふうに思っております。

過去にあった社会保障制度審議会というものは、与野党の国会議員が何人か(委員として)入るのでございますが、20年近く前、私も入っていたことがございます。国土庁の政務次官になる前と、なった後でしたけれども、今から考えたら、あの審議会に入っても完全に役人ペースでございました。私もまだ若かったものですから、少々の国会議員が、審議で何を言ってもかわされて、何か変な話だけれども、筋書きができておりまして、何か糠に釘のような印象がありました。当時、与野党の国会議員、社会労働委員会関係の人が入っておられまして、私もそういった、実際政府の法律に基づいた社会保障制度審議会というものに入っておりました。後から、ここ近年の審議会というのは、役人の隠れ蓑だということがよく言われたわけでございますけれども、実際私もそれに近いようなことを経験しておりまして、当時、社会保障制度審議会というのは非常に権威のある審議会で、マッカーサーが作り、その審議会の下には厚生省と労働省があるという、構成上だけはそういうことでございましたから、非常に役所の上にある審議会だったのです。

その社会保障制度審議会の事務局長さんというのは、局長クラスの人がなるようなもので、権威だけはあったのですけれども、実態は自民党の部会・調査会で実のある論議をしていました。私はたまたま当時与党でしたから、政府の審議会と、当時の自民党・与党の部会・調査会の落差というのを非常に感じたことがございます。あれ以来、私自身も自戒いたしまして、今たまたま行政(機関)の長ですが、(審議会は)官僚機構の隠れ蓑になりがちでございますし、やっぱり審議会ですから、そういうふうにならないようにしたいと思っております。また審議会に有識者の方が非常に長くおられますと、それは一つの既得権のようになりまして、なかなか一つの政党、一つの役所の方も、対応に困るようなところもございます。そういった意味でも政権交代というのがありますと、古い方も大変貢献されてありがたいのですけれども、そういったことを機会に、(委員を)一新するといいますかリニューアルできるということも、私は政権交代のいい部分だと思っています。

そういった意味でも、今度の金融審議会は、委員の方は今までご苦労いただいた方には大変感謝いたしておりますけれども、少し新しい陣容にもさせていただいたわけでございます。

常に審議会というのは行政機関にあるわけですけれども、そのあり方に関しても、常に国民が、あるいはメディアの方々が、あるいは政治家がきちっと、心しておくべきテーマだというふうに私は思っております。

問)

もう一点、東京証券取引所が2011年度以降の早期上場を目指すというようなことらしいのですが、上場すると、国内の取引所の再編にもつながるでしょうし、あとは総合取引所の構想とも兼ね合いが出てくると思うのですが、このあたり金融担当大臣として、上場についてどういうふうに考えていらっしゃいますか。

答)

東証が年内にも株式を上場するという報道があるが如何にということだと思いますが、ご指摘の報道については、東京証券取引所より何ら公表があったとは承知しておりません。金融庁としてのコメントは差し控えさせて頂きます。なお、ご存じのように、金商法では、取引所、または取引所の持ち株会社が発行する株式を上場する場合には、金融庁当局の承認が必要となっておりまして、承認申請がなされた場合には、金融庁として適切な処理で対応してまいりたいというふうに思っております。

問)

金融円滑化法についてですが、今国会での延長法案の成立が遅れて、3月末で効果が切れることが心配されていますけれども、その効果が切れた場合にどんな影響が想定されるかということと、その効果がなくなる空白期間を作らないためにどういうことをなさるのかとか、空白期間になった場合、法的根拠はないけれども何かできることがあるのか、お考えがあれば教えてください。

答)

金融円滑化法案は、皆様方が国会質疑を聞いていただいても、いわゆる与党以外の党からも「ぜひ延長しろ」というふうな強い声が出ております。これは日切れ法案でございますが、延長に対して非常に積極的な野党もございますので、是非これは日切れで何とか通していただきたいということで、通らなかった場合のことについては視野にありません。まさにこういう状況でございますし、中小企業にとっては、まさに生命がかかっている話ですから、何が何でもこの法律は通そうと思っております。

ご存じのように、金融機関に対して(貸出)要件の変更(の依頼)が100万件以上ありまして、その件数の9割以上につきまして、金融機関が条件変更に応じているということがございまして、非常に効果があった法律でもございます。またこれは2年度末、2会計(年度)末といいますか、今年の3月31日までが期限でございますが、提出させていただいた行政(機関)の長として、非常に積極的に賛成していただいておる野党もございますから、何が何でもこれは成立をさせていただきたいというふうに思っておりまして、それから先のことは視野にございません。

中小企業は生き物でございます。なおかつ、金融機関が、しっかりとコンサルタント機能を目標にしていただきたいと(いうことでございます)。それから、提出される書類は2割カットしていいということも、申し上げております。そういった意味で、1年間の延長でございますが、デフレ脱却、不況脱却の大事な法律だと思っております。また中小企業団体からも非常に強いご支持をいただいておりますし、国会でも与野党に色々違いはありますが、野党の方でも非常に温かい、強いご指示、ご推薦をいただいておりますので、私の責任において3月31日まで全力を挙げて、何とか延長させていただきたいというふうに強く思っております。

問)

対策は結構なのですが、ただ、では、なぜ強い意思で通すのかということは、つまり影響がかなり出てしまうということですよね。

答)

効果があるということです。中小企業対策にリーマン・ショック以降の、非常に景気が低迷した状態において、この法律に効果があるということを、各種色々な東京だとか埼玉だとか、大阪、名古屋、福岡、北九州、仙台と、色々なところにヒアリングに行かせていただいて実感しましたし、実際そういった各地で、中小企業関係あるいは地域の金融機関からも色々と話を聞かせていただきました。確かに、金融の規律ということも非常に大事でございますけれども、同時にそこにも気をつけつつ、それ以上の効果が(金融円滑化法には)あるというふうに認識いたしております。

問)

影響をお願いします。

答)

影響があって、実際、中小企業の倒産数は減っております。そういった意味で、これは切れたときのことは、私の視野には今ありません。

問)

懸念される影響を先ほど来からお聞きしているのですけれども、お答えになっていただけないのですか。

答)

それは今答えるべき時ではないと思っています。やっぱり3月末まで全力を挙げるということが大事でして、今私がそういうことを申し上げるのは適当でないと思っています。各党・各会派のご協力をお願いしているところです。

問)

世界日報社の野村と申します。

今日の未明に予算案が衆議院を通過したわけですけれども、特例公債法案を含む(予算)関連法案の成立が相当絶望的な見通しになっておりますので、もしこのままいけば、いくら6月まで頑張ってやるのだというようなことを言っても、予算を執行できない状況がいずれ来るということは、もう国民誰もが分かっていることでありまして、そういうときに、公務員の給与が払えないとか、あるいは国民の年金が払えないとか、色々な問題が出まして、国民生活が大混乱するというような状況も想定される状況になってきておりますけれども、このあたりについて、自見大臣のご所見をお伺いできればと思います。

答)

確かに、与野党ねじれの状態でございまして、今の段階では今言われたような事情もあるのかなと思いますけれども、やはり私がこの前も申し上げましたように、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」というのが憲法の、前文の前文だと申し上げました。私も与党、野党、与党、野党、与党と(経験)しまして、やっぱり与党は与党でないと見えない世界がございますし、人の心があります。野党は野党でないと見えない世の中の風景といいますか、仕組み、人の心があります。しかし、全部これは日本人の心の多様性でございますし、ですから、私はそういう意味で、やっぱり日本国民として、政治の世界では与党、野党というふうに分かれていますけれども、そこら辺はぎりぎりのところになれば、例えば昔、北海道拓殖銀行が崩壊し、山一證券が崩壊した次の年、ちょうど小渕さんが総理大臣だったと思いますけれども、「金融国会」というのがございました。そんなこともございますから、我々はやっぱり状況を確かに注視せねばなりませんけれども、やっぱり状況を作り出すという、あるいはご理解をいただくということは非常に大事でございますから、それでしっかり努力をしていくということが、今の段階においては、やっぱり大事ではないかというふうに私は思っています。

問)

今日の未明に予算が通りまして、民主党から15人、16人ちょっと数字は分からないですが、分派化された方々が欠席をされたわけですけれども、これについてはどうお考えなのかと。

これは衆院で3分の2がとれないことが、ある種はっきりしたというような行動をとられているということになると思うのですが、郵政(改革)法案も含めて、衆院の3分の2で法案を通していくというような基本戦略を国民新党は持っておられたわけですけれども、あるいは郵政(改革)法案については大臣としてそういうお考えがあったのだろうと思うのですが、それが崩れたのではないかということについてどうお考えですか。

答)

(民主党から)15、16人の採決欠席についてですが、もう私は前々から申しておりますように、これは民主党の中の話ですから、基本的には私はあまりコメントを差し上げないということが私の基本でしたけれども、しかし同時に、これは政権政党でございますし、予算というのは非常に大事なことでございます。また政権与党、連立を組んだ民主党の中の話でございますから、基本的には他の政党の、特に連立を組んだ相手の政党のことについて、コメントするのは、政党人としての信義として、私の考えにそぐわないということを申し上げました。しかし、予算のことでございますから、今回政権与党の一員だった方々が、そういった行動をとられたということは非常に残念なことだと思っています。民主党の方は、ぜひ責任を自覚してやって頂きたいなというふうに、仲よくやって頂きたいなというふうに私は思っております。

それから、もう一点の質問は、小沢一郎さんが(民主党の)代表のときに、当時の国民新党の綿貫党首と共同会派を組んで、そして綿貫党首と小沢一郎さん、綿貫党首と福嶋瑞穂さん(社民党党首)で政策協定を結んで、プレスの前に公表いたしました。それから今度は、鳩山さんが(民主党)党首のときに、鳩山さんと亀井静香さんとが党首で3党合意を一昨年やりました。それから、去年の9月9日だったと思いますけれども、菅代表・総理とも3党合意は引き続き尊重すると、そして、郵政(改革)法案も速やかに成立するということを、党同士で約束しておりますから、私は民主党の中に色々なご意見があるということは承知しています。そこのところは、民主党の方とも色々とお話をさせて頂きましたが、皆さん方は、色々とお立場はあっても、やっぱりきちっと約束したことはやってやろうという気は、お持ちだというふうに信じています。

問)

私は、16人の分派された方々についてどうかということを伺っているので、民主党の執行部が連立の約束を違えるということを言い出しているわけではないわけです。

答)

だから、私が言いたいのは、我々もこういう議員ですから、全員とは言いませんけれども、色々な民主党の議員とも、国民新党全体としてお付き合いはございます。民主党の内部では色々な流れがあるのかもしれませんけれども、この郵政改革法案については、どういう流れの人が、例えばこの約束した法律に賛成だ、反対だというようなことは聞いておりませんという話なのです。

問)

(これから)聞かれるのですか。

答)

政治家ですから、色々お付き合いはあります。私だけのみならず国民新党の各議員もそうです。別にどっちだからこの法律はどうだ、こうだというのは、我々はその辺は非常に気を遣っております。

問)

郵政(グループ)の来年度事業について、計画が総務省の方に出ているそうで、先週末来、今日もいくつかの(新聞)社で載っていましたけれども、(郵便事業会社は)1,000億円の赤字ですか、一体どうなっているのだという感じもしますけれども、担当大臣としてはいかがですか。

答)

担当大臣は、これは総務大臣でございまして、郵政改革に関しては私が担当でございます。そのような報道があることは聞いておりますけれども、詳細については、昨日報告があったと聞いておりまして、詳細には承知いたしておりません。

しかし、以前から申し上げておりますように、郵政事業を小泉・竹中さんが5分社化いたしまして、郵便便数は262億通から57億通減って205億通、まさにピーク時から57億通減っておりまして、この郵貯残高は261兆円から85兆円減って、176兆円となっています。それからまた、保険の方は簡易保険でございますが、8,500万口から4,000万口減って約4,500万口というふうに減少いたしております。私は5分社化になって、非常に郵政事業の経営基盤が脆弱になったというふうに認識いたしております。やはり残念ながら、こういった問題が原因で、だんだん経営状態が厳しくなってくるということを一刻も早くこれから改善するために、今の3分社化、3事業一体、そして、この金融のサービスについても、ユニバーサル・サービスをかけさせて頂くという、今の郵政改革法案を一刻も早く(通したいと思っております)。また、この「郵政改革法案の棚ざらしは国益に反する」とまで書いていただいた一般紙もございまして、また地方紙でもそういった趣旨の社説を書いていただいております。5年前は非常に郵政民営化一色というような感じがございましたけれども、そういったところも、一般的に変わってきたというふうに認識いたしております。そういった意味で、1日も早く郵政改革法案を棚ざらしではなくて、きちんと通すことが、基本的な郵政事業の改善につながるというふうに確信をいたしております。

問)

大臣、今の言葉にちょっとびっくりしたのですけれども、「改革担当であってですね」とおっしゃったのですが、これは総務省に提出したものだということも、もちろん知っておりますけれども、大臣のもとに届かないのですか。改革する方向について重要な経営問題だと思うのですが、そんなに政府内で連絡は悪いのですか。

答)

昨日出したということは聞いております。今日、私の手元には届いておりません。やっぱり役所ですから、所掌というのはきちっとあります。

問)

それは、私は非常に意外です。

答)

現実でございますから、そこを考えながらやっております。しかし、全体的なことは、今私が言ったように、全体的な、具体的な数字がどうだこうだということよりも、私が今、大きな数字を申し上げましたように、非常に赤字になって厳しいと、赤字になりつつあって業績が非常に悪いということなのです。5分社化の弊害としてあるということは、きちっと認識をさせていただきます。

ゆえに国民新党は、郵政改革法案をきちっとやるということでございます。例えば私はこの前も言いましたように、郵便の遅配・誤配があって、郵便局長にクレームを言っても、郵便局長は郵便局会社の社員でございますから、郵便事業とは関係がなく、自分は全然関係がないということで、どうしようもないのです。

この前言ったように、例えば日立の社員が何か粗相をして、東芝の課長に文句を言っても、それは通じないように、建物は一つのようでございますが、5分社化されたものですから、全然別の会社であり、郵便局長さんに遅配・誤配があったといってクレームに行っても、それは郵便事業会社の話ですから、「私は申しわけございませんけれども、関係ございません。」という状況が、新聞の社説の中にも書いてありました。またこの郵便配達の方が、昔は3事業一体の総合担務でございまして、郵便、貯金、保険がやられたのです。今は郵便配達に行っても、例えば特に農村地帯、あるいは都市に住む独居老人が、お金を郵便貯金に預けてくれないかということを頼むと、以前は、それは総合担務ですからお金を扱えて、きちっと郵便貯金に入れることはできました。しかし、今はもう全然別会社でございますから、郵便事業会社の配達員は一切、貯金と保険とは関係ありませんし、それを厳しく日本郵政も禁止してありますから、それは一切できないということです。そんな弊害がもう至るところにあるのです。ですから、我々はそういう実態は、やっぱり改革せねばならないということは、3事業一体でやっていく必要があるというふうに思っております。

問)

東洋経済の浪川ですけれども、今大臣がおっしゃった、郵便の減少が民営化と同時に起きているという根拠は何なのですか。世界的にリーマン・ショックが起きて、世界的に郵便は減っているのですね。つまり、インターネットに移行するとか、そういうのが起きているのですけれども、例えば誤配が増えたというのも、亀井前大臣もおっしゃいました。でも、確認してみたら統計はないですよ。何か情緒的なのですよね、非常に。僕は民営化でも民営化でなくてもどちらでもいいですけれども、その理由が情緒的だった場合、次のことをやったとき、どうやってそれを解決するのかというのが、非常に問題だと思うのですが、そういう意味で、何か統計があるのかどうか、確認をお願いします。

答)

決して情緒的な話ではございません。極めて実際的、現実的な話だと私は思っております。

例えば私の地元は北九州市ですけれども、北九州市に芦屋(あしや)町でございます。ここは昔から集配特定郵便局といいまして、集配郵便局で15、6人いて、特定(郵便)局でありながら郵便を芦屋町内に配っていたのです。これは当然、土曜日、日曜日も営業しております。ところが、こういう集配特定局を合併によって全国で1,000廃止いたしました。その廃止された集配特定局があるのが、今私が言ったように、北九州市の隣の町である芦屋町なのです。

私は実際、その芦屋町の郵便局に行ってまいりました。そうしたら、もう芦屋町の人によると、以前、土曜日は芦屋町にある集配特定局がオープンしてあって、歩いて3分か5分くらいで郵便が出しに行けたとのことです。ところが、今はもう全然、芦屋町の郵便局は土曜日、日曜日は機能していません。また私は実際にそこに行ってみましたけれども、15、6人いた(郵便局員)が普通の営業でも3人しかいないのです。

そうしますと、その近くの、北九州市の八幡の大きな郵便局を利用しなければいけない。そこまで車で20分かかるのです。まさにちょうどそこに行ったら、おばあちゃんが来まして、私が誰か知らなかったと思うのですが、以前は大阪に行っている孫に物を送ってやるのに、大体自分の家から10分ぐらい歩いてきたら送れたのだけれども、今は息子も土曜日、日曜日も働いており車がないから、無理矢理息子に言って、結局(片道)20分、往復40分離れた北九州市の八幡の中央郵便局まで連れて行ってもらうと(言っておりました)。それで非常に不便になったということでございました。そのようなことは至るところにございます。

また、北九州中央郵便局に行ったときに、3人ほどの若い女性の方がおりまして、11時ごろに騒ぐのです。そこで「あなたたち、何で騒ぎよるの」と(聞くと)、「いや、私たちは、今日の5時から、新幹線で15分、20分ぐらいかけて北九州から福岡までコンサートを聞きに行く」と(いうことで、)コンサート代を3,000円か5,000円送ると、今までだったら、切符(コンサートチケット)が当然手元に届いていて、それを持って北九州から福岡まで行く予定だったけれども、郵便が早く届かないので、今日5時までに福岡市のコンサートを聞きに行かれないと言って、3人の女の子が来て騒いでおられるのです。

それからこの前は、沖縄から来た4人の沖縄県議会議員が、離島を控えた人が多いのですけれども、「まあ私たちはいっぱい、地域の方々から、どうしてこういう具合に近頃、遅配・誤配が増えたのですか」と、たくさんのクレームを頂くということでございます。

それから、統計がないという話でございますけれども、今は率直に、統計があるかないかは知りませんけれども、他のことで統計を止めたものが多いのです。国がしていた郵政の時代は、きっと統計をとっていたけれども、はっきり言えば利益になりませんから、最近統計を取り止めたということがあります。ですから、統計を出せといっても統計を止めたところも結構多いのです。そういったことで、必ずしも情緒的な話をしているわけではございません。

問)

すみません、大臣。お言葉を返しますけれども、誤配については、民営化前は、統計はなかったけれども、民営化後は社内管理としてはあるはずです。民営化したことによって、できた統計があるはずです。

答)

私はよく知っています。よく聞いてみましょう。

問)

お願いします。

答)

大変残念なことに、誤配・遅配は非常に大きくなっています。詳しいことは、またお話します。例えば、(誤配・遅配は)郵便を配達する人が、正規社員か非正規社員かによって(異なります。)それから皆さん方は東京におられるから、永田町1丁目、2丁目、3丁目できちっと表記されています。これはきちっと、明治以来の新しい地籍の土地の表示の仕方なのです。

私の北九州市でも、郊外に行くと土地の表示は、まだ明治時代のままなのです。そうしますと、明治以来からできた順番なので、全然法則性がないのです。字(あざ)なんとか23の隣が2だったり、65になったりとなっていて、正規社員が配りに行かないと、学生の非正規社員が配りに行っても配れないのです。私はそれを実際見ました。そういったところで、非常に合理化というか省力化で、第一線に誤配・遅配が多くなっています。

それから配達できるまでの時間がかかります。非正規社員で3年間ぐらいかかります。(かつては)その地域を郵便配達していただける方というのは、本当にプロ中のプロでした。例えば同じ名前でも、この人はもうこの階段のここだと、それくらいは大体知っていたものです。私が郵政大臣をしていた13年前ぐらいまでは、日本は、多分世界で一番正確な郵便だったと思っています。ありがとうございました。

(以上)

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