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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年3月15日(火)11時32分~12時00分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

私からは別にございません。

【質疑応答】

問)

先ほどの総理の会見でもあったのですが、福島原発で避難指示が広がっています。一方で、計画停電も首都圏の一部地域で始まったのですが、これが金融の決済システムであったり、取引所などの市場に与える影響は現時点で把握されているかということと、今後、何か影響を与える可能性があるかということを教えていただけますか。

答)

まず一点、計画停電による決済システムの影響如何にと、こういう話だと思います。これは昨日14日に、一部の地域において計画停電が実施されましたが、日銀ネット、それから全銀システム等の決済システムや金融商品取引所の機能には、格段問題は生じておりません。また、金融機関の営業店において混乱が生じたとの報告は受けておりません。

当庁としては、非常に大事でございますから、引き続き決済システム等が十分に機能を維持していくように適切に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

それからもう一点は、色々なことの影響があったのかもしれませんけれども、株式市場が大きく下落しているということだと思いますけれども、今後の株式市場の動向については、動揺することなく冷静に注視していく所存でございまして、関係者におかれましても冷静な対処をお願いしたいと思っております。

一般論になりますが、株価は様々な要因を背景に、投資家の需給等を反映して決定するものであって、当局としては、その変動要因等を特定するようなコメントは差し控えさせていただきたいと思います。自由主義市場における骨組み、枠組み、場所はきちんと政府の方が用意をさせて頂きますけれども、その内容については、コメントを差し控えさせていただくということは、自由主義経済における政府の役割だというふうに思っておりますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

問)

その株式市場は今日一時、9,000円割れということなのですけれども、今もおっしゃったのですが、昨日の段階では、与謝野(経済財政担当)大臣は「想定内だ」というようなお話をされていたようなのですが、今回の9,000円割れで600円ぐらい午前中は(株価が)落ちているのですが、この下げ幅について大臣はどういうふうにご覧になっていますか。

答)

動揺することなく冷静に注視していくということが必要だと思います。

それから、決済システムのところでございますが、もう一つ、つけ加えさせて頂きます。計画停電による今朝の決済システム等について、金融システムは、この影響についても鋭意調べているところでございますが、各取引所(東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、それから札幌証券取引所、福岡証券取引所)においては、午前9時時点で立会取引を開始したところだと確認をいたしました。そしてまた日本国債清算機関、日本証券クリアリング機構、証券保管振替機構、ほふりクリアリングについては、午前7時時点で業務を正常に開始したことを確認しております。

そしてまた、11時10分現在でございますけれども、各取引所においては、午前中の立会取引は問題なく終了したことを確認いたしております。今色々言いました清算機関、及び証券保管振替機構が正常に機能していることを確認いたしております。

問)

先ほどの原発の話でいうと、ちょっと事態は深刻になってきているかなというふうに感じるのですが、午後以降のそういうシステムなり取引所に関して、何か影響を与える可能性は現時点であるというふうにはご覧になっていますか。

答)

それは色々な投資家の方が考える話でございますし、私は所掌の金融(担当)大臣として、市場が正常に働くようにやっていく必要があると思います。特に、計画停電ということでございますので、各取引所、あるいは各金融機関の決済システムというのはコンピューターが多く用いられておりますので、そこら辺はきちんと、つかさつかさでやってくれまして、正常に働いたということでございます。

問)

もう一点、保険のことなのですけれども、この被害、特に被災地の被害がどんどん分かってくる中で、株式市場でも保険関係の株価は下落したりしています。

保険会社の経営とか、財務の健全性に対する懸念というのが高まっていると思うのですが、それに対する影響をどういうふうにご覧になっているかということと、あとこれは阪神大震災以上とも言われているのですけれども、保険金の支払い等がどのくらいになるかというような想定を現時点でお持ちだったら教えてください。

答)

今回の地震の被害について、現在、保険会社において現状の把握に努めているところでございまして、したがって、亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げると同時に、被害に遭われた方、災害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げますけれども、現段階では、具体的な被害の状況というのは、残念ながらまだ広がりを見せており、自衛隊、警察、消防、各自治体が一生懸命やって頂いております。三陸地方の自治体においては役所そのものが崩壊したようなところもございまして、具体的にまだ掴めていないところもございますが、そういうことがございますので、具体的に保険金の支払額や保険会社の経営への影響を申し上げることはできません。

いずれにいたしましても、生損保会社においては、当該地震に関連し被災した保険契約者に対して迅速な支払いを行うなど、契約者保護の観点に立った対応が重要であり、金融庁としても、しっかり監督をしてまいりたいというふうに思っております。

今回の地震による被害については、現在、損保会社から被災地への損害調査のための職員を派遣するなど状況の把握に努めているところでございまして、したがって、現時点で具体的な保険金の支払い額、保険会社の経営の影響を申し上げることはできませんが、しかしながら、今回の地震による被害の状況について、現在、生命保険会社も損害保険会社もその被害の把握に努めているところでございます。したがって、現時点では具体的な保険金の支払い額を申し上げることはできませんが、各保険会社に関していえば、適切な準備金や資本金等を有してございまして、保険金の支払いについて、直ちに保険会社の経営に深刻な影響があるとは考えておりません。

一例挙げますと、阪神・淡路大震災における生命保険会社の支払金が8,396件でございまして、金額にいたしまして483億円でございまして、生保会社46社でございますけれども、平成21年度の決算でも純利益が9,423億円出ておりますので、そういった意味でも、経営に直ちに深刻な影響があるというふうには考えておりません。

それから、損保のことについては、地震・津波を原因とする被害については、火災保険での支払いは免責とする一方、火災保険に附帯される地震保険でカバーすることになっております。こうした仕組みのもとで火災保険の約款においては、地震・津波等による被害については保険金を支払わない旨、明確に規定されており、災害死亡保険金(生命保険)とは事情が異なるというふうに認識をいたしております。

ご存じのように、これは地震保険というのは国家が再保険をしておりますので、そういった意味でも利用者保護の立場に立って、きちんとやっていけるというふうに私は認識をいたしております。

問)

世界日報社の野村でございます。いつもお世話になっております。

災害の復旧のための補正予算の編成が言われておりますけれども、その財源として、増税とか、あるいは歳出抑制というようなことも報道されておられると感じておりますけれども、こういうときこそ、やはり建設国債を中心とした国債の発行、あるいは特別会計の埋蔵金とか、外為特会(特別会計)には、かなりの米国債保有があるようでございますけれども、そういったものを勘案しながら、できるだけ国民の負担が最小限に抑えられるような形での財源を捻出する必要があるかと思います。この点について、大臣のご所見をお聞きしたいと思います。

答)

貴重なご意見ありがとうございました。しっかり胸におさめさせていただきます。

しかし、具体的な話としては、ご存じのように、たしか302億円だったと思いますけれども、昨日の閣議了解で国から支出をいたしまして、こういう事態ですから、食料品だとか水だとか、そういったものが各自治体で不足いたしておりまして、自治体によっては、今さっき言ったように、市町村においては、もうこの役場自身がなくなったようなところもあるわけですから、これは非常に異例のことでございますけれども、国家にとって一番人命救助というのは大事でございますし、人命には代えられないということで、全額を国の負担で、昨日302億円だったと思いますが支出することを(閣議)決定いたしました。これは地方の負担がありません。

こういった1000年に一遍とも言われます大地震、大津波でございますから、従来の慣例も色々ありますけれども、そういったことにとらわれず人命救助にまず全力を挙げてやっているということが必要だと、政治家として私はそう思っております。ですから何が一番大事かということを間違いないように、しっかり政治活動をやっていきたいと思っております。

問)

保険毎日新聞の園田です。

生保協会が、商品の免責の不適用事項というのを昨日発表したようなのですけれども、それについてのご見解をお願いします。

答)

分かりました。

生保協会が、昨日、「地震による免責条項等の不適用の検討」を行うことを決議したことは承知をいたしておりまして、また、既に主要生命保険会社等において、こうした方針をみずから発表したところでございます。

3月11日でございますが、金融担当大臣の名前と日本銀行総裁の白川方明総裁の名前で、今回の東北地方太平洋沿岸沖地震において被害を受けられた方に、全金融機関に対しまして要請をさせていただきました。その中に銀行、信用金庫、信用組合等、それから証券会社、生命保険会社、損保会社及び少額短期保険会社への要請、それから火災共済協同組合等への要請をさせていただきました。この要請に従って、13日もかなりの金融機関が営業をしていただきまして、預金証書、あるいは通帳を消失した場合でも、主に運転免許で預金者であることを確認した金融機関が多いようでございます。また払い戻しの届け出の印鑑がない場合でも、拇印にて応じることということのお願いを私と白川総裁でやらせていただいたわけでございました。そういったこともございまして、それからこれは多くの金融機関は10万円ということを限度に払い戻しをさせていただいたわけでございます。聞くところによると、もうかなりの金融機関にご協力いただいております。

生保も生保協会も、こういった大きな動きの中で主要生保会社等の動きをはじめ、今回の生保協会の決議は、生保業界が保険契約者保護の観点から、約款の規定の範囲内で、できる限り柔軟な対応をとろうとしているものであり、私は大変ありがたいと評価をいたしております。

問)

今日、株価の下落がかなり急速でして、先物もかなり下げているようです。こういう非常事態の状況で、このまま市場を開けているのが正しい選択なのかという観点もあると思います。大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

私は今さっきから言いましたように、市場は開けておりますし、それから株式市場は下落をしておりますが、今後の株式市場の動向について、動揺することなく冷静に注視していくことが大事でございまして、関係者におかれましても、冷静に対応することをお願いしたいと思います。

もう当たり前のことでございますけれども、株価は様々な要因を背景に、投資家の需給等を反映して決定するものであり、当局として、その変動要因を特定するようなコメントは差し控えさせていただきたいし、一喜一憂することなく、きちんと私は担当大臣として動揺することなく、冷静に注視していく必要があるというふうに思っております。

問)

冷静に対応してくれると思いますか。

答)

私が冷静に注視をしていくということです。投資家の方は、当然、色々な要因で動かれると思っております。

問)

今の質問に関連しまして、今日の午後、あるいは明日も市場は開いていくということでよろしいのですか。

答)

当然、開いていきます。

問)

東洋経済の浪川です。

計画停電にかかわる決済システムの影響は何もないというのは理解できました。そうではなくて、震災による影響という意味において、これだけ広域の地域が甚大な被害を受けた中で、地域の中小金融機関が事実上、全体が壊滅してしまったような例という報告はないでしょうか。

答)

3月14日、月曜日の時点で確認できたところによりますと、東北6県及び茨城県に本店のある72金融機関の営業店舗数、約2,700店舗のうち1割強に相当する280の営業店が閉鎖され、また相当数のATMが停止している状況にございます。

その他9割弱の営業店は平常どおり営業を行っております。こういった状況を受けて、各金融機関においては、営業を継続している店舗において、預金の払戻し等の顧客対応を行う等、顧客利便の確保を図る観点から、できる限りの対応を行っているところでございます。またそういう意味で、外国の新聞では、日本人がこういう危機においても非常に冷静に対応しているということを高く評価しているとの外国の報道もあると仄聞(そくぶん)しております。9割弱の営業店が平常どおり、非常に冷静にやっていただいて、担当大臣としては、非常にありがたいことだというふうに思っております。

問)

ということは、今の大臣のご説明ですと、要するに営業店ではなくて金融機関が本部機能を失ってしまって、全体が機能しなくなってしまったというような、例えば信金でも農協でも信組でも、そのようなこと自体は発生していないという理解でよろしいですか。

答)

途中まででしたが、この前の日曜日、2つ、3つだけ何か連絡がつかない信用金庫があるやに聞きました。

だけれども、72金融機関の営業店2,700店舗のうち、営業店を閉鎖したのが280店舗ございまして、(残りの)9割弱の営業店の社員の方は、率直に申し上げて、ご家族の安否だとか、そういったことも非常に不安を抱えておられる方がおられるのです。そういう報告も受けています。それにもかかわらず、金融が持っている公共性・公益性を考えて、こういう時でも、9割弱の店舗が開いているということは、金融(担当)大臣として、本当にありがたいことだと思います。

問)

保険銀行日報、片岡と申します。

先ほど大臣もおっしゃったのですが、今回の地震・津波の被災者に対して金融庁が11日付で、各金融機関に適切な金融上の措置をとるような要請をしたということなのですが、今後、各金融機関の対応について、大臣から何か要望するようなこと、期待するようなことがありましたらお願いします。

答)

この災害が起きてまだ日にちがたっていないわけですから、まず政府としては、当面、人命救助ということが一番ですし、それと同時に、色々な生活資金といいますか、10万円までは免許証を持っていけば、引き出すことができ、これはゆうちょ銀行では、確か20万円まで引き出せるとの報告を受けていますけれども、こういった要請を踏まえて非常に冷静に対処していただいております。

今さっき言いましたように、私と日本銀行総裁の連名で、この関係金融機関に対して、被災者の便宜を考慮した適時適切な措置を講ずるように、金融上の措置を要請したわけでございますけれども、こうした要請も踏まえて、各金融機関においては、この前の日曜日、休日営業等に積極的に取り組んでいただきたいとお願いをしたら、9割弱の営業店がやっていただいたという話をしたわけでございます。そして、また今申し上げましたように、繰り返しになりますけれども、預金証書、通帳等を消失した場合でも、預金者であることを確認して、預金の支払いに応じていただいたわけでございます。またさらに、被災された顧客からの新規融資や既存の借入金等に関する相談に柔軟に対応している等、被災者の便宜を考慮した対応がなされているものと承知をいたしております。また金融機関におきましては、金曜日に(地震が)起きたわけでございますが、中小企業金融円滑化法案も出しましたし、それこそ1000年に一遍の津波でございますから、色々な地域の方々や与野党ともその辺は合意をして頂いたやには聞いております。こういった被害の復興に対して、また色々な適時適切な金融上の措置を、きちんと地域の声も聞きながら、また都道府県知事、あるいは市町村、それから特にこういうときは中小企業団体だとか、そういった声をしっかり聞きながら、各金融機関にも本当にご努力いただいておりますし、ご協力いただいておりますけれども、引き続き金融庁としても、しっかり適切な対応に努めてまいりたいというふうに思っております。

問)

連絡がとれない信用金庫があるというお話でしたが、今どうなっているのでしょうか。

答)

今、まだちょっと聞いていないのです。

問)

その預金者等への影響というのは、いかがですか。

答)

先日、片山総務大臣とお会いした時に、飛行機で(被災地の陸前高田市や大船渡市を)見たら、鉄筋の建物以外何もなく、本当にもう想像を絶することだと、こう言っておられました。今日言いませんでしたが、郵便局も、もう全く形も姿もなくなっているところもあるのです。私は郵政改革(担当)大臣でもございますから、そういったところは、連絡もつかないどころか全壊しておりますし、倒壊したようなところもございます。そこは一昨日ですか、社長さんが来られましたけれども、全く連絡がつかないのです。今そういったことで、連絡がつかないという状況がございますから、今後十分に、本当に誠意を持って、引き続きしっかりフォローアップするように指示を果たしております。

問)

その連絡がつかない信用金庫はどこですか。

答)

今、名前が手元にありませんから、後から事務方を通じてお伝えします。

(会見終了後に確認したところ、地震発生後、岩手県・宮城県下の3信用金庫について、連絡がとれていなかったが13日(日)中には、これらの信用金庫すべてに連絡がとれていることが判明。)

(以上)

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