英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年4月19日(火)9時51分~10時29分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

先週土曜日でございますが、東日本大震災の被災地の実情把握及び金融機関との意見交換を行うために、仙台市及び石巻市に出張してまいりました。仙台市においては、地元金融機関の代表者の方々より被災状況について色々なご説明を受けたり、また意見交換を行うなどさせていただきました。

また、宮城県で一番大きい都市が仙台市で100万人ぐらいでございますが、石巻市は、人口16万人で、(宮城県で)2番目に大きな市でございます。石巻市においては、被災された信用金庫、信用組合、特にここには石巻商工信用組合というのがございます。東北6県と茨城県に72の金融機関がございまして、2,700の地方銀行の本店、あるいは営業所、支店がございましたが、実は4日間、最後まで、安否の確認ができなかったところが石巻商工信用組合でございました。4日ぶりに分かったのですが、(全体で)確か12店舗あるうち、9店舗で営業していただいておりまして、うち2店舗は電気が通じていたのですが、7店舗電気が通じていないという状況でした。(そのような状況の中でも)実は10万円までの仮払いといいますか、そういったことをしていただいたところでございました。そのような訳で、この石巻商工信用組合に行かせていただきました。また同時に、石巻郵便局にも行きまして、そこは、宮城県第二の都市の郵便局でございますが、結構規模の大きな郵便局でございます。そこを視察して、その代表者の方々と意見交換を行ったところでございます。

日本郵政グループといたしましては、今はまだグループ全体で59人の方が亡くなられたり、行方不明でございます。私の聞いたところによれば、NTTとかJRとか色々な組織がございますけれども、単一の組織としては、一番たくさんの方が死亡、あるいは行方不明ということでございました。それはもう皆様方ご存じのように、郵便局は確か、東北6県では1,930あるのです。郵便局というのは(全国に)2万4,600(箇所)ございますが、局長1人と局員の方1人の郵便局を2人局と申します。それから、局長1人と局員が2人、これは3人局と言いますが、(全国で)このような2人局、3人局が約半分ございまして、特にこの三陸地方の町や村というのは、もうかなり2人局、3人局が多くございます。

ちょっと以前ですけれども、(三井)住友銀行東北支店というのは、実は東北6県で仙台市にしか支店がなかったわけでございまして、これは西川さんが社長のとき私も直接聞きました。今は二つあるようですけれども、長らく天下の(三井)住友銀行東北支店といいますのは、東北6県に仙台だけにしかないということでございまして、私は何回か銀行というものと郵便局というのは、非常にビジネスモデルが違うのだということを申し上げたことがございますが、こういったところを見ても、やっぱり生い立ち、それから果たす機能が非常に違います。逆に(郵便局は)ユニバーサル・サービスで、あらゆる町村にございましたから、リアス式海岸の奥に津波が来まして一命を落とした方が大変多いということでございまして、私、郵政改革(担当)大臣としましても、本当に胸が痛む思いでございました。そういった中で、黙々と使命を果たしていただいておりました。そういう方々と意見を交換したところでございます。

それから、地元の金融機関です。これも被災されておりまして、七十七銀行女川支店は全部、支店も従業員も流されたということで、確か15人のうち2人だけお助かりになられたということでございますけれども、(その他の)13人は、七十七銀行女川支店ごと流されたという話も頭取から聞かせていただきました。本当に今度の地震というのは千年に一遍の地震だと、マグニチュード9だという話を言う方もおられますけれども、いかに今度の地震が想像を絶するような被害をこの地域に与えているという印象を受けました。

また、意見交換の中では、地元金融機関より、国及び政府系金融機関の支援、信用保証制度、これはぜひ別枠にしてくれというような強い要望がございましたが、拡充等についてご要望がございました。今後、金融庁といたしましても、金融機能強化法の改正をはじめ、必要な政策を私が申し上げております、非常時には非常時のものの考え方があるということをこの前から申しておりますけれども、私も金融庁をあずからせていただいている政治家でございますから、やはり平和なときといいますか、きちっと経済活動が滞りなくいっているときと、まさに千年に一遍の大津波が来たときは、特に被災地に関しては、きちっと有事には有事の考え方があるということで、金融機能強化法の改正を鋭意、できるだけ早く今国会に出そうということで金融庁(の事務方にも)頑張っていただいていますが、最大限、官民ともに努力していただいて、しっかり本当に責任を果たさせていただかなければ、私自身の気持ちとしても、2万人以上の方が津波の中で命を落とされたわけでございますから、申しわけないというふうな気持ちで東北を後にさせていただいたわけでございます。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

今のお話と若干重複するのですが、昨日のことですが、仙台市の七十七銀行が金融機能強化法に基づく公的資金の申請に向けて検討を始めるという発表をしました。それについてのお話と、それから今後こういう動きがどのように広がっていくのか、それに金融庁がどのように対応していくのかということについてお願いいたします。

答)

七十七銀行のことについてのご質問でございますが、昨日、4月18日でございますが、七十七銀行が23年3月期の業績予想を修正するということで、当期純利益150億円をマイナス300億円にするとともに、金融機能強化法に基づく国の資本参加の申請に向け検討を開始する旨、公表したことは承知をいたしております。

七十七銀行というのは、もうご存じのように、確か東北地方では一番、預金量が多い地方銀行でございます。資本政策は金融機関の経営判断に関することでございますが、本件、金融機能強化法に基づく国の資本参加の申請に向けた検討は、地域とともにある金融機関としては、震災、復興に向けて金融仲介機能を発揮していくことが最も優先すべき課題であるというふうに認識して頂いているものと思いますので、同行、七十七銀行が地域社会・経済の復興、発展に貢献していくためのものと承知いたしております。金融庁といたしましては、取組みを高く評価したいというふうに思っております。

当庁といたしましても、金融機能強化法に基づく国の資本参加に関わる同行の相談等に積極的、かつ前向きに応じていくとともに、申請がなされた場合には、当然今さっき言いましたように、これは民間金融機関でございますから、ご判断されるのは民間の経営者でございますけれども、法令に則り迅速な審査を進めていきたいというふうに思っております。

問)

今の国会に提案されています金融商品取引法の改正についてなのですが、野党から修正の動きなども出ているようです。(公認)会計士制度なども含めて今後どのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。

答)

公認会計士法の一部改正を含む金融商品取引法の一部改正案につきましては、3月11日に閣議決定をいたしまして、4月1日に国会に提出させていただいたところでございます。今ご指摘のとおり、法案の修正ということは、私は行政府でございますから、立法府がお決めになられることで、立法府において議論される事柄でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

問)

今朝、震災目的の消費税を3%増税するという報道が新聞でありましたけれども、閣内でも、政府内でも震災のための対策としての消費税増税を検討されていると思うのですけれども、国民新党の亀井代表は、消費税増税には反対という立場だったと思うのですが、現時点で国民新党としては、震災目的の消費税増税についてはどうお考えなのでしょうか。

答)

その話は、私はいつも申し上げますけれども、国民新党の亀井代表は必ず議員総会の後、定例記者会見を開いておりますので、そちらのほうで聞いていただきたいというふうに思っております。

閣議等々では、そういった話は一切、それから閣僚懇でも、そういう話は出ておりません。

問)

大臣のお考えはどうですか。

答)

私は、今一生懸命、亀井党首、あるいは下地幹事長、亀井亜紀子政調会長が、連立与党同士ですから非常に熱心に色々話をいたしておるようでございまして、確かあれは1週間に1回か、1ヶ月に1回か、必ず定期的に話し合うというようなことも決めたようでございますし、そういった中で、亀井党首と総理とよく話をしておられるようですから、そこら辺で色々なご意見が出ておるのではないかというふうに思っております。

問)

(通信)文化新報の古田です。

先ほど大臣から石巻郵便局を視察されたというお話が出たのですが、正確には石巻局と、それから日本郵便の石巻支店ということになりますか。

答)

そこは大変大事なところでございまして、5分社化しましたので、ここに行きましたら、日本郵便の支店長と、郵便局長がおられまして、もうよくご存じのように、郵便局の局長というのは、郵便局会社の支店の責任者です。それと郵便事業会社(日本郵便)の支店長という方がおられまして、カバーしている範囲が石巻郵便局よりも(広く)、あの辺は地域の、昔で言う集配特定郵便局を、7、8か所統括しているのです。

ちょっと話してみますと、石巻郵便局は津波の影響を受けて6日間は営業ができなかったと。これは1階は水につかりまして、手作業で窓口業務を再開してきたものの、津波の爪跡が生々しく残っておりました。

郵便事業会社では、局舎の2階に郵便の作業スペースを設けて、地域の方々にお届けする郵便物の区分作業などを行っておりまして、かなりのところでソーターという機械で分けるのがありますが、(これは)何十年か前の郵便はそうでしたけれども、手作業でやっておられました。バイクも車も使えなくなって、また郵便局会社のバイクと郵便事業会社のバイクとあるのです。そうしますと、周りは瓦礫ですから、もう四輪車は使えないということで、主に残った自転車で回ろうということで、自転車で配達に回ると。いまだに続く余震が結構あります。それから、物資不足など厳しい環境の中で、私はこの前お話ししたと思いますが、職員の皆さんは、郵便を配るのは我々の任務だと、任務を果たせば非常に感謝されるということをこの前私は申し上げたと思いますけれども、やっぱりこういうときですから、東京とか大阪の親戚とか友人からはがきや手紙が来るということは、非常に喜ばれるということでございまして、みずから被災所におられる方もたくさんおられると思います。私も被災所へお見舞いに行ってきましたけれども、みずからも結構、郵便局の方は当然地域の方ですから、家が流されたとか、それから中には家族がまだ行方不明だとか、親御さんが行方不明という方も結構おられるのです。そんなことにもかかわらず、非常に士気高く業務に当たっておられたことが、私は非常に感銘いたしました。

それからもう一件、今度、被災地の湊小学校という小学校がありまして、そこが実は移動郵便局、車に「郵便局」と書いた赤いバスでございますが、その前に移動郵便局を設置しておりましたので、そこを視察させていただきました。

グラウンドの一角に置かれた移動郵便局には、郵便の転居先を出される方、郵便貯金通帳の再発行手続の相談をされる方など、非常にたくさんの方がおられました。続々と訪れまして、私も利用者の方々と話をしましたが、郵便配達であるとか郵便局の車を見ると、やっぱり日本人はほっとするのです。そういうことを感じました。やっぱりそんな中でも、郵便事業は大変困難な中でも維持されていることに、私は感銘を受けました。

それから、石巻郵便局で色々関係の方々に話を聞いたら、やっぱり郵便局というのは、明治以来、郵便を配るとか郵便貯金のことだとか簡保だって、これはもう長い間、局長が一番上の管理者でございました。今度は今さっき言いましたように、郵便局長と郵便事業会社の支店長、場合によっては、ゆうちょ銀行の支店長、かんぽ生命の支店長が同格なのです。そうなりますと実際の話、復旧の過程で非常にやりにくかったと言っていました。今は、(立場が)同列ですが、今までなら、当然非常時ですから、郵便局員に指示できるのですが、(今は、それが出来ないので)非常にやりにくかったと、それは現実に声として、言っていました。

一例を言いますと、郵便局のバイクが今さっき言いました郵便局のバイク、これは郵便局長の指示のもとで機動的に対応しなければいけないのですけれども、郵便事業会社のバイクもあるわけです。だから結局、郵便事業会社のバイクはいっぱい流されて、郵便局会社のバイクを使わなければいけないわけです。しかし、ほかの会社のものを勝手に使うというのはいけませんから、それでもう1日、当然調整が要るわけです。

前の郵便局長は、(一言指示すれば)よかったですけれども、そんなことが非常にやりにくかったというようなことを言っております。私は色々お立場ある人もおると思いますが、5分社化ということは3事業を一体で行わないと、特に非常に非効率的だというよりも、これは利用される方のほうが、むしろ戸惑っているようなところもあります。これは実は前に、日本郵政の本社に、亡くなられた方がおられて、私は本社の社長をはじめ、お悔やみとお見舞いに行きました。そのときも、まだご存じのように、移動郵便車というのは郵便局会社と郵便事業会社が二つ持っているのです。郵便事業会社の移動郵便車が行きましても、郵便しかできないのです。そうしたら、みんなそんなことは知りませんから、郵便局は20万円までお金を仮払いしてくれると思って、来るというのです。しかしそれは郵便局会社の者(の管轄だから)、そういうことはできないわけです。もうお金を扱ったら、銀行法上というか銀行代理業務の会社ではございませんから、これは違反なのです。

そういったことがあって、結局色々中で考えて、郵便局会社に一応郵便事業会社の移動郵便局を貸すということにして、郵便局会社では代理業務ができますから、そんな便法を使っております。確かにこんな大災害が出てきたときに、5分社化の矛盾が、本当に第一線において噴出しているなと、私は担当大臣として、きちっと公平な目で見させていただいても、そういう矛盾点を感じました。

やっぱり国民のための郵便局だし、ましてやこういう被災に遭われた方々は、もう何が何でも救わせていただくというのが一番政治の大事な任務ですから、そういった意味で、私は郵政改革法案を出させていただいている大臣でございますけれども、大震災、大災害、それからまさにリアス式海岸の町や村に全部郵便局があって、59人もグループ全体で死亡、不明が出ておられるということですから、何が何でも、これは色々な各党、各会派のお立場、流れがあるということも、それはよく分かっていますけれども(法案を通したいと思っております)。

それからもう一点は、長い間、郵便局長はその地域の人脈があるのです。そうしますと、東北は、今色々な考えによって、復旧・復興せねばなりませんけれども、やっぱりハードはできても、結局は人間ですからソフトなのです。やっぱり人と人とのつながり、そういったことが非常に大事だし、またあの地域はそういったことを非常に大事にしています。

今さっき私は言いましたけれども、石巻商工信用組合に行ったといいました。そうしたら、そのときにちょうど10人の新入生の研修をしておったらしいのです。そうしたら、どんと津波が来て、その商工組合の新入社員10人は3階にいたのでよかったのです。2階までには、船が突き刺さったり、どうにかなって、もう2階以下こんなになったのです。3階でみんな何時間か孤立したから、結局4日間ほど連絡がとれなかったのだと、そのときには理事長が言っておられました。その10人の研修生は、新入社員ですよ、実に冷静、沈着だったということを非常に褒めておられました。

だから、日本人というのはああいうとき、本当にこのことが妙に、諸外国からそういう厳しい中でもきちっと分かち合って、秩序を保って大災害に耐えているということは、外国に大変感銘を与えていると思っておりますし、それがG20の結果にも大変大きく反映していると思っています。まさにそういったとき、そういった一人ひとりの行動といいますか、そういった温もりといいますか、地域のつながりといいますか、絆といいますか、それがやっぱり社会の中で非常に大事だということを、私自身そういう考えの政治家でございますが、そんなことを改めて、東北地方は大変な被災に遭っておりまして、本当に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますけれども、そんなことも大変強く感じさせていただきました。

問)

東洋経済の浪川です。

金融機能強化法の公的資金の問題なのですが、今回は、大臣は経営責任を問わないということをおっしゃっていますね。

答)

そうですね。

問)

「経営責任を問わない」という意味を、もっと具体的に教えていただきたいのですが、公的資金を金融機関が全額毀損してしまったという場合でも、経営責任は問わないと(いうことですか)。

答)

今現在の金融機能強化法は、2回目だと思います。15年くらい前に、住専(の破綻処理に)6,850億円の公的資金を入れたときに、国会がございました。北海道拓殖銀行や山一証券の崩壊の前年の国会でしたけれども、非常に国会が荒れまして、国民から大変お叱りをいただきまして、大変苦しかった思い出がございます。そういった後(2004年)にできた金融機能強化法でしたから、やっぱり経営者の責任を厳しく追求しようというのが第1回目の金融機能強化法でした。これは時限立法でございまして、これは(期限が)切れました。

今度は、今リーマン・ショックのとき、これは麻生内閣のときに提出した(改正)法でございまして、以前よりは経営責任をそれほど厳しく問わないと。しかし、効率性、目標をきちっと掲げて、それを達成するようにという条項があったと思いますが、それが今の法律だと思いますが、私が先々週の金曜日に申し上げたように、今回の背景は天災ですから、一生懸命経営しておられても、津波が来て、七十七銀行でも女川支店は全部流れ、12人の方がおられなくなったというのです。

そして、石巻信用金庫でも、(死亡又は行方不明の2名の社員のうち)1人の管理職の方が、親族を家に置いているということで、もう大変強く理事長さんは止めたらしいのです、「もう行ったらだめだと、危ない。津波が来るから」と。だけれども、それを振り切って家に帰られたらしいのですが、自分の親族は、近くの人が誘導して安全なところに避難しておったらしいのですけれども、その管理職は今でも行方不明なのです。

そんなことが、金融機関でもどんどん起きておりますから、私はそういうことが起きておりながら店を開いていただいて、金融機関というのは経済の、まさに血液だということを私は申し上げておりますが、そして、中小の健全な金融機関がなければ健全な企業は成り立たないと、健全な金融機関がなければ自由主義経済は成り立たないということを時々申しておりますけれども、今度の場合は、これは大変厳しく不良債権の問題等々ございましたから、金融規律ということも、当然、預金というのは借りてきた人様のお金でございますから、それをきちっと管理させていただく(ということです)。

特に今回は2年前のリーマン・ショックで、一昨年はアメリカを中心にイギリス等々、大き過ぎてつぶせない銀行というのは今でも大きな問題になっております。それから納税者の税金を使うということに関しまして、非常にアメリカ、イギリスを中心に大変厳しい批判もあるわけでございます。そういった中で、今回は津波でございますから、私は経営者の経営努力を超えて、まさにこれはもう国難だと思っていますので、やはりそこは、私は経営者の経営努力は問わないということを言いました。

同時に、これは今さっき言いましたように、金融規律ということも大事でございますから、そこら辺は、新しい金融機能強化法(成立に向けて)金融庁は一生懸命やっておりますし、これは与党の政調会にも今度の法律は出すということ、届け出たということをこの前から申し上げております。一生懸命、今鋭意できるだけ実際に即して、できるだけ被災した企業を救いたい、あるいは被災地の方々の、経営者の夢を挫かないといいますか、この前、私は金融機能強化法で経営者の責任を問わないということで、先々週の金曜日に言って被災地に行きましたら、非常に褒めておられる方がいました。要するに、自分たちは折れかけたと。だけれども、ああいったふうに皆さん方に報道していただいたので、あれからまたやる気が出たというか、やる気になったということを実際私は聞きました。

ですから、我々は国の行政を預からせていただいている人間の責任と影響力の大きさというのを改めて感じました。そういった中で、今回はまず被災地の再興、再建、当然資金需要は増えてまいりますから、金融機関の自己資本を増やせば、貸し出し余力が増えるわけですから、まずそこを優先してやっていくと。同時に、いまさっき言いましたように、金融機関でございますから、金融規律をきちっと見ながらやっていくと(いうことです)。

同時に、民間金融機関というのは、やっぱり一定の、こういう場合は限界がございますのも事実でございまして、政府系の金融機関、あるいは公的金融機関、これだと例えば長期固定金利、非常に超低金利の固定金利、あるいは場合によっては無利子据え置きということも政策金融はできるわけですから、そういったことと相まって、やっぱり民間金融機関が出ていき、一番力強いのは民間金融機関、民間企業だけでやっていけるようになれば、これはもう本当にしめたものでございます。工場も家も全部なくなっているというところでございますから、例えば港の復興とか言えば、いち早く、ほとんど国のお金で復興しないと港なんて復興できませんし、地方自治体に少し負担しろというのは従来の枠組みでしたけれども、それは平和な時代の枠組みで、もう県だとか市だとか町村、町村によっては、その機能を喪失したところもありますし、だから、そういったことを含めて、そしてまた信用保証制度と相まって、多彩な政策をケース・バイ・ケース、地域、地域によって、きちっと最適な政策を当てはめることによって、全体として、この被災地の復興を成していきたいというふうに思っております。

問)

確認です。自己規律が必要であるという大臣のご発言はとてもよく分かるのですが、自己規律を保った上であれば、公的資金が一部でも、棄損しても、それはそれほど問題にしないという理解でよろしいですね。

答)

ご存じのように、私は誤解のないように申し上げておきますが、七十七銀行も自己資本比率は、たしか今13%だったと思います。非常に、(国内業務に特化した銀行における自己資本比率規制は)4%ですから極めて自己資本はたくさん持っておられるのです。この前も数字を出して言いましたが、日本の地方銀行、あるいは信用金庫、信用組合も十数%以上の自己資本を今でも持っていますし、七十七銀行も13%の自己資本を持っておりますから、今どうこうという話ではないのです。だけれども、将来、今は完全に大丈夫だ、安心なのですけれども、将来貸し出している中小企業が、今はまだ査定もできないところもございますし、そんなことになると、いろいろなことが想定されるわけでございますので、私は今から公的資金を棄損するといった仮定の話は、あまりすべきではないと思うし、金融機関ですから当然それは基本であります。しかし、そういうことも大事ですけれども、それはきちっと視野の中には入れておきますけれども、やはりまず、今は復興することが大事です。政治には、有事は有事の話があると言いましたけれども、やっぱり今、有事の話できちっと復興するのに、如何に有利かということを考えていくことが、私は大事だと思っております。

当然、民間金融機関ですから、ベースには金融規律の問題がありますけれども、今それをあまり言いますと、みんな、それは終わるのも金融機関ですからあります。しかし、あまり私が言いますと、みんな萎縮してしまうのです。今は(東北地方全体が)本当に折れかかっているのです。

問)

大臣、誤解をなさらないように、僕は棄損してもいいと思って質問しているのです。

答)

(新しい金融機能強化法の)スキームを今一生懸命考えていただいております。

問)

もう一度、公的資金の確認なのですけれども、七十七(銀行)の公的資金の申請について高く評価すると、仙台銀行と同じ評価だと思います。被災地の地方銀行、そのほか金融機関、ほかにもありますけれども、ほかの金融機関に対してはどういう姿勢でこれに臨んでもらいたいと思っていらっしゃいますか。

答)

これはもう、それはあくまで金融機能強化法という法律があるわけですから、これは12兆円入れるという話でございましたが、今は3,600億円ぐらい扱っておりますから、まだ残り11兆6,000億円ぐらいあると思います。金融機能強化法の活用を含めて、資本政策というのは、私は何度も申し上げておりますように、民間の金融機関ですから、個別の金融機関の経営者が色々判断することでございまして、当庁としては予断を持って申し上げることは差し控えたいと思います。しかし、そういう判断をしてこられれば、金融庁としては相談に積極的に、かつ前向きに応じてまいりたいということは、一切変わっておりません。

問)

今最初におっしゃったように、でも枠は11兆円以上あるわけだから、やっぱり積極的に活用してほしいという思いはあるということですか。

答)

それは、基本的に個々の経営者が判断することですけれども、しかし、向こう(金融機関)が手を挙げてくれば、今言いましたように、まだ11兆6,000億円ぐらい枠がございますから、そういった意味で、もし相談に来られれば積極的、かつ前向きに応じていきたいというふうに思っております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る