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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年5月24日(火) 8時41分~8時55分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日、閣僚懇で(被災者の)二重ローン・二重債務の問題で、今各委員会で大変頻繁に議題に出ておりますので、これを内閣全体として取り組むということでございますから、しっかりやってくれということを強く総理、官房長官に申し上げておきました。

【質疑応答】

問)

今の二重ローンの問題ですけれども、政府全体ではあるかもしれませんが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいのですが、被災企業と被災者がそれぞれ既存ローンと新規ローンを抱えていて、それで元本返済と利子返済をそれぞれ必要とするわけですけれども、それぞれの部分についての政府の支援の是非ですとか、どう支援できるかというようなことについてのお考えを教えてください。

答)

今回、震災で被災された方々の既存のローンについては、金融機関において被災者から返済猶予等の条件変更の申し込みに、積極的に対応しているところでございます。

これは私が何度も申しましたように、3月11日、震災・津波・原子力発電所の事故が起きたその日でございますけれども、日本銀行総裁と私の名前で、全金融機関に対し、特に、東北6県と茨城県に本店のある72の金融機関、2,700の支店・営業所がございますが、震災発生当日にお願いをさせていただいたわけでございます。

この中には当然、銀行をはじめ各種の(預金取扱)金融機関、それから生保・損保にも同時に、これをお願いさせていただいたわけでございます。特に金融機関に関しましては、中小企業金融円滑化法というのがございまして、これは努力義務でございますけれども、条件変更にきちっと積極的に対応するようにという法律を亀井静香前大臣のときに作っておりました。これはご存じのように延長になりまして、そういったこともございまして、約400万(社)の中小企業がございますが、震災の前でも約100万(件)近くの条件変更に、応じていたわけでございまして、大変有効な政策だというふうに思っております。そういった中で、さらに一層この条件変更の申し込みに対して、積極的に対応するようにということを改めて日本銀行総裁と私からもお願いさせていただいたわけでございます。

また、新規ローンについては、先般の1次補正(予算)で、中小企業や農林水産業者への実質無利子となる貸し付けなどの金融支援が措置されたところと承知しております。私は何回も言いましたように、金融庁が所掌している金融機関は、主として民間金融機関でございます。これはあくまで、預かった預金を、いずれ利子をつけて返すというのが民間金融機関の大原則でございまして、その中で信用創造機能だとか、あるいは決済機能を持っているというのが民間銀行でございます。民間銀行というのは、当然こういったときに、公的金融機関より一定のリスクをとれないということは、一般的なこととしてあると思います。

そんな中で、中小企業や農林水産業、中小企業の政府系金融、あるいは公的金融というのは、これは利子の補給というのは税金、歳出からできますので、利子の補給をして、例えば5年間無利子だとか無担保だとか、そういった中小企業者や農林水産業者のための色々なスキームが昔からあるということは皆様方ご存じだと思います。

今度の第1次補正予算でも、そこら辺の公的金融に対する利子の補給といいますか、そういったことがかなりされまして、そういった意味で、これら民間金融機関の貸すお金とは、5年間(元本)据え置き、あるいは無利子とか、そういった世界でございまして、かなり違いますので、これを組み合わせていくことが私は大事だと思っています。

いずれにいたしましても、いわゆる「二重ローン」問題については、通常の民間金融による対応だけでなく、幅広く検討する必要があると考えておりまして、先般、総理から改めて各大臣に知恵を出して検討するように指示があったところでございまして、関係大臣とも力をあわせて、政府全体としてよく検討していきたいというふうに、喫緊の課題として、総理も何度も国会でも重要な課題だと言っております。

それから一番の基礎は、私が申し上げましたように公共性の高い、例えば漁港の整備とか、こういうのは、民間金融機関というよりも、むしろ政府、県、市町村、その辺の丸々地元の負担があるところもございますが、これも特例措置で、非常に地元負担を少なくするというようなことをやっておりますので、これはもう100%、いわゆる税金といいますか、歳出でやるわけですから、そこら辺をきちっと組み合わせてやっていきたいと思っています。

ただ一点強調しておきたいのは、金融機能強化法は今、鋭意努力中でございまして、東北6県、茨城県、主に地域的な特徴よりも、今度被災に遭った金融機関を中心に、銀行の自己資本を強化するというふうな法律でございまして、従来は、これはあくまで民間金融機関の経営者が決めることでございますが、平時であれば経営者の経営責任を問うとか、あるいは効率性をきちっと求めるとか等々ございましたけれども、そこら辺は相手が天災でございますから、津波によってこういう状況になったわけでございますから、経営者の責任・努力を超えておりますので、そういった意味で、経営者が望めば自己資本の増強に努めていただきたい。

それから、信金・信組につきましても、これは協同組合の金融機関でございますから、特に、これはある意味で制度的に手厚くさせていただいている法律でございます。いずれにいたしましても、自己資本が増えますと、今度は銀行、民間金融機関がケース・バイ・ケースでございますけれども、場合によっては、その選択の方法として債権放棄ということもでき得るわけですから、そんなことを含めて、しっかり金融機能強化法の特例法をできるだけ早く出させていただきますので、これもそういった二重ローンの解消には、いい方向に働くのではないかというふうに思っております。

少し長くなりましたけれども、よくそこら辺を理解していただければありがたいなと思っております。

問)

今おっしゃったのは公表済みのものですけれども、今検討中のものは(ありますか)。

答)

昨日官房長官も同じ質問を受けて、私と官房長官と衆議院の委員会で話しておりましたが、政府の内部では、色々な可能性といいますか、色々なケースを考えておられるようです。それはまだ水面下の話ですけれども。

問)

みずほフィナンシャルグループの(みずほ銀行)システム障害問題ですけれども、金融庁の検査が先週までに終わっているわけですけれども、みずほ自身も組織改革案などを出していますが、処分は月内に出せそうか、改めて見通しを示していただけますか。

答)

みずほグループのシステム障害、これはご存じのように、東日本大震災のすぐ後に、日本のメガバンクの一つであるみずほ銀行がシステム障害を起こしたわけでございまして、大変重く受け取っておりまして、昨日も申し上げましたが、(みずほグループは)全社的な反省に立ち、自主的・自律的改革に、取り組むこととし、今般、ご指摘の取り組みを取りまとめ、公表したというふうに理解をいたしております。

今回のみずほ銀行のシステム障害については、業務の公共性を有する銀行でございまして、こういうのは非常に決済機能の大事な部分でございます。それも日本の三大銀行の一つでございますから、大変影響も大きいわけでございますから、銀行の決済機能の信頼性を損なったものであり、前も申し上げましたが、極めて遺憾だというふうに、思っております。みずほグループ自らが強い危機意識を持って、この社内改革を着実に実行することによって再発防止、また信頼回復に取り組んでいただきたいということを、前も申し上げましたように、この意図は変わっておりません。

今後の行政対応についてのご質問でございますが、今後、みずほFG及びみずほ銀行に対する検査結果、及びそれを踏まえた両社からの報告内容等を精査した上で、粛々清々と法に基づいて検討していくことになると思っております。

したがって、行政対応について、今の時点では予断を持って言及することは差し控えたいと思っておりますが、今日も各紙大きく載っていましたけれども、今般のみずほグループの取り組みについては、みずほ銀行が設置しました第3者委員会、正式にはシステム障害特別調査委員会というようですが、当委員会における指摘・提言内容等を踏まえて、全社的な反省に立ち、自主的・自律的に社内改革を取りまとめたものであり、その内容についても一定の評価ができるものというふうに考えております。

やはりみずほ(グループ)は、今申し上げましたように、大きなメガバンクの一つでございますし、皆さんは金融関係のプレスでございますから、これは、全世界的に大き過ぎてつぶせないという銀行、SIFIsという問題(があり)、まだこれは決まっておりませんけれども、今、国際的にG8、G20を経てSIFIsをどこの、どういう銀行にするのか(という問題があります)。

例えば、貸付額が大きい銀行にするのかとか、国際的業務をしている銀行にするのかと、いずれにしても、ホットな話題で、進行中でございまして、これは確か、11月のカンヌ・サミットまでに決まるのですけれども、今、日本も金融庁長官、日本銀行総裁が参加しまして、SIFIsをどういうものにするかということを各国で意見を出してやっているときでございます。(みずほグループは)日本でメガバンク、三つのうちの一つには入っているのは事実ですから、国際的にそういったことも見通しながら、この際、みずほ(グループ)にきちっと(社内改革を)していただきたいと(思っております)、(みずほグループは)第一勧銀、富士銀行、(日本)興業銀行という三つの銀行が一緒になってできましたから、色々とございました。預金量が大きくてもなかなか利益が少ないとか、内部において、人事でも一本化しないというところもございます。今度の社内改革を見ても、全部人事は一本化すると書いていますし、ぜひワンバンクに向けて、失われた信頼を回復すると同時に、国民の信頼も大きいがゆえに、大きな企業というのは、大きな企業の責任があるわけですから、その責任をきちっと果たしていただきたいというふうに思っております。

(以上)

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