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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年8月12日(金)9時40分~9時57分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日、郵政改革に関する特別委員会で片山(総務)大臣と私が、12時半から挨拶をするということを決定させていただいたようでございます。今日は閣僚懇で菅総理兼民主党党首をはじめ、関係の方にお礼を申し上げました。皆様方ご存じのように、特に被災地において、郵政5分社化の矛盾が一番噴出をいたしておりまして、基本方針の中にも郵政について(書かれており)、郵便局のネットワークは明治以来から一体のユニバーサルサービスであり、特に東北地方は非常に過疎地も多く、(全部で)1,932(箇所)の郵便局がございますが、このうちかなりの数の郵便局が 被災しております。

特に被災地に行っても、いつかお話ししたと思いますけれども、郵便配達の方が一切、郵便貯金は扱えないと、お金は扱えないと。特に年金の受給は4人に1人が、郵便局 を利用されておりますから、そういったことを皆様方に申し上げたと思いますけれども、今日は閣僚懇の中でも、復興の基本方針の中に入れていただいているということで、是非これは成立するようにしっかり努力させていただきたいので、ひとつまたよろしくご指導いただきたいということを申し上げておきました。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

今の郵政改革法案なのですが、昨日、審議入りを強行したことによって、自民(党)はじめ野党の反発が強まっていて、今国会での成立がかなり困難ではないかという見方が大勢なのですが、その点はいかがでしょうか。

答)

まず、今さっき言ったこととダブりますけれども、郵政改革法案が審議入りに向け、関係会派・党派、あるいは委員の方々に郵政改革担当大臣として感謝申し上げたいと思っております。

これは民主党と国民新党の4年越しの約束でございますので、非常に色々困難がございますが、震災のことは、(先ほど)申し上げましたけれども、これは一つの大きな事態の変革であり、アメリカが20年、30年、特にソ連が崩壊した後、一強のアメリカが強力に推し進めてきた、対外経済戦略の中核の一つが新保守主義、あるいは金融資本主義ということでございまして、これはもうご存じのように、3年前にウォール街のリーマン・ブラザーズが破綻して、いわゆるマネーゲームといいますか、システムそのものが一部破綻をし、今でも色濃く後遺症があるわけでございます。

リーマン・ショックの回復のために、アメリカ政府は財政出動をせざるを得なくなったということでございまして、その負債の部分、財政赤字の部分が、今大変大きな問題になっているということはよくご存じだと思います。また、ヨーロッパの経済を考えても、そのことはよくお分かりだと思います。

日本も、リーマン・ショックで、実態経済が非常に影響を受けたわけでございますから、決して日本も自由ではございませんし、その中でアメリカも結果としてQE2という金融緩和をいたしまして、これが一説によると、先進国においては非常にインフレを助長しているというふうな解説もあるわけでございます。そんなことを色々考えて、非常に大きな世界の経済に、あるいは経済が動けば政治や社会も変わります。日本において、小泉・竹中さんは、まさにそういった改革、当時は構造改革と申していましたけれども、その1丁目1番地が郵政の「官から民へ」の改革であると言ったわけでございます。当時、民主党、社民党、国民新党で作った3党改革の最も政権をかけた、選挙の前の六つの公約の中の一つにも、やはり小泉さんの構造改革の象徴として、これをきちんと改革をするということを訴え上げて、国民のご支持をいただいたわけでございます。

そういった意味では、極めてこの法律は時代の大きな流れ、節目を飾る、日本の政治の中でも、世界の政治の中でも非常に大きな出来事だと私は思います。また国民との公約でもございましたから、果たしていく必要があるというふうに思っております。

今後の法律の成立に関しては、これはもう今言われましたように、私は行政の責任者でございますから、閣議決定をして、特別委員会に私の責任において担当大臣でございますから出させていただいたわけでございますから、ひとつ全身全霊を上げて、国会の中で各党・各会派にもご努力いただいて、ぜひ成立に向けて、色々党派によって賛成・反対があるということはよく知っておりますけれども、「小異を捨てて大同に付く」といいますか、特に被災地の東北地方に行って、私も強く感じたわけでございまして、ぜひ成立に向かってご理解をいただきたいというふうに思っております。

問)

FX取引について、証拠金倍率の規制が50倍から25倍になって強化されたわけなのですが、これが今月から始まって10日余りたったわけですけれども、この間、為替相場もかなり変動があったわけですが、この規制強化の影響を今どのように認識されていますでしょうか。

答)

高レバレッジの外国為替証拠金、FX取引については、わずかな為替変動があっても、顧客が不測の被害をこうむるおそれがあるということから、問題があるというふうに考えております。

このため、個人の顧客を相手方とするFX取引について、一定の証拠金は預託を受けずに取引を行うことを禁止する証拠金規制です。レバレッジ規制が設けられておりまして、ご指摘があったように、8月1日から証拠金規制が強化されて、レバレッジが25倍を超えるFX取引が禁止をされたところであります。

これは、リーマン・ショックの後、ドット・フランク法という法律がアメリカの議会を通りました。これは金融規制改革法でございまして、その中にボルカー・ルールを作るところもございます。そういった意味で、非常に大きなレバレッジをかけ過ぎますと、リーマン・ショックのときみたいに、逆に何かあったときに急速に市場が縮小する可能性があるわけですし、現実にそういう現象が起きたわけですから、そういったことを踏まえて、国際的にも今、きちんと消費者保護・利用者保護、あるいは大きく言えば国の経済の保護、そういった視点でも、G7あるいはG20でもG-SIFIsの話なんかも進んでいますけれども、そういった大きな一連の流れの中にある話だと私は思っております。

そういった意味で、金融庁といたしましては、この証拠金規制の強化によって、投資者保護、我が国のFX取引の健全性が図られることを期待しておりますし、繰り返しになりますけれども、高いレバレッジのFX取引は、わずかな為替変動であっても顧客が不測の損害をこうむる恐れがありまして、今回の証拠金取引規制は、今さっきから繰り返し申しておりますように、投資者保護ということが、3年前のリーマン・ショックにより世界的にも非常に大きな課題になってきておりまして、私は国会でも申し上げましたように、投機マネーというのが、民主主義国家において民主的にコントロールするかということで、ある程度、経済というのは人間が幸せになるためにあるわけでございますが、そういった意味で、人間のコントロールに及ばないところに行ってしまいがちでございますから、きちんと利用された投資者を保護する、あるいは場合によっては国の経済ですら保護するということが、非常に大きな世界の歴史の中において、いわゆるリーマン・ショックを契機とした世界の大きな経済財政政策の中の一環として、私は必要な規制ではないかというふうに考えております。

我が国のFX取引の健全な発展のためにも、また今般導入しました証拠金規制のもとでも、投資者保護及びFXの健全化が図られることは重要であるというふうに私は考えております。

ちょっと長くなりましたけれども、そういったことが全世界的な流れの中でやったのだということも、皆様方ですから、よくご理解いただけると思いますが、ぜひご理解いただければと思っております。

問)

欧州4カ国で空売りの一時的な禁止という措置がとられるみたいなのですけれども、それに関連して、日本はどのように考えていらっしゃるのかということなのですが。

答)

空売り規制については、ご指摘のとおり、昨日来、欧州各国当局において強化の動きが報じられていることは承知いたしておりますが、我が国は、空売りに関しまして、従来、すべての上場株式等の空売りについては、明示・確認義務、価格規制が設けられておりまして、加えてリーマン・ショック以降、空売りの際に株の手当てのない空売り、いわゆるネイキッド・ショート・セリングの禁止ということをやらせていただいたわけでございます。それから、一定規模以上の空売りポジションの報告・公表義務の導入などの時限的措置が講じられているところであります。

いずれにいたしましても、空売り規制について、金融庁としては他国の動向やマーケットの状況などを注意深く見守ってまいりたいというふうに思っております。

問)

マーケットとか他国の動向を見ながらということであれば、それ次第ではやる可能性もあるということなのでしょうか。

答)

もう既に、今申し上げましたように既にやっている部分がございまして、さらに上乗せするかどうかということについては、コメントを差し控えさせていただきたいと思っております。これは個々のことに関しますから、私が言うのは適当でないと思っております。

問)

1ドル76円台と今、超円高の状況が続いています。日本の金融市場に与える影響を大臣はどのように見ていますか。

答)

4日木曜日でございますが、為替介入を受けて、先週後半に一時1ドル80円台前半をつけたのでございます。その後、徐々に円高が進行いたしまして、足下では概ね76円台後半で推移していると承知しております。

この背景としては、全世界的に株安の状態が続いておりますが、受けた投資家のリスク回避姿勢の高まり等が言われておりますが、外国為替については、財務大臣の所掌でございます。財務大臣も大変裂帛(れっぱく)の気迫でございまして、今後の市場動向については、引き続き高い関心を持って、冷静に注視してまいりたいということでございます。これは財務大臣が常に緊張感を持ってやっておられるというふうに、私は委員会でもたまたま一緒になることもありますから、やはり当然、財務大臣は色々な手段があるわけですから、それはきちんと、気力充実しているなというふうに私は思っております。

問)

日本にはどういう影響があるというふうに見ていますか。

答)

日本の金融市場は、円高になりますと、当然皆様方よくお分かりのように、日本はやはり輸出に頼っているところがあるわけでございますから、円高だと輸出が非常に厳しくなります。(一方で)燃料だとか、輸入するものは、安くなります。私も昭和58年から国会議員をやらせていただいておりまして、当時「円高不況」というのがございまして、そんなことも含めて、やはり円高というのはなかなか日本の産業構造を考えて、非常に厳しいことになるというのが過去の経験則でございまして、そういったことを踏まえて、財務大臣もこの前の4日、市場介入をされたのだと思っております。

問)

郵政の法案なのですけれども、実現に向けて努力したいというお話があったと思うのですが、実際的には審議入りしたものの、なかなか審議が進む状況が難しいと思うのですけれども、成立に向けた努力というのはもうちょっと具体的に言うと、どういったことをされていくということでしょうか。

答)

具体的にどうするのかという話でございますが、もうご存じのように、これは130日近く、郵政特別委員会ができたにもかかわらず、審議に入らなかったわけでございます。今日から入らせていただけるということです。今までも2回ほど三権分立における内閣が決めた法律(郵政改革法案)を国会に出させて頂き、ましては衆議院のご判断で、特別委員会を作るということは、私の経験から言っても、大事な法律ですから特別委員会を作っていただいたわけでございます。しかし審議入りをしなかったわけです。審議は各党・各会派、色々賛成・反対があることは、私も分かりますけれども、せめて審議入りをしてくれということを 、2回ほど衆議院議長に、そして議院運営委員長にも申し上げました。

そういったことで、私は法律を出させていただいた当事者でございますから、これは各党・各会派が国会の中で、国権の最高機関である議会で、色々な交渉を、特に国民新党と民主党は与党でもございますから、一生懸命、各党・各会派のご理解を得ながら、やっと審議入りというところまでこぎつけさせていただいたし、今後も、党の役員、幹事長、国対とかそういった方が、最大限のご努力いただけるというふうに信じています。

(以上)

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