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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年12月13日(火)11時07分~11時28分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、特別ございません。

【質疑応答】

問)

先週金曜日に、金融機関からのヒアリング、意見交換会を行ったかと思うのですが、(中小企業金融)円滑化法の延長の是非について、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

今、ご質問にございましたように、9日に開催されました「中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会」において、金融機関としては、中小企業金融円滑化法の有無に関わらず、今後とも、中小企業の金融円滑化に全力を挙げて対応する等の意見が出たと承知いたしております。

いずれにいたしましても、同法の延長の是非等を含めた今後の取扱いについては、我が国経済や中小企業等の資金繰り等の状況、それから金融機関の金融円滑化に向けた取組みの状況等を、今後、十分に見極めつつ、慎重に判断してまいりたいと思っております。

問)

明日、オリンパスが上場廃止の期限ぎりぎりになるのですけれども、決算発表と過去5年分の訂正決算を出すのですが、これについて大臣の感想と上場廃止についての見解を、改めて聞かせていただけますか。

答)

明日、オリンパスが有価証券報告書によって報告するということでございまして、その話はこの前もぶら下がり(会見)で言いましたように、大変注視いたしておりますが、上場の取扱いについては、上場取引所である東京証券取引所において、有価証券上場規程等に基づいて適切に判断されるものと考えております。

問)

東京証券取引所の監督官庁である金融庁の担当大臣として、これだけ長期間に亘って、これだけ巨額の損失隠しで市場を混乱させた(オリンパスの)責任というのは、大きいと感じられていますか。それとも、責任は小さいと思われますか。

答)

オリンパスにおいては、損失の先送りが行われてきたということは極めて遺憾でありまして、正確な実態解明と迅速な情報公開が行われていること、そして、行政としても、法と証拠に基づいてこの問題に厳正に対処していくことが重要であると考えております。

問)

責任はどう思われていますか。大きいと思われますか。

答)

きちんと厳正に対処していくことが重要だと思っております。

しかし、私は最初の頃に申しましたが、個別のケースを以って我が国上場企業全体、市場全体が規律に欠けるものとして評価することは適当でないと思料しています。

問)

新日本監査法人が、独自の検証委員会を設置しました。委員である会計の専門家の方も、今回の問題は日本の証券市場や会計監査制度、ディスクロージャー制度の根幹に関わる事件だと述べていました。大臣、この問題の重要性も、改めて聞かせて頂いてよいですか。

答)

調査報告書では、監査法人の責任について触れられているが、監査法人の調査を(するのか)しないのかということに関連した話だと思いますが、一般に公認会計士法上の問題となっている事案については、必要な調査を行い、法令に則り厳正に対応しているところであり、本件についても適切に対処していきたいと思っております。今、個別の話が出たわけでございますが、基本的には個別の監査法人の活動につき、逐一コメントは差し控えたいと思っておりますが、各監査法人においては、自らの監査の品質を管理するために各種の取組みを行っているところであり、過去の監査に関する検証も、そうした取組みの一つであると認識いたしております。

問)

またオリンパスの話なのですけれども、監査法人の責任はあると思うのですけれども、オリンパスの取引銀行の責任というのはどう捉えていったらよいでしょうか。特に、銀行を監督している立場から(の答えを)お願いしたいのですが、その中で特にメインバンクの責任というのはどうお考えでしょうか。

答)

ご質問の趣旨はよく分かりますが、今の段階では、まだ色々各機関が調査中でございますし、まだ事実が確定していない、あるいは解明されていないところもあるやに思っておりますので、今この段階で行政(機関)の長としてコメントするのは、適当でないと思っております。

問)

郵政改革法案が、結局成立しないまま国会が閉じましたけれども、これについてどうお考えか、ご自身の責任も含めて是非お話しください。

答)

今国会の会期内に郵政改革法案が成立しなかったことは、極めて残念であります。

郵政改革関連法案の成立は、平成21年9月のいわゆる三党連立合意から2年以上の間、累次にわたって各党間で約束されてきたものであり、今の野田総理も(2011年)8月に亀井静香(国民新党)代表と成立を期す旨合意し、また国会においても、内閣を挙げて法案の早期成立を図ると約束してきたところでございまして、野田総理も国会でそのように述べておりました。

しかしながら、1年半、私は郵政改革担当大臣をやらせて頂いておりますが、今度の国会で、初めて郵政改革関連法案の提案理由を委員会でさせて頂けたわけでございます。これは5年前に、国会を解散したような大変大きなテーマでもございましたし、私が何回も言いますように、新保守主義的な政策の象徴として、小泉さんが当時、構造改革の一丁目一番地と言った法律でございます。各党・各会派の中においても、非常に色々な思いがあるということがございます。

しかし、そういった各党・各会派の事情はありつつも、日本郵政グループの経営も大変厳しいということは先般から言っておりまして、もはや時間的余裕がなく、法案がもう2年間近く宙づりになっております。複数の大新聞の社説でも、この法案を宙ぶらりんにしておくのは、国益に反するとの旨を書いて頂きまして、それくらい今、経営が逼迫しております。そういった意味で、特に私が申し上げたのが東日本大震災という最も過酷な自然災害の中で、この5分社化の矛盾というのは被災地において噴出いたしておりますから、そのような事を含めて、この法案が成立しないままでは、震災からの復興(ができません)。ご存じのように、これは民営化でございますから、何も国有化や公社化するというわけでは決してございません。原案を見てもお分かりのように、民営化のままでございますけれども、その中で金融2事業のユニバーサルサービスを制度として確保し、3事業一体(サービス提供)にしようというところがポイントだと私は思っております。なおかつ、株式を売ったお金は、閣議でも決めておりますように、東日本大震災(復興財源)の税外収入に充てるということでございますから、法律が通ればすぐ株式が売れるという甘い状況ではございませんけれども、その可能性が出てくるわけです。この売却による復興財源も、このままでは期待できないわけです。また、私はこの法律が最善だと担当閣僚としては思っておりますが、これは三党で色々閉会中も協議するやに聞いておりまして、ひとつ各党・各会派、知恵を合わせて、従来の立場、流れ、メンツ、色々ありますけれども、その辺を越えて、明治4年から続いた制度の良いところは良いところで、やはり変えるべきところは変えるということでやって頂ければ、これは立法府のことでございますから、行政府の私があまり差し出がましいことは言えませんけれども、そうして頂きたいということを強く希望させて頂いております。

問)

どうもその三党の協議では、これまでの(郵政)改革法案をいったん引っ込めて、今の民営化法を修正するみたいな意見が出ているようですけれども、そうなると(郵政)改革担当大臣というのはどうなるのですか。

答)

今、色々な意見が出ているのは、私も新聞紙上では知っておりますけれども、今一生懸命、議会がやってくれているのですから、今の段階でコメントするのは適当でないと思っています。

問)

通信文化新報の園田です。

今のお話なのですけれども、民営化法の改正で3事業一体のユニバーサルサービスを担保していくためには、どういう措置が必要だと大臣はお考えでいらっしゃいますか。

答)

それは、今の民営化の法律だと、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は100%株式を売ってしまうということでございますが、(改革法案では)そこを3分の1超残す(ということです)。(株式が)3分の1以上あれば、会社の重要な定款の変更、拒否権があるわけです。例えば仮定の話として、全然利益の上がらない農村地帯の郵便局会社と、ゆうちょ銀行の契約を取消すということだって当然あり得るわけですから、そういったときに、それは重大な定款の変更になりますから、きちんとユニバーサルサービスというものを確保するためには、(株式が全体の)3分の1あれば、重要な定款の変更は拒否できますから、そういった意味で3分の1の株式を持つという枠組みになっているわけです。それで、要するに金融2事業のユニバーサルサービスを確保しようという枠組みです。

問)

民営化法の方では、法律の目的に「ユニバーサルサービス」という言葉は入っていませんよね。

答)

今の(民営化の)法律には入っていません。

でもユニバーサルサービスは、郵便だけは確か入っていると思います。だけれども、金融については、あまねく広く公平にというのは入っていないと思います。それを実質、制度的に担保するというのが、今の改革法案の骨子の一つだと思います。

問)

民営化法でも、それはできないことはないということですよね。

答)

しかし、それは制度的にきちんと担保がされていないと我々は思っています。要するに、間違いなく儲からない仕事ですから、公共性と公益性はあるのだけれども儲からない仕事が、完全に民間企業になって持続可能的に継続してやっていけるのかということを思うと、やはり完全な民間の営利事業になってしまうと、私は現実には難しいだろうと思っています。やはりその疑念といいますか、その可能性を感じている人も結構いるわけです。全国町村議会議長会などは、この郵政改革法案の趣旨に賛成していただいておりますが、彼らの賛成の主な理由も、町村というのは、どちらかというと赤字の郵便局が多いのです。だから、(全国)町村議会議長会等が「郵政改革法案を早くやれ。」という趣旨を言って頂いております。そのような町村は、(郵政)民営化法案が通って、10年経ち完全に株式も民営化されたら、「うちの町や村から、郵便局がなくなるのではないか。」、「郵便はあっても、貯金、保険の方はなくなるのではないか。」という恐れを、町村長は多分共有しているのだろうと思っています。

問)

東洋経済の井下です。

(中小企業金融)円滑化法なのですけれども、去年の延長のときは、このコンサルティング機能の発揮というところをより重視するというのもありまして、今年の金融検査でもそこを重点的に見た部分の一つだったと思うのですが、今の大臣の評価として、銀行の円滑化の取組みについては、検査も経てどのような評価をされているのですか。

答)

いずれにいたしましても、円滑化法は、一時的に返済困難であるものの、将来改善見込みがある債務者については、金融機関による貸付条件の変更等を求めるものであり、全然(返済の)見込みがないものは謝絶というのがありまして、今でも95%近く貸付条件の変更に応じていますが、これは、いくらコンサルティング機能を発揮しても、市況が好転しても、やはりこの企業は無理ではないかということで、謝絶するということが残念ながらあります。何が何でも無条件に貸付条件の変更に応じているというわけではございません。当然、民間の金融機関ですから、これはどう見ても、融資を追加しても、あるいは貸付条件を変更しても、これは企業としてやっていけないというものは、今の法律の中でも謝絶という部分がありますから、そういった意味で、これは中小企業債務者の経営改善により、結果として信用リスクが軽減される効果が期待されると考えているわけでございます。そうした中で、中小企業において真の経営改革が図られるためには、単に貸付条件の変更が行われるだけでなく、債務者の返済負担が軽減されている間に、金融機関がコンサルティング機能を積極的に発揮してくれと(いうものです)。

私は何度も申しましたように、金融機関というのは非常に企業経営のノウハウを持っておられるのです。やはり普通の地方銀行でも、何万社という(企業に)融資をしておりまして、本当に各業態、業種、それから地域における企業の経営状態というものをよく把握しているものです。私も国会議員を26年間させて頂いておりますが、(地元の)北九州市では、特に中小企業が多いですから、金融機関の方というのは、「何かこういう売れ筋がある」とか、「あそこはこの物が足らないから、こことここを斡旋すればよい」とか、実によくご存じです。そういうふうに金融機関にはシステムとして、非常に情報が集まってきます。そして(金融機関は)他人からお預かりしたお金を貸しているわけですから、一生懸命コンサルタント機能を発揮するのです。それを積極的に発揮して、各々の債務者にとって最適な経営改善の提案や経営再建計画の策定支援が行われることが重要になります。金融円滑化法、まだ結果は決めておりませんが、いずれにしても銀行が持っているコンサルタント機能を発揮するということは、状況がどう変わろうとも、極端な話、法律がどう変わろうとも、やはり金融機関が本来持っているべき能力だと思っておりまして、このコンサルタント機能を発揮するということは、常に金融機関にとっては大事なことだと思っています。

問)

そういう部分で、4月に監督指針も少し変わって、多少、この謝絶というのも増えてくるのかなと思ったのですけれども、相変わらず申請に対する実行率は高い。この前の意見交換でも、地銀協とか全銀協の方から、やはり繰り返し申請する取引先というのが増えているのだという部分がありまして、何かそういう意味でいうと、潜在的な不良債権のようなものが申請の中でたまっているのではないかという印象を、あの意見交換会の中で少し受けたのですが、大臣として、その辺のお考えはどうですか。

答)

今、言われたのは再リスケの問題ですね。これが結構出ていたということは、私もよく聞いております。やはりそのことも含めて、総合的に最終的判断をしたいと思っています。

(以上)

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