英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年2月14日(火)10時45分~11時09分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日はございません。

【質疑応答】

問)

3点ほど質問させて頂きたいと思っております。

第1点目でございます。欧州の政府債務危機問題につきましては、先週ギリシャで追加の緊縮策が決まったと報じられております。一方、昨日、ムーディーズが、イタリア、スペインなどの国債の格下げというのに踏み切っております。こういった問題を踏まえた上で今後の欧州債務危機問題がどうなっていくのだろうかと。また、日本の金融機関の影響についてどう捉えておられるか。以上第1点目伺えればと思います。よろしくお願いします。

答)

ギリシャでは報道されていますように、昨日13日財政緊縮法案が議会で可決され、EU・IMFによる追加支援の実施に向けて一歩前進がみられたところでございます。15日(水)に予定されているユーロ圏17カ国の財務相の会合で、追加支援の了承が得られるよう、ギリシャにおいてはもう一段の努力が続けられるところであります。

いずれにいたしましても、ご存じのようにこれは確か三つ条件があったと思いますが、一つは財政緊縮案の議会承認、それから二つ目が3.25億ユーロの支出カットの具体的方策の特定、それから三つ目にギリシャ与党党首の書面による緊縮策実施の確約という三つの条件が指し示されたというふうに認識をいたしております。その中の一つの財政緊縮案の議会承認ということが、昨日実施に向け可決されたということでございます。

いずれにいたしましても、欧州債務問題については、今言いましたように三つのうちの最初が(の条件が)きちっと可決されたわけですけれども、合意された枠組みが一つひとつ確実に、実施されていくことが重要であるというふうに考えておりまして、こうした動向を注意深く我が国としても見守っていく必要があると思っています。

なお、我が国の金融システムについて如何にというご質問でしたが、我が国の金融システムについては、総体として健全であり、安定しているが、内外の経済・市場の動向や、それが我が国の金融システムに与える影響についても、引き続き注意深くきちんと緊張感を持って注視してまいりたいというふうに思っております。

問)

2点目でございます。先週末の10日だったと思うのですが、グレーゾーン金利をめぐる訴訟の、東京地裁の判決で国側が勝訴というものがございました。この判決について大臣どのように捉えておられるか伺えればと思います。

答)

お尋ねの訴訟につきましては、2月10日、国が勝訴の判決が出されたことは承知をいたしております。当判決においては、国の主張が認められたものと理解をしております。判決内容の詳細については、司法判断に関わることでもあることから具体的なコメントは差し控えたいというふうに思っております。

問)

最後の1点でございます。2月2日に起きました東証のシステム障害の関係で、現在、報告徴取命令が下って作業中だと思います。現在までの進捗の状況、そして今後の金融庁としての対応の見通しについてお話を伺えればと思っております。

答)

金融庁といたしましては、今般のシステム障害について、投資家の取引が一部行えなくなったこと、これはたしか241銘柄でしたか、我が国の市場への信頼や取引所ビジネスにおける国際競争力に影響を与えかねないこと等の問題があるというふうに考えております。

当日、私もぶら下がり会見をさせて頂きました。したがって、東証においては、原因究明と再発防止策の策定に努めることが重要でございます。

2月2日木曜日でございますが、金融庁から東証に対し、今般のシステム障害の原因や再発防止策について、金融商品取引法第151条の規定に基づいて、金融庁長官が斉藤社長に金融庁においで頂きまして、報告徴取命令を発出したところであります。

いずれにいたしましても、個別の行政対応については逐一コメントをすることは差し控えますが、極めて大事なマーケットですから、非常に大事な金融全体のシステムですから、きちっと引き続き緊張感を持って眺めていくことは大事だと思っております。また、2月2日、東証に対しまして金融商品取引法第151条の規定に基づいて報告徴取命令を発出し、その原因究明と再発防止策の策定について報告を求めたところでございますが、この前記者会見でも言わせて頂きましたけれども、まずは当然ですが、当事者である東証において十分な調査が行われていることが重要だと考えております。その上で、仮に問題が認められた場合には、金融庁としては必要な厳正な対応を検討してまいりたいというふうに思っております。

問)

昨日、大阪の橋下さんが、船中八策の骨格を示しました。参議院の廃止ですとか首相公選制の導入など、かなり思い切った内容が含まれたと思うのですけれども、これについてのご感想と、参議院の廃止ですとか首相公選制について共感できるか、全く共感できないか、教えてください。

答)

橋下さんが、船中八策を、何かそれにちなんで色々言われたということは、私も新聞・テレビ報道で知っております。その中に、参議院議員の廃止というのがございましたけれども、私自身が参議院議員になりまして、衆議院に22年間いましたし、参議院に4年半おらせて頂いて、私は今たまたま国務大臣ですが、一つの法律でも衆議院と参議院二つ審議があるわけです。色々なご意見があると思いますが、戦前の日本を振り返ってみても、やっぱり権力というのはきちっとチェックされないといけないと思っています。

そういった意味で、衆議院と参議院、両院のことは色々ご意見のあるところですけれども、これは、参議院議員自見庄三郎としての意見ですが、両院を経験して、それは権力のチェックあるいは不備なところの補い、確かにねじれになったら国の統治がうまくいかないというふうな意見もありますけれども、それはそのときの民意でございますから、やっぱりそれを超えて、一つ国会の中でまとめるというふうな知恵と努力が必要なわけでございます。そのための一つが、両院協議会の機能を強化しようなんていう意見も参議院にございました。私自身も両院協議会、2回か3回出まして、確かに両院協議会というのが、憲法上設置されているけれども、あれは、長い間、自由民主党は政権与党でしたから、非常に形骸化しているというふうなことを私自身も経験しまして、やっぱりあそこで本当にきちっと衆議院と参議院の妥協を図るというか、妥結を図るという意見も両院にございます。

そんなことも色々苦労をしながらやっていくことが必要であって、私自身の経験を踏まえて、参議院廃止に、「はい、そうですね。」とは(言いづらいと思っております)。ある意味で、暴走し出すと権力というのはやっぱり怖いのです。もうそれは歴史が教える常ですから。そういう意味では、民主主義国家というのできちっと、世界で両院があるところもありますし、1院だけの国もありますけれども、日本の伝統と歴史、あるいは戦前、戦争に突入したというようなこともございますし、そんなことを踏まえて、やっぱり私は権力というものはできるだけ抑制的に行使されるべきだろうという自分の考えを持っています。衆議院と参議院があるということは、私は自分自身が今、予算、あるいは金融庁が出した法律でも衆議院と参議院と両院で審査を受けています。15年前も、私、(郵政大臣を)やらせて頂いておりましたが、その辺の経験を振り返って、衆議院と参議院では、なかなか角度の違うようなご指摘を受けることもございますし、それはそれなりの民意ではないかなというふうに私は思っております。

ですから、参議院を廃止ということに関しては、私はまさに自分が経験したことでもございますし、すぐ、「そうですか、分かりました。」とはなかなか言いづらいと思っております。

問)

共感はされますか、されませんか。

答)

率直に言えば、日本は自由民主党が非常に長い間政権与党でした。私は一昨年ですけれども、議員25周年の演説の中で(言いましたが)、私もその中に22年間いまして、そのときの自由民主党は細川内閣のときに10か月間だけ野党になりましたけれども、それから国民新党で参議院に上げて頂いて野党の経験を1年半して、また政権与党にならせて頂いたのですけれども、やっぱり与党と野党というのは、率直に申し上げれば、政権与党だから見える日本の姿があります。また政権与党だから見える人の心があります。それから、逆に野党でしか見えない日本人の部分、仕組み、それから野党を応援される方の人の心ってあります。

やっぱり、私はささやかな経験しかありませんが、与党も野党も経験することが政治家として、全日本国が見えると言ったら、それ程、のぼせあがって言うことではありませんけれども、確かに与党と野党と両方の経験、私は与党、野党、与党、野党、与党と経験させて頂きましたけれども、きついことも非常にございましたけれども、結果として、政治家として、人間として、非常にいい経験だったなというふうに思っております。

問)

今、民意というお話がありましたけれども、各報道機関の世論調査で、大阪維新の会に期待するという答えが非常に高い数字を出しているのですけれども、これに関してはどうですか。

答)

率直に言えば、今、既成政党は衆参のねじれ現象もございまして、なかなか物事が決定できないということに、一般の方が非常に批判を強めておられるということは、これは私の責任でもありますけれども、小さな政党とはいえ、国民新党の副代表でございますから。

そういった意味で、やっぱり今さっき、両院議院協議会の話をその一例として言いましたけれども、何かルールを(作ることが必要だと思います)。例えば、アメリカだって今、オバマ大統領と議会とねじれております。フランスだって、大統領は社会党だったけれども、議会は保守党だというので、コアビタシオンと言いましたかね、そういった制度を経験しているわけです。それは、ある意味で成熟した民主主義国家は、そういったことを乗り越える知恵と英知といいますか、それが議会制民主主義というのを維持していくために必要だというふうに思っております。

非常に、世論調査を見ても、大阪の市長さんの言われることに非常に国民が共感を覚えているということは、我々は反省を含めてきちっと国民からそういう点で大変お叱りを頂いているというふうな謙虚な気持ちを忘れたらいけないと思っています。また、しっかりと努力をしていかなければいけないなと(思っております)。これは主に党の話ですけれども。議会制民主主義ですから、各政党の、党の方々がしっかり努力頂ければありがたいなというふうに思っております。

問)

今の質問に関連して、先ほど権力の暴走というのは怖いものだというご指摘ありましたけれども、橋下さんに対する受け止めで、その暴走という意味も絡めているのでしょうか。橋下さんの動き、どう思われていますか。

答)

率直に言えば、私は河野洋平さんがつくった新自由クラブ、それから細川さんがつくった日本新党、あのときの凄まじい勢いを経験した政治家でもございます。今すさまじい勢いですけれども、その辺を冷静に見ているところもございまして、いかなるものになるのかなと。今の時点で、あんまりコメントするのは私の立場としては適当ではないと(思います)。各政党は各政党で色々アプローチしたり、色々言っておられますけれども、行政府の長としては、政治家としても、あんまり今の時点で、ちょっとまだ様子見というところがあると思っております。

問)

通信文化新報の園田です。

郵政改革についてなのですけれども、いわゆる国民新党案、今出てきている案についてどういうふうに見ていらっしゃるのかということと、あと、それでもまだ合意できていない現状というのをどのように見ていらっしゃるのかという2点をお願いします。

答)

郵政改革については与野党で協議しているところであり、各々の案についてのコメントは、私の立場としては差し控えさせて頂きたいと思っております。

なお、郵政改革については、郵政グループ各社の厳しい経営状況、株式売却による震災復興財源の確保等を踏まえて、一日も早い法律の成立が期待されているところでございます。また国会でも野田総理大臣も内閣を挙げて郵政改革の今国会での実現に全力を尽くすと述べておられますし、また、私はずっと1年数か月(郵政)担当大臣でございますが、一日も早い協議がまとまることを期待するとともに、法案の早期成立に向けて努力したいと思っておりますが、ご存じのように、前の国会で初めて郵政改革特別法案の趣旨の説明をさせて頂きまして、1日だけ質疑を受けさせて頂きました。

私はそういった意味では、匍匐前進といいますか、本当にスピードが遅いということでよく怒られるわけでございますが、間違いなく(進んでいます)。そしてまた、今、各与野党間で協議ということに正式に郵政改革委員会の理事で、確か6人だったと思いますが、昨日、12回目の協議をして頂いております。確かに意見が違うところもございますけれども、意見が一致したところもあるわけです。そういう場ができたということでも、私は政権交代して2年半、大臣が私になって1年数か月ですけれども、間違いなく一歩一歩ですけれども、テンポは遅いのですけれども、匍匐前進しているというふうに私は認識しています。

ぜひ各党、与野党それぞれの立場、意見、党内にも色々抱えておられるのはよく分かっていますけれども、やはり小異を超えて、明治4年以来140年続いてきた3事業一体、それからやっぱり一つの日本の伝統と歴史に非常に色濃く根差したようなところもございますから、そういった郵政事業が今まで国民に果たしてきた、まさにそういった役割、そんなことを特に(協議しています)。私は申し上げたと思いますが、東日本大震災の現地に行って、75歳ぐらいのおばあさんから怒られまして、昔は郵便配達の人が来たら、特に田舎でもう本当に僻地で、75歳ぐらいの日本の女性の方というのは車が運転できない人が多いですから、大体郵便配達の人が来たら郵便貯金通帳を渡して、「私の公的年金が2か月に一遍入りますからね、取ってきてください。」って言って大体印鑑を預けたら、田舎では特に、「はい」って言って、また次の日に通りかかったときにちゃんと(お渡しします)。当時はみんな国家公務員でしたから、共同担務と言って3事業一体で、誰か何をしてもいいと。郵政3事業であるということで、当然合法的な話でございますが、そういうサービスというより地域活動ですね、小まめにやっていましたし、やりなさいというのが、私も15年前に郵政大臣をしまして、しっかり地域に根差した活動をしなさいと言っていたのですけれども、今は全く5分社化で、それは郵便配達の方がお金を扱えば、それだけで完全に違反です。

そういった意味で、私は三つの県に当然行かせて頂きましたし、色々なレベルでの郵便局を視察に行かせて頂きましたけれども、本当に5分社化の矛盾というのが、特に被災地において噴出しています。

そういったことと、もう一点、岩手県の釜石市ってありますね。製鉄所ができたところです。私は、(出身が)北九州市ですが、古くから釜石市と北九州市は姉妹都市でございまして、釜石市に行ったら、合計数千人北九州市の市役所の役人が助けに来たと言っていました。北九州市で、昔で言う八幡製鉄ですね、今で言う新日鉄の溶鉱炉があった街でございますから、非常にそういった意味では、(釜石市とは)兄弟都市、姉妹都市でございます。(釜石市の)市長、市議会議長にお会いしたのを、今でもよく覚えています。議長が、「自見さん、大震災の後、電気も消えたと、電話も通じなかった。」と。しかし、大阪の自分の友達に手紙を出したというのです。そうしたら1週間後にちゃんとその手紙が着いていたというのです。自分でもびっくりしたということを言っていました。「自見さん、ぜひこういう(郵政ネットワークという)仕組み、制度(を残して欲しい)」(と言われました。)それもよくお分かりのように(日本郵政では)59人がこの前被災で亡くなられまして、JTとかNTTとかJRとか、全国的組織では、残念ながら日本郵政が一番亡くなられた方が多いわけでございます。心からお悔やみ申し上げる同時に、それはユニバーサルサービスですから、どんなリアス式の町にも村にも全部郵便局はあるわけです。そこに、津波が襲ってきたわけですから、構造的にたくさんの亡くなられた方を出したということもございまして、私も本当に胸の痛む思いでございます。

そういった中で、自分の家族も被災に遭いながら、それでも使命感を持って、郵便局の1階はもう全部流れたから、2階で臨時の郵便の区分所を机の上でつくりまして持っていったというような話も、現地で見ていました。そういったことを乗り越えて、たった1枚の郵便、たった1枚のはがき、手紙と皆さん方思われるかも知れないけど、それをきちっと釜石から大阪まで運ぶというのは、たくさんの人と努力が重なっているわけです。そういったことはきちっとこの世界に残して欲しいというふうに私は思っています。

どうもありがとうございました。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る